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絵本作家レオ・レオニと甲州印伝のコラボ
2026.2.20
印傳屋が「絵本作品コレクション」第2弾「フレデリック」とのコラボレーション商品を発売
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1582年に創業した「甲州印伝」の老舗「印傳屋(いんでんや)」が、「絵本作品コレクション」第2弾として、絵本作家レオ・レオニの名作「フレデリック」とコラボレーションしたオリジナル商品を、印傳屋直営店および公式オンラインショップで発売した。
「印伝」とは、鹿革に漆(うるし)などで模様を施した革工芸品で、山梨県で作られる「甲州印伝」は経済産業省の伝統的工芸品に認定されている。第2弾の商品では、小銭入3種類、束入(長財布)、パスケース、ポーチ、ペンケースの全7種類を展開している。
第2弾の発売にあたり、多種多様な紙をちぎり絵でコラージュしている「フレデリック」の世界観を印伝で忠実に再現するため、⿅⾰や漆、更紗の色を新たに開発した。
ぬくもりを感じるベージュの⿅⾰に、複数の色彩を重ねる更紗技法を組み合わせ、フレデリックとねずみたち、小石や草花、そして手書きの“Frederick”のサインなど、作品ならではのタッチを活かした色彩豊かで緻密な「フレデリック」の印伝が誕生した。製作は、甲州印伝400 年の技巧を受け継いだ印傳屋の熟練した職人が、すべて手作業で行っている。
左)「スイミー」、右)「フレデリック」
また、昨年夏に発売して即日完売となったレオ・レオニとのコラボレーション「絵本作品コレクション」第1弾の「スイミー」も、第2弾の発売に合わせ再販された。
あなたも7つのアイテムからお気に入りを見つけてみてはいかが。
◆印傳屋「絵本作品コレクション」第2弾「フレデリック」
印傳屋直営店、公式オンラインショップにて販売中
※詳細は公式サイトで要確認
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2026.2.19
フォーシーズンズホテル丸の内 東京「桜 アフタヌーンティー」
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国立新美術館で開催。『生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ』
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アート探訪記~展覧会インプレッション&インフォメーション
2026.2.1
銀座・和光「第2回 いしかわの工芸 漆と陶」 若手作家の新たな息吹も加わり、見どころも増した2回目の展観
右・水尻清甫 沈金乾漆盤「海原」⌀40 ×h3.5㎝ 左・????田幸央 金襴手彩色鉢 ⌀52 ×h13㎝
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石川県を襲った震災から2年以上の歳月が流れました。月日が経つにしたがい、石川の現状を伝える報道は、次第に少なくなってきましたが、爪痕はまだまだ残っているのが現状です。そうした厳しい環境下で、制作活動を続ける県内の漆芸家と陶芸家の作品が、昨年に引き続き、再びセイコーハウス6階を彩っています。2回目となる「いしかわの工芸 漆と陶」。それぞれの作品には、逆境のなかで、真摯に作品と向かい続けてきた作家の方々の、不屈ともいえる「ものづくり」の魂が宿っています。
ようやく、少し落ち着いてきた。それが現状
「風土と人の温もりが息づく作品に、再生と希望の光を感じていただければ幸いです」とのメッセージを、展覧会リーフレットに寄せているのは、陶芸家の????田幸央さん。昨年に引き続いての参加です。
「珠洲や輪島の惨状に及ぶべくもありませんが、私の地元の加賀地方でも、焼物は随分割れました。私の工房でも相当な被害が出ました。一時は物作りどころではありませんでしたが、ようやく少し落ち着いてきた、というのが現状です」
そう語る????田さん。????田さん によれば、今回の展覧会には、若手の作家も新たに加わっているとのこと。その一人が、漆芸家の中室惣一郎さんです。
静止画なのに動画に見える。そんな加飾を目指して ──漆芸 中室惣一郎──
尾びれを揺らめかせながら、今にも泳ぎ出しそうな金魚たち。どこからともなくやって来て、いつのまにか張り付いている雨蛙。睦まじく寄り添い水面を漂う鴛。中室さんの作品には、精緻に描かれた生き物たちが、その生を謳歌しています。
「生きもののその次の動き。その動きが目に浮かび、おのずと見えてくる。静止画なのに動画のような動きを感じていただければ、と思います」
さざめく水面、金魚の尾ひれ、水底の煌めき。すべてが揺らめいているかのよう。蒔絵楕円盆「ゆらめき」(部分)
生き物のスケッチは、写真などの図版を参考に描くことが多いものの、金魚は実際に飼ってみたそうです。
「水槽を眺めていると、金魚たちの動き、とくに尾びれのゆらめきが面白く、それを映像の一場面のように表現してみたいと思いました」
中室さんの思いは見事に結実。3匹の金魚は、蒔絵で表現された水面からこちらに向かって、ぷっくりと顔を出してくるかのようです。
・蒔絵楕円盆「ゆらめき」税込¥825,000 45cm×24cm
・蒔絵盒子「蓮蛙」 税込¥396,000 直径6cm
遊び心をふんだんに生かした、物語りのような絵付け
「漆器は実用という点から考えれば、加飾のない方が使い易く、ある意味では一番です。そんな漆に加飾するのですから、エンターテインメントというか、遊び心をふんだんに用いて、物語性のある絵付けをした方が楽しいのでは、そんなことを思いながら、漆に向かっています」
幼いころから描くことが何よりも好きだった中室さん。
「たまたま漆の家に生まれたので漆に絵付けをしていますが、そうでなければ、やはり何かに描くことをしていたと思います」と中室さんが語るように、中室家は輪島で「輪島屋善仁」の屋号で、200年以上続く輪島塗の製造・販売を手掛ける老舗です。
漆を家具や調度品にも用いて、「輪島屋善仁」が手掛けた再生古民家「塗師の家」が全焼したのをはじめ、本社工房や店舗、倉庫も大きな被害を受けました。
「輪島の漆産業が受けた被害は甚大なものでしたが、少しづつ回復しています。若手の作家も頑張っていますので、ぜひこれからの輪島にも注目してください」
中室さんが描く、生命力に満ちた生き物たちも、輪島の町が復活するのを待っています。
色と金彩を追い求めて辿りついた「金襴手彩色」の技法 ──陶芸 ????田幸央──
紫、緑、黄、ピンク……。それぞれの色はどちらかといえば、薄くはんなりとした優しい色です。水彩画のような薄く優しい色は、色と色が重なることにより、次第に重みを増し、中世のフレスコ画を思わせる重厚な響きを醸し出してきます。
光の加減で煌めく金が、抽象的な色彩の集積に荘厳をもたらしています。でも、西欧風ではなく、むしろどことなく和を感じさせる、そんな不思議な色彩を纏った焼物。それが????田幸央さんの作品です。
????田さんは、120年の歴史を持つ九谷焼の上絵付け工房「錦山窯」の4代目。「金襴手」と呼ばれる色絵金彩の上絵付け工房として発展してきた「錦山窯」に生まれた????田さんは、「色と金彩」を絶えず追い求めてきました。そのひとつの結実が「彩色金襴手」です。
水彩画のような淡い色彩の集積に金彩が加わる。「彩色金襴手鉢」(部分)
「焼物にどのように色を纏わせるか。そんなことをずっと考えてきました。この作品でいえば、使った色は全部で6色。そして8回焼きます。ですので、とても時間がかかります。色の上に色を重ねて焼き、それを窯から出したときにどんな色になっているか、最初は試行錯誤の連続でした。そして『錦山窯』の特徴である金彩をどう表現していくか、それも試行錯誤でした」
????田さんの父、三代目????田美統(みのり)さんは金箔の上に透明な釉をかける「釉裏金彩(ゆうりきんさい)」を探求し、無形文化財保持者(人間国宝)に認定されています。ただ、それをそのまま継承しても、窯としての発展性はなくなってしまう。そう考えた????田さんが辿り着いた技法が、「錦山窯」ならではの金襴手の技法を用いつつ、それを現代的に解釈した「彩色金襴手」でした。
彩色金襴手鉢 税込¥2,200,000 32.5cm×32.5cm×15.5cm
絵付けのイメージをデジタルが手助け。制作のプロセスはあくまでも人間
????田さんの作品には、幾何学的な直線も随処に走り、モダンさを醸しだしています。この直線を生み、絵付けのイメージの手助けとなっているのが、「Tomonami(ともなみ)」。ソニーCSLの研究者と共同開発中のシステムです。
「デジタルとはいってもあくまでも絵付けのイメージを作ってくれるだけ。イメージを作ることにかけては自分でやるより何倍も速く、数も大量に提案してくれますが、デジタルが提案してきたイメージをもとに実際に手を動かすのはあくまでも自分。焼成を重ねる間に、デジタルイメージとは異なる色を重ねていくことも多々あります。人が判断し人が作っていく、という制作プロセスは昔とは変わりません。工芸の意味を失わないテクノロジーの応用が大切なのだと思います」
窯が大切にしてきた伝統の手法に、デジタルを利用した独自の表現を加えながらも、工芸の意味を失わないテクノロジーの応用を考え続ける吉田さん。AIがアートの分野にも浸蝕し始めている昨今、生成AIを用いない????田さんとテクロノロジーの関係は、工芸家たちに多くの示唆を投げかけています。
話を伺った2人の作家のほかに、今回の展覧会に出品しているのは以下の7名の方々です。
【陶芸】柴田有希佳さん 田島正仁さん 多田幸史さん
【漆芸】 浦出勝彦さん 田中義光さん 水口咲さん 水尻清甫さん
また、以下の方々の作品が特別出品として展示されています。
【陶芸】????田美統さん、中田一於さん
【漆芸】前 史雄さん 小森邦衛さん 西 勝廣さん
◆アート探訪記~展覧会インフォメーション
第2回 いしかわの工芸 漆と陶
会期:2026年1月29日(木) 〜 2026年2月8日(日)
時間:11:00 – 19:00 最終日は17:00まで
- 場所:セイコーハウス 6階 セイコーハウスホール
櫻井正朗 Masao Sakurai
明治38(1905)年に創刊された老舗婦人誌『婦人画報』編集部に30年以上在籍し、陶芸や漆芸など、日本の伝統工芸をはじめ、さまざまな日本文化の取材・原稿執筆を経た後、現在ではフリーランスの編集者として、「プレミアムジャパン」では未生流笹岡家元の笹岡隆甫さんや尾上流四代家元・三代目尾上菊之丞さんの記事などを担当する。京都には長年にわたり幾度となく足を運んできたが、日本文化方面よりも、むしろ居酒屋方面が詳しいとの噂も。
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アート探訪記~展覧会インプレッシ…
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林 信行の視点
2026.1.31
世界の賓客が体験した、万博のもう一つの顔——大阪・関西万博最上級の接遇施設「迎賓館」の全貌
日本の赤をイメージした真っ赤な壁が印象的な迎賓館のダイニングルーム。壁には川島織物セルコンが現代美術作家・川人 綾氏にコミッションして作らせたタペストリーの作品。ここでゲストの好みに合わせて和食、洋食または和洋折衷のランチやディナーが振る舞われた。
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昨2025年の日本を象徴するイベントといえば大阪の人工島、「夢洲」で半年にわたって開催された大阪・関西万博だ。1日平均15.8万人、累計2500万人以上が訪れ、370億円の黒字。40万枚売れた通期パス利用者の平均来場回数は11.8回ということからもその熱狂ぶりがうかがえる。来場者の約8割が「満足」したと答え、9割が「大成功」だったと振り返る、日本の魅力を世界に伝えた重要イベントだった。
話題となった大屋根リングを中心に据えた155ヘクタールの会場敷地には、すべてのパビリオンを制覇した熱心な来場者ですら足を踏み入れられない聖域がいくつかあった。その代表格は、国王や大統領といった賓客だけが招待された美しい「迎賓館」だろう。
同施設での歓待は、ある意味、日本政府が考える今日の日本における最上級のおもてなしと言える。新春企画として、今の日本の最上級とはどんなものだったのかを探ってみたい。
世界中から国王を含む50名近い賓客が万博を訪問
迎賓館の外観は黒。建物全体が高い黒塀に囲まれており、その門は賓客の車が通る時だけ開かれる。外からはほとんど中の様子を窺い知ることができなかった。
184日間の開催期間中、大阪・関西万博には、名誉総裁を務めた秋篠宮皇嗣殿下とそのご家族が開会式や閉会式に参加されたほか、天皇皇后両陛下も2度訪問されるなど、日本の皇室も頻繁に訪問したが、実は世界各国からも数多くの賓客が訪れている。
デンマーク、スウェーデン、オランダやアフリカ南部のレソト王国から合計4名の国王が訪問したのに加え、ルクセンブルクの公爵など国王に準ずる方2名、4名の皇太子、大統領24名、首相15名、国連のアントニオ・グテーレス事務総長など数多くの国賓が訪れた。
主な訪問の目的は、各国パビリオンで開催された毎日1カ国を取り上げてお祝いするナショナルデーへの参加や、その国の祝日などを祝うイベントへの参加だ。
ちなみに最初のナショナルデー(万博開幕2日目の4月14日)に選ばれたのはトルクメニスタンで、式典にはセルダル・ベルディムハメドフ大統領が来日。後に人気パビリオンの1つとなったトルクメニスタン館は、同大統領の視察終了を待ってから一般公開されたという。
一般公開されなかった聖域「迎賓館」
自然の光や風を取り入れることで「日本の美」を表現した迎賓館。円環状(ドーナツ型)の施設の中央には柳の木が1本だけ立つ大きな水盤があり、そこにその日の空模様が映し出されていた。
さて、こうした賓客が隊列の車に乗って万博会場に着くと、真っ先に案内されたのが「迎賓館」だ。
万博会場の中で最上級の施設に位置付けられ、ボストン総領事や、外務省大臣官房総括審議官兼欧州局大使なども務めた引原毅氏が館長を務めた。天皇陛下を含む日本の皇室や上記した賓客以外にも各国のナショナルデーのために派遣された代表団などがこの施設を訪れている。
万博マップには描かれていなかったが、場所は開会式や閉会式を始め、数多くの式典やコンサート、舞台パフォーマンスが行われた「EXPOホール(愛称:シャインハット)」のすぐ隣にある「EXPOナショナルデーホール」の真裏にある。通常のパスでは建物の周囲に近づくこともできないが、スタッフ証を持っていても建物の周囲が高い黒塀で覆われており中を覗くことはできなかった(ただし、実はEXPOナショナルデーホール屋上の展望施設からは見下ろすことができた)。
サッカー場の約3分の2ほど、約4600平方メートルの敷地に建つ、ガラスとコンクリートで作られた円環状(ドーナツ型)の施設。中心には柳の木が1本だけ立つ大きな水場があり、そこに広い空が映し出されていた。自然の光や風を取り入れることで「日本の美」を表現したのだという。設計は日建設計、建設は大林組と大池建設工業が担い、大阪・関西万博の会場デザインプロデューサーで大屋根リングも手掛けた藤本壮介氏が監修した。
賓客を迎える一日の流れ
賓客を迎える車は日欧の高級車やEVミニバスなどを用意。万博開催年に合わせたミャクミャクがあしらわれたナンバープレートなどが用意された。
迎賓館を訪れた賓客たち。まずは代表者がこの席に座り記帳を行った。
ナショナルデーの開催は午前と午後の2パターンがあるが、ほとんどの国は午前に訪れていたという。11時に式典開始というスケジュールが固定されているため、多くの来賓は10:30頃に、政府が用意した車でこの迎賓館に到着した。
国によって訪問する人数や好み、ニーズが異なるためミニバスやミニバン、セダン、SUVなどの12台の車が用意された。車種はトヨタのアルファードとヴェルファイア、日産のセレナ、ホンダのオデッセイといった国産車に加え、BMWのi7やレンジローバー。そして、EVモーターズ・ジャパンとアルファバスジャパンのEVミニバス。アルファバスジャパンとEVモーターズ・ジャパンによるEVバスなどで、EVモーターズ・ジャパンのミニバスは今回の万博のためだけに用意された特別車だという。
賓客が空港や宿泊先からこれらの車に乗って迎賓館の黒塀の中に到着すると、会場の入り口で日本政府代表によるレシービングライン(出迎えの列)で挨拶が行われ、入り口すぐ左にある「記帳台」へと案内される。ここで「代表団長」が署名を行った後に、一向は3つある貴賓室の一つに通される。
通常は一番広い「夢洲」(約120平米)に通されるが、随行員が多い場合などは約80平米の「咲洲」、「舞洲」なども使われた。貴賓室では、日本政府代表からその日の日程説明を受けたり、三千家(表千家、裏千家、武者小路千家)による立礼式(りゅうれいしき)のお茶が振る舞われるなどした。
迎賓館には3つの貴賓室があり、それぞれ大阪の島の名前がつけられている。一番大きいのが万博会場の「夢洲」の名前がついた部屋。三千家の茶人によるる立礼式のお茶が振る舞われた。足下に開いた窓からは3つの貴賓室すべてから臨むことができる石庭が覗いている。賓客によっては空港から車で直接、ここに到着するため、クローゼットなどを用いて着替えや身繕いなどもここで行ったようだ。
賓客をもてなす夢洲のアメニティにはクレドポーボーテやSHISEIDO MENの商品が選ばれていた。
3つの貴賓室の前を通り過ぎ、円環状の建物を半周すると、そこには細い通路があるが、実はその先がEXPOナショナルデーホールに繋がっている。賓客は11時前になると、この通路を通ってEXPOナショナルデーホールに案内されていた。
ナショナルデーの式典が終わると、賓客はもう1度、同じ通路を通って迎賓館に戻り、円環状の通路を時計回りにもう少し進むと「日本の赤」を基調とした約250平米のダイニングルームが現れる。そこで正午ごろから1時間強、昼食会(ランチ)が行われた。
ダイニングルームの運営および料理の提供は、大阪を代表する高級ホテル、リーガロイヤルホテルで「日本の魅力を発信すること」をテーマに和食(懐石コース、正倉院弁当)、和洋折衷、洋食コースの計4種類から、賓客側が選択できる形式で提供。飲み物は日本の醸造技術を伝えるため、厳選された4種類の日本酒と日本産の赤・白ワインが振る舞われた。
デザートは、万博の公式キャラクター「ミャクミャク」と会場のシンボルである「大屋根リング」、さらには「ウォータープラザ」をモチーフにした独自のデザインを採用し視覚的にも万博の世界観を表現。季節の移ろいにも反映し「夏バージョン」と「秋バージョン(いちじくと紅葉)」が用意された。
その後、代表団は万博会場に足を踏み入れ、パビリオンなどの視察を行うのが通例だったという(午後のパターンの場合は15:30到着、16:00に式典がスタートし、その後、夕食会が行われた)。
こうした一般的な流れとは別に、国によっては夜に相手国が主催する返礼レセプション(パーティー)が行われることもあった。迎賓館にはそのための「バンケットルーム」も用意されていた。
興味深いのは、迎賓館の賓客用の部屋がまるで時計の文字盤のように円環状に時計回りに配置されており、賓客の行動の流れが入り口からスタートして時計回りで完結するよう設計されていた点だ。記帳台、貴賓室、式典会場への通路、ダイニングルーム、バンケットルームと、すべてが自然な流れで繋がっていく。この動線設計は、賓客にストレスを感じさせることなく、限られた時間の中で最上級のおもてなしを提供するための工夫だったと言えるだろう
迎賓館の入り口と正反対の位置には、ナショナルデーホールへと続く通路がある。各国の代表団はここからナショナルデーのイベントに向かった。
ナショナルデーホールの並びにあるダイニングルームは鮮烈な赤い壁が印象的。賓客の背後には川島織物セルコンが現代美術作家・川人 綾氏デザイン・監修のもと、制作したタペストリー「CUT: C/U/T_CC-CM_I」が飾られていた。
ランチやディナーは和食、洋食、和洋折衷の三種類を用意。賓客の好みに合わせて選んでもらえるようになっていた。和食は「なだ万」、それ以外はリーガロイヤルホテルの渡部玲料理長が監修を行いミャクミャクをモチーフにしたデザートが振る舞われた。
「日本の美」を伝えるアート作品
国によってはナショナルデーの最後に返礼レセプションを行うことがあり、そのための場としてバンケットルームが用意されていた。ここには川島織物セルコンが現代アーティスト、手塚愛子氏にコミッションして作らせた作品2点が展示されていた。ここに写っているのは鎖国時代(16~17世紀)に描かれた日本地図と世界地図をモチーフにした「時代を織り直す(勇気と好奇心についての考察)」
迎賓館、記帳台のすぐ後ろには川原隆邦が手掛けた越中和紙の1つ蛭谷(びるだん)和紙の作品が掲げられていた。作品は8点制作され、季節に合わせて展示替えが行われた。ここに写っているのはNo.07 Artral Compass。右に写っているのは川原氏本人。
迎賓館には、いくつか「日本の美」を感じてもらうためのアート作品も飾られていた。
入り口入ってすぐの左側、記帳台の後ろに飾られていたのは、富山県の越中和紙の1つ蛭谷(びるだん)和紙の唯一の継承者、川原隆邦氏(川原製作所)の作品。
「日頃から和紙の魅力を世界へ発信したいと考えていたので、絶好の機会をいただけました。せっかくなので、自分一人だけではなく、できるだけたくさんの方と一緒に挑戦したいと思い、日本各地の素材を活かした作品づくりを構想し始めました」とのことで、伝統技法を守りながらも「日本全国の素材を活かし、新しい和紙を作る」ことを目指した、という。
色合いやモチーフの異なる計8点が制作され、季節に合わせて展示替えを行なった。ちなみに400年前に生まれた蛭谷和紙は、トロロアオイという原材料の栽培から紙漉きまで、すべて1人の職人の手で行うのが特徴。
鮮烈な印象を残す真っ赤なダイニングルームには、1843年創業の京都の老舗「川島織物」と、床材メーカー「セルコン」が合併してできた日本を代表する高級インテリアファブリック(織物)メーカー、川島織物セルコンが現代美術作家・川人 綾氏デザイン・監修のもと、制作したタペストリー「CUT: C/U/T_CC-CM_I」 が飾られた。1800色に染め分けた糸により緻密に織られており、織物ゆえ平面的であるものの屏風のような立体感を柔らかく感じさせる錯視効果を持つ作品となっている。
川人 綾氏は「制御とズレ」をテーマに、グリッド構造と色彩を用いた抽象的な絵画を制作してきた作家。京都で染織を学んだ経験と神経科学者の父の影響を背景に、視覚と認知の揺らぎに着目し、緻密な手仕事から生まれる微細なズレを「美しさ」としてとらえ、幾層にも塗り重ねた色彩が錯視的な感覚を引き起こす作品を数多く手掛けている。こちらの作品は3月31日まで豊洲にある「川島織物セルコン 東京ショールーム」のリニューアル記念として展示が行われている。
実は川島織物は1889年のパリ万博にも出展している万博とは非常に縁の深い老舗企業だ。ダイニングルームにはこの大型作品に加え、同じ川人氏による絹と和紙で作られた小型作品2点や返礼レセプションが開かれるバンケットルーム用に現代アーティスト、手塚愛子氏が手掛けた作品2点の合計5点を協賛している。
手塚愛子氏はベルリンと東京の二拠点で作品制作を行う作家で日本の歴史を織り込んだ作品2点を制作した。「時代を織り直す(勇気と好奇心についての考察)」は鎖国時代(16~17世紀)に描かれた日本地図と世界地図が、「迎賓館(織り途中・明治から令和へ)」は明治時代の大阪の迎賓館「泉布観」と万博の迎賓館がモチーフになった作品だ。
一般来場者の目に触れることのなかったこの迎賓館は、ある意味で万博の「もう一つの顔」だったと言えるだろう。50名近い賓客をもてなしたこの空間では、400年の歴史を持つ蛭谷和紙から最新のEVバスまで、日本の伝統と革新が自然に共存していた。藤本壮介氏が設計した円環状の建築に映る空、三千家による立礼式の茶、川島織物セルコンの錯視効果を持つタペストリー――すべてが「日本の美」を異なる角度から語りかけていた。184日間の会期が終わった今、この迎賓館での体験は、訪れた各国の賓客の記憶に刻まれ、日本という国の新たなイメージとして世界へと広がっていくことだろう。
パビリオンにも用意されたVIP対応
ちなみに、万博会場に足を踏み入れた賓客の多くは、訪問先のパビリオン内に用意されたVIPルームに通され、パビリオンの代表から歓迎を受けた。その後、他の入場者がいない(あるいは少ない)タイミングを見計らって会場内に案内されるのが通例だった。小規模なパビリオンの中にはVIPルームを備えていないものもあったが、大型パビリオンの多くはこうした特別対応の準備を整えていた。
パビリオンによっては、このVIPルームのためにもアート作品や特別な体験を用意しているところがあった。例えば人気のイタリア館では日本在住のイタリア人アーティスト、マッテオ・チェカリーニが大型の絵画作品を描き下ろした。またシグネチャーパビリオンの1つで日本のジャズピアニスト・数学教育者、中島さち子氏がプロデュースした「いのちの遊び場 くらげ館」には裏千家の茶室が用意されていた。
賓客らVIPを迎え入れるために多くのパビリオンがVIPルームを用意していた。ゆるく楽しげな雰囲気の中島さち子氏プロデュース「いのちの遊び場 くらげ館」もVIPルームは裏千家の正式なお茶室になっていた。
人気のイタリア館にもVIPルームがいくつかあり、このVIPルーム専用のアート作品も用意されていた。本作は日本在住イタリア人アーティスト、マッテオ・チェッカリーニが描きおろした油彩の大作「イタリアの星」。7 人の人物が星型の構成で配置され、現代イタリアを支える主要分野 ― 科学技術研究、先端産業、ファッションとデザイン、音楽、美術を擬人化した6人とアジア系の特徴をもつ「新しいイタリア人」がイタリアを象徴する星型を作っている。
日本館にも大型のVIPルームが用意されており、日本政府が主催するクリエイター向けイベントなどではこの施設が利用された。なお、迎賓館を彩ったタペストリーを見ることができる。
川島織物セルコン 東京ショールーム タペストリー特別展示
展示作品:タペストリー「CUT: C/U/T_CC-CM_I」
デザイン・監修:川人 綾(現代美術作家)
制作:川島織物セルコン
会期:2025年12月1日(月)~2026年3月31日(火)
時間(水曜休館):10:00~18:00(予約不要)
会場:川島織物セルコン 東京ショールーム
東京都江東区豊洲5-6-15 NBF豊洲ガーデンフロント 6階
賓客を迎え入れる迎賓館としては、<wbr />伝統的な御殿建築の大阪迎賓館や、明治期に建てられたネオ・<wbr />バロック様式の赤坂離宮(東京)もあるが、<wbr />それとは異なる現代の日本の建築家が作った万博の迎賓館はシンプ<wbr />ルでミニマルな構造の中に「日本の美」<wbr />を織り込んだ美しくも誇らしい空間であり、<wbr />一人でも多くの人に体験して欲しい空間でもあった。<wbr />残念ながら万博も終わりもはや訪れることはできないが、<wbr />筆者が撮り溜めた写真と文字による再現で、<wbr />その素晴らしさを味わっていただけたらと思う。
大阪・関西万博「迎賓館」
用途: 世界各国から国王、大統領、首相などの賓客をお迎えし、歓迎、接遇するための施設
構造: 鉄骨造
階数: 平屋建
床面積: 4,624.06㎡
基本設計: 株式会社日建設計
実施設計・施工・監理: 大林組・矢作建設工業共同企業体・株式会社日建設計
デザイン監修: 2025 年日本国際博覧会 会場デザインプロデューサー 藤本壮介/株式会社藤本壮介建築設計事務所
Profile
林信行 Nobuyuki Hayashi
1990年にITのジャーナリストとして国内外の媒体で記事の執筆を始める。最新トレンドの発信やIT業界を築いてきたレジェンドたちのインタビューを手掛けた。2000年代からはテクノロジーだけでは人々は豊かにならないと考えを改め、良いデザインを啓蒙すべくデザイン関連の取材、審査員などの活動を開始。2005年頃からはAIが世界にもたらす地殻変動を予見し、人の在り方を問うコンテンポラリーアートや教育の取材に加え、日本の地域や伝統文化にも関心を広げる。現在では、日本の伝統的な思想には未来の社会に向けた貴重なインスピレーションが詰まっているという信念のもと、これを世界に発信することに力を注いでいる。いくつかの企業の顧問や社外取締役に加え、金沢美術工芸大学で客員名誉教授に就いている。Nobi(ノビ)の愛称で親しまれている。
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林 信行の視点
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投稿 世界の賓客が体験した、万博のもう一つの顔——大阪・関西万博最上級の接遇施設「迎賓館」の全貌 は Premium Japan に最初に表示されました。
Events
そごう美術館にて開催「artisansと輪島塗」
2026.1.20
輪島塗の「そのさき」へ──。光沢の奥に隠された技法と職人の仕事
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そごう美術館で、1月22日(木)から2月23日(月・祝)まで、展覧会『artisans と輪島塗 』が開催される。
本展は、2024年の能登半島地震により壊滅的な被害を受け、存続の危機に直面している輪島塗の復興支援を目的に企画されたもの。漆の技術を未来へとつなぎ、輪島塗の「そのさき」を見据える試みである。
《曲輪造籃胎食籠》小森邦衞
《栗鼠に葡萄文蒔絵箱》中野孝一
日本を代表する漆器である輪島塗は、「輪島六職」と総称される椀木地、指物、曲物、塗師、沈金、蒔絵という専門職の高度な分業体制によって支えられてきた。その緻密な工程の積み重ねが、ほかの漆芸にない堅牢さと光沢をもつ輪島塗を形づくっている。
轆轤を使い、何段階にも分けて挽いていくことで椀木地を作る
椀木地の生成工程
曲物師は水につけた能登ヒバを鉋で削り、型に沿って曲げる
本展では、完成作品の鑑賞にとどまらず、輪島塗が作られる工程にも注目。これまで光が当たりにくかった素地(輪島塗の下地)の完成にいたるまでの過程を紹介するほか、実際に触れられる工程展示や、制作に用いられる必要な道具も公開。堅牢優美な輪島塗が、いかにして育まれてきたのかを体験できる構成となっている。
《漆象嵌箱「玉響」》山岸一男
さまざまな「artisans=職人」の手を経て完成する輪島塗。その超絶技巧の数々を、会場でぜひ目の当たりにしてほしい
◆artisans と輪島塗
【会期】2026年1月22日(木)~2月23日(月・祝)
【会場】そごう美術館(そごう横浜店6階)
【開館時間】10:00~20:00(入館は閉館30分前まで)
【入館料】一般1,400円(1,200)、大学・高校生 1,200(1,000)円、中学生以下無料
*( )内は前売、公式オンラインチケットおよび[クラブ・オン/ミレニアムカード、クラブ・オン/ミレニアム アプリ]を提示の方の料金。
*前売券は1月21日(水)まで公式オンラインチケットおよびそごう美術館にて取り扱い。
*障がい者手帳各種をお持ちの方、および同伴者1名は無料。
関連リンク
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Features
銀座・和光で開催。「第2回 いしかわの工芸 漆と陶」
2026.1.20
石川の漆と陶、その現在地を知る
(左)????田幸央 金襴手彩色鉢 φ52×h13cm (右)水尻清甫 沈金乾漆盤「海原」 φ40×h3.5㎝
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銀座のランドマークとして知られる和光のセイコーハウスホールにて、2026年1月29日(木)から2月8日(日)まで、展覧会「第2回 いしかわの工芸 漆と陶」が開催される。
水口 咲 乾漆黄桃茶器 φ7.5×h7.5cm
輪島塗や九谷焼に代表される、漆芸と陶芸の豊かな伝統が息づく石川県。本展は、県内で創作活動を続ける漆芸家・陶芸家による展覧会の第2回目となる。
浦出勝彦 蒔絵箱「朝涼」 w25×d11×h14cm
今回は、それぞれの分野で活躍する新たな作家を迎え、より多彩な表現が一堂に集結。 加賀百万石の時代から脈々と受け継がれてきた技と美意識に、現代の感性を重ね合わせた石川工芸の現在地を体感できる内容だ。
田島正仁 釉香器「月明り」 φ15.5×h12.5cm
会期中には、出品作家によるギャラリートークも予定されている。1月31日(土)は陶芸家の柴田有希佳氏と漆芸家の水口 咲氏、2月7日(土)は陶芸家の多田幸史氏と漆芸家の中室惣一郎氏が登壇し、作品制作の背景や工芸に込める思いを語る。
柴田有希佳 茶碗「絵日傘」 φ11.6×h8cm
漆と土、それぞれの素材と真摯に向き合う作家たちの競演。石川の工芸がもつ奥行きと進化を、銀座でじっくりと味わいたい。
◆第2回 いしかわの工芸 漆と陶
【会期】2026年1月29日(木)~2月8日(日)
【会場】セイコーハウスホール(東京都中央区銀座4-5-11 セイコーハウス6階)
【時間】11:00~19:00(最終日は17:00まで)
【休業日】会期中無休
【入場料】無料
【問い合わせ】03-3562-2111(代表)
出品作家によるギャラリートーク
1月31日(土)14:00~ 柴田有希佳氏、水口 咲氏
2月7日(土)14:00~ 多田幸史氏、中室惣一郎氏
司会進行:????田幸央氏
※混雑時には入場を制限する場合があります。
【問い合わせ】和光 美術部 03-3562-2111(代表)
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Features
半蔵門ミュージアムにて開催。「富士山 花と雲と湖と」
2026.1.16
横山大観、片岡球子らによる独創的な富士山の絵画を展示
片岡球子《花に囲まれし富士》 1985年頃
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半蔵門ミュージアムにて、1月17日(土)から5月10日(日)まで、特集展示「富士山 花と雲と湖と」を開催。横山大観や田崎廣助、片岡球子ら10名の画家と版画家による、花や雲、湖を描いた富士山の絵画が展示される。
横山大観《霊峰不二》 1939年
日本を象徴する山、富士山。その姿を仰ぎ見る名所として、三保の松原、田子の浦、忍野八海などが挙げられ、また薩摩富士(開聞岳)など、全国に「富士」の別称がついた山も枚挙にいとまがない。それほど富士山は象徴的な山であり、二つとない「不二」の当て字が相応しい存在だ。
笹島喜平《精進湖の富士》 1980年
岡信孝《紅梅富士》 1990年代
本展では、花に囲まれ、雲がたなびき、畔に湖のある、美麗で独創的な富士山の絵画を紹介。文化勲章受章者である横山大観・田崎廣助・片岡球子、版画家の笹島喜平、日本画家の川﨑春彦・岡信孝・木村圭吾・平松礼二、洋画家の野田好子・櫻井孝美という10名による15作品を堪能できる。
平松礼二《路・花嶽》 1990年頃
櫻井孝美《錦秋》 1992年
同じ富士山が主題でも、描く画家により構図や色彩は異なり、それぞれの個性を感じられるはずだ。私たちにさまざまな姿を見せてくれる富士山。その魅力に、会場で触れてみてはいかがだろうか。
◆富士山 花と雲と湖と
【会期】1月17日(土)~5月10日(日)
【会場】半蔵門ミュージアム(東京都千代田区一番町25)
【時間】10時~17時30分(入館は17時まで)
【休館日】毎週月曜日・火曜日
【入場料】無料
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Events
Ginza Sony Parkで開催『映画「国宝」展 ― 熱狂は終わらない、物語は続く ―』
2026.1.6
1,231万人が熱狂した映画の熱量を、名場面写真と立体音響空間で追体験
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Ginza Sony Park(銀座ソニーパーク)にて、今もなおロングランを続ける映画「国宝」の世界観を追体験する展覧会『映画「国宝」展 ― 熱狂は終わらない、物語は続く ―』が入場無料で開催される。会期は2026年1月7日(水)から1月28日(水)まで。
©吉田修一/朝日新聞出版 ©2025 映画「国宝」製作委員会
本展の目玉となるのは、作品の“継承”と“命の鼓動”を象徴的に伝える二つの体験だ。
地下2階の展示フロアでは、吉沢亮が演じる主人公・立花喜久雄と、横浜流星が演じる花井半弥が丹波屋の継承をめぐる印象的なシーンなど、劇中の名場面を切り取った写真を展示。スクリーンで観た感動を、静止した一枚の美しさとして改めて見つめ直せる構成となっている。
さらに3階では、ソニーの高画質LEDディスプレイ「Crystal LED」と、立体音響技術を用いた特別な空間を構築。劇伴音楽を担当した原摩利彦が作曲、坂本美雨が作詞、そしてKing Gnuの井口理が歌唱参加した本作の主題歌「Luminance」を、本編映像とともに鑑賞できる。
写真提供:Ginza Sony Park
また、Ginza Sony Park 4階では、特別企画展「5/513日」 Ryo Yoshizawa × Shunya Araiを同時開催。本作品の監督である李相日が、映画化の「決め手は、吉沢亮の存在」と語るほど圧倒的な印象を残した吉沢が「国宝」の準備と撮影にかけた513日間のうち、5日間を写真家・荒井俊哉が密着撮影。選りすぐりの写真を展示するほか、クリアファイルやチケットホルダーなどのオリジナルグッズも販売される。本企画展はチケット制で、専用サイトでの事前予約が必要となる。
「国宝」の熱狂が冷めやらぬ今、改めて映画の魅力に触れられる絶好の機会となりそうだ。
◆映画「国宝」展 ― 熱狂は終わらない、物語は続く ―』
【会期】2026年1月7日(水)~1月28日(水)
【時間】10:00~19:00(18:30最終入場)
【場所】Ginza Sony Park 地下2階・3階
【料金】入場無料
◆『映画「国宝」特別企画展「5/513日」 Ryo Yoshizawa × Shunya Arai
【会期】2026年1月7日(水)~1月28日(水)
【時間】10:00~19:00(18:30最終入場)
【場所】Ginza Sony Park 4階
【料金】日時指定チケット/当日チケット
一般1,600円(税込)、中学/高校生 1,100円(税込)、小学生以下無料
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Features
河瀨直美監督、8年ぶりのオリジナル脚本映画『たしかにあった幻』
2025.12.29
2026年2月6日公開。時を超えて運命が交差する珠玉の人間ドラマ
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河瀨直美監督の最新映画『たしかにあった幻』が、2026年2月6日(金)より公開される。河瀨監督にとって本作は劇映画としては6年ぶり、オリジナル脚本としては8年ぶりの作品となる。
第78回ロカルノ国際映画祭でワールドプレミア上映され、「河瀨直美のマスターピース」と評されたことでも注目を集める本作。物語が投げかけるのは、「人は亡くなったら、どこへいくのだろう」という根源的な問いだ。
物語の背景にあるのは、日本の臓器移植医療の現実と、年間約8万人にのぼる行方不明者問題という二つの社会的テーマ。本作では、“愛のかたち”と命のつながり“をモチーフに、失踪と心臓移植の現実を重ねて描く。
フランスから来日し、日本で臓器移植の普及に尽力するコリーは、異なる死生観や倫理観の壁に直面し、無力感を抱えながら日々を過ごしている。屋久島で出会った青年・迅との生活にもコミュニケーションの問題が生じるなか、心臓疾患を抱える少女・瞳の病状が急変し、物語は静かに、しかし避けられない運命へと進んでいく。
「幻」と「たしかにあった」という相反する言葉を重ねたタイトルは、二項対立を超えてゆく新しい思想を提案する本作の内容を知らしめている。河瀨監督はこれまでも『あん』『光』『朝が来る』などで、血縁や常識に縛られない関係性の中に存在する「愛」を描いてきた。本作でも「死」が終わりではないという気づきの先に、移植医療が人の命を繋いでゆき、「生」の意味が問いかけられる。
主人公コリーを演じるのは、ルクセンブルク出身のヴィッキー・クリープス。優しさと孤独を併せ持つ女性像を、全身全霊で演じ切る。迅役には、河瀨作品初参加となる寛一郎。さらに、尾野真千子、北村一輝、永瀬正敏ら実力派俳優陣が脇を固める。加えて、河瀨監督がオーディションで見出した、子役の中村旺士郎と中野翠咲のリアリティある演技も見逃せない。
心臓移植のシーンや医療現場のディスカッションは、実際に小児臓器移植に関わる医師や看護師の協力のもと、ドキュメンタリーのように撮影。また、世界遺産・屋久島の屋久杉が織りなす風景も河瀨監督のフィルモグラフィーと響き合い、生命の源たる息吹を放っている。
目に見える形が失われても、別の誰かの体や記憶の中で生き続ける命。そうした命のあり方を見つめながら、“愛のかたち”と“命のつながりを描く映画。観る者の心に静かに残る一本となりそうだ。
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2025.12.18
松屋銀座開店100周年・『婦人画報』創刊120周年記念
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Features
日本の美を引き立てる「帯留め アラベスク」
2025.12.22
ウェッジウッドからジャスパー製の和装アクセサリーが限定登場
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英国王室御用達ブランド、ウェッジウッドを象徴するオリジナル素地「ジャスパー」の250周年を記念して、ジャスパー製の「帯留め アラベスク」が数量限定で登場。
ジャスパー「マグノリア ブロッサム」
モチーフは型から一つずつ取り出し、英国工場の熟練職人が丁寧に手作業で貼り付けている。
ジャスパーは、創設者ジョサイア・ウェッジウッドの探究心から生まれた独自素材。現在も英国バーラストン工場にて、誕生当時と同じ製法で熟練職人の手により作られている。マットな質感とやわらかな色合いは、ジュエリーやコートのボタン、刀装具、ハイヒールの装飾など、時代や用途を超えて愛され、装いに上品なアクセントを添えてきた。
「ジャスパー 帯留め アラベスク」(ペールブルー)27,500円・数量限定(ウェッジウッド公式オンラインストア、全国のウェッジウッドショップ、およびツカモト市田株式会社の販路でも販売)
「ジャスパー 帯留め アラベスク」(ブラック)27,500円・数量限定(ウェッジウッド公式オンラインストア、全国のウェッジウッドショップ、およびツカモト市田株式会社の販路でも販売)
日本限定の「帯留め アラベスク」は、葉や蔓が優雅に絡み合うアラベスク模様をモチーフに、中央に愛や美しさを象徴するバラの花をあしらったデザイン。英国の職人が一点ずつ手作業で仕上げており、合わせる着物柄や帯締めによって、さまざまな表情を楽しめる。
さらに、ウェッジウッドの代表的な柄を着物として表現した新コレクション「Wedgwood – KIMONO COLLECTION」も誕生。「フェニックス」や「フロレンティーン」などブランドを象徴する6種のモチーフを、訪問着や付け下げ、帯、小紋といった多彩なアイテムで展開。和と洋の伝統工芸が響き合うコレクションとなっており、ツカモト市田株式会社を通じて販売される。
250年にわたり受け継がれてきたクラフトマンシップと、日本の美意識が出会った記念コレクション。装いに静かな品格を添える一品として注目したい。
「Wedgwood – KIMONO COLLECTION」
▼展開品・販売価格(税込)
訪問着:2,178,000円~(2柄1~2配色)
付け下げ:638,000円(3柄各2配色)
帯: 363,000円~528,000円(8柄各2~4配色)
小紋: 385,000円~638,000円(7柄各2~4配色)
色無地:385,000円(1柄5配色)
帯留め:27,500円(1柄各2配色)※ウェッジウッド製※催事、百貨店、着物専門店、他にて随時販売を開始。
(帯留め以外は、ウェッジウッドショップでの販売はありません)
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2025.12.18
松屋銀座開店100周年・『婦人画報』創刊120周年記念
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Premium Salon
アート探訪記~展覧会インプレッション&インフォメーション
2025.11.28
銀座・和光「福本潮子─藍の海─」藍染が蘇らせた、木綿の漁網
「藍の海」 福本潮子 作
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銀座・和光「セイコーハウスホール」では、藍染作家の福本潮子さんの作品展が開催されている。展覧会名は「福本潮子-藍の海-」。深淵な宇宙をも思わせる作品で世界的に活躍している福本さんが、今回新たに藍染に選んだ素材は、実際に使われ、やがて破棄されようとしていた漁網。合成繊維の登場で姿を消しつつある木綿という天然素材の漁網が、藍に染められアート作品として見事に蘇った。また、対馬麻のタペストリーや、蚊帳地として織られた亜麻への藍染など、作品が並ぶ会場は空気までもが藍に染められているような趣だ。
静かに漂う、幾重にも吊り下げられた藍染の漁網
いくつもの波がゆらゆらと漂っている。漂う波の揺らぎを海中で受け止めているかのような浮遊感にも似た不思議な感覚に包まれる。波に近づくとわかる。網だ。大きいもので左右20メートルほど。小さいものだと10メートル。両端だけを天井レールに繋ぎ留めた漁網が、緩やかな曲線を描いて幾重も吊り下げられている。濃い藍から白へのグラデーションが続く網は、かつて海の中で揺蕩(たゆた)っていた記憶を秘め、静かにたたずんでいる。作品名は「藍の海」。
自重で撓(たわ)む漁網と、藍から白へのグラデーションが複雑な表情を作り出す。
藍染を用いたさまざまな表現活動を行い、「藍染美術家」として世界各地で作品を発表してきた福本潮子さんが、今回試みたのは漁網への藍染だった。
「この網の素材は木綿です。この網は実際に長く使われた後、そのまま廃棄されようとしていたもので、私が入手した際は真っ黒でした。それを洗って漂白し、藍で染めたのです。藍は天然の素材にしか染まりませんが、古く汚れていた網でも綺麗に染まります」
合成繊維に駆逐される天然繊維
かつては木綿や麻を素材とする漁網が主流だったが、現在では大半がポリエステルやナイロンなどの合成繊維へと変わっている。耐久性があるうえに軽く手扱いやすいからだ。しかし、廃棄され海中に留まったこうした化学物質が海を汚染していることが、世界中で問題となっている。
「天然素材の木綿の漁網は美しい藍色に染まります。それは汚染されていない美しい海のそのもの。廃棄されようとしていた漁網が、藍に染まってこうした姿に変わりました。合成繊維で海が汚染されていく現状に、この網が何らかの波紋を投げかけることができたらと思っています」
木綿の漁網は重い。それを一定の長さに切って染めていく。それはある意味では重労働だ。染める際には漁網を持ち上げて吊るす、小さなクレーンまで使う。そうまでして、なぜ福本さんは漁網を染めたのか。それは漁網が天然素材だったからだ。
苧麻、中国の綿、亜麻……。長年にわたってさまざまな作品を発表し続けてきた福本さんは、たえず天然素材とともに歩んできた。しかし、その天然素材が次々と姿を消そうとしている。
藍に染まった天然素材の美しさに多くの人が出合うことで、こうした現状を少しでも食い止めることができるのではないか。福本さんは、そう願いながら藍と向き合い続けている。
会場に一歩足を踏み入れるとこの光景が広がる。ライティングの具合でそうは見えないが、網の一部分は濃い藍に染まっている。
対馬の風土が凝縮された布と、藍との出会い
会場の壁面に、縦長のタペストリーが何点か掛けられている。作品名は「対馬」。名前が物語るように、九州の離島、対馬に由来する作品だ。
「対馬の人々は大麻や麻を育て、対馬麻という独特の布を織り、労働着としていました。古い労働着をほどいて、それを縫い合わせてタペストリーとし、その一部分を藍で染めてみました。対馬は岩がちで道も狭く、村と村との交流はあまりありませんでした。だからそれぞれの村で独自の柄や風合いの織物となっています。対馬という島の風土と、そこに暮らす人びとの生活が凝縮された、そしてかつては日本のどこでも行われていた手作業の尊さを教えてくれる、素晴らしい布です」
「対馬」と名付けられたタペストリー。織り手の息遣いを感じさせる布の風合いを藍が引き立てる。いずれも100年以上前の織物。
そんな布に出合った福本さんだが、始めのうちは、藍で染める部分が多くを占めていた。やがて藍で染める箇所はほんのわずかとなり、大部分は布地のままの作品となっていった。
「さまざまなものを受け止め、それを染み込ませてきた布が持つ風合いや力強さを大切にした方がよいと思い始めたのです。藍は、この布が持つ力強さを引き立たせる役目です。楔(くさび)のように入った藍が、島の自然の厳しさや、絶海の孤島を語ってくれれば、と考えています」
柔らかく揺らいでいるかのような「藍の海」に対し、「対馬」と名付けられた壁面の作品は、峻厳すら感じさせるたたずまいで、前に立つ人に向かってくる。そのどちらもが天然素材であり、藍染の姿でもある。
滋賀県湖北の長浜で蚊帳地として織られていた布を用いた作品。亜麻を材料とするこうした蚊帳地もほぼ消滅した。
宇宙の摂理から自分の表現を引き出す
「藍は空気中の酸素と触れることによって発色します。水洗いを何度もしますから清浄な水、藍を受け止める天然繊維、天然素材そのものである藍。つまり、空気、水、天然繊維、そして藍。すべてが自然からの授かりもので、この4つがないと藍染は成り立たちません。この絶対的な自然の摂理が組み合わってどんな表情となるか、私はその表情のなかから自分の表現を引き出しているだけなのです。自分を出そうとはしていません。もちろん、こうすればこうなる、という感触を得るためのトライアルは何度も行います。でも最終的には自然にまかせる。自分が手を動かした跡のようなものは、あまり残したくありませんね」
かつて福本さんは、ひとつの作品を作るために、より完成度の高い出来具合を求め、気が付くと2万枚もの布を染めていたそうだ。そんな福本さんだからこそ、「自分を出そうとはしていない」という言葉はより重く響く。
自然の摂理が絶妙に組み合わさることによって生まれる藍染。今回、破棄されようとしていた漁網や100年以上前の対馬織を用い、新たな藍染の表現を引き出した福本さん。今度は、どのように自然の摂理を組み合わせ、どのような表現を引き出してくれるのだろうか。
◆アート探訪記~展覧会インフォメーション
福本潮子─藍の海─
会期:2025年11月27日(木) 〜 2025年12月7日(日)
時間:11:00 – 19:00 (最終日は17:00まで)
- 場所:セイコーハウス 6階 セイコーハウスホール
櫻井正朗 Masao Sakurai
明治38(1905)年に創刊された老舗婦人誌『婦人画報』編集部に30年以上在籍し、陶芸や漆芸など、日本の伝統工芸をはじめ、さまざまな日本文化の取材・原稿執筆を経た後、現在ではフリーランスの編集者として、「プレミアムジャパン」では未生流笹岡家元の笹岡隆甫さんや尾上流四代家元・三代目尾上菊之丞さんの記事、「星のや」滞在記などを担当する。京都には長年にわたり幾度となく足を運んできたが、日本文化方面よりも、むしろ居酒屋方面が詳しいとの噂も。
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投稿 銀座・和光「福本潮子─藍の海─」藍染が蘇らせた、木綿の漁網 は Premium Japan に最初に表示されました。
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深遠なる“藍”の世界へ
2025.11.14
銀座・和光で開催「福本潮子 ―藍の海―」
「藍の海」一部切り抜き画像 (撮影:来田 猛 Koroda Takeru)
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銀座・和光セイコーハウスホールでは、2025年11月27日(木)から12月7日(日)まで、藍染作家・福本潮子による展覧会「福本潮子 ―藍の海―」を開催。深遠な藍の世界を探求し、国内外で高い評価を受ける福本氏にとって、和光での展覧会は今回が初めてとなる。
「藍の海」 木綿漁網 (撮影:来田 猛 Koroda Takeru)
「交差する青 -1」 亜麻 220×200cm(撮影:来田 猛 Koroda Takeru)
木綿や麻などの自然素材に、日本の藍が持つ奥行きのあるグラデーションを重ねる福本氏。その作品は、見る人の心に深く沈み込み、国境を越えて深い感動を呼び起こしてきた。
「銀河」 苧麻(開田高原麻) 200×180cm (撮影:来田 猛 Koroda Takeru)
「世界中の藍で一番美しい藍は日本の藍。その特色は、ブルーの豊かなグラデーションです」と語る福本氏。本展では、250メートルもの木綿の漁網を染めたインスタレーション「藍の海」をはじめ、「交差する青 -1」「銀河」「対馬 -Ⅻ」など、藍の多様な表現を体現する作品を展示。波打ち際を思わせる美しいジャパンブルーの濃淡が、空間全体を静かに包み込む。
「対馬 -Ⅻ」 大麻・木綿 223×92cm(撮影:来田 猛 Koroda Takeru)
会期中は、福本氏本人が在廊する日も予定。また11月29日(土)14時からは、美術評論家・森孝一氏とのギャラリートークも開催。作家の言葉を通じて、“ジャパンブルー”の美と哲学に触れられる貴重な機会となるだろう。
◆「福本潮子 ―藍の海―」
【会期】2025年11月27日(木)~12月7日(日)
※作家在廊予定日:11月27日(木)、29日(土)、30日(日)、12月6日(<wbr />土)、7日(日)
【会場】セイコーハウスホール(東京都中央区銀座4-5-11 セイコーハウス 6階)
【営業時間】11:00~19:00(最終日は17:00まで)
【休業日】無休
【入場料】無料
【お問い合わせ】tel. 03-3562-2111(代表)
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大阪・関西万博で話題を呼んだ古代彫刻の最高傑作が再び
2025.11.13
特別展「天空のアトラス イタリア館の至宝」大阪市立美術館にて開催
《ファルネーゼのアトラス》(部分)西暦2世紀 ナポリ国立考古学博物館
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日本とイタリアの国交160周年、そして大阪・関西万博の文化的レガシーを記念して、特別展「天空のアトラス イタリア館の至宝」が大阪市立美術館にて2026年1月12日(月・祝)まで開催されている。万博のイタリア館で多くの来場者を魅了した名品が、舞台を大阪市立美術館へと移し、再び日本でその姿を見せる。
本展では、人類の叡智と創造性を象徴する3件──イタリアの至宝「ファルネーゼのアトラス」、レオナルド・ダ・ヴィンチの「アトランティコ手稿」、ルネサンスの巨匠ペルジーノによる「正義の旗」を厳選して展示。
《ファルネーゼのアトラス》西暦2世紀 ナポリ国立考古学博物館
紀元2世紀に制作されたとされる「ファルネーゼのアトラス」は、ギリシア神話の巨人アトラスが天球儀を抱える姿を象った古代彫刻の傑作。天球儀に刻まれた星座や黄道十二宮の精緻な意匠は、古代彫刻の真髄を今に伝える。
レオナルド・ダ・ヴィンチ『アトランティコ手稿』第156紙葉 表《水を汲み上げ、ネジを切る装置》
1480-1482年頃 アンブロジアーナ図書館
(C)Veneranda Biblioteca Ambrosiana/Metis e Mida Informatica /Mondadori Portfolio.
レオナルド・ダ・ヴィンチ『アトランティコ手稿』第1112紙葉 表《巻き上げ機と油圧ポンプ》
1478年頃 アンブロジアーナ図書館
(C)Veneranda Biblioteca Ambrosiana/Metis e Mida Informatica /Mondadori Portfolio.
“万能の天才”レオナルド・ダ・ヴィンチによる「アトランティコ手稿」は、本展のために新たに出品された日本初公開の2点。数学・天文学・植物学から軍事技術に至るまで、彼の知的探求を余すところなく記録したもの。
ペルジーノ《正義の旗》1496年 ウンブリア国立美術館(ペルージャ)
(C)Galleria Nazionale dell‘Umbria
そして、ラファエロの師であるペルジーノの代表作「正義の旗」は、深い信仰心と精神性を見事に表現した宗教画。静謐な光に包まれた構図が、ルネサンス美術の精華を今に伝えている。
《ファルネーゼのアトラス》(部分)西暦2世紀 ナポリ国立考古学博物館
古代ギリシアの精神からルネサンスの創造力へと連なる、知と美の系譜を体感するまたとない機会。時を越え、地を越え輝き続ける傑作の数々を、大阪市立美術館でぜひ堪能してほしい。
日伊国交160周年記念 大阪・関西万博開催記念
特別展「天空のアトラス イタリア館の至宝」
【会期】開催中~2026年1月12日(月・祝)
【会場】大阪市立美術館(大阪市天王寺区茶臼山町1-82)
【開館時間】9:30~17:00(入館は16:30まで)
【休館日】月曜(祝日の場合は開館、翌平日休館)、年末年始(12月29日~1月2日)
※オンラインチケット(日時指定予約)の全日程分が完売したため、美術館券売窓口を含めチケット販売を中止しています。今後の詳細については、大阪市立美術館ホームページをご参照ください。
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木と語らい、愛を描く
2025.10.30
藤田理麻新作絵画個展『Evergreen 〜木魂の愛と智慧〜』
SecretPond©RimaFujita2025
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アーティスト・藤田理麻による新作絵画個展『Evergreen ~木魂の愛と智慧~』が、11月12日(水)から18日(火)まで伊勢丹 新宿店アートギャラリーで開催される。会期中の11月15日(土)午後2時30分からは、会場にてアーティスト・トークおよびインスタライブも実施予定だ。
Sunrise©RimaFujita2025
本展のテーマは、藤田が暮らす北カリフォルニアでの夜の散歩から着想を得たもの。毎晩のようにジュニパー(西洋ネズ)の並木道を歩く彼女は、その中の一本と対話を重ねてきたという。「今回の新作は、そんなジュニパーの木が夢に現れたビジョンをもとに描かれた。「木も人間と同じくこの地球に生きる存在。私たちよりも長く、深くこの星を見つめ続けている」と語る藤田は、木々が授けてくれる愛と智慧を絵筆に込めた。
Butterflies©RimaFujita2025
また本展では、今年90歳を迎えたダライ・ラマの生涯を描いた絵本『The Extraordinary Life of H.H. The Fourteenth Dalai Lama(ダライ・ラマ法王第十四世の生涯)』の一点物の版画も特別展示。藤田が描く穏やかな色彩と祈りの筆致が、法王の壮大な人生を静かに讃える。
アートを通して愛と祈りを描き続ける藤田理麻。私たちのそばに静かに寄り添う木魂の愛を、彼女の作品世界を通じて感じてみてはいかがだろうか。
◆藤田理麻 新作絵画個展「Evergreen ~木魂の愛と智慧~」
【会期】2025年11月12日(水)~11月18日(火)
【会場】伊勢丹新宿店 本館6階 アートギャラリー
【アーティスト・トーク&インスタライブ】11月15日(土)午後2時30分~
※最終日は午後4時終了
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詩楽劇『八雲立つ』——伝統と革新が織りなす舞台
2025.10.29
尾上右近、紅ゆずる、尾上菊之丞らが登場。豪華出演陣が紡ぐ神話の世界
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2025年12月29日(月)から31日(水)まで、東京国際フォーラム ホールB7にて詩楽劇『八雲立つ』が上演される。出演は、歌舞伎俳優の尾上右近をはじめ、元宝塚歌劇団星組トップスター紅ゆずる、バイオリニストの川井郁子、日本舞踊尾上流四代家元の尾上菊之丞ら。本物の装束を纏い、古典芸能と音楽が響き合う壮大な舞台が繰り広げられる。
本舞台は、“伝統と革新”をテーマに日本文化の新たな魅力を発信するプログラム「J-CULTURE FEST」の一環として上演されるもの。
古代神話に描かれた神々の物語を題材に、プロフェッショナルたちが本物の装束をまとい演じる詩楽劇『八雲立つ』は、2022~2023年の年末年始公演で大きな反響を呼んだ作品。今回の公演では、日本という国の構築に大きな役割を果たした神・スサノオの成長物語を軸に、岩長姫との魂の交わりを音楽と舞で描く。
脚本を手がけるのは、新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』などで知られる戸部和久。構成・演出は、新作歌舞伎『刀剣乱舞』でも高い評価を得た日本舞踊尾上流四代家元の尾上菊之丞が担当。
須佐之男命(スサノオ)役には、歌舞伎界の若き俊英・尾上右近。岩長姫役を、元宝塚歌劇団星組トップスターの紅ゆずるが演じ、瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)役に佐藤流司、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)役に和田琢磨、木花咲耶姫(このはなさくやひめ)役に梅田彩佳と、ジャンルを超えた豪華キャストが集結。
音楽は、ヴァイオリニスト川井郁子と和楽器が共演。さらに石見神楽 万雷の大蛇の舞が舞台を彩り、神話世界の神秘と迫力を体験できる内容となっている。
本公演にあわせ、東京国際フォーラムで「和の伝統に親しむ」をテーマにしたワークショップも開催。いけばなや鼓(つづみ)、江戸木版画(浮世絵)、巨大書道パフォーマンスなど、日本の文化を体感できる多彩なプログラムが予定され、現在公式サイトで予約を受付中だ。
本作冒頭では、2025年の穢れを払い2026年を寿ぐ神職による修祓(しゅばつ)が執り行われ、新年を迎えるにふさわしい舞台として注目を集めそうだ。
◆J-CULTURE FEST presents 詩楽劇『八雲立つ』
【公演日程】2025年12月29日(月)〜12月31日(水)
12月29日(月) 15:00/18:30
12月30日(火) 15:00/18:30
12月31日(水) 11:30/15:00
【会場】東京国際フォーラム ホールB7(東京都千代田区丸の内3-5-1)
【出演】尾上右近、紅ゆずる、佐藤流司、川井郁子、尾上菊之丞 ほか
【脚本】戸部和久
【構成・演出】尾上菊之丞
【チケット】全席指定・税込・一般販売開始11月1日(土)10:00
SS席12,000円、S席10,000円 、A席6,000円
※未就学児入場不可
※車椅子でご来場される方は、チケット購入後にお名前・ご観劇回・座席番号をご観劇日の前々日までに stage.contact55@gmail.com までお知らせください。
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静岡市立芹沢銈介美術館で開催「型紙 美しい染物への約束」
2025.10.24
人間国宝・芹沢銈介 生誕130年記念展
「いろは文字文帯地」1958
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型絵染の人間国宝・芹沢銈介の生誕130年を記念して、静岡市立芹沢銈介美術館にて記念展「型紙 美しい染物への約束」が開催中。会期は12月7日日まで。
芹沢銈介は、生涯の師である柳宗悦と、沖縄の染物・紅型びんがたとの出会いをきっかけに染色の道を進み、独自の色彩感覚とデザインで数々の名作を生み出した。
左「鯛泳ぐ文着物」1964 右「鯛泳ぐ文着物」の型紙東北福祉大学芹沢銈介美術工芸館蔵
左「いろは文字文帯地」1958右「いろは文字文帯地」の型紙東北福祉大学芹沢銈介美術工芸館蔵
型染とは、渋紙を彫りぬいた型紙と防染糊を使う間接的な染色技法で、芹沢は作品そのものに加え、彫った型紙の美しさも高く評価されていた。本展では、東北福祉大学芹沢銈介美術工芸館が所蔵する型紙を中心に、彼の言葉「よき型紙は美しい染物を約束する。そしてそれ自身美しい」を体現する作品群を紹介している。
芹沢銈介の家内部
国内では珍しい染色作家の美術館である芹沢銈介美術館は、およそ1,300点の芹沢銈介作品のほか、工芸品の収集家でもある芹沢のコレクション4,500点を所蔵。また併設の「芹沢銈介の家」毎週日曜・祝日のみ公開には世界各地の工芸品が展示され、芹沢の暮らしと美意識を体感できる空間となっている。
「布文字春夏秋冬二曲屏風」の型紙(1965)
完成した型染め作品とは異なる美しさを宿す型紙。時を経てもなお、“美の原点”として静かに輝き続けるその魅力に触れてみてはいかがだろうか。
◆芹沢銈介 生誕130年記念展「型紙 美しい染物への約束」
【会期】開催中2025年12月7日日
【会場】静岡市立芹沢銈介美術館静岡県静岡市駿河区登呂5-10-5
【観覧料】一般420円、高大生260円、小中学生100円
※未就学児無料
【休館日】毎週月曜日11/3、11/24は開館、11/4、11/25
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