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2019.05.05
豊原国周「東けい三十六会席 柳ばしそめ」(後期展示予定)
平成の世は“ネコノミクス”なる言葉も生まれるほど、猫ブームで盛り上がった時代でした。猫関連の経済効果はオリンピックを超えるとの試算もあるくらい、現代の日本人は猫たちの可愛さに踊らされています。ところがこの猫ブーム、今に始まったことではありません。猫は江戸時代から現代まで変わらず人々に愛され続けていることが分かる展覧会が、千代田区立日比谷図書文化館で開催されています。
特別展「アートになった猫たち展~今も昔もねこが好き」は、浮世絵と近代美人画を中心に猫が描かれた作品を100点ほど紹介する展覧会です。
歌川国芳 猫の百めんそう 1841年頃(前期展示作品)
江戸末期に活躍した浮世絵師の歌川国芳は、無類の猫好きとして知られており、愛猫家ならではの視点でたくさんの作品を残しています。ほかにも、竹久夢二、藤田嗣治など、猫好きの芸術家たちは、作品のモデルとして、また風景のひとつとして、愛らしい猫を描き続けました。江戸時代には、猫を擬人化して描いた役者絵なども人気を博しています。
今展覧会では、浮世絵蒐集家・中右瑛氏のコレクションの中から、江戸から現代に至るまでの猫好き芸術家たちの作品や、江戸から明治にかけての人々の暮らしの中で描かれた猫の姿、歌舞伎の名場面に登場する猫などを紹介。古くから続く猫と人との深い関わりを知ることができます。
竹久夢二 黒猫を抱く女(柳屋版) 1920年
猫が私たちの心の中にどのように住みつき、共に暮らしてきたのか。芸術作品としての猫の姿を通して、私たち日本人の心の動きや暮らしの変化について掘り下げるこの展覧会は、猫好きの心をグッとつかむ内容となっています。江戸の人々も夢中になった、可愛らしい猫の姿を愛でに足を運んでみるのはいかがでしょうか。
◆千代田区立日比谷図書文化館「アートになった猫たち展~今も昔もねこが好き」
会 期:2019年6月23日(日)まで ※休館日5月20日、6月17日
※5月21日より一部作品が展示替えになります
会 場:千代田区立日比谷図書文化館 1階特別展示室
東京都千代田区日比谷公園1-4
公式サイト:https://www.library.chiyoda.tokyo.jp/hibiya/museum/exhibition/art-cat.html