人気記事
About&Contact
PREMIUM JAPAN » アート
日本美術の殿堂、東京国立博物館で「博物館でお花見を」が開催中です。本館の各展示室に桜をモチーフにした作品が並び、まるで室内でお花見を楽しんでいるような気分に。国宝「花下遊楽図屛風」などの桜を描いた絵画、桜をモチーフにした工芸品、サクラ材の仏像などが展示されます。また東京国立博物館が誇る庭園では約10種類もの桜を楽しむことができます。この時期限定のワークショップ、お茶会、音楽祭などのイベントも盛りだくさん。
一足先に、東京国立博物館でお花見を楽しみませんか?
「博物館でお花見を」開催概要
期間:2018年3月13日(火)~4月8日(日)
開館時間:9:30~17:00
※金・土曜日は21:00まで、4月1日(日)・8日(日)は18:00まで
※入館は閉館の30分前まで
http://www.tnm.jp/
主な展示作品
≪本館10室≫
飛鳥山花見 (あすかやまのはなみ)
鳥居清長筆 江戸時代・18世紀
展示は3月20日(火)~
飛鳥山は8代将軍吉宗ゆかりの桜の名所で、花見客で賑わいました。ちょっと飲み過ぎた美人の姿も。
振袖 染分縮緬地枝垂桜菊短冊模様
(ふりそで そめわけちりめんじしだれざくらきくたんざくもよう)
江戸時代・18世紀
枝垂桜が肩にかかる模様が優美な友禅染。模様を上下に分けるスタイルは江戸時代中期の流行です。
≪本館7室≫
観桜図屛風(部分)
住吉具慶筆 江戸時代・17世紀 西脇健治氏寄贈
展示は3月20日(火)~4月22日(日)
『伊勢物語』第八十二段「渚の院」の一場面。狩りに出掛けた先で花見に興じる惟喬親王らが描かれています。
≪本館2室(国宝室)≫
国宝
花下遊楽図屛風 (かかゆうらくずびょうぶ)
狩野長信筆 江戸時代・17世紀
満開の桜の下、歌舞音曲の宴を楽しむ人々の姿が400年前のお花見の賑わいを今に伝えます。
<u>イベント</u><u>
</u>※特記以外はすべて無料参加(ただし、当日の入館料が必要)、事前申込み不要
※事前申込制のイベントについての詳細は博物館ウェブサイトでご確認ください。
◆鑑賞ガイド
桜にちなんだ作品の見どころをダイジェストで紹介。
※いずれも場所は本館地下 みどりのライオン(教育普及スペース)にて
・3月23日(金)14:00~14:30
講師:小島有紀子(教育講座室アソシエイトフェロー)
・3月28日(水)14:00~14:30
講師:勝木言一郎(教育講座室長)
◆桜ギャラリートーク
※いずれも場所は本館地下 みどりのライオン(教育普及スペース)にて
・「古典の香り『春』」
薫物を焚きながら、いにしえの春の香りについての話を聞けます。
3月30(金)14:00~14:30
講師:田邊留美子(登録室アソシエイトフェロー)
・「国宝『花下遊楽図屏風』を楽しむ」
今から400年前のお花見を描いた作品の魅力や見どころについての話を聞けます。
4月4日(水)14:00~14:30
講師:大橋美織(絵画・彫刻室研究員)
◆桜セミナー
「桜咲く絵画の世界」
桜は、日本人に最も親しまれている花ではないでしょうか。桜の描かれた絵画の紹介、その人気の秘密を考えます。
4月7日(土)13:30~15:00(13:00開場予定)
講師:田沢裕賀(学芸研究部長)
平成館大講堂 定員380名(先着順)
そのほかのイベントの情報は上記記載の博物館ウェブサイトよりご確認ください。
福島善三 中野月白瓷香炉 径14.3×12.2cm
陶芸、染織、漆芸、金工、木竹工、人形、それぞれの工芸分野における重要無形文化財保持者(人間国宝)総勢40名による、第3回目の展覧会が銀座・和光にて開催されます。
左から:森口邦彦 友禅訪問着 黒地位相割付文「序」、前 史雄 沈金箱「清音」12×23×高さ11.5cm、大角幸枝 南鐐蛤盒子「月宮」9.3×11×高さ4.3cm
自然が生活の中に溶け込み、人々の生き方と一体となり日本の美意識を形成していくところに日本の工芸文化はあります。その自然の魅力を最大限に生かしながら、作り手の高度な技を駆使し、自らの創造性や芸術性を表現していくこの文化は、現代でも脈々と受け継がれています。今展では、技の美の頂点を極めた最高峰の作家たちが持てる力を余すことなく注ぎ込んだ、日常を豊かに彩る至高の作品100余点が展示されます。工芸の可能性を広げていく大作から日常の小品まで、さまざまな魅力に満ちた工芸の美が楽しめる展覧会です。
左から:藤沼 昇 束編花籃「福々」径34×高さ30cm、林 駒夫 木芯桐塑布木目込「蘭亭流觴」 高さ22cm
◎会場にて出品作家によるギャラリートークを実施予定(各日14:00~)。
4月7日(土)福島善三(陶芸)
8日(日)十四代 今泉今右衛門(陶芸)
14日(土)桂 盛仁(金工)
15日(日)藤沼 昇(木竹工)
21日(土)村上良子(染織)
工芸・Kôgeiの創造-人間国宝展-
開催期間:2018年4月6日(金)~22日(日) 10:30~19:00(最終日は17:00まで・無休)
会場:和光ホール 東京都中央区銀座4丁目5-11 和光 本館6階
入場料:無料
問い合わせ先:03-3562-2111
ものがたりが込められた襖(ふすま)の引手。
京都を拠点に、茶の湯をはじめとした伝統文化のこころの意味を問い直し、ひとつひとつにものがたりを込めた「読む器」を展開する、SIONE(シオネ)。代表取締役 兼 陶板画作家/陶磁器デザイナーの河原尚子氏は、330年続く茶陶の窯元「真葛焼」に生まれ、佐賀で陶芸の修行を積んだあと、独特の技法で陶板画制作を開始。デザイナーとしても活躍する傍ら、茶会などを通じて現代のおもてなしの文化を積極的に伝えています。2018年1月に実施された、日本の各地で新しいモノづくりに取り組む若き「匠」をサポートする「LEXUS TAKUMI PROJECT 2017」では、本年度の注目の匠の一人に選出され、国内外を舞台にさらなる活躍が期待されるアーティストです。
戸や襖を開閉する際に手をかけて引くために取り付ける引手。その小さな円の中にブランドものがたりが描かれたSIONEの引手は、遊び心に溢れる線と色彩が特徴です。磁器製で、水で溶いた釉薬の表面張力を用い、何度も塗っては焼き重ねられ、 グラデーションや厚みをもたせた独自の彩色技法が用いられています。シリーズは、第0章から4章までの5種からなり、それぞれには《星がうまれた「場所」と「訳」》、《海の奥底の物語》、《繁栄の森と一匹の蝶の物語》、《きのこと虫の物語》、そして《こころが生まれる物語》について語られています。
第0章(左上):漆黒の宝石 ー星がうまれた「場所」と「訳」ー
第1章(右上):かそけきものたち ー海の奥底のモノガタリー
第2章(左下):RINRAN ー繁栄の森と一匹の蝶のモノガタリー
第3章(右下):森ヲ継グモノ ーきのこと虫のモノガタリー
本としても鑑賞できるSIONEの引手は新しい様の美、そして、まるで一つの物語の中に入るような空間とその空間で愉しむ時間を提供してくれます。
また、自分だけの物語をオーダーメイドすることも。是非、チェックしてみては。
ものがたりのある<襖 引き手>
内容:引手2枚、物語の冊子
サイズ:直径約76mm(内凹部分約58mm)
価格:60,000円~ ※意匠により異なる。オリジナルの引手のオーダーも可能。
「SIONE(シオネ)」 HP:http://sione.jp/
1869年(明治2年)創業、「子ども達の感性の翼をひろげよう」をコンセプトに、様々なモノ・コトの本物の価値を提供するベビー&子供服のブランド、ギンザのサヱグサ。そして、世界の数多くの著名なカメラマンが愛用する、ドイツのカメラブランド、ライカ。長い歴史を持ち、クラフトマンシップに根付いたものづくりをする両社がこの度、コラボレーションプロジェクトとなる写真展「WANNABE A PHOTOGRAPHER」を3/15(木)から4/8(日)まで開催します。パリ生まれのキッズファッション誌『Milk JAPON』がプロデュースしたという本写真展。写真家・映画監督の若木信吾氏が、SAYEGUSAの最新コレクションを着て、ライカのインスタントカメラ「ライカ ゾフォート」を手にした子どもたちの姿をライカSLで撮りおろしました。ファインダーをのぞく子どもたちの真剣な表情、遊びながら撮りあう姿、撮った絵がフィルムに浮かび上がるのを待つワクワク感。そこには子どもたちの感性溢れる瞬間がとらえられています。
会場となるのはSAYEGUSA ザ・メインストア銀座とライカ GINZA SIX。期間中はSAYEGUSA ザ・メインストア銀座にて、子どもたちが「ライカ ゾフォート」で撮影した写真も合わせて展示され、「ライカ ゾフォート」の販売も行われます。ゴールデンウィーク中の4月28日(日)には、SAYEGUSAの店舗にて「ライカ ゾフォート」を使ったワークショップも開催されます(詳細はサヱグサHPにて www.sayegusa.com)。
かわいらしい子どもたちの姿だけではなく、こどもたちの視点も収められているのが魅力の写真展。4月上旬まで開催しているので銀座へ立ち寄る際に是非覗いてみては。
ギンザのサヱグサ×ライカ
若木信吾写真展「WANNABE A PHOTOGRAPHER」
会期:2018年3月15日(木)~4月8日(日)
会場:
SAYEGUSA ザ・メインストア銀座
〒104-0061 東京都中央区銀座4丁目4-4
営業時間:10:30~19:30
www.sayegusa.com
ライカ GINZA SIX
〒104-0061 東京都中央区銀座6丁目10-1
GINZA SIX 5F
営業時間:10:30~20:30
「明治ザ・チョコレート」とメイジ・デモンストレーション・ファームで収穫したカカオの実
メイジ・デモンストレーション・ファームのあるベトナムを視察させてもらうことになった。嬉しいことにカカオの植樹からチョコレートになるまでをすべて体験できるという。期待に胸を⼤きく膨らませて旅⽴った。
カカオ農園への旅については拙著『ショコラが⼤好き!』でも書いているが、あの事前のアポなしの極めてワイルドな旅とは違い、今回はカカオやチョコレートのスペシャリストで「チョコレート博⼠」こと明治の⼤阪⼯場⻑で農学博⼠の古⾕野哲夫さんの解説付きである。ちなみに連載《第四回》で紹介した古⾕野さんのお話はこの旅中に訊いたことだ。
カカオ農園に到着すると「メイジ・デモンストレーション・ファームにようこそ!」と⾚字で書かれた横断幕が掲げられ歓迎ムード。ここで明治は「メイジ・カカオ・サポート」として技術指導や肥料の無償配布などの⽀援活動を⾏なっているという。
左:カカオの木は周りに植えられた大きな木の陰で、直射日光や強風から守られ育つ。
右:収穫体験。カカオの実一個採るだけでも慣れないとかなり大変な作業。
カカオ農園に⾜を踏み⼊れるとカカオの葉がたくさん落ちていて地⾯がフカフカしていた。カカオが落葉樹であることがよくわかる。農園には、7〜8種類のカカオの⽊が800本あり、コーヒー、コショウ、アボカド、ドラゴンフルーツ、パイナップルといった作物が⼀緒に育てられている。ところどころにカカオ⾖を取った後の実の殻が集められていて半ば堆肥化していた。古⾕野さんによれば、アグロフォレストリーという農法なのだそうだ。
アグロフォレストリーとはアグリカルチャー(農業)とフォレストリー(森林学)をあわせた造語。森林伐採などで荒廃した⼟地に、多種多様な農産物を混合して栽培する農法のことで、事業として成り⽴つうえに、⼗年ほどで森の⽣態系を蘇らせることから「森をつくる農業」と呼ばれ世界的に注⽬されているのだという。
この農法を⽣みだしたのは、ブラジル北東部のトメアスーに⼊植した⽇本⼈移⺠たち。主作物と想定していたカカオの栽培がうまくいかず、アマゾンの過酷な環境の中でジャングルを切り開き、コショウ栽培を始めるなど、紆余曲折を経てたどり着いた農法だった。その壮絶なストーリーは涙なくしては訊けない。古⾕野さんはブラジルでカカオ⾖のリサーチをしているときにトメアスーの⽇系⼈が設⽴した「トメアスー総合農業協同組合(CAMTA)」と出逢い、2009年に明治との共同プロジェクトが始まることになった。今では明治ザ・チョコレートの、エレガントビター、サニーミルク、フランボワーズで使⽤している他、業務⽤のチョコレート「グリーンカカオ」として販売している。「グリーンカカオ」はドライフルーツのような味わいがあって、そのまま⾷べても楽しめるうえ、トメアスーのカカオ農家を応援することにもなるので一消費者としては⼩売も希望したいところだ。
「明治ザ・チョコレート」は日本が世界に誇れる上質な味わいとデザインを目指している。
明治のスペシャリティチョコレート担当の佐藤政宏さん(下、集合写真右)によると、明治のチョコレートは、スタンダード、健康志向、スペシャリティという3つのカテゴリーに分けられている。スペシャリティチョコレートは、選び抜いたプレミアム・カカオを使⽤し、カカオの特徴を際⽴たせた⽇本が世界に誇れる上質な味わいのもので、明治ザ・チョコレートはこのカテゴリーを牽引していく存在だという。
⾃分たちが求める理想のカカオ⾖を安定的に供給してもらうことについては、連載《第四回》で紹介したようにブラジルやベネズエラを始めとする国々のカカオ農家⽀援活動「メイジ・カカオ・サポート」を通じて構築したシステムがそれを可能にしているのだった。
植樹体験。アグロフォレストリーについて話を訊いた後だったので、この農法を生みだしたブラジルの日本人移民に敬意を表して、植樹にはコショウの根が残る場所を希望した。
農園では、ポットで発芽させたカカオの苗を植えて育て、実がつくと収穫して、実からカカオ⾖を取り出して発酵させ天⽇⼲しをする。数年かかる⼯程を数時間で体験させてもらった。実から取り出したばかりのカカオ⾖にはまわりにみずみずしい果⾁がついている。ベトナムのカカオは糖分が⾼く酸味の強いカカオ⾖になりやすいため、果肉がついたままの⾖を絞って⽔分量を減らしてから発酵させる。この時にできるフレッシュな絞り汁(カカオパルプジュース)はたまらなく美味しい。小さなコップに⼊れられた果汁を恍惚として飲み⼲した。
写真:発酵体験。上は実から取り出したばかりのカカオ豆。下は発酵して数日が経ったカカオ豆。
絞った⾖は発酵箱に⼊れて発酵させる。発酵中の⾖の中に⼿を⼊れると、ヌルヌルしていて予想外にかなり熱いがなんだか⼼地よい。⽩い果⾁は数⽇経つとチョコレート⾊に変わり温度も摂⽒50度程になるという。⾖の中に⼊れた⼿は取り出した後もしばらくしっとりとしていた。発酵を終えたカカオ⾖は、⼿作業で外に運び天⽇⼲しをする。
チョコレートに情熱を注ぐ明治の皆さんとベトナムのカカオ農園にて。「チョコレート博士」こと古谷野哲夫さん(中央、ブルーのキャップ帽)を囲んで。カカオの実がたわわに生ったカカオ農園では、その場でココナッツの実をカットして振る舞ってくれた。右端はカカオ農園のオーナー。
こうして乾燥したカカオ豆はチョコレート工場に運ばれて、ローストして砕き皮を取り除いてから、砂糖などを加え磨り潰してチョコレートにする。
明治のカカオクリエイター佐久間悠介さん(上、集合写真左端)が額に汗して準備万端に整えてくれていたおかげで、自分だけの板チョコレートを完成させることができた。
明治のカカオクリエーター佐久間悠介さんの指導で、ベトナムのチョコレート工場で作った farm to bar チョコレート。実際に自分で手がけたのは型に流しただけだけれど出来上がると感激だ。プロの手(佐久間さん)によるテンパリングを経ているので仕上がりはきわめて美しい。
今後は⼀般募集の旅として企画する可能性もあるのだとか。ブラジルの⽇系移⺠が⽣みだしたアグロフォレストリーや、カカオ農家支援活動「メイジ・カカオ・サポート」を通してプレミアム・カカオを安定供給してもらうシステムなど、チョコレートへの情熱と志の⾼さが⽣み出すジャパン・クオリティの魅⼒に触れた旅だった。これから参加する⼈は、知識が豊富になるのはもちろんのことチョコレートへの愛がますます深くなることだろう。
<u>明治ザ・チョコレート その1 ホワイトカカオの記事 >></u>
text © Mika Ogura 2018
【プロフィール】
小椋三嘉(おぐら・みか)
エッセイスト、食文化研究家。
十数年のパリ暮らしを経て帰国。2008 年にはフランス観光開発機構・ パリ観光会議局の名誉ある「プレス功労賞」を受賞。フランスのチョコレート愛好会「クラブ・デ・クロクール・ド・ショコラ」の会員。著書は『高級ショコラのすべて』、『チョコレートのソムリエになる』、『ショコラが大好き!』、『アラン・デュカス進化するシェフの饗宴』、『パリを歩いて―ミカのパリ案内―』など多数。
【商品情報】
明治ザ・チョコレート
写真下段左から:
⼒強い深み コンフォートビター (カカオ 70%)
華やかな果実味 エレガントビター (カカオ 70%)
濃密な深みと旨味 ベルベットミルク (カカオ 51%)
優しく⾹る サニーミルク (カカオ 54%)
写真上段左から:
深遠なる旨味 抹茶 (カカオ 58%)
鮮烈な⾹り フランボワーズ (カカオ 44%)
可憐に⾹る ブリリアントミルク (カカオ 55%)
軽やかな熟成感 ビビッドミルク (カカオ 54%)
各3枚⼊り
東京造形大学がJR東日本・山手線の車両を舞台に、グラフィック作品・映像作品等の展示を行う「山手線グラフィック展」が開催されます。テーマは”TOKYO”。
今、世界中から注目を集めるTOKYOはデザイン先進都市であり、建築、広告、商品、食など、多様な文化を育んできました。私たちも改めてTOKYOを見つめ直し、省みる良いタイミングです。TOKYOを行き交う人々に、見たことや感じたことのないTOKYOに触れ、TOKYOの魅力を再発見してほしい。そんな気持ちから、グラフィックデザインを学ぶ東京造形大学の学生による作品が山手線車内に展示されます。
山手線車内というユニークな開催場所については、デザインは本来、美術館やギャラリーのように限られた空間だけで観賞されるべきものではない、という同校の考えに基づくものです。デザインは社会を形成する大切な要素であり、また、人々の日常に溶け込んでこそ真価を発揮するものという考えのもと、作品展が東京の中心を周回するJR山手線で実施されることになりました。
学生たちの瑞々しい感性・個性が光る作品が山手線を彩る「山手線グラフィック展」は2018年2月28日までの開催です。
東京造形大学 山手線グラフィック展
会期:2018年2月17日(土)~2018年2月28日(水)
*車両整備等の理由で、期間中でも運休となる場合がございます。
実施車両:山手線E231系 ADトレイン 1編成
http://www.zokei.ac.jp/news/2018/7994/
「松風」モネ劇場公演より Photo:Bernd Uhlig
日本の伝統芸能、「能」。そしてルネサンス後期が発祥とされる「オペラ」。それぞれに伝統と格式を持つ舞台芸術がひとつに。能の古典演目として知られる『松風』が1幕5場のオペラに仕立てられた注目の公演・オペラ『松風』が日本で初めて上演されます。
手がけたのはドイツを拠点に世界的に活躍する作曲家・細川俊夫氏。細川氏は欧米の主要なオーケストラや音楽祭、劇場からの委嘱作品が次々と上映される現代音楽をリードする作曲家です。報われなかった愛のため亡霊となった女が狂おしく舞うという筋立ての能『松風』の幽玄の世界が、細川氏の手によって”魂の浄化“という普遍的なテーマを持つオペラ作品として昇華したオペラ『松風』は、ベルギー王立モネ劇場、ルクセンブルク大劇場、ポーランド国立歌劇場との共同制作、ベルリン州立歌劇場の協力により2011年に初演され、以来フランス、香港と上演を拡大に、大きな反響を呼んだ傑作です。
「松風」モネ劇場公演より Photo:Bernd Uhlig
細川俊夫氏と手を組んだのはドイツ・ダンス界を代表する世界有数の振付家のサシャ・ヴァルツ氏。音楽と舞踊、声楽が一体となったコレオグラフィック・オペラという様式を確立した同氏による斬新な演出と自然と幽玄を描いた細川氏の音楽が見事に交錯したオペラ『松風』は「80分があまりに早く過ぎてしまった」(フィナンシャルタイムズ)との賛辞をも得ました。
また、このオペラ『松風』の大きな見どころのひとつがドイツを拠点に世界的に活躍する現代美術家・塩田千春氏のインスタレーションによる舞台演出です。劇場という巨大な空間に黒い毛糸を張り巡らせ、死者と生者を自在に行き来させる効果的な舞台演出を制作しました。音楽、舞踊、美術が一体となって現出したオペラ『松風』はまさに総合芸術として、全てのアートファンを魅了することでしょう。
「松風」モネ劇場公演より Photo:Bernd Uhlig
細川俊夫とサシャ・ヴァルツが創り上げる、壮大なスケールのアートプロダクション・オペラ『松風』は2月16日〜18日の3日間の上演です。全世界で喝采を浴びてきた話題作をお見逃しなく。
新国立劇場開場20周年記念公演 新国立劇場2017/2018シーズンオペラ
細川俊夫/サシャ・ヴァルツ 松風
公演日程:2018年2月16日(金)19:00、17日(土)15:00、18日(日)15:00
会場:新国立劇場 オペラパレス
チケット料金:S:16,200円 A:12,960円 B:8,640円 C:6,480円 D:3,240円 Z:1,620円
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/
2017年10月12日にリニューアルしたプレミアムジャパン。リニューアル以来、毎日読者の皆さまに幅広いカテゴリーの情報をお届けしてきました。本日は「アート」のカテゴリーから人気の高かった3記事をご紹介します。
京都発 既存の枠組みを超えたアートフェア「ARTISTS’ FAIR KYOTO」開催
2018年2月、京都を舞台に現代アートにフォーカスした「ARTISTS’ FAIR KYOTO(アーティスツ フェア キョウト)」が開催されます。世界の第一線で活躍するアーティスト陣12名を迎え、彼らのキュレーションにより若手アーティストを選出しました。選ばれた20代~30代前半の若手アーティスト36名の作品を中心とした展示が予定されています。詳しくはこちら>>
吉岡 徳仁による『光とガラス』展
自然をテーマにした詩的で実験的な作品によって、デザイン、建築、現代美術の領域で国際的に活動するデザイナー 吉岡徳仁(よしおか とくじん)氏。ニューヨーク近代美術館、オルセー美術館等で作品が永久所蔵されており、アメリカNewsweek誌日本語版による「世界が尊敬する日本人100 人」にも選出されています。その吉岡氏が光とガラスから生まれる創作の本質に迫った展示会、『光とガラス』展を開催。詳しくはこちら>>
屋根がシードル・ゴールドに輝く「弘前市芸術文化施設」が2020年に開館
弘前市に残る、吉野町煉瓦倉庫が2020年度春に向けてリニューアルし、「弘前市芸術文化施設」(仮称)として開館します。吉野町煉瓦倉庫がある土地は、明治時代、青森のリンゴ栽培の開拓期において本格的な栽培がおこなわれた場所のひとつです。近代文化遺産が壊され、世代から世代へと受け継がれた土地の記憶を失い続けているように見受けられる近年の日本。そんな中、煉瓦倉庫が「世界のアート」が体験できる美術館として生まれ変わります。詳しくはこちら>>
いかがでしたか? 2018年もプレミアムジャパンは日本発のアートや展覧会、注目の日本人アーティストなど、様々なアートの情報をお伝えしてまいります。引き続き、ご期待ください。
2018年1月2日、3日、東京国際フォーラムで日本文化の“伝統と革新”を国内外へ発信するイベント「J-CULTURE FEST/ にっぽん・和心・初詣」が開催されます。”伝統と革新” をコンセプトに、音楽や舞など日本が誇るアーティスト公演や、日本文化を体験・発見、そして味わえるこのイベントはまさに “正月テーマパーク”。中でも注目したいのが「源氏物語音楽絵巻 ~儚き夢幻~」です。
「源氏物語音楽絵巻 ~儚き夢幻~」は、源氏物語の無常観あふれる儚く美しい物語世界を、東儀秀樹の雅楽と舞、古澤巌、塩谷哲が奏でる音楽、花總まりの語りと歌、そして構成・演出も担う、尾上菊之丞の舞踊により表現する絢爛豪華な音楽絵巻です。
映像制作を担当するのは株式会社ワン・トゥー・テン・ホールディングス。日本の伝統文化や芸術にテクノロジーを掛け合わせて拡張する、mixed ARTSプロジェクトを展開しています。
ワン・トゥー・テンの代表の澤邊芳明氏は「源氏物語音楽絵巻の舞台において、これまでに培ってきたデジタル表現とセンシングなどのインタラクティブテクノロジーを活かす形でお手伝いをすることになりました。伝統芸能の舞台演出を拡張する最先端のインタラクティブ表現が平安絵巻の世界をさらに盛り上げます。」と語ります。
3D人体データを用いたユニークな映像演出、舞台用に最適化された高精度リアルタイム・トラッキングシステムによる身体表現の拡張を施した舞踊など、最新の映像技術によるインタラクティブ映像表現が日本の伝統文化を新しく生まれ変わらせます。最先端の技術により、現実と仮想空間が融合して新しいアートとして表現される源氏物語の世界への期待が高まります。
J-CULTURE FEST/ にっぽん・和心・初詣
「源氏物語音楽絵巻~儚き夢幻~」
【主催】東京国際フォーラム
【企画制作】NHKエンタープライズ
【制作協力】井筒企画/矢島聰子事務所/NHKプラネット
【映像協力】ワン・トゥー・テン・ホールディングス
日程:2018年1月3日(水)15:30開場/16:00開演
会場:東京国際フォーラム ホールC
料金:全席指定5,000円(税込) ※未就学児童入場不可
出演:東儀 秀樹〈雅楽師〉
花總 まり〈女優〉
古澤 巌〈ヴァイオリニスト〉
塩谷 哲〈ピアニスト〉
尾上 菊之丞〈舞踊家〉
構成・演出:尾上菊之丞
インタラクティブ映像:澤邊 芳明、引地 耕太
公式サイト:http://j-cf.jp/2018/performance/
2018年1月2日、3日、東京国際フォーラムで日本文化の“伝統と革新”を国内外へ発信するイベント「J-CULTURE FEST/ にっぽん・和心・初詣」が開催されます。”伝統と革新” をコンセプトに、音楽や舞など日本が誇るアーティスト公演や、日本文化を体験・発見、そして味わえるこのイベントはまさに “正月テーマパーク”。中でも注目したいのが「源氏物語音楽絵巻 ~儚き夢幻~」です。
「源氏物語音楽絵巻 ~儚き夢幻~」は、源氏物語の無常観あふれる儚く美しい物語世界を、東儀秀樹の雅楽と舞、古澤巌、塩谷哲が奏でる音楽、花總まりの語りと歌、そして構成・演出も担う、尾上菊之丞の舞踊により表現する絢爛豪華な音楽絵巻です。
映像制作を担当するのは株式会社ワン・トゥー・テン・ホールディングス。日本の伝統文化や芸術にテクノロジーを掛け合わせて拡張する、mixed ARTSプロジェクトを展開しています。
ワン・トゥー・テンの代表の澤邊芳明氏は「源氏物語音楽絵巻の舞台において、これまでに培ってきたデジタル表現とセンシングなどのインタラクティブテクノロジーを活かす形でお手伝いをすることになりました。伝統芸能の舞台演出を拡張する最先端のインタラクティブ表現が平安絵巻の世界をさらに盛り上げます。」と語ります。
3D人体データを用いたユニークな映像演出、舞台用に最適化された高精度リアルタイム・トラッキングシステムによる身体表現の拡張を施した舞踊など、最新の映像技術によるインタラクティブ映像表現が日本の伝統文化を新しく生まれ変わらせます。最先端の技術により、現実と仮想空間が融合して新しいアートとして表現される源氏物語の世界への期待が高まります。
J-CULTURE FEST/ にっぽん・和心・初詣
「源氏物語音楽絵巻~儚き夢幻~」
【主催】東京国際フォーラム
【企画制作】NHKエンタープライズ
【制作協力】井筒企画/矢島聰子事務所/NHKプラネット
【映像協力】ワン・トゥー・テン・ホールディングス
日程:2018年1月3日(水)15:30開場/16:00開演
会場:東京国際フォーラム ホールC
料金:全席指定5,000円(税込) ※未就学児童入場不可
出演:東儀 秀樹〈雅楽師〉
花總 まり〈女優〉
古澤 巌〈ヴァイオリニスト〉
塩谷 哲〈ピアニスト〉
尾上 菊之丞〈舞踊家〉
構成・演出:尾上菊之丞
インタラクティブ映像:澤邊 芳明、引地 耕太
公式サイト:http://j-cf.jp/2018/performance/
明治維新から150年となる2018年、佐賀県武雄市の陽光美術館にて、「~明治維新150年~生誕150年 横山大観展」が開催されます。明治維新150年は、横山大観生誕150年でもあります。大観を含め近代日本画の大家は、明治維新、また維新後間もなく産まれ、急速に近代化する激動の時代と共に育ったと言えます。今回の展示はこうした激動の時代にこそ生まれる”新しい価値観” を一つのテーマにしています。そしてもう一つのテーマは変わりゆく中で、”変わらないもの”。そこに、近代日本画の巨匠たちが愛される理由があるのかもしれません。
また、中国陶磁も同時に展示いたします。宋時代から清時代までの約1,000年を、異なるジャンルでありつつも明治維新と同じように、 変革、激動をキーワードに眺めてみようという試みの展覧会です。
陽光美術館所蔵の横山大観を中心とした日本画が初公開される、「~明治維新150年~生誕150年 横山大観展」では、横山大観の他、木村武山、橋本関雪の作品なども展示されます。中国陶磁からは「桃花紅観音瓶」「飛青磁」等が展示。近代日本画と中国陶磁、それぞれに維新・変革・激動の時代に何が生まれたのかを知ることができるテーマ展です。
~明治維新150年~生誕150年 横山大観展
会場/公益財団法人 陽光美術館
佐賀県武雄市武雄町武雄4075‐3
期間/2018年1月1日(月) ~ 5月31日(木)
時間/9:00~17:00
入館料/一般600円、高大生500円
休館日/水曜日 ※4月・5月は無休
http://www.yokomuseum.jp/
明治維新から150年となる2018年、佐賀県武雄市の陽光美術館にて、「~明治維新150年~生誕150年 横山大観展」が開催されます。明治維新150年は、横山大観生誕150年でもあります。大観を含め近代日本画の大家は、明治維新、また維新後間もなく産まれ、急速に近代化する激動の時代と共に育ったと言えます。今回の展示はこうした激動の時代にこそ生まれる”新しい価値観” を一つのテーマにしています。そしてもう一つのテーマは変わりゆく中で、”変わらないもの”。そこに、近代日本画の巨匠たちが愛される理由があるのかもしれません。
また、中国陶磁も同時に展示いたします。宋時代から清時代までの約1,000年を、異なるジャンルでありつつも明治維新と同じように、 変革、激動をキーワードに眺めてみようという試みの展覧会です。
陽光美術館所蔵の横山大観を中心とした日本画が初公開される、「~明治維新150年~生誕150年 横山大観展」では、横山大観の他、木村武山、橋本関雪の作品なども展示されます。中国陶磁からは「桃花紅観音瓶」「飛青磁」等が展示。近代日本画と中国陶磁、それぞれに維新・変革・激動の時代に何が生まれたのかを知ることができるテーマ展です。
~明治維新150年~生誕150年 横山大観展
会場/公益財団法人 陽光美術館
佐賀県武雄市武雄町武雄4075‐3
期間/2018年1月1日(月) ~ 5月31日(木)
時間/9:00~17:00
入館料/一般600円、高大生500円
休館日/水曜日 ※4月・5月は無休
http://www.yokomuseum.jp/
2018年2月、京都を舞台に現代アートにフォーカスした「ARTISTS’ FAIR KYOTO(アーティスツ フェア キョウト)」が開催されます。
このイベントではディレクターに現代美術家の椿昇、アドバイザリーボードに池田光弘、薄久保香、大庭大介、勝又公仁彦、金氏徹平、鬼頭健吾、澤田知子、塩田千春、高橋耕平、名和晃平、ミヤケマイ、ヤノベケンジと、世界の第一線で活躍するアーティスト陣12名を迎え、彼らのキュレーションにより若手アーティストを選出しました。選ばれた20代~30代前半の若手アーティスト36名の作品を中心とした展示が予定されています。
会場デザインは、家成俊勝(dot architects)が手掛けます。重要文化財指定の京都を代表する明治建築の中に、京都ゆかりの新人から人気作家まで旬な「現代アート」が大集結するエキセントリックな 空間も見どころの1つです。
京都文化博物館
伝統から革新を生み出してきた京都で、「Art Singularity(アートシンギュラリティ)」をコンセプトに掲げ、アーティストが世界のマーケットを見据え、次の次元へと活躍の場を拡大する新しい「アートフェア」。既存のアートフェアの枠組みを超え、展覧会としてもエンターテイメント性を供えた画期的な内容が予定されています。アートとマーケットの融合をダイレクトに感じられる2日間となるでしょう。
【ディレクター・現代美術家の椿昇氏からのメッセージ】
京都に数多く存在する芸術系大学の卒業生や若い表現者の支援を目的に、内需市場の活性化に取り組みます。この重大なミッションを受けて既存のアートフェアとは一線を画する、アーティスト自身が直接作品を販売するダイレクトな「ARTISTS’ FAIR KYOTO」を立ち上げる事となりました。アーティストを志した若者が将来に亘って制作によって生計を立てられるよう、個人コレクターや企業をはじめ、グローバル・ネットワークを持つコマーシャルギャラリーに接続するためのブリッジとなり、彼らが作品を作り続けられる未来の一歩を踏み出したいと思います。
ARTISTS’ FAIR KYOTO(アーティスツ フェア キョウト)
主催:京都府、ARTISTS’ FAIR KYOTO実行委員会
会 場:京都府京都文化博物館 別館
〒604-8183 京都市中京区三条高倉
10時00分~18時00分
075-222-0888
日 程:2018年2月24日(土)~25日(日)( 23日(金)は特別内覧会を開催 )
URL :https://artists-fair.kyoto/
入場料:1,000円(学生無料 要・学生証)
ミュージアム・ロードからのメインアプローチ ©ATELIER TSUYOSHI TANE ARCHITECTS
弘前市に残る、吉野町煉瓦倉庫が2020年度春に向けてリニューアルし、「弘前市芸術文化施設」(仮称)として開館します。
吉野町煉瓦倉庫がある土地は、明治時代、青森のリンゴ栽培の開拓期において本格的な栽培がおこなわれた場所のひとつです。1907年に酒造工場として建造した煉瓦倉庫は、戦後はリンゴを原料としたシードルを日本で初めて生産しました。その後、倉庫となり、110年の歳月を経て、今もなお立ち続けています。2002年から2006年の間、弘前市出身の芸術家・奈良美智氏が数回展示会を開催するなど、市内外において知名度が高い建物であり、吉野町緑地とともに中央弘前駅、最勝院五重塔、そして岩木山を望むことができる、市の景観づくりやまちづくりにおいても重要なポイントとなる場所です。
近代文化遺産が壊され、世代から世代へと受け継がれた土地の記憶を失い続けているように見受けられる近年の日本。そんな中、煉瓦倉庫が「世界のアート」が体験できる美術館として生まれ変わります。改修を担うのは、建築家の田根剛氏が主宰するATELIER TSUYOSHI TANE ARCHITECTS。「きわめて先進的な内外のアートの紹介の場」、「現代の科学技術やデザインの発展を若い人々とシェアすることができるクリエイティブハブ」、「地域の住民がアートやデザインを学び、集うコミュニティのための場」、そして「所蔵品、レジデンス事業、企画展という3つの機能をつなぐ基盤」の4つを理念として掲げ、アートの感動を弘前にもたらし、人々が創造性の喜びへと向かう一連の流れをつくり出すことを目的に活動が始まります。「つくること、みせること、そしてそれを収蔵して歴史に残すこと」、という他に例のない一連の流れが、驚きと感動に満ちた体験の場をつくり出します。
西立案図 ©ATELIER TSUYOSHI TANE ARCHITECTS
新しい風景をつくるシードル.・ゴールドの屋根 ©ATELIER TSUYOSHI TANE ARCHITECTS
老朽化した屋根は光によって移ろう「シードル・ゴールド」の屋根葺に、経年によって傷んだ外壁は全て「赤煉瓦」で覆われます。A棟は市民に開かれた文化施設として様々な活動が行われ、B棟は倉庫の持つ空間性を活かした大型展示空間となります。またC棟は「シードル・カフェ」として再生することでアートと市民を繋ぐ吉野町緑地の中心の場所を担います。そして、「ミュージアム・ロード」はアートと市民を繋ぐパブリック・スペースとなります。
高さ15mの大型展示空間 ©ATELIER TSUYOSHI TANE ARCHITECTS
既存の空間を活かしたアートの展示空間 ©ATELIER TSUYOSHI TANE ARCHITECTS
市民文化交流が出来るライブラリー ©ATELIER TSUYOSHI TANE ARCHITECTS
弘前市がアート界における世界と日本の架け橋となる日も近いかもしれません。現代アートのクリエイティブハブとして新しく生まれ変わる煉瓦倉庫、必見です。
≪建築家プロフィール≫
田根 剛
1979年東京生まれ。ATELIER TSUYOSHI TANE ARCHITECTSを設立、フランス・パリを拠点に活動。2006年にエストニア国立博物館の国際設計競技に優勝し、10年の歳月をかけて2016年秋に開館。また2012年の新国立競技場基本構想国際デザイン競技では『古墳スタジアム』がファイナリストに選ばれるなど国際的な注目を集める。場所の記憶から建築をつくる「Archaeology of the Future」をコンセプトに、現在ヨーロッパと日本を中心に世界各地で多数のプロジェクトが進行中。主な作品に『エストニア国立博物館』(2016年)、『A House for Oiso』(2015年)、『とらやパリ』(2015年)、『LIGHT is TIME 』(2014年)など。フランス文化庁新進建築家賞、フランス国外建築賞グランプリ、ミース・ファン・デル・ローエ欧州賞2017ノミネート、第67回芸術選奨文部科学大臣新人賞など多数受賞 。2012年よりコロンビア大学GSAPPで教鞭をとる。
ATELIER TSUYOSHI TANE ARCHITECTS
世界各地でキャリアを積んだ多国籍のメンバー約30名で構成する国際色豊かなチームがヨーロッ パと日本を中心に世界中で多数のプロジェクトに従事している。建築の他にもインスタレーションや舞台や展覧会の空間演出を手がけるなど、分野を超えた活動が国際的な注目を集めている。
ミュージアム・ロードからのメインアプローチ ©ATELIER TSUYOSHI TANE ARCHITECTS
弘前市に残る、吉野町煉瓦倉庫が2020年度春に向けてリニューアルし、「弘前市芸術文化施設」(仮称)として開館します。
吉野町煉瓦倉庫がある土地は、明治時代、青森のリンゴ栽培の開拓期において本格的な栽培がおこなわれた場所のひとつです。1907年に酒造工場として建造した煉瓦倉庫は、戦後はリンゴを原料としたシードルを日本で初めて生産しました。その後、倉庫となり、110年の歳月を経て、今もなお立ち続けています。2002年から2006年の間、弘前市出身の芸術家・奈良美智氏が数回展示会を開催するなど、市内外において知名度が高い建物であり、吉野町緑地とともに中央弘前駅、最勝院五重塔、そして岩木山を望むことができる、市の景観づくりやまちづくりにおいても重要なポイントとなる場所です。
近代文化遺産が壊され、世代から世代へと受け継がれた土地の記憶を失い続けているように見受けられる近年の日本。そんな中、煉瓦倉庫が「世界のアート」が体験できる美術館として生まれ変わります。改修を担うのは、建築家の田根剛氏が主宰するATELIER TSUYOSHI TANE ARCHITECTS。「きわめて先進的な内外のアートの紹介の場」、「現代の科学技術やデザインの発展を若い人々とシェアすることができるクリエイティブハブ」、「地域の住民がアートやデザインを学び、集うコミュニティのための場」、そして「所蔵品、レジデンス事業、企画展という3つの機能をつなぐ基盤」の4つを理念として掲げ、アートの感動を弘前にもたらし、人々が創造性の喜びへと向かう一連の流れをつくり出すことを目的に活動が始まります。「つくること、みせること、そしてそれを収蔵して歴史に残すこと」、という他に例のない一連の流れが、驚きと感動に満ちた体験の場をつくり出します。
西立案図 ©ATELIER TSUYOSHI TANE ARCHITECTS
新しい風景をつくるシードル.・ゴールドの屋根 ©ATELIER TSUYOSHI TANE ARCHITECTS
老朽化した屋根は光によって移ろう「シードル・ゴールド」の屋根葺に、経年によって傷んだ外壁は全て「赤煉瓦」で覆われます。A棟は市民に開かれた文化施設として様々な活動が行われ、B棟は倉庫の持つ空間性を活かした大型展示空間となります。またC棟は「シードル・カフェ」として再生することでアートと市民を繋ぐ吉野町緑地の中心の場所を担います。そして、「ミュージアム・ロード」はアートと市民を繋ぐパブリック・スペースとなります。
高さ15mの大型展示空間 ©ATELIER TSUYOSHI TANE ARCHITECTS
既存の空間を活かしたアートの展示空間 ©ATELIER TSUYOSHI TANE ARCHITECTS
市民文化交流が出来るライブラリー ©ATELIER TSUYOSHI TANE ARCHITECTS
弘前市がアート界における世界と日本の架け橋となる日も近いかもしれません。現代アートのクリエイティブハブとして新しく生まれ変わる煉瓦倉庫、必見です。
≪建築家プロフィール≫
田根 剛
1979年東京生まれ。ATELIER TSUYOSHI TANE ARCHITECTSを設立、フランス・パリを拠点に活動。2006年にエストニア国立博物館の国際設計競技に優勝し、10年の歳月をかけて2016年秋に開館。また2012年の新国立競技場基本構想国際デザイン競技では『古墳スタジアム』がファイナリストに選ばれるなど国際的な注目を集める。場所の記憶から建築をつくる「Archaeology of the Future」をコンセプトに、現在ヨーロッパと日本を中心に世界各地で多数のプロジェクトが進行中。主な作品に『エストニア国立博物館』(2016年)、『A House for Oiso』(2015年)、『とらやパリ』(2015年)、『LIGHT is TIME 』(2014年)など。フランス文化庁新進建築家賞、フランス国外建築賞グランプリ、ミース・ファン・デル・ローエ欧州賞2017ノミネート、第67回芸術選奨文部科学大臣新人賞など多数受賞 。2012年よりコロンビア大学GSAPPで教鞭をとる。
ATELIER TSUYOSHI TANE ARCHITECTS
世界各地でキャリアを積んだ多国籍のメンバー約30名で構成する国際色豊かなチームがヨーロッ パと日本を中心に世界中で多数のプロジェクトに従事している。建築の他にもインスタレーションや舞台や展覧会の空間演出を手がけるなど、分野を超えた活動が国際的な注目を集めている。