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これを食べなきゃ人生ソンだよ
2025.11.19
「旨み」のあるカレーライスを求めて 東京のベスト5店はここで決まり!
文=バッシー
今回はみんな大好きカレーライス 東京のベスト5だぜ。
神田の「トプカ」、新宿の「モンスナック」、神田の「ボンディ」、上野の「デリー」、渋谷の「ムルギー」の5軒を紹介する。
この国の人は一年のうちで、どれだけのカレーライスを食べるのだろう。と考えてしまうほど、日本人は家庭でも外でも、まー、よく食うよな。
外食で特に目立つのは、店にもよるが、カレー屋におけるおっさん率だ。一人でやってきては、カレー屋に蝟集する。その光景は、そこに混じるのに気後れするほどだ(笑)。
ま、それは冗談だが、今回はおっさんたち(もちろん女子も子供も)が、それほど好きなカレーライス店を探訪してみたい。
とはいえ、東京のカレーは百花繚乱の呈を成す。今回は、日本人が作り白米で食べるカレーライスに限定することにした。キーマカレーもはずした。もちろん、日本で食べているカレーのようなものはインド本国にはない。町中華が中国料理とは違うのと同様に、カレーライスも日本独自のものである。
先にお断わりしておきたいのだが、筆者はカレーの専門家ではないし、また、東京中を食べつくしたわけでもない。概して、ドロッとした欧風カレーよりも、シャバシャバ系が好みだと思っていたが、どちらも同等にイケることが分かった。
今回も、数多の人気店を回った。そこで解ったことがある。小生は比較的若め~中年の人たちがやっているスパイスカレーってやつが、ほぼほぼ腑に落ちない。
インドで修業した云々の店も多く、誰もが独自のスパイス使いに精魂を傾けている。懸命なのはもちろん立派なことだが、料理としての「旨み」が置き去りにされているように思う。小生はインド本国で(日本なら一括りにされる)
今、流行っている店は明らかにインスタ映えを狙ってはいないか。そして、その多くが旨みに乏しいカレーを作っていることにおったまげた。超人気店を4軒ほど回って、もう勘弁してくれと思った。それでも客がパンパンに入っていることにも二重にたまげた。
エラそうな物言いをしてしまったが、以上も以下も、あくまでもジジイの一見解として参考にしてもらえたら幸いである。
自信たっぷりの名店「トプカ」
優しいけど、味に奥行きがある
神田須田町に昔からあるカレーの名店だ。なにしろ店名が「トプカ」。筆者は、イスタンブールのトプカピ宮殿でも関係するのかと思っていたが、「トップ・クオリティ・オブ・カリー」の略なのである。その自信は大したもんだ。
ここのカレーは印度カリーもしくは欧風カリー(当店はカリーと呼ぶ)で、あるいはその両者の盛り合わせセットを頼むことができる楽しい店だ。
欧風カリーはよく炒めた玉ねぎに20種類以上のスパイスと鶏スープを加えて12時間以上も煮込んでいる。印度カリーはシナモン、カルダモン、クミンなどで香りと辛さを引き立てる。
HPを見ると凄いことが書いてある。
「2種類とも手を抜いておりません!」
「どのメニューも全部同じルーを使っているカレー屋は、お客様を馬鹿にしていると思います」。
うひゃー、ケンカ売ってるぜ。こりゃあ、大変だ。
ゆえに、当店のカレーは、注文があってから、一皿一皿、フライパンで調理する。具によって全てのルーを使い分けているのだそうだ。そりゃ、インド人にとっては基本中の基本のことよね。
単品はキマカリーやハヤシライスも含めて18種、盛り合わせは、A牛すじカリー&印度ポークカリー、Bマトンカリー&印度ポークカリー、Cキマカリー&印度ポークカリー、Dバターチキンカリー&印度ポークカリー、Eバターチキン&牛すじカリーの5種がある。迷った末に選んだのはEである。
「トプカ」のカレーは”印度カリー”もしくは”欧風カリー”で盛り合わせセットを頼むことができる。
色の違う2種類の湖を、峰続きの白い山が分け隔てたかのようだ。写真で言えば、手前が牛すじ、向こう側がバターチキンである。欧風と印度の双方を楽しめる。
牛すじカリーは、辛くはなく優しい味わいだ。玉ねぎの甘い味、ワインの風味とバターのコクがある。牛すじは形状をわずかに残す程度で咀嚼しやすい。しっかりと煮込まれたためだろう。
バターチキンは大きめのチキンとジャガイモがゴロンと入っているが、バターを濃厚に感じさせる。とはいえ、インド人の作るバターチキンよりもスパイスもバターも少ないのではないか。粘度もこちらが上で、かなり優しい味わいだ。
優しいとは言え、スパイスの多様さ、味の奥行きと広がり方は見事で、カレーを食す喜びに浸れるものだ。小生は辛味に耐性があるのでまったく平気だが、同じカレーを食べていた隣の兄ちゃんは汗をダラダラと流していた。きっとスパイスに反応しているのだろう。
ご飯はかなり硬めに炊いてある。シャバシャバ系ではないので、ご飯が余りぎみになる。カレーだけ増量できると嬉しいのだが。
カリー専門店「トプカ」の入口
カリー専門店 トプカ
東京都千代田区神田須田町1-11
竹内ビル1F
℡03-3255-0707
(月~金)11:00~15:30、17:30~22:30
(土・日・祝)11:30~18:00
インド風ポークカリー 1300円
純野菜カリー 1250円
盛り合わせA 牛すじカリー&インドポークカリー 1750円
盛り合わせE 牛すじカリー&バターチキン 1900円
「モンスナック」は〝おっさんパラダイス″
この値段でこのクオリティは凄い
懐かしい店だぜ。新宿紀伊國屋書店の地下である。この地下街には生スパゲッティ屋の「JINJIN」があったりして、学生時代からよく通ったもんだ。
さて、「モンスナック」は「元祖サラサラカレー」を謳う店として、とても有名だ。創業は昭和39年と古い。ビル自体の耐震工事で休業したのち改装工事を終えて、2024年に再開したことで多くのファンが歓喜した
中はすっかりモダンで、極めて清潔な店に生まれ変わった。チリひとつ落ちていない。何となく、カレー屋ってのは、スパイス臭が壁にこびれつき、薄汚れていることが許されるイメージがあるが、ここはピッカピカだ。もちろん、店内で一から作っていないこともあるが、まずはそこに感動するだろう。
次に例によって、右も左もおっさんだらけなことに驚く。22席あって、女子はたった1人だ。この〝おっさんパラダイス″に侵入する女子の勇気も称えておきたい(笑)。
小生は「玉子カレー」にコロッケのトッピングを頼んだ。ベースとなるのは豚バラを煮込んだポークカレーで、そこにゆで卵を載せたものだ。玉子カレーだけなら800円という激安ぶりにも頭が下がる。
元祖サラサラカレー「モンスナック」の”玉子カレー”にコロッケのトッピング。
出てくるスピードが凄い。その「シャバシャバ感」も凄い。トロミは10%ぐらいかねえ。ブイヨンをベースにしているため、ほぼスープカレーか?ってなぐらいだ。そして、酸味の強い独特の風味だ。鼻からチャツネがツーンと抜けていく。これを白メシにまぶしていく楽しさよ。
もちろん酸味だけではない。辛味は控え目で、玉ねぎの甘さを時おり感じる。ブイヨンが元だから旨みも十分だ。「カレーは飲み物」と喝破した御仁が昔いたが、まさにそんな感じ。とにかくサラサラなので、ご飯にまんべんなく絡められる点がいいのだ。豚ロースの肉塊は、スプーンで簡単にほぐせるほど柔らかい。
牛肉コロッケも揚げたてで、ジュジュッと熱々で良い。真っ赤な福神漬けが旨い。緑のキュウリ漬けはしょっぱいだけだね。
中毒性があることは間違いないのよね。
チキンカレーも鶏唐揚カレーも旨そうじゃ。次回はどちらかだな。ちなみに、素材によってルーは変えているそうだ。
行列は必至だが、立ち食いそば屋みたいに回転率はすこぶるいいから心配はいらない。いや、今さらながらに素晴らしい名店だと思う。ちなみに新宿野村ビル店もある。
「モンスナック」の入口
モンスナック
東京都新宿区新宿3-17-7 紀伊國屋ビルB1F
(月~金)11:00~21:15、(日・祝)11:00~21:00
休業日:12月30~1月2日
玉子カレー 800円
カツカレー 1000円
コロッケカレー 850円
「欧風カレー ボンディ 神田小川町店」
ホッと安心する旨さは不変だ
なんだ、今さらここかよと言われそうだが、旨いものは旨いのだから、仕方がない。
今回、参考にしたものの一つに某グルメ雑誌のカレー特集があるのだが、そのラインナップには散々な目にあった。新規開拓は雑誌の使命であることは分かるのだが、目新らしさを優先して、首を傾げたくなる店を紹介していたら本末転倒というものだろう。
そういうスパイスカレーが続いていたときに、「ボンディ」を味わってホッとしたのである。
そうだよね~、旨みがなきゃダメだよね~、フムフムと頷きながら掻き込んだ。
「ボンディ」人気No.1の”チキンカレー”はフランス仕込みの深い旨みが特徴。
誰もが知っている「第1回神田カレーグランプリ グランプリ」受賞店である。もう何十年もひたすら同じ味を維持しているのは、やはり偉大なことだ。それでいて、本店などは呆れるほどの長蛇の列で、2時間待ちは当たり前ってなもんだ。
「ボンディ」のカレーの特徴は、何といってもフルーツの甘みと、フォンがもたらす味のコクというか、深い旨みにある。さすがはフランス仕込みと言える。
1968年にフランスに渡った初代・村田氏の説明によれば、フランス料理店でバイトをして、ソースというものの凄味に開眼したとか。彼のカレーは、フレンチのブラウンソースをベースに、数多くのスパイスを加えたものだ。
その特徴は、
「・乳製品をふんだんに使い、まろやかさとこくを醸し出しています。・リンゴを主体とし、その他の果物とタマネギなどの野菜をたっぷりのバターで長時間炒め、さらに赤ワインで煮詰め、フルーツと野菜のチャツネと呼ばれるジャムを作り、そこへさらにバター、レッドペッパーなどの辛みを加えていきます」
だからこそ、ソースというかルーは、なめらかで多様な深みがあるのだ。インド料理とはアプローチがまったく違う。小生が頼んだ人気No.1のチキンカレーにしても、ゴロンとしたチキンはスパイスに漬け込んだものをパリッと焼き上げただけで煮込んでいない。香ばしくて、そこがいい。
ちなみに、ルーのみ大盛りにしたのだが、やはりご飯が少し残ってしまった。欧風カレーの場合には、これがあるんだよね。エビカレーとかアサリカレーもさぞかし旨いに違いない。デザートの「なめらかプリン」ってやつを食べたかったが、こっちの支店にはなかった。ザンネン。
欧風カレー 「ボンディ」 神田小川町店の入口
欧風カレー ボンディ 神田小川町店
東京都千代田区神田小川町3-9 AS ONE 神田小川町2F
℡050-5571-0421
(月~金・祝前日・祝後日)11:00~15:00、17:00~21:00
(土・日・祝)11:00~21:00
チキンカレー 1700円
ビーフカレー 1700円
ポークカレー 1700円
大盛り(ソースのみ大盛りも同額) 200円
「デリー上野店」、ここをハズしたら
カレーファンの皆さんに怒られる
60余年の歴史を誇る、「東京のカレーと言えば、決まり!」ってな店だ。まー、ここはハズせないってことで。珍しいんだが、この店はインド・パキスタン料理を掲げているんだよね。犬猿の仲の国名が2つ並ぶのは不思議だが、商社マンだった創業者が戦前に研究したのは、インド、パキスタン、スリランカのカレーなんだって。
まずは名物の「カシミールカレー」ですな。意図的に黒くしたカレーで、色彩と風味はカラメルによるものだ。超シャバシャバ、というかほとんどスープである。とろみは一切ないという突き詰め方だ。
これは店が「Strong Hot」と表示するぐらい辛い。「蒙古タンメン中本」のような単一な辛さではなく、多様なスパイスによる辛さは強烈だ。だが、辛いだけではなく、辛みの奥にタマネギやカラメルの複雑な甘味や苦味が広がる。コクが深い。
さらに、ツヤツヤのライスが見事で、カレーの超スパイシーに対して、ライスが甘みをもたらす。ライスは今回回ったどの店よりも格段に旨い。すごいぜ、このライスは!
よって総合的に見て、これはカレーにおける一種の到達点とも言えるのではないか。
辛みには滅多に反応しない筆者だが、側頭部にタラリと汗が流れてきた。唇はもちろんビリビリである。胃袋までスパイスが効いている。ゆえに、辛いものに敏感な人には絶対にお勧めできない代物だ。たぶん、苦痛にしかならない。
だが、世の中には辛い物好きが多いらしく、「Very Hotで」とさらに辛いものを頼む客が満席のうちで3人もいた。すげえな。お宅らの舌、どうなってんの? そんなの食ってたら、胃とか食道とか壊すで(笑)。
食べ終わって30分ほど散歩してから、いちばんマイルドな「バターチキンカレー」を食べに戻った。相変わらず、アホやな、ワシ。店員も不思議な顔をしとった(笑)。
マイルドだが味わい深い「デリー」の”バターチキンカレー”
これは子どもでも行けるほどマイルドだ。しかし、マイルドは上辺のもので、やはり上級者用のカレーだ。カシューナッツの甘味と香ばしさ、トマトの酸味、そして薔薇のトゲのような辛味のスパイスがチラリと潜んでいる。うむ、実に味わい深い。これもまことに素晴らしい。
辛味も旨みも味わいたい人は、「インドカレー Hot ★★★」がいいんでしょうな。
「デリー」の入口
デリー上野店
東京都文京区湯島3-42-2
℡03-3831-7311
11:50~21:30(年中無休)
カシミールカレー(辛味度★★★★★)1350円
バターチキン(マイルド) 1500円
インドカレー(辛味度★★★) 1230円
ナスのピクルス 210円
ラッシー 550円
一口で旨ッ!となる
「印度料理 ムルギー」は偉大な店
昭和26年、渋谷道玄坂の百軒店商店街に創業した。白米がそそり立つカリーで有名な店である。ここも意外性のなさに、「なんだよ!」と言われそうだが、旨い順番から選べばハズすわけにはいかない。
初代が開店したときはミャンマー(ビルマ)のカリーだったようだが、現在はインドと日本の要素も入り込んでいる。メニューにあるサラダの「ガドガド」はインドネシア語だし、「ハヤシカリー」は日本語だから、料理の国籍は混沌としてますな。
頼んだのは店が一押しの「玉子入りムルギーカリー」で、チョモランマのごとき白米、麓に横たわる漆黒のカリー、ゆで卵の輪切り、その上にケチャップが一筋、
チョモランマのごとき白米が特徴の「ムルギー」の一押し”玉子入りムルギーカリー”
一口食べただけで、「むむっ、これは旨い!」と感じるほど旨みが強い。今回紹介した5軒の中では、「ボンディ」に次いで旨みが深い。チキンと野菜と果物を1週間ほど煮込んでいるそうだ。そこに10種以上のスパイスを加えている。ローストした玉ねぎも感じられる。
なにしろ、かなりシャバシャバだ。チキンはほとんど煮崩れていて細かい繊維になっている。辛みは程よい感じで苦味もあるが、とにかくコクが芳醇で、舌が喜びに打ち震える。辛味を緩和するゆで卵と、ケチャップの甘味もバランスがとてもいい。
付け合わせの黄色い坪漬け、福神漬けと紅ショウガを混ぜたものがカリーによく合う。紅ショウガというのは他のどこにもないが、これはなかなか良いアイデアだ。
飲むように流し込んだあとは、「あー、旨いもの食ったぜ~」という充実感に満たされた。しかも、また裏を返したくなる。ちなみに、辛口、大辛と辛さをリクエストできる。
「ムルギー」の入口
印度料理 ムルギー
東京都渋谷区道玄坂2-19-2
℡03-3461-8809
(月・水・木)11:30~15:00、17:00~21:00
(火)17:00~21:00
(土・日)11:30~15:00
定休日:金・祝日
玉子入りムルギーカリー 1300円
ムルギーカリー 1250円
ハヤシカリー 1450円
辛口 50円
大辛 100円
大盛 400円
「これを食べなきゃ人生ソンだよ」とは
うまいものがあると聞けば西へ東へ駆けつけ食べまくる、令和のブリア・サバランか、はたまた古川ロッパの再来かと一部で噂される食べ歩き歴40年超の食い道楽な編集者・バッシーの抱腹絶倒のグルメエッセイ。
筆者プロフィール
食べ歩き歴40年超の食い道楽者・バッシー。日本国内はもちろんのこと、香港には自腹で定期的に中華を食べに行き、旨いもんのために、台湾、シンガポール、バンコク、ソウルにも出かける。某旅行誌編集長時代には、世界中、特にヨーロッパのミシュラン★付き店や、後のWorld Best50店を数多く訪ねる。「天香楼」(香港)の「蟹みそ餡かけ麺」を、食を愛するあらゆる人に食べさせたい。というか、この店の中華料理が世界一好き。別の洋物ベスト1を挙げれば、World Best50で1位になったことがあるスペイン・ジローナの「エル・セジェール・デ・カン・ロカ」。あ~、もう一度行ってみたいモンじゃのお。
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Features
本格クレープを味わえる新スポット。シャンパーニュとのマリアージュも
2025.11.19
表参道にオープン「バルーンスマイルクレープ」
東京・表参道に「バルーンスマイルクレープ」がオープン。“調理する本格的クレープ”をコンセプトに、定番から新しい驚きのあるメニューまで、こだわりのクレープが揃う。
パストラミハーブ 1,320円
主役である生地は、大手製粉メーカーと研究を重ねて完成させたオリジナル配合。有名和食店やヴィーガンレストランで腕を磨いたシェフがレシピ監修を務め、注文ごとにオールハンドメイドで丁寧に焼き上げてくれる。
サーモンオリーブ 1,320円
メニューは全7種。おかず系は、燻製サーモンと自家製サワーホイップが相性抜群の「サーモンオリーブ」や、胡椒の効いたパストラミにリーフ野菜を合わせた「パストラミハーブ」など3種。
ミックスベリーヨーグルト 1,320円
デザートクレープは、「ミックスベリーヨーグルト」「黒糖シュガーバター」など、香りや甘み、食感のバランスが心地いい4種を展開する。
夕方5時からは、フランス直輸入のサステナブル・シャンパーニュ「シャスネ・ダルス」をグラスで提供。爽やかな泡とキレのある味わいがクレープの香ばしさを引き立て、絶妙なマリアージュを楽しめる。
店内やテラス席でイートインも可能なので、表参道散策の合間に、ぜひ足を運んでみては。
◆バルーンスマイルクレープ
【住所】東京都港区南青山5-8-3equboビル1F
【営業時間】10:00~20:00(LO19:30)
【定休日】火曜日
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編集部&PJフレンズのブログ
2025.11.17
「ラ・リスト」の年間最優秀シェフ賞が小林圭の頭上に輝く。 小林が語る三つ星の現在、自分の位置、そして映画。
年間最優秀シェフ賞を受賞した「Restaurant KEI」の小林圭(中央)。
「La Liste(ラ・リスト)」は、世界200カ国の43200軒のレストラン、ホテル、パティスリーをガイドするモバイルアプリだ。
アプリを開くと、世界のどの場所にいても地図が表示され、至近の美味しい店が検索できるという優れものである。
「ラ・リスト」は毎年、世界のレストランを1000位まで発表することで知られている。その順位は、独自のアルゴリズムによって主観を排した形で導き出される。
同アプリは、元駐日フランス大使で永世フランス大使でもあるフィリップ・フォールが2015年に創設したもので、今年で10周年を迎える。
2026年度版「ラ・リスト」にノミネートされた日本のシェフたち。
世界中のレストランが同列で並ぶランキング
ちなみに、2025年版で世界のトップ5にランクインした日本のレストラン7店は、以下のとおり。
★「松川」(同列1位、99.50点)
★「茶禅華」「鮨さいとう」(同列3位、98.50点)
★「新ばし星野」「L’Osier」(同列4位、98.00点)
★「飯田」「日本橋蛎殻町すぎた」(同列5位、97.50点)
「ラ・リスト」では、点数の高い順に世界各国の店が混在する様が実に面白い。例えば、2025年度版で同列1位に並ぶのは9軒で、「ギィ・サヴォワ」(パリ)、「龍景軒」(香港)、「ル・ベルナルダン」(ニューヨーク)、「松川」(東京)などだ。
2026年版は11月24日に、パリのケ・ドルセー(フランス共和国外務省)にて発表される。わが国からは125軒がノミネートされ、日本はランクインの最多国となっている。過日、フランス大使公邸にて、その発表の宴が催された。
今回、創設者のフィリップ・フォールと、年間最優秀シェフ賞を受賞したパリにある「Restaurant KEI」の小林圭に話を聞いた。まずは、小林の話から。
「Restaurant KEI」の小林圭が語る
受賞した感想はいかがですか?
「まず基本的なことですが、フランス料理があるから今の自分がいるわけです。フランス料理があって、その上で料理人をやっているからこそ、今このフランス大使公邸に呼んでもらえる。
ただの小林圭なら、ここに来られないんですよ。
自分たちが、料理という職業に携わらせてもらって、その自分たちの飲食を、『ラ・リスト』に評価されたのは、すごく嬉しいことです」
受賞したことで、何か変わったことは?
「賞を受けた後も前も、日々やっていることは一緒です。自分ができる全てのエネルギーを使って、チームと一緒に、最高なパフォーマンスをしながらお客さんを魅了する――それだけしか頭にはありません。
そのためには、まずはいい食材を集めることです。そして、その食材の命を預かって、自分たちが手を加えることで、もっといい形で、お客さんに食べてもらう。その空間と時間に対して、ここにいて良かったな、幸せだなと思ってもらえたらいいな、そういう思いでいつも料理を作っています」
料理の現在と『グランメゾン・パリ』について語る小林圭。
「自分は天才じゃないから、作り続ける」
先般、放映されたNHKの「プロフェッショナル」ですが、冒頭に、「料理を出した2秒後にはもう後悔です」という発言がありましたね。
「番組では言葉足らずでしたが、料理を出した瞬間には、次だったらもっとできると考えるわけです。だから、いまこの皿を出すかどうか、その駆け引きは自分の中でずっとあります。その思いが『後悔』という言葉になりました。
ですから、番組の担当者によく言っていたのです。『自分は天才じゃないから、天才になってみたいよね。なれないから作り続けるしかないんです』って」
パリにあるミシュラン3つ星の中で、「自分たちは下の方じゃないか」と語っていたのも印象的でした。
「まだ自分たちの店が若いっていうことがありますね。それと、お客さんは記憶と共にありますから、そこが如何ともしがたいところです。なぜなら、歴史はお金で買えないからです。
とすると、自分たちが作れるのは、未来だけなんです。
だからと言って、自分がアラン・デュカスさんの料理を再現して同じものを作ったところで、彼には歴史とそこの空間と全てがあるから、かなうわけがありません。
やはり、自分たちは自分たちの良さは何かということを追求しながら、ここで勝たなきゃいけないんですね。
パリには3つ星が10軒。そこには『アラン・デュカス』、『ギィ・サヴォワ』からみんないるわけです。
その中で、やっぱりお客さんは取り合いになるわけじゃないですか。どうしたってそこを取っていかなきゃいけないだろうし、評価も取らなきゃいけないんですね。
そのためには、まずはブレずに、いつも同じことをやり続けることです。
人生って、いつも何か起きるじゃないですか。その中で今の自分をずっと超え続けるしかないと思っています。それでゆくゆくは、何が見えるんだろう、どういう景色があるんだろう、それを知りたいですね」
ミシュラン3つ星と『グランメゾン・パリ』
NHKの番組に出ていなかったことはありますか。
「絶対に入れてもらいたかったのは、自分たちのチームのことです。チームがあるからこそ、今の自分があるわけですから。
というのは、例えばアラン・デュカスさんたちは大リーグです。どこを取ってもみんなスターが揃っている。うちは一人ずつを比べたら本当にもう弱小です。だけど、チームとして見た時には、デュカスさんに伍していけるかもしれない。それが自分たちの強みだと思っています」
2020年からミシュラン3つ星を維持するのは凄まじい。気を抜ける瞬間はないのか。
「2014年に初めて星を取ってからはないですね。星が3つになってからは、重圧はもっと強くなりました。
何が強いかと言えば、やっかみもありますが、期待度なんです。日本からお客様が来てくれて、『日本の誇りだよ』と言ってくださるのはすごく嬉しいです。それが前に進むエネルギーにもなります。と同時に、積み重なると責任はやっぱり重いですね」
映画『グランメゾン・パリ』の撮影はいかがでした?
「日本人なら誰でも知っている俳優さんと雑談している時にこう聞かれました。『モチベーション、どうやって作ります?』。そして彼自身は、『負けたくないよね。負けず嫌いだよね。それだけ』と言いました。
それにはすごく共感しますね。
彼は生き方がブレない。でも、ブレないからこそ叩かれるし、褒められもする。それをずっと繰り返している。
自分も彼に負けられないし、違う職業だけれども、いいライバルでいたいと思っています」
「ラ・リスト」を創設した元駐日フランス大使のフィリップ・フォール。
この10年間のガストロノミーの変化
続いて、フィリップ・フォールに話を聞いた。「ラ・リスト」を創設してから10年、その間、ガストロノミーの変化をどう感じていますか?
「『ラ・リスト』は現在1200の資料から情報を取っていますから、大きな流れを把握できるアドヴァンテージがあります。
この10年の間に最も影響があったのはインスタグラムでしょう。インスタグラムは人々に目で食べることを定着させました。何よりもビジュアル優先で、食べ物に引き寄せられるという傾向があります。
こうした傾向はもともとあったのですが、それはさらに強まってしまって、シェフたちは味覚よりも見た目で勝負というところがどんどん強くなってきているように思います。
それで何が起こるか。結果として、料理が世界中で均質化してしまうのです。どうしても、似てしまう。
見た目に派手な黄色だとか、赤や青を使い、あるいは花を散らしてみたり。見た目を引き付けるような料理が出てきてしまって、ジャガイモやセロリなどの地味な食材が居場所をなくしてしまう。
ミシュランガイド自体も、そうした傾向に引っ張られてしまっているところがあります。若い方、若い世代のシェフにそういったポジションをどんどん与えているように見受けられます。それが一点目です」
二点目は何か?
「一点目とは矛盾する動きです。我々の料理のルーツというところに立ち返る必要があるのではないかと考えています。例えば、地域ごとの特性の出る料理、あるいは50年前100年前、我々の祖父母なんかが食べていたようなオーソドックスな料理を現代化していく、そういうことも必要なのではないか。
従って、なるべくオーセンティックな味、正統的な料理を提供するという傾向も、特に若いシェフの中で発生しているように見受けられます。
具体的には、ローカルの農産物や魚や様々なものを使う。それから、その地方出身のシェフがその地方に留まってその地方独自の料理を見せていくという傾向も、特に若い方に今見られていると思います。
一つ目と二つ目の傾向は、どちらが勝つのかという話になった時に、明らかに二つ目の方に軍配が上がるでしょう。見た目よりも味で勝負というのは、やはり勝つに決まっています。
ミシュランで星1つを取ったレストランは、毎年15から20%が倒産をしています。実際に、インスタ映えするような一皿を出す傾向のレストランが、15から20%の中に入っているのではないでしょうか」
レストランの本来の存在意義
インスタがもたらす別の功罪は?
「インスタで知られてしまうと、これは外せないという料理をどうしても出す傾向があります。
コース料理と言えば、大体6~7皿で構成されていて、アミューズ、プレ前菜、前菜、魚、肉、デザートです。
ところが、今日のお魚のサバが私は食べられないとしても、『ごめんなさい。他にないんですよ』ということが起きる。お客様のことよりも、お店の都合優先で料理を構成してしまう傾向も見られます。
本来であれば、お客様に楽しんでもらうために様々なタイプの料理を出すという方が、レストランの本来の存在意義ではないでしょうか。
リ・ド・ヴォーが食べたい、フィレ・ド・ポワッソンあるいはラングスティーヌを食べたいとか、その時の体調や気分によって食べたいものは変わります。そういう柔軟性が欠如してしまうのも、インスタの弊害ではないでしょうか。
私が危惧している傾向は、シェフがどうしても自己満足のために一皿を提供するところがあるということです。お客様にこれを食べなさいと強要してしまうわけです。本来ならば、お客様の好みを伺ってお出しすべきですよね」
これからのガストロノミーにとって、「ラ・リスト」はどのように貢献できるのか?
「私たちのアプリの特徴は、1に透明性を大事にすること、2に独自のアルゴリズム、3がしっかりしたランキング、4が便利なツールです。
透明性に関しては開始した当初から、いちばん重要視しているコアの部分です。1200の情報ソースを使って、できる限り公平なリストにしています。
そのためのアルゴリズムは裏で一切のお金の動いていないものです。実際にレストランに行って何かを要求するわけでもなく、完全に独立性が確保されています。もちろんAIの技術も使っているし、10年間で蓄積したデータベースも誇るに足るものです。そうしたことを総合して、確かなランキングになっているのです。
このアプリはまだ一般にはそれほど知られてはいませんが、プロの方々の間では非常な広がりを見せています。
ツールとしては、世界中のどこにいようと、例えば紛争地であっても、今いる場所で美味しいレストランが検索できます。とても便利なものです」
イノベーション賞を受賞した「鮨 めい乃」幸後綿衣。
特別賞を受けた面々
最後に、小林の他にも特別賞を受けた料理人がいるので紹介しておく。
正統的職人技賞「天寿し 京町店」天野功一(北九州市)、イノベーション賞「鮨 めい乃」幸後綿衣(東京港区)、ゲームチェンジャー賞「Dining 33」山地裕也・津野一平(港区麻布台)、注目の若手賞「レストラン ナズ」鈴木夏暉(軽井沢町)、注目の若手賞「エーヴィック」菅野眞次(港区青山)、地域社会振興賞「ル・トリスケル」勇崎元浩(広島市)、注目のパティシエ賞「ヴェール」田中俊大(新宿区神楽坂)。
なるほど隅々まで目が行き届いていると思わせる授賞かもしれない。
(文中敬称略)
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石橋俊澄 Toshizumi Ishibashi
「クレア・トラベラー」「クレア」の元編集長。
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東京・丸の内で過ごす、洗練のフェスティブタイム
2025.11.15
フォーシーズンズホテル丸の内 東京で、美食に包まれる冬を
フォーシーズンズホテル丸の内 東京では、心華やぐフェスティブシーズンにふさわしい美食とギフト、そして温もりの体験がそろう。
現在ホテルでは、全客室の改装が進行中。2026年3月の再オープンに向け、日本の美意識と現代的な感性が融合した新しいブティックラグジュアリーホテルへと生まれ変わる予定だ。その一方で、ダイニングとスパは通常営業を続け、訪れる人々を上質な時間へと誘っている。
「MAISON MARUNOUCHI (メゾン マルノウチ)」フェスティブ ディナー 35,000円
提供期間| 2025年12 月24日(水)、 12月25日(木)、2025年12月31 日(水)
ミシュラン3つ星レストラン「SÉZANNE(セザン)」では、総料理長ダニエル・カルバートによる特別なクリスマスメニューを12月24日・25日に提供。フランスの伝統技法に最高級の日本食材を掛け合わせ、繊細さとダイナミズムが共鳴する美食体験を演出する。さらに大晦日には、1年を締めくくるにふさわしいニューイヤーズ・イヴ ランチ&ディナーも登場。丸の内の景色とともに、記憶に残るひとときを堪能できる。
フェスティブ アフタヌーンティー(12月1日〜12月31日)12,000円
フェスティブの喜びをカジュアルに味わいたいなら、フレンチビストロ「MAISON MARUNOUCHI(メゾン マルノウチ)」へ。12月1日から31日まで提供される「フェスティブ アフタヌーンティー」には、クリスマスオーナメントやサンタ帽を模した遊び心あふれるスイーツが登場。ダニエル・カルバート監修によるセイボリーも並び、冬の午後を華やかに彩る。
オセトラキャビアを添えた「ロブスターラヴィオリ ビスク グリーンピース」
熟成 12 ヶ月のコンテと冬トリュフを用いた「スフレ シュイセス」
ディナーでは、シェフのラウル・サヴィが手がけるコースが登場。熟成コンテと冬トリュフを用いたスフレや、ロブスターラヴィオリ、北海道産牛フィレなど、冬の美味が揃う。
フェスティブ カクテル(2025年12月1日〜12月31日)は1杯3,000円から。 スパイス ホットチョコレ ート 3,000円
ホリデーシーズンを彩る限定カクテルも登場。スパイスラムやシナモンが香る「スパイス ホットチョコレート」をはじめ、12月24日から31日までの期間限定で日替わりカクテルも登場。冬の夜にぴったりな香りと温もりが、心をほどいてくれる。
ブッシュ ド ノエル 7,500円(予約受付中)
お渡し期間| 2025年12 月15日(月)から 2025年12月25日(木)※予約は受け取り希望日の24時間前まで
フライドチキン コブサラダセット 6,000円
ホームパーティを盛り上げるテイクアウトメニューも充実。「ブッシュ・ド・ノエル」や「レモンとプラリネのミルフィーユ」、 SÉZANNEオリジナルクッキーなど、手土産にも最適なスイーツのほか、「MAISON MARUNOUCHI」のシグネチャーメニュー「フライドチキン コブサラダセット」もラインアップ。自宅でもフォーシーズンズの洗練を味わえる。
レモンとプラリネのミルフィーユ 7,000円
提供期間| 2025年11 月1 日(土)から 2025年12月31日(水)
※引き取りの前日午後 7 時までに要予約
フォーシーズンズホテル丸の内 東京が贈る、多彩なフェスティブメニュー。どれも五感を満たし、心まで豊かにしてくれるだろう。
◆フォーシーズンズホテル丸の内 東京
【住所】東京都千代田区丸の内1-11-1 パシフィックセンチュリープレイス丸の内
【予約・問い合わせ】03-5222-5880
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2025.11.12
『美味求真』100年前の名著が現代に甦る @八雲茶寮イベントレポート
ようやく心地よい秋の気配を感じさせた土曜日、100年前の1925年に出版され、当時のベストセラーとなった『美味求真(びみきゅうしん)』現代語訳版刊行を記念して開催されたイベントに参加するため、八雲茶寮へと出かけてきました。
今回のイベントは、前半に『美味求真』の現代語訳を手掛けた河田容英さんと、生物学者の福岡伸一さんのクロストーク、そして『美味求真』をモチーフにした料理とワインや日本酒を楽しむという趣向です。
秋の日、都立大学駅から約10分ほど歩くと、八雲茶寮の構えが見えてきました。
八雲茶寮 楳心果には、上生菓子などを買い求める人がひっきりなしに訪れます。
『美味求真』
大正時代に現れた、食文化の宇宙を記したベストセラー本
『美味求真』とは、大正14(1925)年に出版された、食文化について記された大著。食をテーマに、日本、中国、そして西洋文化や歴史へと横断し、そこに科学的、哲学的、芸術的な視点をも盛り込んだ、博覧強記の書です。著者の木下謙次郎は大分県出身の貴族院議員、衆議院議員を務めた政治家であると同時に、美食家としても知られていた人物だったそうです。
河田容英さんは、食への興味からあらゆる食に関する文献を渉猟していたときに、『美味求真』に出合ったと言います。なぜ現代語訳に取り掛かったかの理由をお聞きしました。
「『美味求真』は、食を通して、動植物の生態から文化・歴史・科学・倫理までをも見渡した、食研究の書として素晴らしい内容なのですが、文語体で書かれていることや、引用される漢文を読み下していく必要もあり、読みづらさがありました。自分自身がもっと理解を深めたいと思ったことが、現代語訳に取組んだひとつの理由でもあります」
生物学者 福岡伸一さんとのクロストーク
福岡伸一さんが『美味求真』の序文の一部を朗読することからクロストークが始まりました。福岡さんと河田さんが、著者の木下謙次郎の食文化への視点をさまざまな角度から、私たちに示してくれました。
河田容英さんと福岡伸一さんの対談の様子。生きることはロゴスだけでは語れない、ピュシスであることで循環していくなど、ゲストの知的好奇心を刺激。
「木下は、ロゴス(言語)とピュシス(自然)に着目した科学者であり、文学者。人間が万物の生物の頂点に立つのは、ロゴス化できたから。でも生きること、死ぬこと、食べること、実存的なことはロゴス化できない、ピュシスそのもの」と福岡さん。今年の読書界で取り上げられる本となるだろうと述べられました。
木下謙次郎へのオマージュにあふれた料理の数々
クロストークのあとは、八雲茶寮の総料理長 梅原陣之輔さんが『美味求真』をモチーフに作り上げた、おまかせ料理が供されました。
この日のペアリングは、大分の安心院葡萄酒工房のものが選ばれました。著者の木下謙次郎はじめ、現代語訳を手掛けた河田さん、料理長の梅原さんも大分県出身。大分の食にかかわる通人たちの木下へのオマージュを感じさせる、とても趣のあるものでした。
「斎庭稲穂」 甘酒 マンゲツモチから、お料理は始まります。マンゲツモチは、天皇陛下が皇居内で田植えをされる品種。自然な、やさしい甘みの甘酒でした。
「真是消得-死」 臼杵 ふぐ唐揚げ 卵巣糠漬け七味は、外はカリっと、中はふぐのふんわりと柔らかな身と、ふたつの食感を楽しみました。そのままでも美味しいのですが、卵巣糠漬け七味を付けるとピリッとした刺激が、また異なる味わいを教えてくれます。
「江戸の美食家」 鰆味噌柚庵焼き 蓮根餅 柚子あんは、味噌の甘みと柚子の程よい酸味と合わせて鰆を食します。甘さは日本の食にとって、特徴的なものなのかもしれない、とふと思ったり。ねっとりとした蓮根餅もよく合いました。
かめ煮は、伊勢神宮奉納米の御飯と一緒にいただきました。かめ煮は江戸風に、しっかりとした醤油の味付けが御飯にぴったりでした。
この日、すべての料理に合わせてワインや日本酒をセレクト、サーブしてくださったのは、安心院葡萄酒工房 古屋浩二さん。
食についての巨大な宇宙を記した知の巨人、木下謙次郎が残した大著『美味求真』。100年の時を超えて、古くなるどころか、現代の私たちに新鮮な視点を与えてくれるこの本の存在を知り、さっそく手に取ってみたくなりました。福岡伸一さんがおっしゃっていた通り、読書会の課題図書にして、語り合うのも面白そうです。
現代語訳 美味求真 木下謙次郎(著)河田容英(訳)傍流堂刊 7,000 円+税
中嶋千祥 Chisa Nakajima
編集NことPremium Japanの編集長ダイリ。1950~60年代の日本映画鑑賞とワインを飲むのが大好き。戦後の女性誌収集が趣味というちょいオタク。
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【シェイク シャック 外苑いちょう並木店 11月15日・16日】
2025.11.13
シェイク シャック日本上陸10周年記念! 「傳」⻑谷川在佑シェフとの9年ぶりの再共演
ニューヨーク発のハンバーガーレストラン「Shake Shack(シェイク シャック)」が、2025年11月に日本上陸10周年を迎える。これを記念して、東京・外苑いちょう並木店では、ミシュラン二つ星の日本料理店「傳(でん)」⻑谷川在佑シェフとの特別コラボメニューを、11月15日(土)・16日(日)の2日間限定で発売する。
2016年の「DEN Shack(デン シャック)」以来、実に9年ぶりとなる今回の再共演では、シェイク シャックのクラシックなアメリカンスタイルに、長谷川シェフならではの“日本料理の遊び心”が加わった4品の限定セット「傳シャック スマイルセット」が登場。和の食材・鰻や山椒、奈良漬けなどを取り入れた特別なバーガー「傳シャック(10th Anniv.)」をメインに、サイド・ドリンク・デザートまでを一つの“コース”のように楽しめる構成となっている。販売は2日間で合計500セット限定、価格は5,500円(税込)。
鰻×ビーフ、和と洋が溶け合う“10周年の特別な一口”
メインとなる「傳シャック(10th Anniv.)」は、ホルモン剤フリーのアンガスビーフ100%パティに、香ばしく焼き上げた鰻を重ねた一品。コクのあるチェダーチーズ、刻んだ奈良漬け、セルバチコの苦味、そして山椒を効かせた自家製ソースが織りなす、深みのある味わいが特徴だ。
海外でも親しまれる“鰻×肉”の組み合わせを、長谷川シェフが日本の感性で再構築。日常の食卓で自然と融合してきた魚介と肉の調和を、バーガーという形で新たに表現している。
コースのように味わう4品の限定セット
今回のコラボでは、バーガーに加えて3つの特別メニューがセットに。
牛頬肉とブルーチーズフライは、甘辛く煮込んだ牛頬肉をトッピングした濃厚なフライ。クリーミーなチーズソースとブルーチーズの香りが重なり、“肉じゃが”を思わせる懐かしさと新鮮さを併せ持つ味わいに仕上げた。
つゆひかり フィフティフィフティは、傳の店舗でも提供されている日本茶「つゆひかり」と、シェイク シャックの人気レモネードを50:50でブレンド。緑茶のまろやかさとレモンの酸味が絶妙に調和し、食後にも心地よい清涼感を残す。
発酵パンショコラコンクリートは、香ばしい発酵パンのショコラをトッピングしたフローズンデザート。クローヴ香るほうじ茶パウダーがふんわりと香り、ほろ苦さと甘さの奥行きを楽しめる。
長谷川在佑シェフ「鰻で表現する“これまでにない新しいバーガー”」
シェイク シャックが個人的に大好きと語っている長谷川シェフは、「シェイク シャックとの再コラボのお話をいただき嬉しく、お客様だけではなくスタッフもワクワクできる取り組みにしたい」と語った。9年前の「DEN Shack」での経験を思い出しながら、今回は“これまでにない新しいバーガー”をテーマに開発したという。
「日本料理らしさと、どこか懐かしい味を意識しました。メインの鰻は、たれで焼くだけでなくスモークして肉料理と合わせることもできる。ビーフパティとの相性の良さに注目し、山椒の香りをアクセントに加えました。ハンバーガーは自由で楽しい食べ物。ぜひ気軽に、豪快に楽しんでほしいです。」
来店・購入者限定の特典も
記念コラボ期間中は、数量限定の特典も用意されている。シェフコラボセットを購入した方には、非売品の「10周年記念オリジナルステッカー」がランダムで1枚プレゼントされるほか、愛犬を連れて来店した方には、長谷川シェフの愛犬“プチ Jr.”をモチーフにした「オリジナルドッグビスケット」が贈られる。どちらも数量限定のため、早めの来店がおすすめだ。
予約が取れない店で有名な「傳」長谷川在佑シェフが挑んだ特別コラボセットを、色づいたいちょう並木の下で、ぜひ味わってみて欲しい。
Shake Shack 外苑いちょう並木店
【販売日】 2025年11月15日(土)・16日(日)
【営業時間】10:00〜21:00(L.O.20:30)
【住所】東京都港区北青山2-1-15
【価格】 1セット 5,500円(税込)
※各日限定販売
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ミシュラン凱旋シェフが手がける“没入型フレンチ”
2025.11.11
フレンチレストラン「L’Unique labo」福岡・ホテル イル・パラッツォに誕生
福岡・春吉の「HOTEL IL PALAZZO(ホテル イル・パラッツォ)」の敷地内に、フレンチレストラン「L’Unique labo(リュニック・ラボ)」がオープン。
日本初のデザインホテルとして1989年に開業したこのホテルは、日本を代表するデザイナー内田繁とイタリアの巨匠アルド・ロッシの協働による建築美で知られる。その象徴的な空間のひとつで、かつてチャペルとして使われていた天井高6メートルを超える別棟に、新たな命が吹き込まれたのが「L’Unique labo」だ。
photo:Satoshi Asakawa
photo:Satoshi Asakawa
内田デザイン研究所のディレクションのもと、世界的デザインスタジオ「アトリエ・オイ」が手がけた空間は、「唯一無二=L’Unique」と「実験室=labo」という名の通り、創造が交錯する場所。わずか8席のカウンターを軸に、シェフが目の前で繰り広げる一皿一皿が、まるで舞台を観ているような臨場感をもたらす。
「L’Unique labo」シェフ 濵野雅文
シェフを務めるのは、フランス・ブルゴーニュで6年連続ミシュラン二つ星を獲得した濵野雅文。メニューは全11皿のコース「Menu L’Unique」のみ。フルーツやハーブ、野草、エディブルフラワーなど自然の恵みを随所に取り入れた料理は、ひと口ごとに味が繊細に移ろうグラデーションをテーマに構成され、 口に運ぶたびに、季節と自然が静かに変化していくような感覚を楽しめる。
器には、フランスの名窯「ベルナルド」と、有田焼の老舗「カマチ陶舗」を採用。料理と器が響き合うことで、味覚と造形美の境界が曖昧になるような体験を創り出す。また、インテリアはもちろん、家具や照明、サービスワゴンに至るまで「L’Unique labo」のためにデザインされ、空間全体がひとつの作品として体験を完成させている。
photo:Satoshi Asakawa
柔らかな白のグラデーションと、時とともに移ろう光の中で、建築とデザイン、そして料理が静かに溶け合う──。時を忘れるような没入感に包まれながら、唯一無二の美食体験を心ゆくまで味わってほしい。
L’Unique labo(リュニック・ラボ)
【住所】福岡市中央区春吉3-13-1(HOTEL IL PALAZZO敷地内)
【営業時間】ランチ 12:00~ / ディナー 18:00~
【定休日】不定休
【メニュー】全11皿のコース「Menu L’Unique」27,500円(税込・サービス料別)
【予約】完全予約制
※公式サイトの予約ページより予約可能
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グルメ最前線 トップレストランを探訪する
2025.11.10
東京・至高の日本旅館「星のや東京」に カウンター全8席の「鮨 大手門」が誕生
静謐な空間で繊細な仕事にかかる料理長の西村将。
都心にありながらも、圧巻の和空間とホスピタリティで、宿泊者を魅了し続けるのが「星のや東京」である。その施設内に、「鮨 大手門」ができたことは、旅館ラヴァーにとっては大変な朗報であろう。
食べて酔ったままですぐに就寝できる
鮨店を開いた大きな理由は、日本旅館の中にある鮨屋として、日本人のゲストにこそ食べて評価してもらいたい、という点にある。
次の総支配人・池上真敬の言葉を聞けば、そこには「星のや」スピリットの表れを十全に感じ取ることができる。
「宿泊客は、温泉に入ったあとで、滞在着で裸足という最高にリラックスした状態で食べていただきます。お酒の好きな方は、たくさん飲んで、そのまま部屋にお戻りになってすぐに就寝することが可能です。そこが旅館の中にある鮨屋の良さかなと思っています」
6種の魅力的な酒肴から始まる
肝心の鮨は江戸前である。とは言え、鮨種には東京近郊はもちろん、全国各地から厳選した旬の魚介を用いる。
この鮨屋には、ダイニングとしての3つの特徴がある。
1つ目は、料理長・西村将の日本料理の研鑽を反映して、先付けに始まる6種の「酒肴」を皮切りにしている点だ。それらはもちろん季節によって内容は変わる。
酒肴「戻り鰹の巻物」は、鰹以外の素材との構成が素晴らしい。
具体例を挙げれば、「戻り鰹の巻物」である。真ん中から外側に、秋茄子とニラ、戻り鰹、薄く剥いた大根の酢漬け、錦糸卵、海苔という構成だ。
茄子の甘みとニラや大根の酢漬けや錦糸卵が、鰹という海の獣性を柔らかくした上で包みこんで一体化させている。特にニラの強さが効いている。組み合わせは絶妙だ。それに辛子醤油を付けて食べるという趣向が秀逸なのである。
酒肴「伊勢海老と無花果の揚げ出し」は、伊勢海老と無花果の甘みがたまらない。
「伊勢海老と無花果の揚げ出し」は、揚げた伊勢海老と無花果(イチジク)、蓮根饅頭の上にイクラ、さらに海苔の佃煮を載せ、周囲には餡を流し入れた何とも手の込んだ一品だ。
伊勢海老の肉はプルンと甘く弾け、無花果はまた別の植物性の甘みをまったりと醸し出す。無花果は揚げたらより一層旨味を増すことの発見もあった。濃厚に出汁を効かせた餡は、それらの甘みととてもマッチしている。
「牡蠣の田楽」も素晴らしかった。田楽味噌の中に、焼いた牡蠣、ほうれん草と焼リンゴが潜んでいた。牡蠣には味噌焼きという食べ方があるように、田楽との相性は抜群にいい。そこに加わる焼リンゴの酸味と、添えられた酒粕を混ぜた白いクリームチーズが、発酵した旨味のレイヤーを織り成していく。
めくるめくアルコールとのペアリング
2つ目の特徴は、日本酒とワインのペアリングだ。筆者が試食した日は、特別に、日本一海に近い京都・伊根の向井酒造の数多くのラインナップと、イタリア、スペイン、フランスのワインなどを、専属のソムリエの解説付きで酒肴6品と鮨12巻に合わせてくれた。
「伊根満開 古代米酒」が「甘鯛の昆布締め」の美味しさを引き上げる。
特に向井酒造の日本酒が素晴らしく、ほとんどは冷酒でのサーブだったが、ときに熱燗で供されたりして、その差配は見事だった。
とりわけ、酒肴「甘鯛の昆布締め」に合わせた「伊根満開 古代米酒」、この豊饒さはまるで日本酒におけるロゼだろう。酒肴「鰯の蒲焼き飯」に合わせた「益荒猛男 特別純米原酒 山廃仕込み」の65℃の熱燗は、まろやかで柔らかい。鮨の「煮蛤」と「穴子」に合わせた「京の春 純米大吟醸」は酸味と甘みのバランスがいい。
個人的にはワインよりも日本酒が好みだったが、いずれの場合も、料理とアルコールの合体(マリアージュ)は、口の中で料理の良さを倍加させた。
今後は、様々な県の日本酒や焼酎も出していくが、11月中は向井酒造の2種やイタリアのヴェローナにあるワイナリー・ナルデッロのワインを含む、全8種程度を出す予定だというから見逃せない。
鮨は江戸前と地方食文化の混合
「握り」は、まずは要となる酢飯だが、料理長は、2種の酢をブレンドし、その中に梅干しとレモンを約2カ月寝かせるという、斬新な手法を編み出した。そのためか、酢の中の塩味は舌の上でキレイに澄んでいるように感じた。
丁寧な包丁の技によって、烏賊の旨味が倍加する。
細かく包丁の仕事を施した「剣先烏賊」が素材の旨味と甘みを存分に引き出していた。また、3分だけ早漬けした「赤身」や「あこうの昆布締め」などが見事だったが、料理長が得意とするのは、そうした「漬け」や「酢締め」をあしらう江戸前の技だけではない。
握り「雲丹」には淡雪塩をたっぷりと振った。
シャリに載せた「雲丹」には、淡雪塩をたんまりとかけ、スダチを絞った。最後に大振りの海苔で包んで食べるのだが、それは初めて目にする手技で、新しい味との出会いでもあった。そもそも、ウニは海藻を食べて育つから、海苔との相性は抜群にいい。
また、地方の食文化からヒントを得た独創的な握りも、当店だけにしかない斬新なものである。
和歌山の目張寿司をアレンジした忘れ難い一品。
「目張寿司」は和歌山で食されるものだが、地元ではご飯にヒジキを入れて高菜漬けの葉で包む‶お握り″のようなものだと言う。それをアレンジして、刻んだトロ鮪、らっきょう、いくらといった具を酢飯で層状にして、最後に高菜の葉で包み込んだ。これはちょっと忘れられないほど楽しく美味しい一品だった。
凛々しく気持ちのいい空間で食す鮨は格別だ。
旅館クォリティのサービスを享受
3つ目の特徴は、こうした極上の食体験を味わいながら、背後からは、旅館のサービスで鍛え上げられたホスピタリティを受けることができることである。しかもそれを享受する舞台は、樹齢二百年を超える青森ヒバの一枚板のカウンターであり、また、部屋自体が極めて美しくも心地よい空間となっている。
この「鮨 大手門」だけは、宿泊せずとも、外部からの予約で誰もが楽しむことができるというから嬉しい。それも歩みを止めない「星のや」らしい新しいチャレンジと言えるのではないか。
敬称略
鮨 大手門(「星のや東京」内)
住所:東京都千代田区大手町1-9-1
電話:050-3134-8091(星のや総合予約)
時間:一部 17:30、二部 20:00
料金:おまかせのみ1名 36,300円(税・サービス料込、宿泊料別)
定員:各回8名
備考:メニューの内容、食材は変更になる場合がある。
11歳以下は入店不可。
Toshizumi Ishibashi
「クレア」「クレア・トラベラー」元編集長
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【オークラ東京(11月18日~30日)】
2025.11.9
【オークラ東京】中国料理をけん引する4名のシェフによる「至高の美食饗宴―上海料理フェア」
(左から) パークホテル上海「雲楼(ユンロウ)」エグゼクティブシェフ 東佳俊(ドン・ジアジュン)氏 / 上海和平飯店 エグゼクティブ中華シェフ 馬浩成(マー・ハオチョン)氏 / Jホテル上海タワー「天之錦(Heavenly Jin)」料理長 蔡鵬飛(ツァイ・ポンフェイ)氏 / オークラ東京「桃花林」総料理長 陳龍誠
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オークラ東京が運営する中国料理「桃花林」では、中国・上海で歴史と伝統、そして革新を体現する三つのホテル「上海和平飯店(フェアモント・ピースホテル)」・「パークホテル上海」・「Jホテル上海タワー」の料理長を招聘し、2025年11月18日(火)~30日(日)までの期間限定で「至高の美食饗宴―上海料理フェア」を開催する。
本フェアは、オークラ ホテルズ & リゾーツのグループホテルである「オークラ ガーデンホテル上海」のオーナーであり、中国国内最大のホテルグループ、錦江国際グループを代表する三つのホテルの料理長を招聘し実現した特別な美食の饗宴。
同グループの象徴的存在である「上海和平飯店」のエグゼクティブ中華シェフ 馬浩成(マー・ハオチョン)氏、文化・歴史価値を体現する4つ星ホテル「パークホテル上海」にある中国料理「雲楼(ユンロウ)」エグゼクティブシェフ 東佳俊(ドン・ジアジュン)氏、そして同グループ最上級ブランドとして2021年に開業した革新を象徴する「Jホテル上海タワー」の「天之錦(Heavenly Jin)」料理長 蔡鵬飛(ツァイ・ポンフェイ)氏、さらにオークラ東京が運営する中国料理「桃花林」の総料理長 陳龍誠の4名のシェフによる、大変貴重な機会である。
上海和平飯店(フェアモント・ピースホテル)
エグゼクティブ中華シェフ 馬浩成(マー・ハオチョン)氏
1929年の創業以来、アール・デコ様式の優雅な意匠によってその名を歴史に刻んできた、上海を象徴する「上海和平ホテル(フェアモント・ピースホテル)」。エグゼクティブ中華シェフ 馬浩成(マー・ハオチョン)氏は、生粋の上海出身で、25年以上にわたり地元・上海料理への情熱を注ぎ続けてきた。上海随一の広東料理店「漢宮(Han Palace)」で修業を積んだのち、アメリカ・サンフランシスコの名門「カリナリー・インスティテュート・オブ・アメリカ(CIA)」にてさらなる研鑽を重ねた。2023年にはフォーブス中国「トップ30優秀シェフ選考委員会」より文化遺産賞を受賞、2025年には「上海市労働模範」の称号を授与されるなど、多数の栄誉に輝いている。
パークホテル上海
「雲楼(ユンロウ)」エグゼクティブシェフ 東佳俊(ドン・ジアジュン)氏
1934年創業、錦江グループ傘下の長い歴史を誇る4つ星クラシックホテル。2006年には、中国の「全国重点文物保護単位(国家級文化財)」に指定され、歴史的建築としても高い評価を受けている。ホテル最上階の旗竿の先端は、上海市の都市座標の原点として定められており、象徴的な存在として知られている、パークホテル上海。「雲楼(ユンロウ)」エグゼクティブシェフ 東佳俊(ドン・ジアジュン)氏は、錦江国際グループ主催の“錦江杯(Jinjiang Cup)”技能大会で複数回上位入賞を果たすなど、その実力は中国料理界でも高く評価されている。現在は上海パークホテル「雲楼」のエグゼクティブシェフとして、伝統と融合をテーマに新たな上海料理を提案している。
Jホテル上海タワー
「天之錦(Heavenly Jin)」料理長 蔡鵬飛(ツァイ・ポンフェイ)氏
2021年開業のJホテル上海タワーは、中国で最も高い超高層ビル「上海タワー」(地上610m)の84階から105階、そして最上階の120階に位置するアーバンラグジュアリーホテル。「天之錦(Heavenly Jin)」料理長 蔡鵬飛(ツァイ・ポンフェイ)氏は、上海料理や淮揚料理(ワイヤン料理)の名店で研鑽を積み、20年以上にわたり深い料理哲学と美食への洞察を培ってきた。2020年に「天之錦(Heavenly Jin)」の料理長に就任。淮揚料理の特徴である繊細な包丁技術と絶妙な火加減を 駆使し、旬の味覚を最大限に引き出すことを得意としている。2021年に国家高級技師の称号を授与、2023年には「オリーブ・チャイナ・レストラン・アワード」にて「年間最優秀シェフ賞」を受賞するなど、多くの栄誉を獲得。
オークラ東京
中国料理「桃花林」 総料理長 陳龍誠
1983年、大成観光株式会社(現 株式会社ホテルオークラ)入社。「グアムホテルオークラ 桃花林」の料理長、「オークラ千葉ホテル」の総料理長を経て、2011年より現職。2021年厚生労働省主催の「卓越した技能者(現代の名工)」を受賞しました。そして、長年に渡る中国料理界への貢献が評価され、令和5 年秋の褒章において「黄綬褒章」を受章。
◆上海料理フェア
日時: 2025年11月18日(火)~30日(日)
場所: 中国料理「桃花林」 (オークラ プレステージタワー 6階)
提供時間: ランチ 11:30~14:30/ディナー 17:30~21:00
ランチコース「特別午餐」 10,000円
精致冷菜四小碟(上海式盛り合わせ冷菜)
宋嫂魚羹(すずきの酸辣スープ)
白灼和牛(和牛のしゃぶしゃぶ 山椒風味)
葱油松露拌麺(トリュフ入りまぜそば)
楊枝甘露(柑橘系フルーツ入りマンゴータピオカココナッツミルク)
ディナーコース「上海菜単」 18,000円
精致冷菜四小碟(上海式盛り合わせ冷菜)
江南藕韵炖魚翅(レンコン型豆腐とふかひれ入り蒸しスープ)
干焼明蝦(上海式海老のチリソース)
藤椒白灼和牛(和牛のしゃぶしゃぶ 山椒風味)
豉油蒸石班魚(蒸し魚の醤油ソース)
金銀蛋蔬菜(塩漬け卵とピータン入り野菜の炒め煮)
小鮮蝦湯泡飯(ジャスミンライスボールの野菜スープかけ)
楊枝甘露(柑橘系フルーツ入りマンゴータピオカココナッツミルク)
ディナーコース「和平菜単」 25,000円
精致冷菜四小碟(上海式盛り合わせ冷菜)
宋嫂魚羹(すずきの酸辣スープ)
焗蟹斗(上海蟹のグラタン)
藤椒白灼和牛(和牛のしゃぶしゃぶ 山椒風味)
碳烤鱈魚(鱈の中国風照り焼き)
金銀蛋蔬菜(塩漬け卵とピータン入り野菜の炒め煮)
葱油松露拌麺(トリュフ入りまぜそば)
上海酒醸圓子(温製米麹の白玉団子)
※金額はすべて消費税・サービス料込み
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投稿 【オークラ東京】中国料理をけん引する4名のシェフによる「至高の美食饗宴―上海料理フェア」 は Premium Japan に最初に表示されました。
Features
ヨックモックの“社員チョコ”が期間限定で登場
2025.11.8
見て楽しく、食べて美味しい特別な一枚。「エクセレント ミルクチョコレート」
ヨックモック エクセレント ミルクチョコレート 2,160円(2026年2/28までの期間限定販売)
長年、社員だけが購入できる特別なチョコレートとして愛されてきたヨックモックの「エクセレント ミルクチョコレート」が、ヨックモック青山本店および公式オンラインショップで、2026年2月28日(土)までの期間限定で販売中だ。
「ヨックモックのクッキーに使われているチョコレートの美味しさを、社員にも知ってほしい」そんな想いから誕生した「エクセレント ミルクチョコレート」は、横約29.5cm×縦8.5cmという驚きのビッグサイズ。 口コミでその評判が広がり、一般販売を望む声が高まったことから、期間・数量限定での登場が実現した。
ヨックモックのクッキーに使われているチョコレートをベースに、カカオの風味をより深く感じられるよう調整。コクのあるカカオと、すっきりとしたミルクの調和は後を引くおいしさ。世代を問わず愛される優しい味わいに仕上がっている。
そのまま味わうのはもちろん、刻んでお菓子作りに使ったり、アレンジを加えたりと、楽しみ方は自由自在。ヨックモックの特設ページでは、チョコレートを使ったレシピも公開されている。
手にした瞬間、誰もが「わっ!」と驚き、笑顔が広がるチョコレート。ホリデーシーズンのサプライズギフトにもおすすめだ。
◆エクセレント ミルクチョコレート
【価格】2,160円
【内容量/サイズ】350g/約29.5cm×8.5cm
【販売期間】2025年11月1日(土)~2026年2月28日(土)
【取扱店舗】ヨックモック青山本店/ヨックモック公式オンラインショップ
※なくなり次第終了
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Features
2025.11.8
星野リゾート トマム「アイスヴィレッジ」開幕
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Features
銀座で出会う、未来へつなぐ新しい和酒
2025.11.8
「浄酎 -JOCHU-」が GINZA SIX に期間限定出店
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日本酒を独自の特許製法「低温浄溜®」で蒸留した“第三の和酒”「浄酎 -JOCHU-」の期間限定ショップが、2025年12月1日(月)まで GINZA SIX 地下2階にオープンしている。日本酒とも焼酎とも異なる透明で奥深い味わいを、銀座の中心で体験できる貴重な機会だ。
「浄酎 -JOCHU-」は、純米酒を熱をほとんど加えない独自技術「低温浄溜®」で蒸留し、香りと旨味を凝縮した新しい和酒。アルコール度数41度ながらも、驚くほどまろやかな口あたりと、繊細な余韻が特徴で、その澄んだ味わいは、まさに“浄化された日本酒”とも呼ぶべき美しさ。時間とともに熟成が進み、深みを増していくのも魅力だ。
この革新的な酒を生み出したのは、広島のナオライ株式会社。同社は全国の酒蔵と協働し、造り手の技と地域の風土を生かした地域発の浄酎を次々と生み出している。2025年4月には、石川県中能登町に「能登浄溜所」を開設。震災復興を支えるプロジェクトとしても注目を集めている。
期間限定ショップでは、広島・神石高原や能登でつくられた浄酎シリーズに加え、瀬戸内・三角島産のレモンを使った「MIKADO LEMON スパークリング」など、全ラインナップが集結。併設のバーカウンターでは、浄酎・琥珀浄酎飲み比べ3種セットや、浄酎のプレミアムシリーズなどを一杯770円から楽しむことができる。
樽オーナー贈答:プライベートカスク
(オーク樽/4L/120,000円)
(オーク樽/200L/3,300,000円)
法人ギフト対応:名入れ対応/複数本箱入り対応
さらに、自宅で熟成を味わえるオーク製ミニカスクや、名入れ対応のギフトボックスなど、年末の贈り物にもふさわしい逸品が並ぶ。
伝統の酒造りに革新の技を融合し、日本の酒文化を未来へとつなぐ「浄酎 -JOCHU-」。伝統とモダンが響き合う銀座の地で、その透明な一滴を味わってみてはいかがだろうか。
◆「浄酎 -JOCHU-」期間限定ショップ
期間: 開催中~2025年12月1日(月)
場所: GINZA SIX 地下2階(東京都中央区銀座6-10-1)
営業時間: 10:30~20:30
※「浄酎」は税法上「スピリッツ」または「リキュール」に該当します。
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Events
“天理の舞台裏”を開放するオープンドア・イベント
2025.11.3
奈良・天理で初開催「天理 倉の耕流祭」。扉をひらき、未来を耕す
2025年11月7日(金)から9日(日)までの3日間、奈良県天理市全域がひとつのフィールドとなる“オープンドア・イベント”「天理 倉の耕流祭(てんり くらのこうりゅうさい)」が初開催される。
日本刀の鍛刀場、布都正崇鍛刀場も参加。
本イベントは、製造業や農業、流通、食、デザイン、文化など、天理に根づくさまざまな現場の扉を開き、地域の魅力を体感する新たな試み。従来の「オープンファクトリー」がものづくりの現場を公開するイベントであるのに対し、本イベントは地域全体の産業と文化に焦点を当てる次世代型の“オープンドア・イベント”。
明治10年に創業した清酒製造会社、稲田酒造では、新シリーズや貴重な地酒の試飲を予定。
第一回となる今回は、市内28の拠点が参加。物流倉庫や工芸工房、名建築を誇る図書館、寺社、果樹園、市長室など、日常では立ち入ることのない場所が特別に公開される。
中川政七商店・NKG 倉庫
たとえば、2700坪の物流拠点「中川政七商店・NKG倉庫」は、3日間限定で“工芸のテーマパーク”へと変貌。倉庫内を巡るガイドツアーのほか、限定品やアウトレット品が並ぶマーケット、資材を使った工作体験、20社以上が出店する奈良マルシェなど、多彩なコンテンツが用意されている。
cofunia
また、西山塚古墳のふもとに佇む宿「cofunia(コフニア)」では、前方後円墳を模した客室の特別公開や、古墳時代をテーマにしたトークイベントを開催。
柿の葉ずし 平宗
老舗の「柿の葉ずし 平宗」では、製造工場の見学に加え、柿の葉ずしづくりを体験できる特別プログラムを実施する。
天理大学附属 天理図書館
国の登録有形文化財「天理大学附属 天理図書館」では、アールデコ様式のレトロな館内をめぐるガイドツアーが行われるなど、貴重な文化財を再発見できる機会も。
創部90年を超え、馬との触れあいを通じて心身の調和を図る「ホースセラピー事業」を手がける天理大学馬術部も参加。
期間中は、参加事業者間を巡る無料シャトルバスも運行予定。天理のまちに、新たな交流と発見を生み出す3日間。ぜひ現地を訪れ、まだ知らぬ奈良・天理の魅力を体感してほしい。
天理 倉の耕流祭(てんり くらのこうりゅうさい)
【開催期間】2025年11月7日(金)~11月9日(日)
【会場】奈良県天理市 全域
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Experiences
Spotlight
帝国ホテル総料理長杉本雄のサステナブルな視点
2025.10.30
帝国ホテル総料理長・杉本雄の探求 ~持続可能な美味への旅・石川~
帝国ホテル 東京の厨房で、日々料理を生み出す杉本雄総料理長。その眼差しが今、遠く石川県の豊かな大地と海に向けられている。
杉本シェフは、2021年より持続可能な食のあり方を考え、食品ロスの削減に取り組み、ラグジュアリーとサステナビリティーの両立を掲げ、「おいしく社会を変える」というテーマに取り組んできた。
「世間の潮流でサステナブルと言っているように聞こえますが、調理現場と生産現場で起きていること、思っていることの温度差、生産現場での課題など、現地に行ってたくさんわかることがあります。現地で生産者の顔を見て、その思いを汲むと、食材をどのように扱うべきかということが、おのずと見えてくると思います」
きっぱりと語る杉本シェフの言葉には、単にラグジュアリーであることや、美味しさの追求を超えた、深い想いが込められている。気候変動や資源問題が叫ばれる今、一流の料理人として、また一人の人間として、持続可能な食材への探求は避けて通れない道だ。
そんなシェフが昨年より選んだ舞台が、日本海の恵みと豊穣な土地を持つ石川県。能登の里海、加賀の里山で育まれる食材には、どんな可能性が秘められているのか。杉本シェフの石川への旅が始まった。
豊かな山、海に育まれた優れた石川県の農林水産物を見つける
石川県は、日本海に面した本州の中央部に位置し、能登半島と加賀地方という個性豊かな二つの地域から成り立っている。北の能登半島では、複雑に入り組んだ海岸線が生み出す豊かな漁場と、伝統的な里海文化が息づいている。一方、南の加賀地方は、白山連峰から流れる清らかな水に育まれた肥沃な平野部と、日本三霊山の一つである白山の恵みを受けた里山の自然が広がる。
石川県の豊かな大地では、歴史ある伝統野菜から県が新たに開発したブランド農産物まで、実に多彩な農産物が育まれている。杉本シェフはまず、「加賀丸いも」を栽培する岡元農場を訪ねた。
「加賀丸いも」は、石川県の能美市・小松市で栽培される特産のブランド山芋だ。ヤマノイモ属ツクネイモ群に属する黒皮種の大和芋で、ソフトボール大の大きさがあり、すりおろすと驚くほどの粘りと食感がある。
石川県の能美市・小松市で栽培される特産のブランド山芋、「加賀丸いも」。
杉本シェフは味見をしながら、「これは楽しめる食材ですね。何か違う食べ方のアイデアをいただいたような気がします」とにっこりした表情を浮かべ、「卵とかお魚とか、密着する食材に使っていくと、広がる感じがしますね」とあれこれ考えていた。
次に訪れたのは、能美市の米どころの「たけもと農場」だ。たけもと農場では自家製の生藁堆肥や白山の雪解け水を活かし、稲作技術や土作りに徹底してこだわっているという。2011年からイタリア米の栽培を開始し、試行錯誤を重ねてきた。現在では8品種の米を扱う中で、日本でのイタリア米の第一人者的な存在となっている。
「カルナローリ」は、本場イタリアのリゾットやパエリアに最適な国産米として高い評価を受けているそう。杉本シェフは黄金色に輝く稲穂を見つめながら、生産者の方の言葉に真剣に耳を傾けていた。
ついで訪れたのは、ホテルやレストランのシェフなどプロからも支持されているという「本田農園」だ。本田農園は地元の小学校や幼稚園から出る給食の生ごみを堆肥に使用し、作物が丈夫で健全に育つ土壌造りをしている。また、農薬の使用を控えつつ、失敗の分析と改善を徹底することで、安定して高品質なトマトを生産していると定評がある。
6棟のハウスから始まった本田農園だが、今では約70棟あるという。栽培されているのは中玉トマトが多いそうだ。
ハウスの中で食べてみてくださいと言われ、杉本シェフが枝から取り、かじってみる。「おいしい!皮が柔らかくて、みずみずしく甘みがありますね」と、笑顔に。華小町や華おとめ、フルティカなどの品種が人気だ。
石川の漁港で出会う旬の海の幸
実はこの日、9月1日は底引き網漁の解禁日であった。杉本シェフは橋立漁港を訪れ、漁を終えて帰港した船からの水揚げや選別の様子を見学し、底引き網漁の解禁日で活気あふれる夕方のセリにも立ち会った。
この漁港の最大の特徴は、その立地が生み出す抜群の鮮度である。橋立漁港は地形的に、漁場が港から非常に近いため、漁に出た船は十数時間で帰港することができる。そのため鮮度を落とすことなく新鮮な魚をセリにかけることができる。
港には底引き網ではノドグロや甘エビ、ガスエビ、カレイ、ミズイカ、毛蟹、定置網では、サワラやサバなど多彩な旬の魚が次から次へと水揚げされていた。杉本シェフはその様子を間近で眺め、漁師さんから直接いただいた獲れたての甘エビを試食。港や船を見ながら味わえるなんて、最高の気分!
その後しばらく魚市場の中を回り、白ガスエビの8パターンにも及ぶ選別風景や毛蟹の状態などを眺めた後、杉本シェフは県オリジナルの農産物を栽培するほ場へ向かった。
石川県が誇る、極上の果実たち
石川県が誇る宝石のようなブドウ「ルビーロマン」をご存じだろうか。石川県が14年の歳月を費やして育成したオリジナル品種であり、黒色の大粒ブドウ「藤稔(ふじみのり)」をもとに、味や色、房、粒の大きさなどの品質や栽培のしやすさを徹底的に調査・研究して誕生した。石川県最高峰のブドウだ。県内6つのJAの管内で栽培されており、2025年の初セリでは、1房100万円の値を付けた。
この日はルビーロマンの生産者のうちの1軒「丸山ぶどう園」を訪ねた。栽培時のご苦労についてお話しを伺っている途中、なんとルビーロマンの味見をさせていただくことに。杉本シェフは「一粒が重く、おいしく、ジューシーです!」と感嘆の声を挙げた。
もう一つの石川県オリジナル品種が「加賀しずく」だ。これは、石川県が16年の歳月をかけて育成した新しいナシの品種。そのナシの産地のひとつである奥谷梨生産組合を訪ねた。
大玉で高い糖度と、整った形をもつものは、1玉1,000円以上の価格がつくことも。昼夜の寒暖差に恵まれているので、味(あじ)が引き締まるそうだ。おしゃれなネーミングや上品な甘さとなめらかな食感があいまって、石川県のブランド梨として人気を誇る。
ずっしりと重い「加賀しずく」を手に取る杉本シェフ。
橋立漁港での思い出 セリの熱気、漁師との出会い
杉本シェフは、再び橋立漁港へ。橋立では一年を通じて多彩な漁が営まれている。春から夏の潜水漁をはじめ、定置網、刺し網漁など。秋には底びき網漁。そして、なんといっても冬の加納ガニ・香箱ガニ。一年を通し豊富な魚種が水揚げされる。杉本シェフが求める「素材の力を最大限に引き出す」料理にとって、この橋立の魚介は理想的な食材と言えそうだ。
そろそろセリの時刻となった。橋立漁港の底びき網解禁日のセリは、秋の訪れを告げる伝統的なイベントだ。前日の夜、漁船は出港し、朝または昼過ぎに漁から帰港する。水揚げされた魚は種類ごとに素早く仕分けされ、すぐにセリ場へ運ばれる。港や市場には漁協職員や仲買人が集まり、威勢の良い掛け声のもと活発にセリが行われる。杉本シェフもその様子を見学。初物を求める消費者や見学者も多く訪れ、港は活気にあふれていた。
帝国ホテル杉本総料理長と漁師との座談会
石川県の豊かな食材を巡る杉本シェフの旅は、翌日橋立漁港での座談会で幕を閉じた。出席者は杉本シェフと石川県漁業協同組合の橋本勝寿会長、橋立漁港で長年海を知り尽くした辺本准船長(第十八薫勝丸)、北川智生船長(愛明丸)、遠塚谷透船長(第五恵比寿丸)の3名だ。
今回のツアーのコーディネートをしてくださった石川県農林水産部水産課の島田拓土氏は、座談会の進行を務め、こう語った。
「2024年に発生した能登半島地震と豪雨災害により、石川県の漁業は大きな打撃を受けました。ほぼすべての地区で漁を行えるようになったのが2024年11月。今年、石川は震災復興元年として、4月から新しい未来を見据え、PRも含めて気合を入れていこうとしていました。そうした中、帝国ホテル 東京でのイベントの実施もあり、杉本シェフ自らが2度にわたり石川に足を運んでくださり、石川県の状況に気を遣っていただきました。今回、漁師と膝を突き合わせ、漁師の本音も聞くという初めての試みとして、この座談会の開催に至りました」
座談会の参加者左から「第十八薫勝丸」船長 辺本准さん、「第五恵比寿丸」船長 遠塚谷透さん、帝国ホテル総料理長 杉本雄さん、石川県漁業協同組合理事 加賀支所運営委員長橋本勝寿さん、「愛明丸」船長 北川智生さん
座談会では、能登半島地震復興後の漁協によるイベントを通じた集客の取り組みや、石川県内の各地域が一つになって復興を盛り上げている様子、困っている輪島の漁師たちに橋立漁港の漁師が不足のロープを支援した話、気候変動による海水温の変化、若い漁師や船長の育成など、多数の話題が出た。
杉本シェフは、こう語った。
「昨日水揚げされた新鮮な魚を、漁師さん行きつけのお店で、これ以上ない鮮度でおいしくいただき、まさに最高の味わいを体験させていただきました。今まで2回石川に来て、県外の我々がどれだけ支援や復興に貢献できるかを考えていました。漁師の仲間たちが助け合っている姿を見て感銘を受けました。私はそうした石川の人々の想いを、料理に込めてお客様に伝えるようにしています」
杉本シェフの言葉からは、石川県への想いがひしひしと伝わってくる。石川の食材の素晴らしさは、その背後にある人々の想いの深さにあるのだと訴えかけているようだ。
「これからも生産者の方との対話を積極的に行い、石川のおいしい食材をどんどん使い、食材を単なる素材として扱うのではなく、その背景にあるストーリーと想いを理解し、それを料理で表現し伝えることができればと思いました。より一層、料理への意欲が湧きました」
石川での旅を終えて
「地元の第一線で働いている人たちがカッコいい、いい顔をしている。汗だくで働く姿もカッコいい。食材がなければ我々は何もできない。食材の一生を考えれば、料理人が最後に手を加えるのはほんの数%に過ぎない。生産者と料理人の双方が互いの想いを共有し、持続可能な食の未来に向けて歩み続けることの大切さを改めて確認する貴重な機会となりました」
杉本シェフの言葉は深く心に響いた。
杉本 雄 Yu Sugimoto
1999年、帝国ホテルに入社し、料理人としてのキャリアをスタート。2004年に退社し、渡仏。2006年にパリの名門ホテル「ル・ムーリス」の3つ星レストランに入り、ヤニック・アレノやアラン・デュカスのもとで、シェフとして研鑽を積み、責任者の役割も担った。2017年帝国ホテルに再入社し、2019年に東京料理長就任。2025年4月、帝国ホテルの全事業所で500人の料理人を束ねる第3代総料理長に就任。
文・粟野真理子 Mariko Awano
ジャーナリスト。パリに20年以上在住し、日本の女性誌など多数の雑誌や旅行書で取材・執筆活動を行っている。現在は東京を拠点に活動。著書に『パリから一泊!フランスの美しい村』(集英社)など。
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グルメ最前線 トップレストランを探訪する
2025.10.25
大阪・関西万博「EARTH MART」in「飛鳥Ⅱ」レポート 日本の新しい食を生み出す前例なき交差点
国内外から選ばれた「食の未来を輝かせる25人」。
大阪・関西万博のシグネチャーパビリオン「EARTH MART」のフィナーレが、大阪港を出港するクルーズ船「飛鳥Ⅱ」内にて、開催された。
食に関わる200名が集結
総合プロデューサー小山薫堂のもと、食の未来を語り明かすべく、料理人、生産者、研究者、経営者、投資家、ジャーナリストなど200名が一堂に会した。
「そもそも大阪・関西万博『EARTH MART』の企画を始めたのは今から5年前、ただの埋立地だった会場予定地に立ちました」
小山は語る。
「そのフィナーレとして、食に関わる分野の異なる人々が、船の上で1泊2日を過ごします。この場所で、新たに出会い、未来に向かって新たな種を蒔く。そこにこそ最大の意義があります」
確かに、食を取り巻く異業種の人々がこれほど参集するのは、まさに空前の画期的な試みである。ちなみに、「飛鳥Ⅱ」は郵船クルーズによる貸し切り提供だ。
「食の未来を輝かせる25人」を選出
当イベントの目玉は3つ。1つ目が、「食の未来を輝かせる25人」を国内外から選出したことだ。
その一部を紹介すれば、「飯田商店」の飯田将太(神奈川県・湯河原町)、「リージョナルフィッシュ株式会社」の梅川忠典(京都市)、「タネト」店主の奥津爾(長崎県雲仙市)、「FARO」シェフパティシエの加藤峰子(東京・銀座)、「味の素株式会社 食品研究所」の川崎寛也(神奈川県川崎市)、「里山十帖」料理長の桑木野恵子(新潟県南魚沼市)、「MAZ」ヘッドシェフのサンティアゴ・フェルナンデス(東京・紀尾井町)、「北三陸ファクトリー」の下苧坪之典(岩手県・洋野町)、「サスエ前田魚店」の前田尚毅(静岡県焼津市)、「中央葡萄酒株式会社」の三澤彩奈(山梨県・勝沼町)、「ESqUISSE」のリオネル・ベカ(東京・銀座)……らである。
2つ目は、その25人が12組に分かれて、「食の未来会議」でトークセッションを行ったことだ。
RED U-35のシェフ6人と監修した落合シェフ(中央)。
RED U-35のグランプリシェフたちによる饗宴
そして最後に、2013年から開催している新時代の若き才能を発掘する日本最大級の料理人コンペティションである「RED U-35 (RYORININ‘s EMERGING DREAM U-35)」で、過去にグランプリを受賞した10名のうち6名が、200名の招待客にコースディナーを提供してくれたことである。
そのシェフたちを列挙すると、福岡市「Restaurant Sola」の吉武広樹、東京都「スーツァン レストラン 陳」の井上和豊、小松市「Auberge“eaufeu”」の糸井章太、山梨県「nôtori」の堀内浩平、京都市「日本料理 研野」の酒井研野、東京都「ESqUISSE」の山本結以の面々だ。
様式としてはフレンチ、日本、中国にまたがるシェフたちの料理を、1人1皿で合計7皿(山本がデザートも担当)の見事なコースに仕立てた。監修したのは「ラ・ベットラ・ダ・オチアイ」の落合務である。誰もが口々に歓びの声を上げた。
「スーツァン レストラン 陳」井上和豊による「発酵唐辛子と鮮魚の蒸しスープ」。
それに先んじたランチバイキングでは、ミシュラン2つ星の「ESqUISSE」リオネル・ベカの「見守る海 牡蠣水寒天ゼリー」、さらにはアジアベストパティシエで「FARO」の加藤峰子が金谷亘と共作した「薔薇と杏仁の錦玉羹」などが供されるという豪華さだった。
白熱のトークセッション
「食の未来会議」についてもう少し詳しく説明したい。先ほどの25名が、テーマを立てて基本的に1対1でトークセッションを行う。同じ時間帯に4つの分科会が同時進行しそれが3セットなので、梯子をすれば別だが、基本的には3つしか傍聴できないシステムだ。
どのセッションも魅力的で、選ぶのは困難だったが、筆者が参加したセッションはいずれも素晴らしかった。
「Oishii Farm」古賀大貴×「北三陸ファクトリー」の下苧坪之典のセッション。
そのうちから2つを紹介すると、まず、「Oishii Farm」古賀大貴×「北三陸ファクトリー」の下苧坪之典のセッションで、テーマは「日本発『食のGAFAM』は生まれるか」。古賀はニューヨーク近郊で日本のイチゴを工場生産している。
「ハチによる受粉がなければ不可能と言われた、イチゴ、トマトなどを新しい技術で作っています」(古賀)
空輸したイチゴを試食したが、実に甘く豊かに広がる味がした。未来においてはあらゆる作物が栽培可能になると予告する。どんな条件下でも無農薬で美味しい農産物が作れるから、食糧難を解決する革命的な植物工場と言える。
「ウニは海藻を食い尽くし、磯焼けを引き起こす海のギャングです。また、海産物には『2048年問題』というものがあって、海に対して何も施さなければ、その頃には、海産物が食べられなくなってしまうと予測されています。それを養殖の割合を増やすことで解決したい。ウニの再生養殖から始めてみようと考えました」(下苧坪)
寿司が食べられなくなる時代は確実にやって来る。それは、魚が卵を産み付ける海藻がなくなってしまうからだ。それを止めるための一つの方策が陸上での再生養殖の技術なのである。
「人々は野菜や肉には関心を示すが、海の危機に対してあまりに無関心であることが最大の問題です。現在日本の天然8割・養殖2割、この割合を変えていかなければなりません」
「味の素株式会社 食品研究所」川崎寛也×ジャーナリスト・仲山今日子のセッション。
フェラン・アドリアとの対峙
もう一つは、「味の素株式会社 食品研究所」川崎寛也×ジャーナリスト・仲山今日子で、テーマは「食は『消えるアート?』『再現可能なデザイン?』本物のおいしさを継承するために必要なこと」。
世界の料理を変えたスペイン「エル・ブジ」のフェラン・アドリアが日本料理について本を書いているという。セッションでは、日本料理の本質を知ってもらいたいと、彼のプロジェクトをサポートする仲山が、フェランを味の素の研究所に連れてきた際に、川崎に引き合わせたエピソードを披露した。
「フェランはとても影響のある人。ほんまに理解して日本料理のことを発信してもらわなあかん」
と川崎は思い、様々な質問に対して丁寧に答えるのだが、
「フェランの質問は、基本的に西洋社会のルールに当てはまるか、なんです。日本料理を本当の意味で理解しようとしているようには思えなかった。拙速に、『日本料理を確立したのは誰なのか?』とか『その文献はあるのか?』と矢継ぎ早に。日本料理は文章に残すものではなく、あえて技術は秘密にしておくことが重要だったので、明確に記述されたものはほぼないのです。彼らの概念ではなく、こっち側の論理で理解して欲しい」
川崎はそう語った。
仲山も、「明文化されていない文化は消えてしまう。日本料理を美意識や文化も含めて文字で残して行くべき」と持論を展開し、さらには会場の参加者も巻き込んだ議論にまで発展した。
ある意味、衝突とも見えた二人の激論は、本対談中の白眉だった。とはいえ、両者は共に最後の未来に残す言葉として、「日本料理の言語化されない部分に着目するべき」と総括した。
小山薫堂によれば、「衝突こそが新しい進歩を生む」のである。
中田英寿がオーガナイズした日本酒が振る舞われた。
平原綾香のパフォーマンス
また、最上階では、中田英寿がオーガナイザーとなり、秋田県の「新政」、三重県の「而今」、栃木県の「仙禽」、熊本県の「産土」、京都府の「日日」の各種日本酒が、ディナー前に振る舞われた。
アフターパーティでは、フルコースディナーで満腹状態の平原綾香がパワフルな歌声を夜のしじまに響かせた。
平原綾香の歌声が海上に響きわたった。
2日目、下船前の朝食もまた印象的なものだった。新米「晴天の霹靂」の白米に、目玉は、サスエ前田魚店の自家製イワシの干物と、里山十帖の桑木野による山菜汁が供された。フィナーレを締め括るに余りあるほど美味しい朝食だった。
このイベントが数年に一度は開催されることを切に願いたい。 (文中・敬称略)
Toshizumi Ishibashi
「クレア」「クレア・トラベラー」元編集長
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Features
アマン京都で味わう特別なランチ体験
2025.10.17
色づきはじめる森の庭を眺めながら、秋の美食を堪能
京都・鷹峯の森の中に佇むアマン京都のレストラン「ザ・リビング パビリオン by アマン」では、色づきはじめる庭を眺めながら秋の味覚を楽しめる2つのランチメニューを提供している。
11月30日(日)まで開催される「秋のガーデンテラスBBQ」では、シェフが目の前で仕上げるコース仕立てのバーベキューランチを、開放感あふれるテラス席で味わえる。
メニューは、脂の乗った渥美プレミアムラスサーモンのシーザーサラダに始まり、旬の茸や秋野菜、ぷりっとした海老を熱々のオリーブオイルで仕上げたアヒージョなど。メインディッシュには、専属シェフが絶妙な火加減で焼き上げる黒毛和牛サーロインが登場する。
締めくくりには、キャラメリゼした焼きパイナップルとミルクアイスのデザートが登場。澄みわたる秋の空気とグリルの香りが溶け合う、贅沢な秋の昼下がりを楽しめる。
香ばしくローストした七谷鴨胸肉に赤ワインとゴボウの香るソースを添えて。
一方、11月18日(火)まで開催される「秋の恵みを味わうコース」は、色づきはじめる森の庭を眺めながら旬の美食を楽しむランチコース。
全7皿または全5皿から選べるコースの前菜には、旬の戻り鰹を主役に、トマトとビーツを重ねたカルパッチョが登場。メインディッシュは、京都亀岡産のブランド鴨「七谷鴨」のロースト。赤ワインソースとゴボウの香りが重なり、鴨の旨味を一層引き立てる。ラストを飾るのは、京都城陽産の完熟無花果を多彩な技法で仕立てたデザート。みずみずしい甘みがコースの余韻をやさしく包み込む。
芳醇な甘みと繊細な香りが織りなす京都城陽産の無花果を使用したデクリネゾン
秋の気配に満ちゆく庭を前に、季節と対話するような美食体験を味わえる2つのランチメニュー。アマン京都ならではの、贅沢で静謐な時間を堪能してみてはいかがだろうか。
秋のガーデンテラスBBQ
【期間】開催中〜2025年11月30日(日)
【料金】BBQコース 15,000円(税・サービス料込)、フリーフロードリンクオプション +5,000円
【時間】12:30~
【予約】2日前17:00までの事前予約制
【場所】アマン京都 ザ・リビング パビリオン by アマン
秋の恵みを味わうコース
【期間】開催中〜2025年11月18日(火)
【料金】テイスティングメニュー(全7皿)18,000円/シェフズリコメンド(全5皿)15,000円
【場所】アマン京都 ザ・リビング パビリオン by アマン
【予約・問い合わせ】075-496-1335(9:00~18:00)
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