人気記事
About&Contact
Features
日本文化のタイムトラベルを圧倒的なスケールで展開
2025.4.2
東京国立博物館「イマーシブシアター 新ジャポニズム ~縄文から浮世絵 そしてアニメへ~」
※イマーシブシアター会場写真
-
<svg viewbox="0 0 58 58"><g><title>Facebook</title><use xlink:href="#symbolSnsFb" /></g></svg>
-
<svg viewbox="0 0 58 58"><g><title>Twitter</title><use xlink:href="#symbolSnsTw" /></g></svg>
-
<svg viewbox="0 0 58 58"><g><title>LINE</title><use xlink:href="#symbolSnsLine" /></g></svg>
-
<svg viewbox="0 0 58 58"><g><title>Pinterest</title><use xlink:href="#symbolSnsPint" /></g></svg>
東京国立博物館 本館特別 5室では、所蔵する国宝などの貴重な文化財の世界への没入体験を楽しめる「イマーシブシアター 新ジャポニズム ~縄文から浮世絵 そしてアニメへ~」を8月3日(日)まで開催中。
※イマーシブシアター会場写真
※イマーシブシアター会場写真
“イマーシブ”という没入型の展示や体験イベント人気を集めるなか、本展はそのスケールが圧巻だ。
会場正面に設置された高さ約7メートルの巨大なLEDモニターに映し出されるのは、NHKの超高精細映像がとらえた所蔵品の数々。縄文時代の土器や土偶、古墳時代のはにわ、平安時代の絵巻、室町時代の鎧兜、浮世絵などを、普段決して見ることが出来ない角度やサイズで堪能できる
「鉄腕アトム」Ⓒ手塚プロダクション
「かぐや姫」Ⓒ2013 Isao Takahata,Riko Sakaguchi/Studio Ghibli, NDHDMTK
また、手塚治虫、高畑勲、細田守など、日本を代表する名作アニメも登場。ナビゲーターは、大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」で蔦屋重三郎役の横浜流星が務める。
※イマーシブシアター会場写真
「未来少年コナン」© NIPPON ANIMATION CO., LTD. “INCREDIBLE TIDE” Copyright © 1970 by Alexander Key Animated film rights in Japanese language arranged with McIntosh & Otis, Inc. through Japan UNI Agency, Inc.
「埴輪 挂甲の武人」や「松林図屏風」(長谷川等伯筆)、「洛中洛外図屏風(舟木本)」(岩佐又兵衛筆)などの国宝作品から、世界を魅了するアニメーションまで、日本文化のタイムトラベルを大迫力の映像で楽しめる展覧会。4月22日から6月15日まで、東京国立博物館 平成館にて特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」も開催されるので、あわせて鑑賞するのもおすすめだ。
◆イマーシブシアター 新ジャポニズム ~縄文から浮世絵 そしてアニメへ~
【会期】開催中~2025年8月3日(日)
【会場】東京国立博物館 本館特別 5 室
【開館時間】9:30~17:00
※毎週金・土曜日、5月4日(日・祝)、5日(月・祝)、7月20日(日)は20時まで開館
※入館は閉館30分前まで
※本展は事前予約不要です。混雑時はお待ちいただく可能性があります。
◼ 休館日 : 月曜日、5月7日(水)、7月22日(火)
※ただし、4月28日(月)、5月5日(月・祝)、7月21日(月・祝)は開館
【観覧料】一般 2,000円、大学生 1,200円、高校生 800円
※中学生以下、障がい者とその介護者 1 名は無料。入館の際に学生証、障がい者手帳等をご提示ください。
【問い合わせ】050-5541-8600(ハローダイヤル)
※本展観覧券で、4/22~6/15 の間の観覧日当日に限り「浮世絵現代」(表慶館)を無料でご覧いただけます。
※本展観覧券で、観覧日当日に限り総合文化展(平常展)もご覧いただけます。
-
<svg viewbox="0 0 58 58"><g><title>Facebook</title><use xlink:href="#symbolSnsFb" /></g></svg>
-
<svg viewbox="0 0 58 58"><g><title>Twitter</title><use xlink:href="#symbolSnsTw" /></g></svg>
-
<svg viewbox="0 0 58 58"><g><title>LINE</title><use xlink:href="#symbolSnsLine" /></g></svg>
-
<svg viewbox="0 0 58 58"><g><title>Pinterest</title><use xlink:href="#symbolSnsPint" /></g></svg>
関連記事
投稿 東京国立博物館「イマーシブシアター 新ジャポニズム ~縄文から浮世絵 そしてアニメへ~」 は Premium Japan に最初に表示されました。
Features
江戸のメディア王、蔦屋重三郎の全体像に迫る
2025.3.28
特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」。東京国立博物館 平成館にて開催
『青楼美人合姿鏡』北尾重政・勝川春章画 彩色摺大本 安永5年(1776)正月 東京国立博物館蔵【通期展示 ※会期中、頁替えを行います】
-
<svg viewbox="0 0 58 58"><g><title>Facebook</title><use xlink:href="#symbolSnsFb" /></g></svg>
-
<svg viewbox="0 0 58 58"><g><title>Twitter</title><use xlink:href="#symbolSnsTw" /></g></svg>
-
<svg viewbox="0 0 58 58"><g><title>LINE</title><use xlink:href="#symbolSnsLine" /></g></svg>
-
<svg viewbox="0 0 58 58"><g><title>Pinterest</title><use xlink:href="#symbolSnsPint" /></g></svg>
2025年の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(NHK)でも話題の蔦屋重三郎。江戸時代の傑出した出版業者である蔦屋重三郎の全体像に迫る特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」が、東京国立博物館 平成館にて開催される。会期は4月22日(火)から6月15日(日)まで。
「姿見七人化粧」喜多川歌麿筆 大判錦絵 寛政4~5年(1792~93)頃 東京国立博物館蔵【後期展示:5/20〜6/15】
貸本業から身を起こし、社会状況の変化をつぶさにとらえメディア王にまでのぼりつめた蔦屋重三郎。本展では、本を、人を、時代をプロデュースしたその活動を見つめながら、天明、寛政期を中心とした江戸の多彩な文化を紹介する。
「雛形若菜初模様 丁字屋内ひな鶴」礒田湖龍斎筆 大判錦絵 安永4年(1775)頃 東京国立博物館蔵【前期展示:4/22〜5/18】
会場では、出版人としての活動の原点である『吉原細見』や、風刺や滑稽を織り交ぜた黄表紙、洒落本などを紹介。そして何といっても見逃せないのが、浮世絵黄金期と呼ばれる18世紀末の浮世絵界を代表する名品の数々だ。
「婦女人相十品 ポッピンを吹く娘」喜多川歌麿筆 大判錦絵 寛政4~5年(1792~93)頃 東京国立博物館蔵【前期展示:4/22〜5/18】
重要文化財「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」東洲斎写楽筆 大判錦絵 寛政6年(1794) 東京国立博物館蔵【前期展示:4/22〜5/18】
喜多川歌麿や東洲斎写楽など、現代では世界的芸術家とみなされる浮世絵師を世に出したことで知られる蔦屋重三郎。本展では、喜多川歌麿「婦女人相十品 ポッピンを吹く娘」や、東洲斎写楽「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」(重要文化財)など、誰もが知る名作が一堂に集結。前期・後期で展示替えが行われるので、何度も足を運びたい。
重要文化財「市川鰕蔵の竹村定之進」東洲斎写楽筆 大判錦絵 寛政6年(1794) 東京国立博物館蔵【後期展示:5/20〜6/15】
このほか、大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(NHK)と連携し、大河ドラマの世界を再現したコーナーも登場。蔦重が活躍した頃の江戸の街にタイムトリップしたような空間を楽しめる。
さまざまな分野を結びつけながら、出版業界に新機軸を打ち出した蔦屋重三郎。彼が創出した価値観や芸術性がいかなるものであったかを、会場で体感してみてはいかがだろうか。
「四季美人 雪中美人と下男」栄松斎長喜筆 大判錦絵 寛政4~6年(1792~94)頃 東京国立博物館蔵【前期展示:4/22〜5/18】
◆特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」
【会期】2025年4月22日(火)~6月15日(日)
【休館日】月曜日、5月7 日(水)
※ただし、4月28日(月)、5月5日(月・祝)は開館
【開館時間】9:30~17:00
※毎週金曜・土曜日、5月4日(日・祝)、5日(月・祝)は20時まで開館
※入館は閉館の30分前まで
【問い合わせ】050-5541-8600(ハローダイヤル)
*会期中、一部作品の展示替えを行います。
*展示作品、会期、展示期間、開館時間、休館日等については、今後の諸事情により変更する場合があります。
最新情報は展覧会公式サイト等でご確認ください。
-
<svg viewbox="0 0 58 58"><g><title>Facebook</title><use xlink:href="#symbolSnsFb" /></g></svg>
-
<svg viewbox="0 0 58 58"><g><title>Twitter</title><use xlink:href="#symbolSnsTw" /></g></svg>
-
<svg viewbox="0 0 58 58"><g><title>LINE</title><use xlink:href="#symbolSnsLine" /></g></svg>
-
<svg viewbox="0 0 58 58"><g><title>Pinterest</title><use xlink:href="#symbolSnsPint" /></g></svg>
関連記事
投稿 特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」。東京国立博物館 平成館にて開催 は Premium Japan に最初に表示されました。
Lounge
Premium Salon
林 信行の視点
2025.3.24
大阪・関西万博 探訪1. 小山薫堂館「EARTHMART」がつむぐ命の物語
-
<svg viewbox="0 0 58 58"><g><title>Facebook</title><use xlink:href="#symbolSnsFb" /></g></svg>
-
<svg viewbox="0 0 58 58"><g><title>Twitter</title><use xlink:href="#symbolSnsTw" /></g></svg>
-
<svg viewbox="0 0 58 58"><g><title>LINE</title><use xlink:href="#symbolSnsLine" /></g></svg>
-
<svg viewbox="0 0 58 58"><g><title>Pinterest</title><use xlink:href="#symbolSnsPint" /></g></svg>
「いただきます」—この一言に込められた日本独自の食の哲学を世界に問いかける場所が、大阪・関西万博のシグネチャーパビリオン「EARTHMART(アースマート)」だ。シグネチャーパビリオンとは、大阪・関西万博が掲げる「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマを8つのサブテーマに分け、それぞれに1人ずつプロデューサーを指名した特別なパビリオンで、小山薫堂氏が担当する「いのちをつむぐ」をテーマにした展示がこのEARTHMARTだ。
里山の知恵を現代に伝える茅葺き建築
まず目に飛び込んでくるのは複数の茅葺き屋根が集まった独特の外観だ。隈研吾氏の事務所が手がけたこの建築は、同事務所に所属する若手建築家から出た50近いアイディアからいつくつかの要素を組み合わせて決定した、いう。茅葺きは全国5つの地域(熊本県阿蘇市、静岡県御殿場市、大阪府大阪市淀川区、滋賀県近江八幡市円山町、岡山県真庭市蒜山高原)から集められ、伝統的な職人技で仕上げられている。
複数の屋根が集積した形状は、市場のような賑わいを表現。茅葺きという素材選びには、里山の暮らしにおける人の営みと自然との循環という意味も込められている。万博終了後には茅は再利用され、建築自体が循環の思想を体現している。
持続可能性をテーマに掲げた万博会場では全体的に木材を使ったパビリオンが多いが、その中でも茅葺の屋根は特別な存在感を放っている。
空想のスーパーマーケットをめぐる旅
館内は「プロローグ」「いのちのフロア」「未来のフロア」「エピローグ」という4つのエリアで構成されている。入口のプロローグエリアでは、命と食の循環をテーマにしたアニメーションが流れる。ここで心を整えてから、いよいよ「アースマート」という空想のスーパーマーケットへの旅が始まる。
建物の最初の部屋はシアター。ここでオープニング映像を見終えると「いのちのフロア」という部屋が現れる。
小山氏は「万博と言うと未来のショーケース、未来社会のショーケースと言われます。けれど、この雰囲気からわかる通りですね。ここはただ未来のものをどうだという感じで展示しているだけではなく、どちらかというと私たちが未来で生きていくためには今何をすればいいのか、過去に学ぶべきものはないのか、そういうことを考えるところから、このプロジェクトをスタートさせました」と説明する。
「普通のスーパーで命の重みを感じることはありません。ここで命の重みをスーパーマーケットの中で感じていただいて、外のスーパーに行った時もそれをちょっと思い出していただけたり、あるいはアースマートという地球の市場、地球全体が1つのみんなで共有する市場と考える、そういうきっかけになればいいなと思っております」。
いのちのフロア:見えない「いただく命」を可視化する
パビリオンに入ると最初の部屋はシアターになっており、映像を見終わると、売り場をイメージした「いのちのフロア」と呼ばれる展示空間が現れる。
日本人が食べる10年分の食べ物の体積(810リットル)を学校法人瓜生山学園および京都芸術大学の有志学生がねぶたの技法を使って制作したショッピングカート。
まず見えてくるのは高くそびえ立つ野菜たちの壁--「野菜のいのち」と題して、野菜の一生を見届ける展示になっている。小山氏は「野菜に命があると感じる方はそうはいないと思うんですけども、私たちが頂いてる野菜はその野菜の立場で言うならば決して人間に食べられるために育っているのではなく、自分たちの種を繋いでいくために栄養も蓄え、それが人参、大根になったりするわけです」と語る。
「いのちの色」という展示は、古代ローマの美食家アピキウスの「私たちはまず目で食べる」という言葉から着想を得て食材に含まれている色を後ろから光を当てられた瓶に詰めて展示している。
日本人が食べる主要な食材300種、816カットの写真を瓶に封じ込め、スーパーの売り場のようなショーウィンドウにした展示。
魚売り場風の「いちばん食べられる魚」という展示では、食物連鎖の最下層に位置するイワシに焦点を当てている。「ご存知の通り、魚へんに弱いと書きます、イワシは海の魚の食物連鎖などで1番最下層にいる生き物です。(中略)1匹のイワシは大体10万個の卵を産むそうなんですが、それから魚が孵化して魚になって結局最後には人間に捉えられるのはそのうちの10匹だけだそうです。しかもその10匹のうちの7匹は肥料にされたり、人間の口に入ることなく使われてしまうので、我々が普段食べているのは10万分の3という命になります」と小山氏は説明する。
一方で日本人が一生で食べる卵は約28,000個で、それをシャンデリア風に「一生分のたまご」という展示もある。その下には巨大な目玉焼きが置かれ、来場者が口を開けて写真を撮れるフォトスポットになっている。
「一生分のたまご」の展示はパビリオン随一のフォトスポットだと小山薫堂氏。自ら下から一生分の卵を食べているようなポーズを取ってくれた。
未来のフロア:伝統と革新が融合する食の未来
「未来のフロア」に進むと、最初に目を引くのは「未来を見つめる寿司屋」だ。江戸前の寿司文化を代表する小野二郎氏(2025年10月に100歳を迎える)が、特別に養殖魚を握った寿司が展示されている。伝統技術と最新の養殖技術の融合を示す象徴的な展示だ。
興味深いのは、これらの展示でソニーの最新テクノロジーが使われているにもかかわらず、あえて詳細な技術説明を壁に掲示していない点だ。永野氏は「現代アート作品と同じように、知りたい人はスタッフに聞けばよい」という考えを持つ。すべての情報を提示してしまうと、来場者は説明を読むだけで終わってしまう。しかし、情報があえて少ないことで、来場者同士やスタッフとの自然な対話が生まれ、それが新しい発見や感動につながるというデータが得られているのだ。
小野二郎氏と言えば映画「二郎は鮨の夢を見る」を通して世界中にその名を轟かせた名店「すきやばし次郎」の大将。透過型ディスプレイに原寸大で投影されることで、その大将が、一瞬、本当にそこにいるのかと思わせるリアルな存在感で登場。彼の店では握らない養殖魚を握っている。撮影時には「海がどんどん変わってきています。旬もずれてますから、その時に旨いものを出さないとなりません。これからの職人はちゃんと考えて、より一層の努力をして味を仕上げなくてはならないから大変です。世界中の国々と人々が海洋資源を守っていくことが大切だと思います。」と語っていたという。
ソニーが開発している料理人の料理方法を記録し、再現する「録食」の技術。料理中の温度変化や食材投入のタイミング、具材の混ぜ方や力加減、水分蒸発量などさまざまな情報をセンサーなどで記録。IHと連携した専用のアプリで、1秒単位1グラム単位まで同じ料理が再現できるようにナビゲーションをしてくれるシステム。小山薫堂さんが好きな青森県弘前の洋食屋が出していたナポリタンの料理方法も店主が急逝する前に記録でき、展示されている。
興味深いのは「EARTH FOODS」というコーナーだ。「これは未来のフロアにありながら、新しいものは1つもないという、ちょっと変わった展示です。日本人には当たり前で古臭いと思っているかもしれないけれど、海外の食の関係者が見ると、こんな技術が知恵があるのかとか、こんな食材をこんな風に調理しているのか、という食のヒントを得られる」と小山氏は語る。かんぴょうやこんにゃく、すり身やフグなど25の食材を、クリエイターが作った食材の魅力が伝わるパッケージと共に展示し、新たなレシピの提案なども行なっている。
日本ならではの食品を選定し、その価値や知恵を世界と共有することで地球の食を未来に輝かせるプロジェクト「EARTH GOODS」。展示スペースの中央のショーケースに飾られた選ばれた25の食品。
「EARTH GOODS」のコーナーでは、それぞれの食品に対して、いつもとはちょっと違うパッケージを用意することで、日本人もこれまでとは違った新しい視点で食品を見直すことができるように工夫されている。デザインは日本全国から一般公募したという。
エピローグ:地球という大きな食卓
最後のエピローグでは、巨大な円卓を囲んで映像を鑑賞する。小山氏はここで「1つの食卓を囲めば、みんな心も通じ合うようで、思えば地球というものそのものが1つの食卓みたいなもので、それをみんなで囲んで生きてますよ。みんなで地球に感謝しましょう。感謝を込めて命に感謝を込めていただきます、を言いましょう」というメッセージを伝えている。
来場者への特別なプレゼントとして、紀州梅の会と提携した梅干しの引換券が用意されている。「今年の6月に収穫された梅をここでえます。そしてそれを2050年、25年後に開封しようと考えております」と小山氏。熊野本宮大社の宮司による「売家呉服を開く」という文字入りの引換券は、時を超えて人と人をつなぐ媒体となる。
「いただきます」が紡ぐ未来
小山氏は「いただきます」の意味について、「1人の人間の命、およそ80数年間平均的な命が80数年間続くとして、その1つの命を守るために一体どれだけの命を我々は頂いているんだろうか? その重みや責任を感じた時に自分の生き方も少し変わりますし、日常の食への感謝もより深まります」と語る。
「今混沌として、それから人を傷つけたり、色々な争いが行われている、この時代に、自分が存在していることに感謝をし、そして他者を思いやる。感謝することから、他人のことを深く理解しようとする。食がそのきっかけになればいいなと思いました」。
小山氏自身、5年間このパビリオンに携わる中で「1番大きく変わったことは、いただきますを、誰よりも魂を込めて言えることができるようになったと自負しております。1日2回、もしくは3回食事の度にいただきます、言ってその先にいただく命もありますし、生産してくださった方もありますし、それを運んでくれた人、調理してくれた人、そしてサービスしてくれたり、と瞬時にいろんな人への感謝の気持ちを自分の中で熟成させ、それが日常の中の豊かさにつながっていると自分自身に実感しております」と語る。
「食」の循環を展示するからには排泄行為も無視できない。最後にどうしてもこれを展示したかったという小山薫堂氏。普通に展示したら怒られそうだからと白磁の人間国宝、前田 昭博に作陶してもらいたい「運壺」という作品として野菜の花を添えて展示している。
小山氏はEARTH MARTをきっかけに、日本各地に食をテーマにした博物館が誕生することを願っている。「今、日本にはたくさんの図書館、美術館がありますけれども、食をテーマにした博物館というものはほとんど存在しません。わずかに存在するだけです。僕はこのEARTH MARTがきっかけとなって、日本の各地に食をテーマにした博物館ができれば、きっと日本の世界へ発信する武器の1つにもなります。そこで暮らす人たち子供たちの役に立つのではないかなと思います」。
EARTH MARTが問いかけるのは、単に何を食べるかという問いではない。どのように食べるか、何に感謝して食べるか、そして食を通じて私たちはどのような未来を紡いでいくのかという本質的な問いだ。
Profile
林信行 Nobuyuki Hayashi
1990年にITのジャーナリストとして国内外の媒体で記事の執筆を始める。最新トレンドの発信やIT業界を築いてきたレジェンドたちのインタビューを手掛けた。2000年代からはテクノロジーだけでは人々は豊かにならないと考えを改め、良いデザインを啓蒙すべくデザイン関連の取材、審査員などの活動を開始。2005年頃からはAIが世界にもたらす地殻変動を予見し、人の在り方を問うコンテンポラリーアートや教育の取材に加え、日本の地域や伝統文化にも関心を広げる。現在では、日本の伝統的な思想には未来の社会に向けた貴重なインスピレーションが詰まっているという信念のもと、これを世界に発信することに力を注いでいる。いくつかの企業の顧問や社外取締役に加え、金沢美術工芸大学で客員名誉教授に就いている。Nobi(ノビ)の愛称で親しまれている。
関連リンク
-
<svg viewbox="0 0 58 58"><g><title>Facebook</title><use xlink:href="#symbolSnsFb" /></g></svg>
-
<svg viewbox="0 0 58 58"><g><title>Twitter</title><use xlink:href="#symbolSnsTw" /></g></svg>
-
<svg viewbox="0 0 58 58"><g><title>LINE</title><use xlink:href="#symbolSnsLine" /></g></svg>
-
<svg viewbox="0 0 58 58"><g><title>Pinterest</title><use xlink:href="#symbolSnsPint" /></g></svg>
Premium Salon
関連記事
投稿 大阪・関西万博 探訪1. 小山薫堂館「EARTHMART」がつむぐ命の物語 は Premium Japan に最初に表示されました。
Features
重要無形文化財保持者の作品が一堂に集結
2025.3.26
銀座・和光で開催。「工芸・Kôgeiの創造 —人間国宝展—」
【陶芸】神農 巌 青磁鎬瓶(径16.6×高さ27.2㎝)
-
<svg viewbox="0 0 58 58"><g><title>Facebook</title><use xlink:href="#symbolSnsFb" /></g></svg>
-
<svg viewbox="0 0 58 58"><g><title>Twitter</title><use xlink:href="#symbolSnsTw" /></g></svg>
-
<svg viewbox="0 0 58 58"><g><title>LINE</title><use xlink:href="#symbolSnsLine" /></g></svg>
-
<svg viewbox="0 0 58 58"><g><title>Pinterest</title><use xlink:href="#symbolSnsPint" /></g></svg>
セイコーハウスホールにて、重要無形文化財保持者(人間国宝)の作品が一堂に会する「工芸・Kôgeiの創造 —人間国宝展—」が開催される。会期は4月3日から20日まで。
【染織】新垣幸子 帯地「協奏曲」
【漆芸】室瀬和美 金胎蒔絵螺鈿縞文花器(径10.3×高さ23㎝)
「人間国宝」とは「重要無形文化財保持者」の通称であり、長きにわたり工芸の技の研鑽を積む一方で独自の作風を編み出し、その分野の第一人者となった人物のこと。
【漆芸】西 勝廣 「いぼたの花」沈金箱(19×26×高さ16㎝)
【金工】大角幸枝 南鐐茶心壷「月宮」(径13.4×高さ16.2㎝)
第10回目となる本展では、陶芸、染織、漆芸、金工、木竹工の5つの工芸分野の中から39名の作品を展示。それぞれの作家が素材との対話を重ねながら、みずから思い描く美のかたちを具現化した魅力あふれる品々が並ぶ。
【木竹工】岐部笙芳 煤竹文花籃「雅」(径37×高さ24㎝)
時代を超えて継承された高度な技と、現代の生活にもなじむ「用の美」をあわせ持つ至高の作品が集う展覧会。入場は無料なので、気軽に足を運んでほしい。
◆「工芸・Kôgeiの創造—人間国宝展—」
【会期】4月3日(木)~20日(日)
【会場】セイコーハウスホール(東京都中央区銀座4-5-11 セイコーハウス 6階)
【問い合わせ先】03-3562-2111(代表)
【営業時間】11:00~19:00(最終日は17:00まで)
【休業日】無休
【入場料】無料
-
<svg viewbox="0 0 58 58"><g><title>Facebook</title><use xlink:href="#symbolSnsFb" /></g></svg>
-
<svg viewbox="0 0 58 58"><g><title>Twitter</title><use xlink:href="#symbolSnsTw" /></g></svg>
-
<svg viewbox="0 0 58 58"><g><title>LINE</title><use xlink:href="#symbolSnsLine" /></g></svg>
-
<svg viewbox="0 0 58 58"><g><title>Pinterest</title><use xlink:href="#symbolSnsPint" /></g></svg>
関連記事
投稿 銀座・和光で開催。「工芸・Kôgeiの創造 —人間国宝展—」 は Premium Japan に最初に表示されました。