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旅館の矜持 THE RYOKAN COLLECTIONの世界
2026.5.27
ホテルの稼働によって里海と里山の再生させる 「COVA KAKUDA」覚田譲治社長が描く壮大な未来図
入り江のロケーションは唯一無二。レストラン棟にかかる桟橋に立つ覚田譲治社長。
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「ザ・リョカンコレクション」に加盟する旅館の女将や支配人を紹介する連載「旅館の矜持」。今回は三重県の伊勢志摩に位置する「COVA KAKUDA(コーバ カクダ)」の覚田譲治社長を紹介する。
自然と一体化できる唯一無二のホテル
三重県・伊勢志摩国立公園、英虞湾の静かな静かな一つの入り江の畔(ほとり)に、そのホテル「COVA KAKUDA」はある。近鉄賢島駅からは車で30分ほどの距離である。開業して今年の6月で3周年を迎える。4万平米という広大な敷地の中に、10棟を超えない建物が佇んでいる。
レセプション棟、レストラン棟、サウナ棟、そしてゲストルームであるヴィラが4棟。北西風が強くなる冬季には、波のしぶきがレストラン棟の大きな窓を叩く。いちばん低位置にあるヴィラは、デッキテラスに出れば水面に手が届きそうなほど海に近い。 海は平水面なので、じつに穏やかだ。
レストラン棟を中心にして、目の前は静寂な入り江で、その両側には樹木が生い茂る小山が迫っている。ソファに腰かけて入り江を眺めていると、時折、小船が遠くを通り過ぎていく。時が経つのを忘れる。
これほど自然と一体化できて、心が和むロケーションがあるだろうか。至高の贅沢――これこそが真の意味でのラグジュアリーというものなのだろう。里海と里山を眼前と両脇に抱えたホテルは、まさに唯一無二と言える。
「COVA KAKUDA」オーナーの覚田譲治・代表取締役社長に話を聞いた。
海に最も近いヴィラのデッキテラス。海面には手が届きそうだ。
里海と里山がクロスする絶好のロケーション
ホテル名「COVA KAKUDA(コーバ カクダ)」は、何語なのか? その由来は?
「もともとの家業は真珠養殖と真珠の加工でして、私はその三代目となります。英虞湾は真珠養殖の発祥の地で、その全盛期は1950~60年代でした。現在のホテルが立つ場所に、真珠養殖場の陸上施設が点在していました。工場のことを昔は『コーバ』と呼んでいましたよね。ホテル名の『COVA』とはそのコーバのことです。『KAKUDA』はこの宿を経営する覚田真珠株式会社の覚田です」
覚田真珠は真珠業界では老舗企業の一つとして知られる。
「最盛期には120名ほどの従業員がこの工場で働いていました。1970年までは工場として稼働していたのですが、養殖業者が真珠をたくさん作りすぎたために価値が暴落することなどがあって、三重県内での養殖業者の減少とともに、その後はまったく使われなくなったのです。そんな中で、親たちと週末にそこに泊まったり、私の学生時代には部活の夏のトレーニングの場所としてそこを使ったりしていました。
それに、私の祖母は海女だったんです。子どもの頃は、サザエやアワビを一緒に獲ったりしましたし、5月から夏の季節にはキスがよく釣れるんです。それを母親が天ぷらにしてくれたりしまして、この界隈の海の面白さはよく理解していたんですね。
ですから、お客さんが来た時には、こういう遊びをすると楽しいし、こんな風にもてなしたら面白いだろうなということはアイデアとして沢山蓄積されていました。そんな妄想をたくましくしていたのが、ちょうど今から10年前の頃です。そしてコロナの頃には国から事業再構築補助金が出ることになって、それを一部に使って自分の資金も出しながら、妄想が実際の形になっていきました」
自然と一体化するような感覚
10年前とは2016年にG7サミットが伊勢志摩で開催された年だ。
「あの時、首脳のみなさんのスーツに着けていただく真珠の『ラペルピン』を我々で作りました。使用する真珠は、美しいものを集めてコンペをして選びました。その時よくよく考えたのは、このラペルピンを通じて私たちは何を伝えたいのだろうということです。真珠が美しいという要素だけではなくて、その真珠が生み出される背後にある‶里海の営み″を伝えることこそが大事なのではないかと思い至ったのです。
つまり、人が自然に働きかけるからこそ、自然が豊かになっていく営みがあるということです。それをお伝えするには、都会からこの土地に来てもらったとしても、日帰りではとても伝え切れません。やはり宿泊機能がないとダメだと痛感しました。そこで、有休不動産があり、使っていない建物がたくさんあるのなら、それをリノベーションして宿泊施設にすればいいという結論に至りました」
工場をリノベーションした室内、基調となるアースカラーが目に優しい。
元は工場だった建物は、骨組みや梁はそのままだ。
「自然にできる限り負荷をかけないようにして、リノベーションを施しました」
改装された室内は、尾鷲ヒノキや白壁といった自然な色合いを持ち、実にコージーだ。しかも、家具や一つ一つの小物にいたるまで実に趣味が良い。ゆえに、ゲストルームやダイニングにいても、この土地の空気に体がなじんでいく。周囲の自然と一体化するような感覚におちいるのである。
ヒノキや白壁を基調にしたゲストルームの居心地の良さは抜群だ。
ホテルとして地域にどんな貢献ができるか
覚田氏が考えるのは、自社の経済活動だけではない。
「私は車で50分ほど離れた伊勢市内に住んでいるのですが、半島の先である奥志摩に来るたびに、この土地がどんどん寂れていく現実を目にするわけです。都会の人がここに来て働きたいと思うような仕事があれば、限界集落化を遅らせることもできるのではないか、そう考えました。
さらに真珠の養殖業もそうですが、海苔や魚をなりわいにしている漁業従事者に、ここで観光業を営むことによって少しでも貢献できるのではないかとも考えました。この場所でホテルをやることに、二重にも三重にも意味を見出したことが、ちょっと難しそうだけれども、COVA KAKUDAをやってみようと思った理由ですね」
意味はそれだけではない。
「里山」はよく耳にする言葉だが、ここには「里海」もある。真珠をはじめ、豊かな恵みをもたらすのは確かに里海だ。問題はこの里海が危機に瀕していることにある。
「リアス式海岸は海底から隆起して出来上がった台地ですから、山の尾根がぜんぶ平べったい畑です。昔はそこで農業を営んでいたのです。肥溜めを作って農業をしていた。雨が降れば、その栄養素は海に流れ込む。すると、豊かな海が出来て、海藻が育ち、魚は群れ、緋扇貝(ひおうぎがい)や牡蠣も育ち、真珠のアコヤ貝も育ちました。
海苔や真珠養殖や食用の貝類養殖に携わる漁民が、貝や用具に付着する汚れを掃除して出たカス、それと収穫したもののうちで食べられない部分を、落ち葉に混ぜて土に返す――。そうした大きな循環が伊勢志摩にはもともとありました。 ところが、過疎化が進み、農業従事者がいなくなると、海は一気に豐じゃなくなり、海藻は減っていき、魚は減り、貝も以前のようには育たない海になってしまったのです」
では、どうすればいいのか。
「豊かな海を取り戻すしかない。いわば海の再生です。例えば、COVA KAKUDAのある場所は、入り江なので陸の影響を非常に受けやすい。ならば、陸側に手を加えればいい。 森に手を入れて、木漏れ日が出来て風通しを良くしてやると腐葉土が育つ。漁業で出たものをコンポストにして土に返す。
さらには農業をやっていけば栄養素が海に流れ込む。海水温度の上昇問題を別にすれば、1950年頃の海を再生させることもそう難しくないのではないか。 里海と里山がちょうどクロスする場所がCOVA KAKUDAなのです。つまり、そこで人間の営みをすることで、それを自然に返すことが出来る。それがCOVA KAKUDAの底に流れる基本的な考えです」
覚田氏が考えたのは、ホテルを作ることによって、里海と里山を回復させるという、この日本ではほぼ類例がなく、途轍もなく壮大な試みなのである。
農園では、野菜、オリーブ、ハーブ等を栽培している。放し飼いの烏骨鶏や養蜂所まである。
多彩なアクティビティ
まず、里山での営み。
山側では農園を作り、野菜畑、オリーブ園、ハーブ園、椎茸園があり、烏骨鶏と青い卵を産むアロウカナの2種を飼っている。おまけに養蜂まで始めた。
「海沿いには、ウバメガシという備長炭の原料になる樹木が群生します。備長炭は紀州が本場なのでしょうが、伊勢志摩にも多いのです。炭の職人さんに山に入ってもらって伐採してもらう。炭には使わない太い幹は、2年間天日で干すと非常にいい状態の薪になります。この薪は暖炉やサウナに使うのですが、とてもいい香りがします。
飛び込み専用の桟橋も作っていますので、この桟橋でゆったりと整いを楽しむ方も多いです。日本のゲストもよく入水されています。料理には伊勢志摩備長炭を使いますから、ローカルウッドでローカルフードを焼いています」
山の恵みと海の恵みを存分に活用できる理想郷と言える。では、里海の営みではどんなことが可能なのか。
「ひと言で言うならば、人とともにある海を体感してもらうことです。そこで働く人々のなりわいに触れてもらいたいのです。 例えば冬ですと、『緋扇貝(ひおうぎがい)』を養殖しているところに七輪持参で出かけて行って、ちょっと焼いて食べてみるとか、イセエビ漁の刺し網にかかった伊勢海老を網から外す体験をしてもらったりします。
トヨタで車を作っていたのにこの海に惹かれて、真珠の養殖を修業してくれている若者がいます。5月ぐらいからはアコヤ貝に真珠の元となる核を挿れる挿核作業が始まるので、それも一緒に体験してもらうとかですね。
一番人気は近くの漁港にある魚市場の見学です。だいたい朝の7時過ぎに漁船が戻ってきますから、魚を陸揚げしてセリにかけるところを見物します。一日の制限は300キロまでですが、マグロもよく揚がります。そこでピックアップした魚や貝や伊勢海老を夜のディナーに出したりしています。
海で生きる人たちがどういう風に海に向き合っているのかを体感していただく。そこがすごく楽しい、話している方言は通じないかもしれませんけどね。自分の旅行体験もそうですが、何かそこにしかないものに触れることに一番意味があると思うのです」
里山の中腹にある東屋で中国茶を嗜む覚田社長。眼下に入り江を望む。
他にも余りにも多彩なアクティビティがある。
里山の植生探索と薪割り&火起こし、草木染・アロマ抽出、東屋で楽しむ抹茶、リアスカヤック&カヤックフィッシング、アイランドシュノーケリング、サーフィン、フィッシング(外洋チャーターもあり)、サンセットクルーズ、夜のクルーズ、焚火と星空観察、養蜂体験……。
なぜに、それほど多岐にわたるのか?
「宿に着いて何もせずに完全に脱力して帰途につくーーそうして活力をもらうリバイタライズ(revitalize)のやり方もあるでしょう。旅行はこうありたいと私が考えるところなのですが、人間は振り子のようなものじゃないかと思うのです。ある程度、体に負荷をかけて、そこから解放されるときに究極のリラックスがある、そんな気がするのです。
アクティビティをある程度楽しんで、ある程度の刺激を受けることによって、むしろ深いリラックスにつながっていくんじゃないか。 ですから、私もスタッフも銘々が色んなメニューを発案します。私もお茶を点てますし、スタッフもそれぞれが得意分野を担当しています」
サスティナビリティの先のリジェネレイティブ
覚田氏が思い描くのは壮大な未来図だ。
「さらに言えば、自然の中に人がいてもいいし、むしろ、人がいることで自然がより豊かになるわけです。そうした大きなサイクル、サーキュラエコノミーと言い換えても良いのですが、それを感じてもらえたらゲストも少しホッとすることが出来るのではないでしょうか。たくさん感じるものがあったら、その後、精神的にフワッとできる時間がすごく充実すると思うのです」
要は、ここで実践されているのは、サスティナビリティ(持続可能性)の次の段階の話だ。サスティナブルだけでは、海や山にとっては全く足りないのである。
「サスティナブルって、その循環の機能が一つでも抜けちゃうと、もう回らなくなってしまいます。そうではなくて、ずっと回り続けて、さらにそれが増幅して良くなっていくイメージです。つまり、継続させてさらに良くして行くリジェネレイティブ(regenerative)を実践していくのが私どもの施設なんですね」
だからこの施設に華美なものはどこにもない。その代わりに、肌で自然を感じる本物のラグジュアリーなリトリートがある。感度の高い国内外のリピーターが増え続けているのも、そのためだろう。
海に面した部屋では、海に網を仕掛けて魚を獲る。すぐに食べたり、2時間ほど干してお土産にも。
別の観点からも自然に対する取り組みをしている。
「真珠養殖の過程で出る廃棄物があるのです。例えば、発砲スチロールやロープです。それらが廃業してしまった人で片付けられないようなケースで大量に出てきます。産業として出してしまったゴミならば、自分たちの業界の責任として片付けることをやっています。
日本真珠輸出組合という全国組織がありまして、私はそこの理事長なのですが、日本の真珠をどうプロモートするかを常に考えています。その観点からしてみても、そうした清掃活動は、真珠の美しさを世界中にアピールするのと同じくらい大事なことだと思っているのです」
最終的な目標はエリア全体の浮上
ダイニングにも触れておきたい。
「シェフの松本は旅館の副料理長をしていました。いちばん最初は彼の会席料理をあまりエキサイティングとは思わなかったので、私の好きなレストランにいろいろ連れていきました。その上で言ったのは、『国境を越えてください』『日本の心を持って国境を越えましょう。
いろんな料理方法、食材を自由自在に使っていきましょう』ということでした。 松本シェフが凄いと思う点は、自分の考えを持ちながら、人の話が聞けるところです。今では私が口を差し挟めないぐらいの料理になっています」
言葉にすれば和食がベースの「イノベーティブ・フュージョン」となる。季節で内容は変わるが、地元の名産である、伊勢海老、アコヤ貝、あおさのり、ワタリガニ、シマアジ、松阪牛などが供される。 ディナーのコースは約11品。伊勢志摩の食材を中心にして、和洋中の技術を駆使しながらも、食材の良さを引き出す料理はどれもこれも素晴らしいものだった。
バタークレープ生地でできた巾着袋の中には、スモークしたアコヤ貝の貝柱、クリームとキャビア、自家製の柚子麹。一品目から胃袋を掴まれる。
さて、最後になるが、覚田氏の視線の先にあるのは、COVA KAKUDAの成功が土地に呼び込むものだ。
「COVAでやっていることで、里海と里山が豊かになり、どうもあそこでやっていることがいい状態を生むらしいという風になれば、伊勢志摩の他の地域にも広がっていく可能性が大いにあると思います。 湾内をクルーズするとよくわかりますが、使っていない養殖小屋がたくさんあるのです。
COVAがうまく行ったら、そういう小屋をリノベーションしてくれる人も増えてくれるんじゃないか。それこそ船でしかアクセスできないような宿泊施設が、あちこちにあるといった具合に有機的に広がっていったら、『このエリア、面白いよな』と思われるようになりますよね。そうなることを期待しているのです」
賢島駅裏の港からホテルへ25分、手前に見えるクルーズ船を使ってアクセスしたら最高に気分はアガる(有料)。湾内へと向かうゲストが操るカヤックが見える。
覚田譲治 1995年、国際基督教大学教養学部社会科学科卒。同年、株式会社ミキモト入社。97年、覚田真珠株式会社に入社し、2014年、社長就任。その他、日本真珠振興会・真珠検定委員会委員長となり真珠検定を軌道に乗せる。日本真珠振興会・研究委員会委員となりPearl Standard策定に携わる。日本真珠輸出組合・副理事長としてJapan Pearl Pavilion Rule策定に携わる。三重県真珠振興協議会・会長として2016年伊勢志摩G7サミットでのラペルピンプロジェクトを主導する。
COVA KAKUDA(コーバ カクダ)
517-0701 三重県志摩市志摩町片田1397-14 ℡0599-52-0231 URL : https://cova-iseshima.jp
構成/執筆:石橋俊澄 Toshizumi Ishibashi 「クレア・トラベラー」「クレア」の元編集長。現在、フリーのエディター兼ライターであり、Premium Japan編集部コントリビューティングエディターとして活動している。
photo by Toshiyuki Furuya
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グルメ最前線 トップレストランを探訪する
2026.5.26
ホテルニューオータニ内「トゥールダルジャン 東京」が この夏に届ける2つの格別な体験
調度品、色調、何もかもが素晴らしいダイニングルーム。
「トゥールダルジャン」はフランス料理の歴史そのもの
パリの「トゥールダルジャン」と言えば、1582年にセーヌ河畔のサン・ルイ島に出来た旅籠に発祥の起源を持つ、フランス最古のレストランである。
時の国王アンリⅢも足を運び、ロシアやプロイセンの皇帝も訪れた。1789年のフランス革命時に競売に出された際に買い取ったのはナポレオン専属の料理人だったル・コックである。
以後、様々な人の手に渡りながらも、フランス食文化の中心となってフランス料理を牽引してきた。
20世紀に入り、フランス料理の革命者オーギュスト・エスコフィエの推薦のもと、店のオーナーとなったのが初代アンドレ・テライユ氏である。2代目のクロード・テライユ氏時代の1984年、海外で唯一の支店となる「トゥールダルジャン 東京」をホテルニューオータニ内にオープンした。現在、仏日双方の舵を握っているのは3代目のアンドレ・テライユ氏である。
発祥こそフランス最古のレストランではあるけれども、料理は絶えず進化を遂げてきた。「トゥールダルジャン」はフランス料理の歴史そのものと言える。
グランメゾンの優雅、ここに極まれり
「トゥールダルジャン 東京」はホテルニューオータニのロビィ階に位置する。その入り口からして異次元だ。
ブルボン王朝を象徴する濃紺のエントランスは暗転した回廊で、気高い館に吸い込まれるような感覚に人を陥らせる。一転して深紅のウェイティングルームの高貴さといい、ルイXⅤ世のロココ時代を表現した柔らかくシックなダイニングルームや優雅な調度品の数々は、この贅沢な空間にいるだけで夢見心地で非日常的な高揚を覚えさせてくれる。
これだけのレストラン空間は、日本ではまったくもって類のない唯一のものである。
ゲストを迎えてくれるのは、全員がフロックコートを着用したサービスの面々だ。これほどの格式もまた稀有なのだが、彼らの所作は実に柔和で、ゲストに緊張感などは微塵も抱かせないところが見事だ。
グランメゾンの優雅は、ここに極まれりというところだろう。
トゥールダルジャンの名物、ガチョウのフォワグラ。
ガチョウのフォワグラの魅惑
先日、「トゥールダルジャン 東京」にて、小さな晩餐会が開かれた。その時の様子を報告したい。
最初に供されたのがシャンパーニュ「トゥールダルジャン ブリュット ブラン・ド・ブラン」である。グラン・クリュに格付けされたシュイイ村のシャルドネ100%で造られ、パリ本店と東京店でしか味わえない。クリーミーな泡立ち、爽やかな酸味、奥深い香ばしさ……実に上品で素晴らしいスタートだ。
いくつかの皿を紹介しておく。
一品目の前菜が「オマール海老のカルパッチョ オシェトラキャビア添え」は、ボイルした半生のオマール海老にキャビアを載せた贅沢なカルパッチョだ。賽の目切りにした彩り豊かな旬野菜にケッパーのアクセントを添えて軽やかに仕上げている。
続いて、名物の一つ「トゥールダルジャン特製 フォワグラ三皇帝」。1867年、ロシア皇帝アレクサンドルⅡ、皇太子アレクサンドルⅢ、プロイセン国王ヴィルヘルムⅠ(後のドイツ皇帝)ら、3人の皇帝が一つのテーブルで会食をしたエピソードに因んだシグネチャーメニューだ。トリュフをたっぷりと包み込んだフォワグラは、鴨のものではなくガチョウのものであるところが非常に珍しい。
鴨のものよりもねっとりと濃厚なフォワグラと官能的なトリュフの合体は、舌の上で溶けてゆき恍惚を呼ぶ。これに合わせたのはソーテルヌのグラン・クリュ「シャトー・ドワジィ・ヴェドリーヌ」。貴腐ワインであるから、芳醇な甘味や果実味と酸味とミネラル感が折り重なり、口中でフォワグラに出遭うと複雑で濃密な旨みを引き起こした。ちょっとした小爆発である。
「フランス産舌平目のムニエル ショワジーソース」は、香ばしく焼き上げ、ルビーグレープフルーツとティムットペッパーをからませた。ショワジーソースは、レタスの旨味がクリームに溶け合い、ムニエルに合わせると意表を突かれるほど斬新な驚きをもたらしてくれる。
料理長は日本に二人しかいないM.O.F.
料理長のルノー・オージエ氏は、2013年の就任だというから、来日して今年で13年目となる。日本には二人しかいないM.O.F.(国家最優秀職人章)のうちの一人である。日本で言えば、人間国宝みたいなものだ。
過去の彼の発言を見ると、この長い日本滞在のうちには、日本固有の食材からはいたくインスピレーションを得たようだ。フランス料理とはいえ、ソースは軽やかで、食材固有の旨味の引き出し方については際立った手腕の持ち主なのである。
トゥールダルジャンの代名詞とも言うべき「幼鴨のロースト マルコポーロ」。
メインの最後は、トゥールダルジャンの代名詞とも言うべき「幼鴨のロースト マルコポーロ」である。幼鴨をローストし、クリーミーかつ胡椒の風味豊かなソースをあわせたシグネチャーメニューは、この鴨を食べることの憧憬を食べ手の中に灯し続けてきた。
合わせたのは深紅の「ドメーヌ・ル・サン・デ・カイユ」。南ローヌのこの赤は、タンニンと果実味が豊かで力強い。薫香のする幼鴨のローストとの相性は抜群だった。
約1000種を誇るワインカーブからのセレクトには並々ならぬものがある。
トゥールダルジャンだけのために焼かれたパン
ひと言付け加えるとすれば、食間に提供されるパンが非常に美味しいことだ。プチバゲットやカンパーニュ風のもの、すべてはトゥールダルジャンのためだけに焼かれたものである。食べ過ぎてしまって困った。
締めのデザートは「ショコラマンジャリのムースとピスタチオのアイスクリーム」。ショコラマンジャリとはマダガスカル産のブラックチョコレートで、フランボワーズを思わせる華やかな酸味があるが、そのムースの中にサクランボ、イチゴ、ラズベリーのコンポートを仕込んだ凝ったものだ。添えられたピスタチオのアイスクリームとのコンボは大団円に相応しい。
この晩餐で、筆者はオーナーのテライユ氏の臨席という光栄に浴した。長身で美丈夫の氏は、母方がフィンランド人であることから、大のサウナーだそうである。フィンランドでは、カンカンに体を温めてからアクアヴィットをあおって冷たい海に飛び込むのが最高なのだそうだ。「東京にいいサウナはある?」と聞かれたが、思い浮かばなかった。
「Ma provence~マ・プロヴァンス」で出される予定の「スズキのグリエ 黒オリーブソース」。
この夏の2つのスペシャル企画
さて、「トゥールダルジャン」には、この夏、2つのお愉しみが待っている。
一つは南仏を旅するかのような新作メニュー「Ma provence~マ・プロヴァンス」の美食体験を2026年7月1日(水)~8月23日(日)の期間限定でランチとディナーの両方で提供する。
メニューには「「スズキのグリエ 黒オリーブソース」や「幼鴨のロースト エピス香る燻香夏野菜のソース」などが供される。前者は世界中の美食家に愛されるイタリア産「タジャスカ種」のブラックオリーブで作る特製のソースだ。後者はシグネチャーメニューの夏季バージョンで、スパイスを効かせたソースが添えられる。
もう一つはホテルニューオータニ大阪の今年開業40周年を記念して、「トゥールダルジャン東京 SPECIAL 2 DAYS~Héritage et Évolution~」を2026年6月13(土)・14(日)の2日間限定で、フランス料理「SAKURA」にてランチとディナーの両方で開催される。ワインとの最上のマリアージュも愉しめる。ルノー・オージエ料理長とサービススタッフが大阪に集結するまたとない機会である。
◆「Ma provence~マ・プロヴァンス」
ランチ:¥15,000、¥25,000
ディナー:¥25,000、¥38,000
※いずれも飲み物、サービス料別
問い合わせ:TEL03-3239-3111(「トゥールダルジャン 東京」直通)
定休日:月・火曜日定休(月曜祝日は除く)、水曜はディナーのみ営業。
◆開業40周年記念「トゥールダルジャン東京 SPECIAL 2 DAYS~Héritage et Évolution~」
ランチ:グラスシャンパーニュ付 ¥40,000/ペアリングワイン付 ¥50,000
ディナー:グラスシャンパーニュ付 ¥60,000/ペアリングワイン付 ¥100,000
※いずれも飲み物、税サ込み
問い合わせ:TEL06-6949-3246(フランス料理「SAKURA」直通)
Toshizumi Ishibashi
「CREA」「CREA Traveller」元編集長
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2026.5.21
「ザ・プリンス 京都宝ヶ池」で期日限定オープン。BAR「茶寮」
京都・洛北の自然に包まれた「ザ・プリンス 京都宝ヶ池」では、9月22日(火・祝)までの限定日に、日本庭園内の数寄屋造りの空間「茶寮」を舞台にした期間限定バー、BAR「茶寮」をオープン。
「茶寮」は、日本を代表する建築家、村野藤吾が手がけた特別な空間。村野藤吾が生涯をかけて培った多様で独創的な手法や美学が、細部にまで息づいている。庭園は季節に合わせてライトアップされ、静寂のなかで輝く緑を眺めながらグラスを傾け、非日常の時間を味わうことができるのも魅力だ。
メニューの中心となる「可惜夜(あたらよ)セット」は、グラスシャンパン、オリジナルカクテルや京の地酒などから選べるドリンク1杯と、おつまみ3種を組み合わせたもの。7月から9月にかけては、“食べるお茶”をテーマにした夏限定のおつまみとして、「お茶の葉の佃煮」や「茶葉&クリームチーズカナッペ」「茶葉&バターカナッペ」など、和食料理長による趣向を凝らした品々が登場する。
2杯目以降はドリンクのみの追加オーダーも可能。アルコールを飲まない人向けに、大原赤紫蘇ドリンクやスパークリングぶどうジュースなどもそろう。このほか、和菓子と楽しむお抹茶セットも用意されている。
完成から約40年の時を経て、より風趣あふれる空間となった「茶寮」で、京都の夏の夜を静かに味わってみてはいかがだろうか。
◆BAR「茶寮」
【期日】 7月16日(木)~19日(日)、8月6日(木)~16日(日)、9月17日(木)~22日(火・祝)
【時間】19:00~22:00(ラストオーダー 21:30)
【会場】ザ・プリンス 京都宝ヶ池「茶寮」
【メニュー】
可惜夜セット:1名 3,000円
飲みもの :1,000円~2,600円(2杯目よりオーダー可能)
お抹茶セット:1名 2,000円
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2026.5.14
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2026.5.19
世界と戦う日本の美意識をどう築き上げるか マツダで長年デザインを牽引する前田育男
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「性能や品質だけでは、もはや選ばれない」――。マツダ シニア フェローデザイン・ブランドスタイル監修の前田育男氏は、この現状に強い危機感を抱いている。その根底にあるのは「日本そのもののデザイン力」、すなわち「日本の美意識」が国際社会で十分にリスペクトされていないという問題意識だ。Premium Japan編集長で日本文化発信機構(JCCO)専務理事の島村美緒が、日本のデザインの未来について話を聞いた。
なぜ、マツダのデザイナーが「日本文化の発信」を担うのか
島村:日本文化発信機構(以下、JCCO)の活動への参画理由について伺います。前田さんは、マツダでのデザインという本業がありながら、なぜこの活動に理事として加わってくださったのでしょうか。
前田:根底には強い共感がありました。JCCOが掲げる「日本の文化を世界に発信する」というテーマは、私たちが目指す「日本の美意識を世界に発信していく」という目標と、ほぼ同義だと感じたのです。「文化」と「美意識」、表現は違えど、その根っこは同じ。やりたいことがシンクロしたのが一番の理由です。
島村:それは、マツダという企業全体としての取り組みですか。それとも、前田さんご自身のデザイナーとしての哲学に近いのでしょうか。
前田:これは、私がマツダのブランド様式作りを16年ほど手掛ける中で、個人的に強く抱いてきた問題意識です。今、自動車業界は世界中のブランドが乱立し、特に新興国のメーカーも台頭してきています。正直なところ、性能や機能だけではほとんど差がつかない時代になりました。では、お客様は何を基準に選ぶのか。それは「どの国が作っているか」、そして「どれだけ美しいか」という点にあると考えます。
だからこそ、私たちは日本の美意識を体現したものづくりを目指しているのですが、ここで大きな壁にぶつかります。それは、日本という国自体が「美意識を持った国」として今世界からリスペクトされていないという現状です。これは一企業の力だけではなく、土壌となる日本全体のブランド価値を高めなければ、私たちのクルマに込めた想いも正しく伝わらない。この根源的な課題意識が、私の活動の原点になっています。
日本の美の原点である伝統工芸から新たな発想を得る
島村:そのような課題に立ち向かう中で、前田さんは日本の伝統工芸の作家さんと交流を深めて、度々工房にも訪れていると聞いています。
前田:以前より、日本の伝統工芸の作家さんたちとは長くお付き合いをさせていただいて、工房にも定期的に伺っています。世界にたった1つの作品をつくるために、多くの時間を掛け、長年築き上げた手技と感性、経験から生み出す作品が素晴らしいことは言うまでもありません。完成するモノは違っても、彼らのモノづくりから学ぶことを非常に多くあると思っています。
しかし残念なことに、人間国宝レベルの方々の貴重な作品であっても、その素晴らしい作品を然るべき形で見せる場所、そのための資金も十分にないのが現実です。国からの支援も十分とはいえません。さらに、伝統工芸展が開催されたとしても、催事場のような場所で雑然と並べられている。この現実と、作品が本来持つべき崇高な価値との間にある巨大なギャップこそが、日本の文化に対する向き合い方なのではないかと呆然とすることがあります。
トレンドは追わない。AI時代に「オンリーワン」であるための逆張り戦略
島村:日本の伝統文化のあり方への問題意識を持ちながら、前田さんは「日本の美意識」をデザインに昇華させる独自の方法論を模索しているのですね。
前田:通常の自動車デザインは、企画から絵を描き、形にする、というプロセスを辿ります。しかし、そのやり方だけではもう限界が見えています。だからこそ、私は全く違うアプローチ、つまり「クルマから入らない」デザインを模索しています。
その一つが、日本の伝統工芸が持つ「匠の技」との共創です。実際に匠の工房を訪ね、私自身の「思い」を伝えて作品を制作してもらったことがあります。「こういう感情や世界観を表現したい」という抽象的な思いだけを伝え、対話を重ねて一つの作品を完成させていただく。このプロセスからお互いに影響を受け、私たちのデザインの作風にも変化が生まれるのです。
島村:自動車のデザインと伝統工芸。全く接点がないように感じますが、両者が影響を与え合うことで、新たな発想が生まれるのですね。
前田:実は今、マツダのデザインチームには、金工(金属工芸)のトップレベルの技術を持つ者が在籍しています。彼は今、自動車のデザインではなく、自身の作品として伝統工芸展への出品を目指しています。一見、クルマとは全く関係ない活動に見えるかもしれませんが、それでいいのです。そうした異分野の活動から我々が影響を受け、新たな知見を蓄積し、それを最終的にクルマのデザインに置き換えていけばいい。このスタートポイントの転換こそが重要だと考えています。
車のデザインの世界でも、A Iを活用すれば、それなりのデザインを描ける時代です。しかしそこには独自性や新たな発想、ましてや日本の文化や美意識を感じさせるモノを生み出すことは難しい。私たちが目指すのは時代を牽引し、人々の心に刻まれるデザインです。自分がトレンドを作るくらいの気概で臨まなければ、この世界では生き残れません。従来の手法では今を超えることはできない。新たな発想を生み出すためには、時には奇想天外なことも必要だと考えています。
「暴走するリーダー」はなぜ必要か?組織の創造性を解き放つ“妄想力”
島村:前田さんのおっしゃることはよく理解できます。その土台や風潮を築くためにはどんなリーダーであるべきでしょうか。そして、予定調和に陥りがちな組織の中で、いかにしてチームの発想力を引き出していくのですか。
前田:トレンドを無視し、全く新しいものを生み出すには、「リーダーの暴走」が必要だと思っています。私がよく言う「妄想」や「暴走」ですね。「君たちで自由に考えてみて」とだけ言っても、最近の若い人たちは真面目でこぢんまりとまとまりがちです。だからこそリーダーが、「これくらいかけ離れた目標を目指すんだ」という、壮大な青写真や戦略を示す必要がある。
島村:テスラのイーロン・マスク氏や、かつてのアップルのスティーブ・ジョブズ氏も、まさに「暴走するリーダー」の典型ですね。
前田:その通りです。彼らはまさに妄想家であり、暴走野郎とも表現できると思います。だからこそ、多くの人が魅了される。ただし、暴走にも質があります。大切なのは、その暴走が世界からリスペクトされる「美意識」に裏打ちされているかどうか。今、マツダが目指しているのも、まさにその美意識を体現した世界です。
「守る」だけでは守れない。文化継承に必要な「刷新」という視点
島村:美意識の探求には、異文化や異業種との交流は大変有意義ということですね。JCCOでは定期的な会議を行なっていますが、異業種のプロフェッショナルたちである他の理事たちとの交流からも新たな視点を得ている部分はありますか。
前田:JCCOの理事の方々とディスカッションしていると、「そういうモノの見方をするのか」という発見は多くあって、とても面白いですね。さまざまな分野で頂点を極めている方々ですから、その経験や挑戦から生まれる言葉の数々は、時には心を奮い立たせられ、時には新しい視点に気づかされます。
島村:2026年9月に開催予定のPremium Japan Awardは、伝統工芸や文化を次世代につないでいくことを目指すアワードですが、日本の美意識や文化を継承し、守るためにはどのようなことが必要だと考えますか。
前田:非常に難しい問いですが、私は「守る」という言葉はあまり好きではありません。守るだけでは、何も守れないからです。伝統を守り抜くためには、時に刷新し、時に破壊することも含めた、あらゆるチャレンジが必要です。新しい挑戦なくして、現状を「維持」することすら、おそらく不可能でしょう。
島村:その通りですね。アワードも、常に挑戦だと考えています。初年度から文化庁や観光庁の後援を受けて、異分野の才能が出会うコミュニティを形成しようとしていきたいと思っています。
前田:アワードなどの取り組みは、単に文化を紹介するだけでなく、この失われかけた「日本の美意識の幹」を再発見し、磨き上げ、世界にその価値を問い直すことにあるのだと思います。それは、一企業であるマツダのブランド価値を高めることにも繋がり、ひいては日本の国際競争力を取り戻すための、大きな一歩になると信じています。
島村:日本のビジネス界全体が、自らの足元にある美の価値を再発見し、それを未来への競争力へと転換していく。その大きな挑戦こそが、未来ある日本のためには必要ですね。今日はありがとうございました。
今回のインタビューを行ったのは、「MAZDA TRANS AOYAMA」。マツダのデザイン体感施設である本施設は、落ち着いた時間を過ごせる空間。1階には広島の宮島で創業した伊都岐珈琲(いつきコーヒー)監修のカフェのほか、クルマに限らない幅広いテーマによる期間限定展示や体験イベント・ワークショップの開催などが行われている。さらに、市販車、コンセプトカー、歴代のマツダ車といった実車の常設展示や、マツダ車の歴史を振り返るミニカー展示など、マツダのある生活が想像できる。
MAZDA TRANS AOYAMA
住所:東京都港区南青山5丁目6-19
営業時間:8時30分~18時30分 (8時30分~10時00分 1Fカフェのみ営業)
定休日: 月曜日
前田育男 Ikuo Maeda
マツダ エグゼクティブフェロー デザイン・ブランドスタイル監修
1959年、広島県生まれ。京都工芸繊維大学卒業後、1982年にマツダ株式会社に入社。マツダ北米スタジオ、FORDデトロイトスタジオ駐在を経て、本社デザインスタジオで量産デザイン開発に従事。チーフデザイナーとして複数車種を担当した後、2009年デザイン本部長に就任し、マツダブランドの全体を貫くデザインコンセプト「魂動」を立ち上げる。その後現在まで多くの自動車デザイン、CI/店舗などのブランドスタイルを手掛け、マツダブランドの確立に取り組んでいる。2013年執行役員、2016年常務執行役員デザイン・ブランドスタイル担当。2022年より現職。現在は新たなMSブランドであるMAZDA SPIRIT RACINGの代表兼レーシングドライバーも務める。 日本文化発信機構(JCCO)理事。
Photos by Toshiyuki Furuya
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