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【開催中〜7/21(月・祝) 兵庫県・姫路市立美術館】
2025.5.3
世界的ファッション・デザイナー髙田賢三、没後初の大規模回顧展「大阪・関西万博記念事業 髙田賢三展 パリに燃ゆ、永遠の革命児」
©毎日新聞社
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2020年に惜しまれつつ逝去したファッション・デザイナー、髙田賢三の没後初の大規模回顧展「髙田賢三展」が、姫路市立美術館にて7月21日(月・祝)まで開催されている。
ブラウス、スカート blouse, skirt 1994 姫路市立美術館 Himeji City Museum of Art ©福永一夫
プルオーバー pullover 1970-1971AW KENZO PARIS ©Kenzo Heritage, Photo by Elie Bianco
斬新なアイデアと日本人ならではの感性を武器に、常識を打ち破るスタイルを次々と発表してきた髙田賢三。1970年にパリで自身のブランドを立ち上げた彼は、直線裁ちの着物袖やダーツを省いたゆとりあるフォルムや、鮮やかな色使いや大胆な柄の組み合わせなど、従来の西欧中心のファッションの枠組みにとらわれない新たな衣服を提案し続けた。
ブラウス、スカート blouse, skirt 1976SS KENZO PARIS ©Kenzo Heritage, Photo by Elie Bianco
本展では「日本のきれ」を使った初期の作品から、世界各地の民族衣装に着想を得たフォークロア作品までを一堂に展示。さらに、幼少期から描いていた絵画や、創作の源泉となった資料、衣装のデザイン画なども紹介し、日本人デザイナーの先駆者として世界で活躍した髙田賢三の人物像に多角的に迫っている。
ドレス dress 1982-1983AW ©Kazuko Masui
さらに、日本を代表するモデル、山口小夜子が纏ったマリエ(ウェディングドレス)も登場。およそ20年にわたって集めたリボンを用いて制作されたこの大作は、ドレスそのものに加え、制作過程を記録した写真資料とともに展示されている。
ベスト、スカート vest, skirt 1994 姫路市立美術館 Himeji City Museum of Art ©福永一夫
このほか、KENZOブランドを受け継ぐ現クリエイティブディレクター・NIGO氏の作品や、髙田が晩年を過ごしたバスティーユの旧邸のクローズアップ展示も。パリ市長アンヌ・イダルゴ氏からは「最もパリらしい日本人デザイナーのひとり」との賛辞が寄せられ、彼の名を刻んだ銘板がギャルリー・ヴィヴィエンヌ前に設置されるなど、その功績は今なお世界的に称賛されている。
カーディガン、スカート cardigan, skirt 1988-1989AW KENZO PARIS ©Kenzo Heritage, Photo by Elie Bianco
髙田賢三の生まれ故郷、姫路で開催されるこの回顧展は、稀代のクリエイターの生涯にわたる創作活動に、あらためて触れることのできる貴重な機会となるだろう。
◆「大阪・関西万博記念事業 髙田賢三展 パリに燃ゆ、永遠の革命児」
【会期】開催中~2025年7月21日(月・祝)
【開館時間】10:00~17:00(※入場は16:30まで)
【休館日】月曜日(※ただし月曜祝日の場合は翌平日閉館)
【会場】姫路市立美術館(兵庫県姫路市本町68-25)
【観覧料】一般 1,500円、大学・高校生 1,100円、中学・小学生 800円
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林 信行の視点
2025.5.3
分断の時代、世界の注目を集める日本で 158カ国が参加する「大阪・関西万博」が開幕
今回の万博の象徴とも言えるのが「多様でありながら、ひとつ」という会場デザインの理念を表した「大屋根リング」。日本の神社仏閣などの建築に使用されてきた伝統的な貫(ぬき)接合に、現代の工法を加えた1周2km、高さ最大20mの世界最大の木造建築。基本設計・実施設計・工事監理は2025年日本国際博覧会 会場デザインプロデューサーの藤本壮介。基本設計は東畑・梓設計共同企業体。
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分断の時代、万博と縁の深い日本に158カ国が集結
4月13日、大阪・関西万博が開幕した。「人類の進歩と国際協調を促進する国際イベント」である万国博覧会。紛争中のパレスチナとイスラエル、ウクライナなどを含む世界158の国・地域と7つの国際機関、多くの企業、そしていくつかのテーマを掲げたパビリオンが出展している。
今の世界の縮図とも言える、こうした種々雑多な展示が「いのち輝く未来社会のデザイン」という1つのテーマの下、1周2kmの世界最大の木造建築「大屋根リング」の内側及び周辺に集まっている。大屋根リングの上を散歩しながら、これらのパビリオンを見下ろすと自分と今の世界とのつながりを感じることができる。これは滅多に得られない貴重な体験だ。
それぞれの国や企業が、自らの国を一番良く見せてくれる展示物やパビリオンを模索し出展している。
例えば内部にコロッセオを模した構造を持つイタリア館では2000年前の古代ローマ時代に作られた大理石の彫刻「ファルネーゼのアトラス」やレオナルド・ダ・ヴィンチの直筆スケッチを展示。同じイタリア館内にあるバチカン・パビリオンは「美は希望をもたらす」をテーマに、ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラバッジョの傑作『キリストの埋葬』を展示している。 「愛の讃歌」をテーマに掲げた劇場のような形をしたフランス館では、美術館以外での展示は初めてというロダンの手の彫刻や、万博会場でも1番のパワースポットと称される樹齢1000年のオリーブの樹を中心にした展示が行われている。
また米国は月の石を、中国は月の裏側の砂を展示している。
次回2030年の万博が開催されるサウジアラビアのパビリオンは、パビリオンに1歩入った瞬間からまるでサウジアラビアに迷い込んだような雰囲気に包まれ伝統的なダンスやコーヒーを楽しむことができる。
イタリア館は「L’Arte Rigenera la Vita(芸術が生命を再生する)」がテーマ。日本初公開となる紀元2世紀、古代ローマの印象的な大理石彫刻「ファルネーゼ・アトラス」は科学的知識と巧みな芸術的技巧の融合を象徴した同館のシンボルとなっている。
フランスと言えば多くの人がイメージする「アムール(愛)」をテーマに「自分への愛」、「他者への愛」、「自然への愛」をテーマにしたそれぞれに見応えのある展示を赤い糸でつなぎ合わせたフランス館。同国を象徴するメゾンによるラグジュアリーを感じさせる展示も目を引くが、中庭にある南仏から運ばれた樹齢1000年のオリーブの樹も目玉展示の1つ。開幕直後には、この樹木の前で神道の儀式も行われた。
日本館では「南極観測隊」が発見した約1000万年前に南極に落下した火星の石や、日本独特の技術(ゴミを資源に変える技術や無数の藻類を使って新しい素材を生み出す技術、あえてやわらかくこわれやすく作る技術)がわかる展示が行われている。
通常なら美術館や博物館で見るようなすごい展示物が世界中から集まり一堂に介しているというだけでも凄いことだが、これに加えて会場のそこかしこで常にどこかの国の民族衣装を着た人々によるパフォーマンスやパレード、トークなどのイベントが行われている。
1851年にロンドンで始まった万国博覧会。1928年に運営組織の博覧会国際事務局(Bureau International des Expositions、BIE)が設立されたが、実は日本と万博は驚くほど縁が深い。
1878年のパリ万博は、その後、印象派やポスト印象派、アール・ヌーヴォーなどの芸術に大きな影響を与えた「ジャポニスム」ムーブメントを広めるきっかけとなった。その92年後、1970年の大阪万博はアジア初の万博となり、今なお最も成功した万博となっている。来場者は6420万人で、2010年の上海万博(7300万人来場)が開催されるまで歴代1位だった(現在は2位)。
2005年の愛知万博(愛・地球博)は21世紀初の万博であり、そして今回2025年の大阪・関西万博が日本で3度目のBIE認定「登録博」だ(万博には現在、他に特別テーマに絞った中規模で3ヶ月間開催の「認定博」がある)。
コロナ禍後、旅行先としても人気の日本で行われる3度目の万博というだけで十分、注目に値しそうだが、実は直近の2015年のミラノ万博、2020年のドバイ万博で来場者数・評価ともに屈指の人気を誇ったのが日本の展示で、展示デザイン部門で連続金賞を受賞している。228万人が訪れたミラノ万博の日本館は、ホスト国イタリアのパビリオンを上回る人気で、並ぶことを嫌うイタリア人が最長9時間も並んだことでも話題になった。そんな日本が今回はホスト国ということからも万博への期待感は大きい。
現在、世界に目を向けると、大国間で強くなる自国第一主義で国際関係の緊張感が高まり、国際連合やWHOなどの国際機関が十分な役割を果たせないことも多い。
そんな中、今回の万博には158カ国が参加を行った。上海万博の246カ国、ドバイ万博の192カ国にこそ及んでいないが歴代3位で、1970年の大阪万博の倍以上、2005年の愛知万博よりもさらに40カ国近く多い。
三カ国の中には紛争中のイスラエルのパビリオンもあれば、中小の国々が共同出展するCOMMONSという建物の中に、紛争相手のパレスチナの展示もあり、伝統的な刺繍などの一部展示品がイスラエルの軍事占領のため輸送が遅れていると空の展示台が置かれ、それがかえって話題となっていた(イスラエル側はこれを否定。展示品は4月24日に無事に届き展示が始まった)。同様に紛争中のウクライナのパビリオンもあり、ロシアの侵略から守り抜こうとしている民主主義の価値をテーマにした展示を行なっている。
この万博会場には、各国の要人も訪問予定で、開会式には日本の天皇皇后両陛下が訪れた他、デンマークのフレデ<wbr />リック10世国王陛下が同国のナショナルデイに合わせて訪問され<wbr />た。今後も5月21日のオランダのナショナルデイには同国のウィレム=アレクサンダー陛下が訪問予定。さらにウクライナのウ<wbr />ォロディミル・ゼレンスキー大統領が訪問の意向を示し、<wbr />日本政府はドナルド・<wbr />トランプ米大統領にも訪問の打診をしている。
迎賓館に受け入れる海外の王族や首脳といった要人とその同行者は2千人規模になると言われている。それに加えて例えばイタリアのトップブランドを束ねる団体の代表が訪れてイタリアと日本のトップデザイナー、トップシェフによるパネルを開きつつMADE IN ITALYをプロモーションするイベントが行われるなど、これから半年間、まさにこの万博会場こそが世界の国際交流の中心地となる。
大阪・関西万博では、こうした対立関係にある国々も含めすべての参加国と7つの国際機関のパビリオンが全て同じ大屋根リングの内側に収まっている。
世界中から評価が高いデザイナーnendoの佐藤オオキを総合プロデューサー/総合デザイナーとした日本館。「ゴミ」から「水」へをテーマにしたPlant Area、「水」から「素材」へをテーマにしたFarm Area、そして「素材」から「もの」へをテーマにしたFactory Areaの3つで構成され、日本が得意とするものづくりへのアプローチを紹介。中央部分には水盤を張った中庭があり、その手前に南極探検隊が発見した火星の石が展示され、極薄にスライスした火星の石は触れる展示になっている。
2030年のリヤド万博を控えたサウジアラビアのパビリオン。英国を代表する建築家、ノーマン・フォスター卿のFoster+Partnersがサウジアラビアの伝統的な都市構造物から着想を得てデザインしたパビリオンは中に入るとサウジアラビアの砂漠に迷い込んだような世界観に包まれる。中央の広場では時折、クバイティ舞踊と言われる伝統的なダンスが披露される。伝統的作業で作られるカルダモン入りのコーヒーやレストランで供される食事も人気だ。
民間企業や団体が集まって未来社会の課題やビジョンを展示
万博会場にあるのは、国や国際機関のパビリオンだけではない。大屋根リングの東側の「東ゲートゾーン」には、すべての人々が真に平等に生きる世界を目指した「ウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier」(内閣府、経済産業省、リシュモン ジャパン株式会社 カルティエ、博覧会協会)や未来の医療や食などについて学べる「大阪ヘルスケアパビリオン」(大阪府、大阪市、公益社団法人2025年日本国際博覧会大阪パビリオン)のような博覧会協会が関わるこれからの社会で重要となるテーマを掲げたパビリオンがある。
建築家・永山祐子が手がけ、日本の「麻の葉文様」と「アラベスク」を組み合わせて表現した立体格子が印象的だったドバイ万博「日本館」の建材を再利用してつくられたウーマンズ パビリオンの外観。
オリンピック中のショーなどを手掛けたことで知られる舞台美術家、エズ・デブリンによる内装デザインで、吉本ばななを含む3人の女性の人生の物語や、現代社会における女性の立ち位置を理解するさまざまな統計に触れることができる。美しい中庭を有する屋上部分の横には管ファンレンスホールがあり、さまざまなトークイベントが行われる予定。
「西ゲートゾーン」の周辺には「未来社会ショーケース」という名の下、スマートモビリティ、グリーン、アート、フューチャーライフなど6つのテーマの下で合計21の展示やイベントが行われている。
目玉は「空飛ぶクルマ」でその魅力を没入体験で紹介するシアターがある他、時折、専用離着陸場でのデモンストレーション飛行も行われている。
もう1つの目玉は博覧会協会と12者の企業・団体が共創した「15アトラクションによる未来体験」を展示した「未来の都市パビリオン」だ。
このように複数企業が手を取り合って出展したパビリオンに加え、コミュニケーション、エネルギー、医療、エンターテイメントなどの分野の企業が、単独で出展した民間パビリオンも13館ある。
NTTパビリオンは人類のコミュニケーションの歴史を振り返る展示も見応えがあるが、2030年に社会実装予定の空間伝送も可能な次世代情報通信基盤「IOWN」で、Perfumeの音楽ライブを空間伝送、3Dなばかりか振動まで伝わるそのライブ映像の記録を体験することができかなり見応えがある。
パソナグループによるPASONA NATUREVERSEは漫画家・手塚治虫の人気キャラクターによるストーリーを絡めながら、iPS細胞で作った心臓など未来の医療のあり方を展示。
住友館は、森を発展の礎にしてきたという400年の歴史を持つ同グループの原点の山々を美しい木造パビリオンで表現。その中に「UNKOWN FOREST」という来場者が自由に探検できるテーマパーク型展示や予約制の植林体験プログラムを用意した。
PARALLEL TRAVEL、「時空を旅するパビリオン」を標榜するNTTパビリオン。次世代情報通信基盤「IOWN」による空間伝送技術で、開幕直前に1970年の万博会場で行われたPerfumeのライブ公演をその振動まで含めて3Dで伝送。その記録映像を追体験することができる。心を打つコミュニケーション技術の歴史を振り返る展示などもある。リオ・オリンピック閉会式での日本の演出も担当したクリエイターチームの作品はいずれも圧倒的にクオリティが高い。
住友の森で育ったスギやヒノキで作られた美しい木造のパビリオンが目を惹く住友館。不思議な形状は住友グループ発展の礎となった愛媛県別子銅山の山の嶺をイメージしている。このパビリオンの中には本物さながらの森が広がっており、ガイド役のランタンを手に探検して森の生き物や風の精と交流しながら森の生態について学べる人気アトラクションとなっている。森の数箇所にはアーティストによる美しい動物のアニメーションや切り絵作品も隠されている。最後のシアターでは風の精を演じるダンサーが美しい映像の中で踊って森の物語を伝える。予約制の植林体験や未来につながる発想の種を紹介するコーナーもある。非常に完成度が高く販売している商品の1つ1つにまで面白い工夫やストーリーが溢れているおすすめのパビリオン。
民間パビリオンの中には企業だけでなくNPO団体も出展している。
BLUE OCEAN DOMEは、2019 年のG20 大阪サミットで発表された、海洋プラスチックごみによる追加的な汚染を2050 年までにゼロにすることを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」の実現に向けて、海洋資源の持続的活用と海洋生態系の保護をテーマとした特定非営利活動法人ゼリ・ジャパンによるパビリオンで、建築家坂茂による3種類の素材を使った3つのドームの中で、日本の匠の技を使って水の循環を見せた展示や、超高精細・巨大球体スクリーンによるこれまで見たことのない映像体験で海の物語を見せたり、海に関しての叡智をインタビューした映像を披露したりしている。
パビリオンという体裁にこそなっていないが、飲食店として出店している店舗も、それぞれに未来に向けての提言やチャレンジを行なっている。例えば回転寿司チェーン、スシローの万博会場内店舗では地球温暖化で問題になっている磯焼け現象で痩せ細ったウニなどを陸上養殖して太らせた環境に配慮した「あしたのサカナ」シリーズを提供。子供たちがゲーム感覚で楽しみながら環境問題を学べるコンテンツなども店内に用意している。
「海の蘇生」をテーマにしたBlue Ocean Domeは建築設計は坂茂、総合プロデュース・展示企画は原研哉の隠れた注目ブースだ。3つのドームで構成されるが「循環」をテーマにしたドームは竹集成材、「海洋」をテーマにしたドームはCFRP(カーボンファイバー炭素繊維強化プラスチック)、「叡智」を集めたドームは紙管で作られている。2つ目のドームにある高さ17mの球形のディスプレイは、これまで人類が見たことのない映像体験として注目を集めている(映像はWOWが制作)。
自然の大切さを感じる万博、日本を代表する8人のプロデューサーが展示
1970年の大阪万博では、アーティストの岡本太郎がテーマ展示プロデューサーに選ばれ、今も残る「太陽の塔」などを手掛けた。
これに対して、今回の万博では、すべてを1人に任せるのではなく異なる分野で活躍する8人の専門家をテーマ事業プロデューサーとして選任。生物学者の福岡 伸一、アニメーション監督の河森 正治、映画作家の河瀨 直美、放送作家の小山 薫堂、アンドロイド研究の世界的権威で大阪大学教授の石黒浩、音楽家でSTEAM教育家の中島さち子、メディアアーティストの落合陽一、慶応義塾大学教授の宮田 裕章が、それぞれ「いのちを知る」、「いのちを育む」、「いのちを守る」、「いのちをつむぐ」、「いのちを拡げる」、「いのちを高める」、「いのちを磨く」、「いのちを響き合わせる」をテーマに8つのパビリオンをプロデュースしており、これらは今回の万博の中心展示の1つとして水を使ったショーが行われるウォータープラザの近くに建てられている。
最も注目を集めているのは「人類が見たことのない光景」を目指した落合陽一の「null²(ヌルヌル)」。落合が最強の映像装置とする鏡面で全体を覆ったパビリオンは周囲の風景や来場者、空模様を映し続け、そうでなくても常に見え方が変化をしているのに、そこにさらに低音による振動やロボットアームによる変形で面を歪ませ変化をつけている。この外観だけでもかなり奇抜で楽しませてくれるが、内側も全面鏡張りで落合が予見するデジタルが自然と同じくらい当たり前になった未来を予見させる変化し続ける映像となっている。さらに体験予約をした人はあらかじめ自分のデータを登録しておくと、そこに自分のデジタルの分身を投影することができる。
もう1つ注目なのは石黒浩による「いのちの未来」館でアンドロイドが当たり前に社会に溶け込み、人類が身体の一部を機械化し始めた50年後の社会と、人類が自らの身体をデザインするようになった1000年後の未来を見せる体験型展示となっている。考えさせられるテーマも多い物語の体裁をとっており、まるで映画1本を見たような充足感がある。
河瀨直美は、人は立場の違いから「分断」をするが「対話」をすることができると、来場者から選ばれた一人が、あらかじめ用意されたテーマを元に一期一会の対話を行い、他の参加者がそれに耳を傾ける「Dialogue Theater –いのちのあかし–」をプロデュース。取り上げたテーマだけでなく、奈良と京都の廃校となった校舎3棟を移設して作られたパビリオンや植物を大切に養生して移植した庭が他のパビリオンとはまったく異なる落ち着いた雰囲気を作り出している。
福岡 伸一の「いのち動的平衡館」は38億年の地球上の生命のドラマを32万個の繊細な光の粒子で描き、福岡による「いのち」とは何かという見立てを紹介している
河森 正治の「いのちをめぐる冒険」は交配や食物連鎖を生命の合体・変形と捉え、それを没入型体験を始めとする6つの体験(とバーチャル体験)で紹介している。
放送作家の小山 薫堂は「いのちをつむぐ」をテーマに日本文化の中でも世界的に最も注目されている「食」に関してのさまざまな知見を集約した「EARTH MART」をプロデュース。過去記事:大阪・関西万博 探訪1. 小山薫堂館「EARTHMART」がつむぐ命の物語
中島 さち子の「いのちの遊び場クラゲ館」は子どもも楽しめる遊び場のようなパビリオンで全国の祭りの映像や音楽の生演奏などが楽しめ、宮田 裕章の「Better Co-Being」では世界的な建築家ユニットのSANAAによる屋外型パビリオンや塩田千春、宮島達男そして宮田自身らによる作品の協奏を楽しむことができ、天気の良い日限定で、人工の虹を楽しむことができる。
これだけでも既に十分の見応えのある万博であることが伝わるだろうが、それに加え会場のそこかしこに日本を代表するアーティストによるパブリックアート作品の展示、ポケモンなど日本を代表するキャラクターの展示、さらには将来が期待されている日本の若手クリエイターたちによる休憩所やトイレなどがあり、そのそれぞれが建築として造形であったり、技術であったり、建材のストーリーだったりで楽しめるようになっている。
落合陽一がプロデュースしたnull²(ヌルヌル)は、鏡面が波打ち、風景をとろけさせるように変形する有機的モニュメント。落合曰く「鏡は最も高解像度なリアルタイムメディア」だが、変形するこのモニュメントはその風景を変換し続ける。外側が物理的な鏡なのに対して、内部は情報を生成するデジタルな鏡。両者が折り重なったこの構造は、落合が目指すテクノロジーと自然が溶け合う「デジタルネイチャー」の思想を体現している。
石黒浩プロデュースの「いのちの未来」では、アンドロイドや、延命のために身体を機械化した人間が当たり前に社会の一員として生活している50年後の未来社会を用意されたストーリーを通して追体験する構成になっている。地下空間にはファッションデザイナー廣川玉枝らとの協業で作った人類が自らを好きな姿にできる石黒が考える空を自由に浮遊する1000年後の人類が展示されている。
未来的な展示の多い万博会場の中で、そこに毎日通った生徒たちの温もりを感じさせる河瀨直美のパビリオンは異色の存在だ。シアターでの対話の体験も素晴らしいが、奈良や京都から移築された木造の校舎や庭園が心を落ち着かせてくれる。
人工的なパビリオンが多い万博会場。その中央には伐採予定だった樹木を移して作られた「静けさの森」があり中央には池もある。心を落ち着かせ、万博で見聞きしたいろいろなことを整理する場としても機能している。森のそこかしこにオノ・ヨーコを始めとするアーティストのパブリックアート作品も置かれていれば、日本を代表するクリエイター3人による「想うベンチ」もある。
「向こう側のいのち」への想像力をテーマにつくられた「静けさの森」横の休憩所4(設計:服部 大祐 + 新森 雄大 | 一級建築士事務所 Schenk Hattori + Niimori Jamison)の壁面には伝統的な美術や工芸の繊細さや奥深さに独自の視点を加える美術家、ミヤケマイの絵の作品。波打つような屋根を大阪湾に見立て、タコを始めとする海の生物を描いた。立つ位置/座る位置によって見える生物が変わり、すべてを同時に見ることができない空間を生かしたアート作品となっている。
こうしたパビリオンではない「間」の空間がそこかしこに用意されているのも非常に日本的だが、その中でも最大のものが万博会場の中央にある「静けさの森」で、大阪内で伐採予定だった約1,500本の樹木を移植して作られ木だけでなく、そこかしこに張られた水盤、オノ・ヨーコやレアンドロ・エルリッヒなど世界的なアーティストたちのパブリックアートなど人口的な万博会場の中で自然の癒しを感じることができる場所となっている。
そして、入場時から退場時まで、常に来場者の目を楽しませ続けてくれるのが、世界最大の木造建築「大屋根リング」で、上を歩いて世界中のパビリオンなどの会場風景や外に広がる海の眺めを楽しむだけでなく、さまざまなパレードが行われる舞台として、ただ遠目に見たり、中を通り過ぎるだけでも、清水寺と同じ「 貫(ぬき)工法」による木造構造物としての美しさで来場者を楽しませてくれる。
今回の万博で一番象徴的なのが大屋根リングだ。夕方頃のリングから見る夕空と万博会場、外に広がる海の対比や、ウォータープラザの水面に映るリングはそれだけで今回の万博の1番の思い出となるはずだ。
大阪・関西万博
営業時間:9:00~22:00(入場は閉場1時間前まで)
アクセス:大阪メトロ中央線「夢洲駅」下車すぐ(東ゲート徒歩約2分)、京阪神主要駅・関西国際空港・伊丹空港からのシャトルバス、水上アクセス(港湾シャトル船)もあり
Profile
林信行 Nobuyuki Hayashi
1990年にITのジャーナリストとして国内外の媒体で記事の執筆を始める。最新トレンドの発信やIT業界を築いてきたレジェンドたちのインタビューを手掛けた。2000年代からはテクノロジーだけでは人々は豊かにならないと考えを改め、良いデザインを啓蒙すべくデザイン関連の取材、審査員などの活動を開始。2005年頃からはAIが世界にもたらす地殻変動を予見し、人の在り方を問うコンテンポラリーアートや教育の取材に加え、日本の地域や伝統文化にも関心を広げる。現在では、日本の伝統的な思想には未来の社会に向けた貴重なインスピレーションが詰まっているという信念のもと、これを世界に発信することに力を注いでいる。いくつかの企業の顧問や社外取締役に加え、金沢美術工芸大学で客員名誉教授に就いている。Nobi(ノビ)の愛称で親しまれている。
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2025.4.28
パレスホテルが展開する「Zentis Osaka」は、まるで邸宅のような心満たされる空間
Photo by Stirling Elmendorf
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大阪・堂島浜にある「Zentis Osaka(ゼンティス大阪)」は、日本を代表する「パレスホテル東京」を運営する「株式会社パレスホテル」が展開する、地上13階、総客室数は212室(内スイートルームは2室)の宿泊主体型ホテルだ。宿泊主体型ホテルとは、大型バンケットホールや多数のレストランを持たない、最高の滞在のために工夫とサービスを追求するホテルを指す。ここではまるで邸宅で過ごすような滞在を体験でき、日頃の緊張を解放するような心地よさに包まれる。快適な滞在を追求した空間とおもてなしを紹介する。
デザイン性の高い空間と自然の融合。光と緑を感じる心地よさ
新大阪駅からタクシーで約15分の堂島浜にある当ホテルは、ビジネスでも観光でも利便性の高い好立地にある。
緑あふれたホテルの入り口からフロントへ進むと、2階のレストラン&バーラウンジへと続く大きな階段がある。
階段の奥には大きな窓に囲まれた、明るく緑を感じる宿泊者専用のゲストラウンジがあり、中央にはゆったりとしたソファ、さらに壁際には、PCを開いて仕事に集中できるようなボックス席もある。この心地よい空間は、まさに「邸宅のリビング」である。
ここは24時間使用できるうえ、無料のコーヒーや紅茶もあるので、客室とは気分を変えたいときなどにもぜひ活用したい空間だ。
またラウンジからガーデンへ出ることもできるので、テラス席で風を感じることもできる。
都会の喧騒を忘れさせてくれる、緑豊かなエントランス。
左手は1階エレベーターホール。ディスプレイでエレベーターがカモフラージュされているようだ。Photo by Stirling Elmendorf
宿泊者専用のゲストラウンジ。Photo by Stirling Elmendorf
Zentis Osakaの魅力の一つが、デザイン性の高い空間にある。「SIXTY SoHo New York」や「The Hari London」など、世界のラグジュアリーホテルのデザインを数多く手掛けてきたインテリアデザイナー、タラ・バーナード氏によって手掛けられた。共用スペースや客室、レストラン、ガーデンなどは、ブリティッシュテイストで統一感のある印象に仕上げられている。
スタイリッシュでありながらも決して奇抜ではなく、デザイン性が高いのにどこか温もりを感じられる、そんなデザインは多くの人の滞在を豊かにしているはずだ。
空間はコンパクトながら、計算され尽くされたインテリアの心地よさ
全212の客室は、コンパクトな「Studio」、広い窓辺の「Corner Studio」、ゆったりとした「Suite」の3タイプがあり、どの客室も温かみのある⾃然な素材や色を取り入れており、日本人アーティスト江原正美氏の作品がアクセントとなっているのが印象的である。
各部屋にはデスクワークがしやすいようにテーブルとチェアが置かれており、コンパクトながらも機能的な空間になっている。
また全室Apple TVが完備されており、Netflix やAmazon Primeなどのアプリにも接続できるので、⾃宅の延長線上の時間も約束されている。
さらにバスアメニティはオーストラリアの⾃然派スキンケアブランド「Hunter Lab」が並んでいるのもお伝えしておきたい。
「Studio」25㎡とコンパクトながら、機能的なインテリアは落ち着く空間だ。 Photo by Stirling Elmendorf
またホテル内には、「最高の身支度を整える場所」をコンセプトにした、宿泊者専用の24時間利用可能な多目的ルーム「Room 001」がある。ランドリーやアイロン、アイロン台、ネスプレッソのコーヒーメーカーのほか、デザインや大阪に関する書籍に加え、靴磨き師によるシューシャインサービス(有料)や、フレグランスアドバイザーが選んだその時の気分や季節にふさわしい香水が試せるフレグランスバーが設置されている。まさにここは美を得る空間だ。
宿泊者が24時間使用できる多目的ルーム「Room 001」。
「Room 001」はフィットネスルームと隣接している。
2階には、広々とした空間のバー&レストラン「UPSTAIRZ Lounge, Bar, Restaurant (アップステアーズ ラウンジ、バー、レストラン)」があり、朝食からランチ、アフタヌーンティ、ディナー、バーを楽しむことができる。
メニューの監修をする大土橋信也氏は、国内外の名店で修業を重ねて、2015年9月に「CRAFTALE(クラフタル)」のシェフに就任し、『ミシュランガイド東京2017』から『ミシュランガイド東京2024』まで8年連続で1つ星に輝いた実績を持つ。
フランス料理をベースにしているが、大阪の食文化を昇華させた遊び心を加えた、まさにここでしか味わえない料理である。
開放的なオールデイダイニング「UPSTAIRZ Lounge, Bar, Restaurant」。ここは一般客も利用できる。
朝食の小鉢セット。洋食を積極的に取り込んだ和食というだけあって、朝から栄養バランスが考えられた、体に優しい朝食。
2025年7月に、5周年を迎えることを記念し、2026年3月31日までアニバーサリープランを発表している。レストランでは5周年記念コースが楽しめる。
上質で快適なホテルステイを目指している「Zentis Osaka」での滞在は、心地よく快適なだけではなく、自宅にいるようなホッとできる空間でもある。きっとホテルスタッフのさりげない気遣いや、基本的には宿泊者しかいない安心感があるのかもしれない。
ぜひ大阪の定宿にしたい、そんなホテルである。
Text by Yuko Taniguchi
大阪府大阪市北区堂島浜1-4-26
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Stories
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日本のプレミアムなホテル
Events
【開催中〜5/6(火・祝) 横浜赤レンガ倉庫】
2025.5.2
海風とビール、そして音楽も。横浜赤レンガ倉庫のフェスティバル「Yokohama Frühlings Fest 2025」
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春の訪れを祝うドイツのフェスティバルをモチーフにした横浜赤レンガ倉庫の「Yokohama Frühlings Fest 2025(ヨコハマ フリューリングス フェスト)」が今年も開催。期間は5月6日(火・祝)まで。
11回目となる今回は「GOOD HOLIDAY!」をテーマに、家族や友人、大切な人と、心からリラックスできる贅沢な時間を楽しむためのコンテンツを用意。
注目は、今年初登場となるアウトドアゾーン。海沿いのバーベキューエリア、芝生のピクニックエリアのどちらにも、アウトドアブランド「コールマン」のギアを用意。手ぶらで気軽にアウトドアを楽しめる。
「コールマン」の本格バーベキューグリルを設置したバーベキューエリアは、1ブース約25㎡を貸し切りで利用可能。ゆったりとした空間で、ドイツスタイルの串肉や地元産の海鮮、野菜などを楽しめる。
一方芝生のピクニックエリアでは、「コールマン」のサンシェードやピクニックマット、ミニテーブル、チェアなどを無料でレンタルできる。イベントで購入したフードやドリンクの持ち込みも可能なので、手ぶらで気軽にアウトドアを楽しめるのがうれしい。
さらに、ビール好き垂涎のラインアップも。神奈川県産の河内晩柑を使ったイベント限定のオリジナルビールをはじめ、日本初上陸の激レアビールや限定醸造ビールなど、約15店舗が自慢の一杯を提供。今が旬のホワイトアスパラガスや肉料理とのペアリングも楽しめる。
夜には、心地よい海風を感じながら映画を楽しめる観覧無料の野外シアター「SEASIDE CINEMA」を開催。潮風に包まれながら映画とともに過ごす夜は、特別な思い出になるはずだ。
また、キッズ向けにはバンジートランポリンや巨大アスレチック、パルクール鬼ごっこ「パルオニ」など、体を動かして遊べるコンテンツも充実。家族連れも飽きることなく楽しめそう。
外で過ごすのが気持ちのいい季節、ドイツ文化と横浜の港町の魅力を同時に味わえる「Yokohama Frühlings Fest 2025」で、開放感あふれる休日を過ごしてみては。
◆「Yokohama Frühlings Fest 2025」
【期間】開催中~2025年5月6日(火・祝)
【場所】横浜赤レンガ倉庫イベント広場・赤レンガパーク
【営業時間】11:00~21:00(L.O. 20:30)※初日のみ17:00~
【入場料】無料(飲食・物販・アトラクション代は別途)
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Events
2025.5.2
特別展「チ。 ―地球の運動について― 地球(いわ)が動く」
Events
2025.5.2
特別展「Fold and Crease (Extended) ‐折るごとに、重ねるごとに広がるかたち-」を開催中
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Features
グッチ ジャルディーノが新たなエクスペリエンスを提案
2025.5.1
夕暮れの2時間限定、特別なカクテルタイム「Gucci Evenings at Gucci Giardino」
Courtesy of Gucci
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グッチの美学と世界最高水準のホスピタリティが融合した大阪のバー、グッチ ジャルディーノにて、夕暮れ時を華やかに彩る新たなプラン「Gucci Evenings at Gucci Giardino」がスタートした。
Courtesy of Gucci
グッチ ジャルディーノは、ミクソロジストのセバスチャン・ヴィゲラ氏が監修。イタリアのバー文化を象徴するネグローニやスプリッツに加え、イタリアと日本の伝統に着想を得たオリジナルのカクテルをラインアップしている。
毎日17時から19時までオーダー可能な本プランでは、シグネチャーまたはシーズナルカクテルから選んだ2種類のカクテルと、個性豊かなフードを組み合わせた特別なエクスペリエンスを楽しむことができる。
ウイスキー「響」と宇治抹茶、奈良の自然を閉じ込めた「生きがいニート」 Courtesy of Gucci
また、最大8名まで利用できるエレガントな個室で、ペリエ ジュエ グラン ブリュット(750ml)1本を楽しむ贅沢なひとときを提供するプライベートルームプラン「Giardino Private Dining Room Experience」も同時にスタート。誕生日や記念日など特別なシーンにおすすめだ。
イタリアの文化と日本の食材への愛を表現した、<wbr />クリーミーで複雑な味わいの「大阪アモーレ」 Courtesy of Gucci
カクテル片手にリラックスしたり、ラボラトリーでエキサイティングなペアリングを堪能したり、さまざまな楽しみ方ができるグッチ ジャルディーノ。イタリアのエレガンスと日本の感性が交差する空間で、記憶に残る特別な夜を過ごしてみては。
Gucci Evenings at Gucci Giardino
【時間】17:00~19:00 入店限定
【人数】1名より利用可能
【料金】6,000円(税込)
【内容】カクテル2杯(シグネチャーまたはシーズナルカクテルより選択)/フード1品(パニーノ または 本日の前菜盛り合わせより選択)
Giardino Private Dining Room Experience
【人数】8名様まで
【料金】30,000円(税込)
【料金に含まれるもの】個室料/ペリエ ジュエ グラン ブリュット(750ml)1本
【場所】グッチ ジャルディーノ(大阪府大阪市北区梅田2-2-22 ハービスPLAZA ENT)
【営業時間】17:00~24:00(フードL.O. 22:30/ドリンクL.O. 23:30)
【TEL】06-6343-0080
※定休日は施設に準ずる
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Experiences
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永遠の聖地、伊勢神宮を巡る
2025.4.29
伊勢神宮を参拝するなら知っておきたい礼儀や知識あれこれ
桜の季節を迎えた内宮の宇治橋。
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先日行われた祭祀でのことだ。祝詞の奏上が始まってまもなく、ふいに風が起こった。サーッと音を立てて祭場を吹き抜けたその風は、しばらくするとぴたりと止み、今度は鳥の鳴く声が聞こえてきた。
神宮ではさまざまな音が聞こえてくる。川のせせらぎ、鳥のさえずり、そして、玉砂利を踏み締める音。参道を歩くたび、不思議と心が安らぐのは、人工的な音が耳に入ってこないこともあるのだろう。特に木々を揺らす風の音は、心身に溜まった塵芥(ちりあくた)を一掃し、清浄にしてくれるよう。「伊勢」の枕詞は、「神風や」。たとえば祭祀の最中に、ふいに一陣の風が吹き抜けたとき、そして、御正宮での参拝中に、風もないのに御幌(みとばり)が静かに上がったとき、ふと、「神風」という言葉が浮かんでくる。
今回は、そんなご神気あふれる神宮の参拝に関するあれこれを紹介しよう。
天皇陛下や皇族も、伊勢神宮では外宮から内宮へと参拝するのがならわしである
まず、神宮参拝にあたっては、外宮が先というならわしがあるのをご存知だろうか。
天皇陛下や皇族の方々も、内宮より先に外宮をお参りされるという。理由としては、主に2つの説が考えられている。1つは地理的な条件。現在のように、内宮と外宮の間に高速道路が通り、先に内宮からお参りできるようになったのは、実はごく近年のこと。
それ以前の、特に徒歩で参詣していた時代は、宮川を船で渡って伊勢に入るしか方法がなく、最初に到着するのが外宮だった。2つ目は「外宮先祭(げくうせんさい)」、つまり、神宮の祭祀がすべて外宮で先に行われることから、参拝の順序もそれに倣っているとする説だ。
ちなみに、この「外宮先祭」は、天照大御神が、自らの祭りの前に、まず外宮の祭りを行うように託宣されたと、『太神宮諸雑事記(だいじんぐうしょぞうじき=神宮の創建から平安末期までの主要事項が記された書)』に記されているという。
外宮の御祭神、豊受大御神(とようけのおおみかみ)は、天照大御神のお食事を司る神。
天照大御神が伊勢の地に鎮座されて500年ほど経った雄略天皇の御代に、天照大御神が天皇の夢に現れ、「丹波国、比治(ひじ)の真名井(まない)にいます御饌都神(みけつかみ=神饌の神)である等由気大神(とゆけのおおかみ)を、私の近くに迎えてほしい」と告げられたことから、現在の伊勢市山田地区にお宮を建て、等由気大神(豊受大御神)を迎えられたことがはじまりとされている。
ちなみに豊受大御神は、お米をはじめ、衣食住や産業の守護神ともされており、いわば、私たちの日々の営みを支えてくださる神様。やはり、両宮ともにお参りしたいところだ。
毎月1日、11日、21日の朝に行われる神馬牽参(しんめけんざん)では、神馬が菊の御紋の馬衣をつけ、両正宮にお参りをする。馬引(うまひき)に促され、ただ無心に神馬が頭を下げる姿は、本来の参拝のあり方を示しているよう。
神宮で個人的なお祈りはダメと聞くが、本当なのか?
もっとも、ここで気になるのが、神宮で個人的な願いごとをして良いか?という点である。
筆者自身、長年モヤモヤと抱えてきたこの問いを、今回、さまざまな文献を紐解きながら、改めて調べてみた。結果、やはりしない方が良いという結論に至った。その理由は、神宮は古来「私幣禁断(しへいきんだん)」、つまり、御正殿への幣帛(へいはく=神様へのお供え物)を奉るのは天皇だけという長い歴史があり、日々の祈りの内容も、皇室の繁栄と五穀豊穣、国の安泰と国民の幸せという、公の願いごとばかりだからだ。
つまり、私たちが日々平穏無事に暮らせるよう、知らないところで祈り続けてくれている、まずはそのことに感謝すべきだろう、と思うのだ。
なぜ神宮にはおみくじがないのか?
「一生に一度はお伊勢参り」と言われるほど、参拝できることが大吉
何より、先人たちも感謝の祈りを捧げてきた。そもそも、江戸時代に大ブームとなった「御蔭(おかげ)参り」も、人は日頃から、神仏や先祖、自然など、見えない何かの力添えや恵み、つまり「御蔭」を受けて生きており、それに対する感謝を表す気持ちから始まったという。
古来神宮におみくじが存在しないのも、お参りできること自体が、「御蔭」による幸せなこと、つまり大吉に相当するという信仰があり、おみくじを引く必要性がなかったからと聞く。それほど神宮参拝は、自ずと感謝の気持ちが湧き起こる、有り難い体験だったのだろう。
外宮の御正宮前で。御幌が静かに開くだけで、なぜかありがたい気持ちになる。
神宮を参拝することは、身も心も清め、清々しい気持ちであることが大切
一方、先人たちの言葉も参考になる。たとえば、鎌倉時代末期から室町時代初期にかけて生きた臨済宗の僧、夢窓疎石(むそうそせき)は、52歳のときに外宮を参拝。その際、当時の神職に私幣禁断の理由を尋ね、その答えを、自身の法話集『夢中問答集(上)』に記している。
それによれば、伊勢の神宮を参拝するときに大切なのは、精進潔斎をして身体を清め、神道で言う罪穢れに触れない「外清浄」と、胸中に名誉や利益の望みを持たない「内清浄」で、私幣、つまり個人的にお供え物を捧げることは、胸中にある望みを神様に祈っていることであり、「内清浄」とは言えないという。
つまり、真実の神宮参拝とは、肉体的な清浄である「外清浄」と、精神的な清浄の「内清浄」が1つになったときに実現する、というのである。
参拝は、手水で手を洗い、口をすすぎ、洗い清めるところからはじまる
さらに、南北朝時代の医師であり、連歌師でもあった坂十仏(さかじゅうぶつ)は、『太神宮参詣記』の中で、この「内清浄」と「外清浄」の考えをより深め、両者が1つになる境地に達すれば、神の心と自分の心の隔てがなくなり、神に祈ることはなくなる。これが真実の参拝だと記している。
なんとも難しく、また耳の痛い話で、自分がその境地に達するのは到底無理だと思わざるを得ないが、せめて参拝に臨むときは、まず手水舎で手と口を清め、長い参道を、心を清浄にする気持ちで静かに歩き、自分なりに御神前に向かう準備を整えるよう努めたいとは思っている。加えて、以前話をうかがった、とある水神を祀る古社の宮司の言葉も、肝に銘じていることの1つ。
外宮の宮域内の風景。北御門(きたみかど)口参道から、少し脇に逸れた小道を進んだ末社、大津神社の近辺は、深山に入ったような趣がある。
内宮の宇治橋を渡って、右手に見える神路山(かみじやま)は、季節ごとに色を変える。心静かに参拝する導入となる風景。
神宮はパワースポットなのか?
本来の自分の姿が最大のパワー。それを取り戻す場所が神宮なのだろう
「一般に、パワースポットという言葉がよく使われますが、パワーはいただくものではなく、本来はみんなが常に持っているもので、気がつかないだけです。しかも、日頃いろいろなものを見たり聞いたり触れたりすることで、その人本来の姿が隠れ、気が枯れてしまうんです。それを取り去って、本来の自分の姿に戻す。それが「身」を「削(そ)ぐ」、つまり禊(みそぎ)です。
人間は、自分本来の姿でいることが、生きる上で1番パワーがあるんです」–––。身も心も清浄にし、素の自分で御祭神と向き合う。参拝とは、すべてお見通しの神様の前で、素の自分をお見せする行為なのかもしれない。
もっとも、そんな小難しい理屈は抜きにして、ただ作法通りに、心を込めて2拝2拍手1拝をし、ありがとうございますと感謝の言葉を捧げるだけで、なぜか清々しく、さっぱりした心地になれるのも、お伊勢参りの不思議。試す価値はあると思う。
だが、それでも個人的な願いごとがしたい、そういう人は、神楽殿で御饌(みけ)や御神楽(おかぐら)を上げてはどうだろう。御饌は、神饌をお供えし、奏上される祝詞を通して私たちの願いごとを天照大御神に取り次いでいただくこと。一方御神楽は、御饌とともに雅楽を奏し、舞楽を加えて御神慮をお慰めするという、丁寧にご祈祷を行うことを指すという。実は筆者も、先日御神楽を上げさせていただいたばかり。
その際、神事の後で、神様にお供えされた神饌の御神酒や御米、御塩などを分けていただくとともに、––––これを食することで、神様の御蔭をいただく「直会(なおらい)」となる––––授与されたのが、お神札(ふだ)だった。
時折、風が木々を揺らす音に包まれる。内宮で。
内宮の宮域内にも、小さな自然が息づいている。さまざまな自然に触れ、神域の空気と少しずつ同化して、御正宮へと向かう。
お神札(ふだ)やお守りは神宮と私たちを繋ぐ絆である
神宮のお神札は、「神宮大麻(たいま)」と呼ばれている。「大麻」は、祓いの道具を意味する「おおぬさ」とも読み、古くは伊勢の御師(おんし)、つまり、「御祈り師」と呼ばれる神職が、ご祈祷を行ったしるしとして、大麻を和紙に包んだり、箱に納めたりして渡したのがはじまりとされている。
もっとも、この時代に御師たちが行っていたご祈祷は、神道で言う罪や穢れを祓うための祝詞『中臣祓(なかとみのはらい)』を唱えることによってなされていたと考えられ、その証として、ご祈祷に用いた祓いの道具、つまり大麻を象った祓串(はらいぐし)を、回数に応じて願主に渡していたという。
神宮のお神札が、江戸時代まで「御祓大麻」、「お祓いさん」などと呼ばれていたのは、多いときで千度、万度と、お祓いの詞を唱えてご祈祷されたからだったのだ。だが、明治4年(1871)に御師の制度は廃止。その後、大麻の奉製は、すべて神宮によって行われるようになり、名称も「御祓大麻」から「神宮大麻」に変更されたという。
ちなみに、筆者が御神楽を上げた際に授与されたのは、長方形の木箱に納められたお神札。これは、「箱大麻」「神楽大麻」「お万度さん」とも呼ばれ、昔からの御祓大麻の伝統の姿をとどめているという。
かつて御師たちは、箱の中にお神札や神宮暦などを入れて諸国の神宮崇敬者たちに配り歩き、授与された人々は、その箱を畏れ多いと、高いところに棚を作り安置した。これが、現在の神棚のはじまりと考えられ、箱は「御祓箱」と呼ばれていたという。
現在不要になったものを廃棄する意味として、御祓箱という言葉が使われるのは、本来はお神札が入った御祓箱を、毎年暮れに新調する際、古い箱が不要になることから使われるようになったと言われている。
お神札のご用材を切り始めるにあたって行われる「大麻用材伐始祭(たいまようざいきりはじめさい)」が行われる祭場。
「大麻用材伐始祭」の最後では、素襖烏帽子姿の工匠3名が、神路山の方角に向かって、手斧を左・右・左と3回振り下ろす所作を行う。
4月には一年の神宮大麻の木を伐り始める儀式
「大麻用材伐始祭(たいまようざいきりはじめさい)」が執り行われる
神宮では、そんな神宮大麻のご用材を伐り始めるにあたって、毎年4月中旬に「大麻用材伐始祭(たいまようざいきりはじめさい)」が行われている。
もっとも、祭場は、かつて御料地からご用材を求めていた伝統に従って、内宮に近い山々に囲まれた場所に設けられ、神宮大宮司をはじめ、職員や関係者が参列するなか、御山から木をいただくことを山の神にご奉告し、作業の安全を祈願する神事が執り行われる。
冒頭の風は、この祭祀の最中に起こった。御祭神であっても、山の神であっても、神職が奉仕する姿は、常と変わらず丁寧に、だが、すみやかに、粛々と。祀られる山の神も、さぞお喜びになっていることだろう。
お神札は、家庭や会社を神々に守っていただく御守りのような存在という。たとえお参りに行けなくても、神宮とのご縁がつながっているようで、我が家の心強い存在となっている。
1月上旬に行われる大麻暦奉製始祭(たいまれきほうせいはじめさい)では、その年最初の神宮大麻に、神宮の印章である御璽(ぎょじ)を捺され、お札の奉製が始められる。
Text by Misa Horiuchi
伊勢神宮
皇大神宮(内宮)
三重県伊勢市宇治館町1
豊受大神宮(外宮)
三重県伊勢市豊川町279
文・堀内みさ
文筆家
クラシック音楽の取材でヨーロッパに行った際、日本についていろいろ質問され、<wbr />ほとんど答えられなかった体験が発端となり、日本の音楽、文化、祈りの姿などの取材を開始。<wbr />今年で16年目に突入。著書に『おとなの奈良 心を澄ます旅』『おとなの奈良 絶景を旅する』(ともに淡交社)『カムイの世界』(新潮社)など。
写真・堀内昭彦
写真家
現在、神宮を中心に日本の祈りをテーマに撮影。写真集「アイヌの祈り」(求龍堂)「ブラームス音楽の森へ」(世界文化社)等がある。バッハとエバンス、そして聖なる山をこよなく愛する写真家でもある。
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