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銀座・和光で開催「硝子と陶 五人展 ―しじまに奏でる―」
2026.6.26
盛夏を彩る、硝子と陶の作家五人による展覧会
中野幹子 「夏草」径22×高さ6.5㎝
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銀座・和光のセイコーハウスホールでは、7月2日(木)から12日(日)まで、「硝子と陶 五人展 ―しじまに奏でる―」を開催する。硝子作家3名、陶芸家2名によるグループ展で、盛夏にふさわしい涼やかさと静かな余韻をたたえた作品が一堂に会する。
松村 淳 「ひとひらの風景ー夕暮の窓辺に佇むー」4×11.4×高さ12㎝
参加するのは、硝子の中野幹子氏、松村淳氏、渡辺ゆう子氏、陶芸の浜野まゆみ氏、森岡希世子氏。それぞれ異なる素材や表現を用いながらも、静けさのなかに宿る美しさを追求している。
渡辺ゆう子 「気配の花影」径16×高さ22㎝
中野幹子氏は、身近な植物や日常の風景をモチーフにした繊細な描写を内包した器を制作。松村淳氏は、視線を奥へと誘う層を成す硝子の中に、懐かしい情景や心象風景を描き出す。渡辺ゆう子氏は、色とりどりの硝子棒・ケーンを組み合わせ、水彩画のような柔らかな色彩世界を立ち上げている。
浜野まゆみ 「染付桐紋中次」径6×高さ6.5㎝
一方、浜野まゆみ氏は、古伊万里に想を得た染付と赤絵を取り入れ、やわらかな揺らぎと手仕事の温もりを感じさせる器を制作。森岡希世子氏は、白やグレーを基調とした静謐な作品で知られ、端正なフォルムと磨き上げられた肌合いが、空間に澄んだ緊張感をもたらす。
森岡希世子 「透雲」径12.4×高さ34㎝
なお、会期初日と2日目の作品販売は抽選制で実施される。応募方法などの詳細は、和光公式サイトまたは会場で確認を。
静けさの奥でかすかに響き合い、観る者の内にほのかな気配を残す作品たち。暑さが深まる季節、作品とじっくり向き合う時間を楽しんでみてはいかがだろうか。
◆「硝子と陶 五人展 ―しじまに奏でる―」
【会期】2026年7月2日(木)~12日(日)
【会場】セイコーハウスホール(東京都中央区銀座4-5-11 セイコーハウス 6階)
【営業時間】11:00~19:00(最終日は17:00まで)
【休業日】無休
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投稿 盛夏を彩る、硝子と陶の作家五人による展覧会 は Premium Japan に最初に表示されました。
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旅館の矜持 THE RYOKAN COLLECTIONの世界
2026.6.19
歴史的文化建築と現代の快適さを追い求める「琴平花壇」の三好りつ子女将
敷地内で最も格式の高い離れ「長生殿」の縁側に座る三好りつ子女将。
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「ザ・リョカンコレクション」に加盟する旅館の女将や支配人を紹介する連載「旅館の矜持」。今回は香川県琴平町にある「琴平花壇」の三好りつ子女将を紹介する。
400年の歴史を有する旅館
香川県琴平町といえば、「こんぴらさん」の愛称で知られる神社・金刀比羅宮を擁する土地である。主祭神として祀られているのは、大物主神(おおものぬしのかみ)と崇徳天皇。琴平町は、江戸時代から連綿と続く‶こんぴら参り″とともにある町だ。
金刀比羅宮がある象頭山の麓に位置するのが「琴平花壇」である。
宿の3階のガーデンラウンジでは、眼下に琴平の街が広がり、遠方に雄大な讃岐富士(飯野山)を臨むことができる。
ガーデンラウンジから琴平の街並みを一望
三好女将に話を聞いた。
「旅館業の始まりは1627(寛永4)年と古いんです。金刀比羅宮の表参道沿いに旅籠屋の『備前屋』として創業しました。来年で400周年となります。創業から約280年後の1905年、16代目の三好源次郎が、日露戦争の戦勝記念として、『備前屋』の別邸の料理旅館として高台に建てたのが『琴平花壇』となります」
現在、敷地内には3つの客室棟と、当旅館の象徴とも呼ぶべき3つの離れである長生殿、泉亭、延寿閣の計6棟が立っている。とりわけこれらの離れは、多くの文人墨客が投宿したことで知られている。
中庭の全景。真ん中左が泉亭、右が延寿閣、<wbr />その奥に長生殿がある。
「延寿閣には文豪の森鴎外、泉亭には北原白秋、長生殿には高松宮殿下が宿泊されました。ほかにも、与謝野晶子・鉄幹夫妻、吉井勇、井伏鱒二らが宿泊なさっています。鴎外は陸軍の軍医総監をしていた時代のことですが、当館に三日間逗留されています。その時に詠んだ一首が、『松あおく もみじは赤に 琴平の 花壇に逢いし 人は忘れじ』です」
鴎外の小説『金毘羅』には、
<文学博士の小野翼君は、高松市で講演を済まして、一月十日に琴平まで来て、象頭山の入口にある琴平花壇に這入つた。>
と、冒頭で宿の描写が出てくる。
文化財的な価値のある3つの離れ
100年以上も前に建てられたこれらの離れの建築があまりにも素晴らしい。そして、三好源次郎が蒐集した美術品の数々がさらなる風格を添えている。
例えば長生殿の美術品だが……。
「三つの離れのうちでいちばん大きな長生殿は、茶室建築を取り入れた数寄屋造です。この離れだけは、源次郎が自身の出身地である多度津から移築したものなんです。入母屋造りの玄関を入ると、正面には琴塚英一のお軸、書院造りの客間の床の間には堀江頼直による『寒山拾得』の三副対、ほかにも多数の作品が飾られています」
「長生殿」の傘張り天井が残る浴室。
建築の細部も見事だ。
「浴室の天井は傘張り天井の様式ですが、空調の役割を果たす放射状になっています。漆塗りの床、お手洗いの天井は折り上げ格天井(ごうてんじょう)で、古い和式のトイレをあえてそのまま残しています。実際に使うシャワートイレは別室にあります。波打つガラス窓や照明も明治から大正にかけてのもので、いずれも今となっては稀少な設えです。こうした設えはとても風情があるのですが、壊れても直せないので、そこが悩ましいところでもあります」
こうした建築にはなかなかお目にかかれない。古材や旧設備に関しては、「残すもの」と「機能更新するもの」を選別していることがわかる。
「家屋の全体が歪んできて、ジャッキアップで歪みを補正したこともあるんですよ。言うならば、保存と改修のせめぎ合いです(苦笑)。とは言え、こうした建築は歴史的な文化財ですから、その価値はやはりこの宿の中核にあるものです。維持していくことの使命を感じています」
こうした古い日本建築を好むのは日本人ばかりかと思いきやさにあらず。
「欧米はもちろんですが、特にアジア圏の、台湾、香港、韓国の方々にも人気がございます。やはりインバウンド需要の増加は最も大きな変化です。従来は閑散期であった2月などでも、春節の時期を中心に高い稼働を維持できるようになってきています。また桜の時期である4月には海外顧客比率が4割に達しまして、年間を通じた稼働率の安定にとってインバウンドの影響を感じています。皆さん、インスタグラムなどをご覧になって、インターネットで直接にご予約いただくことが多いですね」
最も格式の高い離れ「長生殿」。数々の美術品が数寄屋造りの客室に風格を添える。
インターネット予約の普及は、新たなおもてなしの形をもたらしている。自室の露天風呂で温泉に浸かり、歴史ある庭園や琴平の町並みを眺めるひとときは、旅の大きな醍醐味だ。
「私どもの露天風呂付き客室13室は、一室一室が異なる個性を持っています。 最近は海外、特にアジア圏のお客様は非常に旅慣れていらっしゃって、事前にウェブサイトの写真を細部までチェックし、お好みの間取りを明確にイメージしてご予約くださいます。
だからこそ私どもも、ご期待を超える感動をお届けできるよう、事前のご要望を丁寧に汲み取り、最適なお部屋をご案内できるよう細心の配慮を重ねています」
臨床検査技師から旅館のお嫁に
琴平花壇は、1627年に表参道で創業した「備前屋」に端を発し、来年は400周年を迎える。女将がこの宿に来たのは結婚によってだった。
「私は生まれが北海道の帯広でして、地元の高校を卒業してから東京の医療系の専門学校で3年間学びました。卒業後はお茶の水の順天堂大学付属病院で臨床検査技師として、また、病理細胞検査士として勤務していました。細胞検査士とは、人体の細胞を顕微鏡で観察して悪性腫瘍かどうか確認していく仕事でした。
主人とは学生時代に知り合いまして、彼は旅館の長男でしたから、29歳で結婚してこちらに参りました。それから丸42年が経ちます。来た当初は学会に参加したり、また、県内の病院、検査センターからお誘いをいただいたりしましたが旅館との両立は難しく、旅館の仕事に専念することにしました」
旅館の仕事にはすんなり入り込めたのだろうか。
「旅館の仕事はやるつもりでお嫁に来ましたね。若かったし、真っ新(さら)でしたから、特に難しいとも思わずに飛び込んだ感じです。主人の両親は『備前屋』にいて、『琴平花壇』には主人の祖母がおりました。なので、女将の修行をやるというよりは裏方の事務の仕事をしていました。
旅館業のことが何も分からずにいましたので、お客様目線で旅館業を捉えられたのは良かったかもしれません。周囲をよく観察しながら、その都度、何が正解なのかを考えていきましたね。主人の祖母はもう高齢でしたし、私が裏方のせいもあって、あまり指導されるようなことはありませんでした。教えられたのは、『障子のサンを指で撫でて、ホコリのチェックをしなさい』と言われたことぐらいでしょうか(笑)」
「泉亭」の天蓋付きベッドの向こうで。窓外では庭の緑が映え、紅葉の季節は格段に美しいという。
歴史ある宿に訪れた、新たな転機
創業から長い歳月が流れる中、時代の変化に伴い難局に直面する時期もあった。
「地域に深く根ざしてきた琴平花壇だからこそ、伝統ある歴史をこれからも守り、未来へ繋いでいかなければならないという強い想いがございました。そうした中、ご縁に恵まれ、2007年にはホテルニューアワジグループの一員として、新たな歩みを始めることになりました。グループの木下社長は当時から本当に温かく伴走して支えてくださいました。何よりも『琴平花壇』という屋号をそのまま残してくださったことには感謝の念に堪えません。
これを契機に、それまでの歴史と伝統を何よりも大切に守りながら改装を行い、時代に求められる宿へと生まれ変わることとなりました。この新しい出発とあわせて、私は女将として本格的に旅館運営の表舞台に立つこととなりました」
2008年のグランドリニューアルでは何が変わったのか。
「私たちが大切にしてきた琴平花壇ならではの良さは残しながら、お客様が快適に過ごせるように新しく改装をいたしました。まず、宿の象徴でもある3棟の離れですが、その歴史ある建築と趣きはそのままに、今の時代に合う心地いいお部屋に生まれ変わっています。また、自慢の回遊式庭園を活かして客室を全面改装したほか、一部を日本庭園や琴平の町並み、そして遠くの阿讃山脈まで見渡せるゲストラウンジにいたしました。
温泉についても、琴平山の麓という立地を活かして、山の緑をすぐ近くに感じられる露天風呂を新しく作っています。ここから讃岐富士まで見渡せる素晴らしい景色を楽しんでいただいた後は、庭園にあるスパ棟で本格的なタイ古式マッサージやトリートメントをお受けいただけます。湯上がりの心地よさと極上のマッサージで心身共にリフレッシュし、旅の夜をゆっくり贅沢に楽しんでいただけたら嬉しいですね」
讃岐の旬が彩る前菜の一皿。これからはじまる美食への期待感が高まる。
食体験のアップデート
「ソフト面では、リニューアルを機にお料理が変わりました。それまでは宴席のように食べきれないほどの品数を最初にすべて並べるスタイルだったのですが、一番美味しい瞬間に召し上がっていただけるよう、温かいものは温かいうちに、冷たいものは冷たい状態で、厳選した品を一品ずつお出しする形に変えたのです。
主役となったのは、当時から『讃岐三畜』と呼ばれていた、讃岐平野で丹精に育てられる讃岐牛やコーチン、夢豚などですね。これらを軸に、自然豊かな瀬戸内海の新鮮な魚介や、地元の瑞々しいお野菜やお米など、地産の食材をふんだんに取り入れたコースをご用意しました。
それに伴ってお料理を丁寧にお客様へ説明するようになり、スタッフもおのずとサービスに熱心に取り組むようになりました。皆の意識が変わっていったことが何よりも大きな変化ですね」
その結果、顧客満足度も向上し、当然、インターネットでの口コミ評価も右肩上がりで、以前では難しかった若く意欲のある人材も集まるようになり、サービスの質は飛躍的に向上した。メインダイニング「けやき」での晩ご飯では、オリーブ牛を使った山菜鍋がとりわけ印象に残った。オリーブ牛はサシが少ないのに柔らかくてスッキリした味わいだ。肉がとても甘い。地元の讃岐米も甘味があって非常に美味しい。
「讃岐米というのはコシヒカリです。さらに山奥に入りますと、同じ讃岐米でももっと甘くなります。私どもは、山奥の米と平地の米をブレンドしてもらっています」
また関東の人間にとっては、いりこ出汁を使った赤出汁もじんわりと染みた。
格式高き「長生殿」の長い縁側にて。照明の一つ一つが古式ゆかしい。
地域連携で試みていることは……。
「当館の立地は、金刀比羅宮があってこそのものです。まさにそのお膝元です。
金刀比羅宮の大物主神は『海の守り神』として船会社関係者が毎年参拝に訪れますし、商売繁盛や万能の神として広く信仰を集めています。パワースポットとしても一般観光客にも人気が高いですね。やはり、785段の階段を登って御本宮まで行くのがいいです。上は空気が違いますね。
当館の裏道から山道を抜けますと、『四国こんぴら歌舞伎大芝居』が開催される旧金比羅大芝居金丸座まではダイレクトに行けます。この期間中は特に忙しくなります。ほかに当館の位置づけとしましては、ここを拠点にして、徳島県の祖谷(いや)渓谷や、瀬戸内国際芸術祭で賑わう直島や小豆島に向かうハブ地点としての役割も果たしています」
地域文化との連携はどうか。
「こんぴら観光まちづくり協会の一員として活動しています。
琴平町は江戸時代から盛んになったこんぴら参りと共に、地域の文化、商業、情報の中心として発展し、名所や旧跡、伝統芸能の歌舞伎、工芸、美術館、博物館などさまざまな文化、水辺などの自然環境にも恵まれています。このようなまち全体をミュージアムのように、文化、自然、食、歴史などの魅力を知り、楽しみ、親しんでいただくことを目的に活動しています。
旅館というものが『地域の文化の牽引役』を果たすという意味合いにおいては、当館と地域との連携はまだまだ不十分だと感じています。ちなみに、館内においては表参道にある伝統工芸の『一刀彫』の店が制作するオリジナルの達磨を館内に飾っておりますが。
今後はこんぴら観光まちづくり協会で発案している体験プログラムを実現させるように、会員として努力しながら、さらなる連携強化をしていければいいですね。旅館として地域に深く根差して、その土地の文化や魅力を発信する拠点としての役割をもっと果たしていければと考えております」
3階のガーデンラウンジにて。地元の一刀彫やガラス器も並ぶ。
三好りつ子(みよしりつこ)
北海道の帯広生まれ。地元の高校卒業後、東京の医療系専門学校で3年間学ぶ。順天堂大学付属病院で細胞診スクリーナーの臨床検査技師。「琴平花壇」の後継者と知り合い、29歳で結婚。以来、42年が経つ。本格的な女将業は2008年から。
構成/執筆:石橋俊澄
Toshizumi Ishibashi
「クレア・トラベラー」「クレア」の元編集長。現在、フリーのエディター兼ライターであり、Premium Japan編集部コントリビューティングエディターとして活動している。
photo by Toshiyuki Furuya
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界で巡る、温泉と土地を味わう2泊3日のゆっくり旅
2026.6.23
猛暑から逃れて北海道の森と湖へ。界 ポロトで過ごす涼やかな2泊3日旅
取材/文:中嶋千祥(Premium Japan編集部)
夏の暑さや湿度を逃れて静かに過ごしたい。思い切ってエアチケットを取って札幌へ。空港からレンタカーを走らせること約1時間。森と湖に囲まれた界 ポロトに到着しました。そこには、ポロト湖のおだやかな風景とモール温泉、そしてアイヌ文化に触れるさまざまな体験があります。豊かな自然に囲まれながら、ゆっくりと流れる時間を味わう。そんな2泊3日の滞在を楽しんできました。
◆界 出雲&界 玉造 出雲大社、日御碕神社、八重垣神社など出雲路の開運スピリチュアルスポットと温泉旅はこちらへ
運も肌も整う島根旅|界 出雲と界 玉造で巡る開運パワースポットと温泉2泊3日
◆界 加賀で味わう金継ぎ、九谷焼、加賀獅子舞……山代温泉でのんびり2泊3日の旅はこちらへ
温泉と加賀文化を体験|界 加賀 2泊3日で巡る山代温泉の魅力
「界 ポロト」ポロト湖畔の温泉宿
新千歳空港からレンタカーで約60キロのドライブの途中、息を吹き返したように鮮やかな新緑の景色が続きます。陽光がきらめき、ひんやりとした風は北海道にやってきた遅い春、そして初夏の兆しを教えてくれているようです。まるでヨーロッパの5月を思わせるこの気候こそ、求めていたもの。白老町に入ると界 ポロトはすぐそこです。
森に迷い込んだかのような、木々と小川が流れるファサード。北海道へ来たことを感じさせてくれます。小川の澄んだ水は湧き水を利用しています。
ロビーの暖炉の温もりにホッとするひととき。ソファでくつろぎながらポロト湖を眺めます。
白樺の森の中にいるようなトラベルライブラリー。アイヌ文化についての書籍が充実しています。
ご当地部屋 「□の間(しかくのま)」ポロト湖と豊かな山並みの見事な眺め
界 ポロトならではのご当地部屋「□の間」は、アイヌ文化への敬意と、ポロト湖の自然が響き合う客室です。伝統的な住居「チセ」の炉をモチーフにしたテーブルや、木彫りのオール、アイヌ文様から着想を得た壁紙など、室内のしつらえがこの土地の文化を伝えています。広い窓の向こうには木々の豊かな緑、そしてポロト湖の水面に注ぐ光。客室にいながら、アイヌの人々が大切にしてきた自然との深いつながりに触れる時間が流れます。
窓際に置かれたデイベッドに横たわり、ただ湖を見て過ごしたくなる。
露天風呂付特別室のベランダにはチェアとテーブルが置かれています。
特別室の露天風呂はポロト湖と一体となったような眺め。夜は星と、朝はうぐいすのさえずりとともにモール温泉を楽しみました。
特別室のベッドルーム。間接照明に浮かび上がる壁紙のアイヌ文様。
「連泊おこもりセット」では、ランチタイムに特製の「昼餉弁当」がお部屋に届きます。
2泊3日の旅をのんびり過ごしたいなら「連泊おこもりセット」を。また界 ポロトの茶褐色のモール温泉で染め上げた布にアイヌ文様の刺しゅうを入れる体験ができる「アイヌ文様刺しゅうセット」も付いています。
世界的にもめずらしいモール温泉で肌も心もとろける
界 ポロトの温泉は茶褐色が特徴のモール温泉。世界的にもめずらしい泉質と言われています。フミン酸、フルボ酸などを有したお湯に身体を浸すと、さらっとした淡泊なお湯のように一瞬感じました。でもしばらくすると、まるで美容液の中にでも浸っているようにうるおい、お湯が肌にまとわりつくように感じます。モール温泉が美肌の湯と呼ばれる理由です。
ポロト湖畔に佇むとんがり湯小屋にある「△湯(さんかくの湯)」。入ってすぐの湯上がり処の目の前はポロト湖です。アイヌ文化の建築「ケトゥンニ」を基本構造としたこの建物は、外から見ても中から見てもユニーク。湯上がりには冷たいお茶やアイスキャンディーも用意されています。
内湯から露天風呂へと続く、三角形の開口部。内湯は源泉かけ流しのあつ湯とぬる湯の2つの湯舟を備えています。温度の異なるお湯に交互に浸かることで心身を整えていきます。
△湯の露天風呂はポロト湖と一体になったかのよう。特に夜の露天風呂は暗闇の中で湖と空と一体化したような浮遊感があり、特別な雰囲気に包まれています。
「温泉文化いろは」は、モール温泉のことや、効果的な入浴法をわかりやすく解説してくれるアクティビティ。どこの界に泊まっても実施されているので、その土地の温泉や文化を知ることができます。
北海道の美味を集めた「北国の海鮮醍醐鍋会席」
北海道は海の幸、山の幸に恵まれたところ。せっかく来たのだから、あれもこれも食べたいという欲張りな夢を叶えてくれるのが界 ポロトの「北国の海鮮醍醐鍋会席」です。ご当地先付けの「馬鈴薯海宝盛り 山わさび」からスタート。かわいい焼き物のクマちゃんが抱えている器に入って運ばれてきました。その土地のものを、その土地らしく食べる。これぞ旅の醍醐味。界 ポロトの世界観がここにも生きています。
地元の作家さんが作るクマちゃんの焼き物を使った楽しいプレゼンテーション。馬鈴薯のすり流しはとてもなめらかでクリーミー。すり流しに隠れている山わさびをよく混ぜると、また違った味わいに。
界 ポロトの宝楽盛りは、イタオマチプというアイヌ文化に伝わる丸木舟の形を模した器に盛られてきます。色とりどりの八寸、お造り、酢の物まで目にも楽しい。
台の物は北海道の海の幸がたっぷりと入った「北国の海鮮醍醐鍋」。海鮮の旨味十分です。実はこの鍋、この後、出汁咖哩に変身します。 お腹いっぱいのはずなのに、食が進んでしまうのはカレーのせい。札幌名物のスープカレーをアイディアに作られたそうです。
界スタッフがセレクトした北海道の日本酒がずらり。好みを伝えると親切に相談に乗ってくれます。土地のお酒と食も、旅の楽しみです。
界のこだわり。国家資格者をスタッフに揃えたマッサージ
温泉旅館の楽しみのひとつは、湯上がりのマッサージでは? 界のマッサージを今回初めて体験してみて驚きました。通常、マッサージ師は外部に委託するのがほとんどですが、界では国家資格者を界のスタッフの一員として迎え入れているのです。その徹底したホスピタリティに驚きました。
今回担当してくださった工藤さん。重点的に施術してほしい部位など、カウンセリングもしっかり。とても安心してお願いできました。揉み返しもなく、コリもほぐれて軽やかになりました。界のマッサージ、高レベルです。
「コタンの宵の集い」暖炉を囲み語らう夜
暖炉にはセレクトされたお酒が準備されていました。その日の気分で飲み方も選べます。
暖炉を囲みながら、お酒が準備されていく様子。アイヌ文化に想いを馳せながら、夜を楽しみます。
この日はジンのソーダ割をオーダー。スモークチーズとスモークナッツと合わせて。
アイヌ文化を知る、触れる。界 ポロトのアクティビティ
「界 ポロトスタッフが案内するウポポイ園内ツアー」
界 ポロトでは、宿泊者限定の特別な体験として、隣接する民族共生象徴空間「ウポポイ」を巡る「界 ポロトスタッフが案内するウポポイ園内ツアー」を実施しています。
湖畔の朝の澄んだ空気の中、園内を歩くひとときは、この滞在で感じたアイヌ文化への興味を、より深い理解へと導いてくれます。アイヌ文化や歴史の背景、人々の自然観や暮らしについて知ることで、この土地の風景そのものが違って見えてくるでしょう。ツアーの参加者には、一人ひとりに合わせてスタッフが選んだ「アイヌ語カード」をプレゼント。また、界 ポロトとウポポイそれぞれのフォトスポットで撮影した写真を収めた記念アルバムも用意されています。旅の思い出だけでなく、この地で出会った文化との小さな縁を持ち帰ることのできる、心に残る体験です。
アイヌの伝統的な家屋「チセ」が立ち並ぶエリア。
この日はチセの中で、イナウを作っているところを見学することができました。イナウとは、ヤナギ類などの木の表面を刃物で削り、薄い削掛(けずりかけ)をたくさんつくりだした祭具です。
ウポポイ(民族共生象徴空間)
国立アイヌ民族博物館、国立民族共生公園、慰霊施設などで構成された体験型フィールドミュージアムです。博物館の展示を見て学び、交流体験ホールで「アイヌ古式舞踊」や、ムックリ演奏などのアイヌ民族の芸能を見ることができます。アイヌ文化に触れたあとはポロト湖散策、フードコートで北海道の味も楽しめます。
https://ainu-upopoy.go.jp/
「イケマと花香の魔除けづくり」
アイヌ民族が古くから魔除けの植物として大切にしてきた「イケマ」。この体験では、イケマにコーンフラワーやよもぎ、カレンデュラなどのハーブを組み合わせて作ります。
素朴でやさしいドライハーブの香りに包まれながら完成した魔除けには、旅先で過ごした時間や記憶も一緒に閉じ込められていくようです。暖炉を囲んで参加者が思い思いに手を動かす光景も、この体験の魅力のひとつ。アイヌ文化に触れながら、この旅を思い出させてくれる自分だけのお土産になります。
青色のハーブはコーンフラワー、よもぎ、黄色のハーブはカレンデュラです。
包んだときにハーブの色がきれいに見えるように、考えながら入れていきます。
魔除けを包むのが難しいかもと心配しましたが、折り紙の要領で作れました。界のスタッフが親切に教えてくれるので大丈夫です。
旅の記憶を持ち帰る、界 ポロトのお土産
界の旅でいつも楽しみにしているのがショップです。そこには、スタッフが自らの足で見つけた、その土地ならではの品々が並んでいます。界 ポロトにも、白老町らしさを感じるお土産が数多く揃っていました。
昭和に爆発的に流行った木彫りのクマさんですが、界 ポロトがセレクトした白老町のやまだ民芸社のクマさんは、あの頃のものとは一線を画しています。このクマさんたちの表情も仕草もなんだかとっても愛らしい。思わず一頭、連れ帰ってきました。
アイヌ文化を象徴する文様を刺しゅうして額装してあります。独特の文様の美しさ、手仕事の素朴さが、現代のインテリアにもマッチしそう。
客室にも出されている、界 ポロトのオリジナルお菓子イヨマンテ。ちょっぴり塩味のサブレにハスカップのクリームがサンドされています。エント茶は、北海道に自生するシソ科の野草茶。さわやかですっきりとした味わいが人気。
界 ポロトから空港までの寄り道ドライブ
チェックアウトは11時。飛行機の時間に間に合うように車を走らせます。白老町でカフェなどあればとスタッフに相談したら、教えてくれたのが「マザーズ+」。白老町の養鶏場の新鮮なたまごをたっぷり使ったシュークリームが有名で、週末には売り切れてしまうことも。広大な敷地には、ベンチなども置かれており、お天気が良ければ外で食べたくなる心地よいカフェです。
ノーザンホースパーク https://www.northern-horsepark.jp/
空港近くにある「ノーザンホースパーク」では、馬とふれあえるさまざまなアクティビティやイベントが用意されています。見学できる厩舎もあり、馬たちの様子を間近で見ることができます。道中には広々とした農地や牧場が広がり、北海道らしい風景を楽しめるのも魅力です。空港からのアクセスがよく、出発前や到着後の時間を利用して立ち寄りやすいため、旅の予定にも組み込みやすいスポットです。
界 ポロトの2泊3日はあっという間に過ぎて行く……
モール温泉に身をゆだねながらポロト湖を眺めていると、耳に届くのは鳥たちのさえずりと、風が木々を揺らすかすかな音だけ。湖面を渡る風と静寂に包まれ、いつの間にか心の緊張がほどけていきます。それだけでも、ここまで足を運んだ価値があったと思えるほどです。白老町では、気温が30度を超える日はひと夏に数えるほどしかないのだとか。界 ポロトで過ごす時間は、都会の厳しい暑さや慌ただしい日常から距離を置き、心身をゆっくりと休ませるのにふさわしい夏の休暇となるでしょう。
◆界 ポロト
北海道でも四季が鮮やかな白老町・ポロト湖畔に建ち、スタイリッシュなデザイナーズ建築が印象的な、全室から湖を望める湯宿です。アイヌ民族の建築から着想を得た、とんがり湯小屋の「△湯(さんかくのゆ)」とドーム型の「〇湯(まるのゆ)」では、植物由来の有機質を含むモール温泉に浸れます。アイヌ文化への敬意と、豊かな自然に抱かれ、環境と共生する温泉旅館です。
界 ポロト 2泊のすすめ
温泉を存分に楽しみ、心身ともにリフレッシュするには1泊ではもったいない。ゆっくりのんびり滞在する2泊3日をおすすめ。心ゆくまで旅の時間を楽しむ連泊滞在をご提案します。
界 2泊のおすすめ https://hoshinoresorts.com/ja/brands/kai/sp/renpaku_kai/
◆界ブランドとは
界は、星野リゾートが運営する日本初の温泉旅館ブランドです。現在、全国 24か所に展開しており、今後数年かけて日本有数の温泉地に約 30 か所展開し、日本旅の拠点となることを目指しています。「王道なのに、あたらしい。」をテーマに趣のある心地よく快適な空間で、ホスピタリティ溢れるスタッフが旅の醍醐味である「地域」や「季節」へこだわり、その土地ならではの旅の提案をするブランドです。
photos by Natsuko Okada
text by Chisa Nakajima
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投稿 猛暑から逃れて北海道の森と湖へ。界 ポロトで過ごす涼やかな2泊3日旅 は Premium Japan に最初に表示されました。
Features
ザ・キタノホテル東京「ティーラウンジ佳風」の新メニュー
2026.6.19
オールグルテンフリーの「夏庭のアフタヌーンティー」を8月末まで提供中
「ザ・キタノホテル東京」のオールデイダイニング「ティーラウンジ佳風」では、季節ごとに装いを変えたアフタヌーンティーセットを展開中。今回、新メニュー「夏庭のアフタヌーンティー」が登場し、8月末まで提供中だ。
「ティーラウンジ佳風」のアフタヌーンティーセットは、スイーツ、セイボリーのすべてのアイテムがグルテンフリー。健康面でのメリットはもちろん、おいしさを最優先にしたクオリティの高さで多くの支持を集めている。
新メニュー「夏庭のアフタヌーンティー」は、明るい季節のイメージに、日本の夏の風情も添えたキタノらしいセット。
スイーツ8品&セイボリー5品には、くずきりメロン、メロンショートケーキ、パッションフルーツの水羊羹、白桃のムース、そば粉のガレット 夏野菜のラタトゥイユ、米粉パンケーキ 生ハム&メロンなど、夏を感じさせる食材をメインにしたメニューをラインナップ。さらに、吉野葛や大葉なども取り入れ、異なる味わいや香り、食感を織り交ぜることで、最後まで軽やかに楽しめる内容となっている。
あなたも、茶室をイメージした落ち着きのある空間で、涼やかな午後のひとときを楽しんでみてはいかが。
◆夏庭のアフタヌーンティー
【期間】2026年8月31日まで
【場所】オールデイダイニング「ティーラウンジ佳風」 ザ・キタノホテル東京2階
東京都千代田区平河町2-16-15
【時間】平日15:00~18:00、土日祝12:00~18:00
【料金】一人7,500円(税込み、サービス料15%別)
※詳細は公式サイトを要確認
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