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半蔵門ミュージアムにて開催。「富士山 花と雲と湖と」
2026.1.16
横山大観、片岡球子らによる独創的な富士山の絵画を展示
片岡球子《花に囲まれし富士》 1985年頃
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半蔵門ミュージアムにて、1月17日(土)から5月10日(日)まで、特集展示「富士山 花と雲と湖と」を開催。横山大観や田崎廣助、片岡球子ら10名の画家と版画家による、花や雲、湖を描いた富士山の絵画が展示される。
横山大観《霊峰不二》 1939年
日本を象徴する山、富士山。その姿を仰ぎ見る名所として、三保の松原、田子の浦、忍野八海などが挙げられ、また薩摩富士(開聞岳)など、全国に「富士」の別称がついた山も枚挙にいとまがない。それほど富士山は象徴的な山であり、二つとない「不二」の当て字が相応しい存在だ。
笹島喜平《精進湖の富士》 1980年
岡信孝《紅梅富士》 1990年代
本展では、花に囲まれ、雲がたなびき、畔に湖のある、美麗で独創的な富士山の絵画を紹介。文化勲章受章者である横山大観・田崎廣助・片岡球子、版画家の笹島喜平、日本画家の川﨑春彦・岡信孝・木村圭吾・平松礼二、洋画家の野田好子・櫻井孝美という10名による15作品を堪能できる。
平松礼二《路・花嶽》 1990年頃
櫻井孝美《錦秋》 1992年
同じ富士山が主題でも、描く画家により構図や色彩は異なり、それぞれの個性を感じられるはずだ。私たちにさまざまな姿を見せてくれる富士山。その魅力に、会場で触れてみてはいかがだろうか。
◆富士山 花と雲と湖と
【会期】1月17日(土)~5月10日(日)
【会場】半蔵門ミュージアム(東京都千代田区一番町25)
【時間】10時~17時30分(入館は17時まで)
【休館日】毎週月曜日・火曜日
【入場料】無料
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Events
Ginza Sony Parkで開催『映画「国宝」展 ― 熱狂は終わらない、物語は続く ―』
2026.1.6
1,231万人が熱狂した映画の熱量を、名場面写真と立体音響空間で追体験
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Ginza Sony Park(銀座ソニーパーク)にて、今もなおロングランを続ける映画「国宝」の世界観を追体験する展覧会『映画「国宝」展 ― 熱狂は終わらない、物語は続く ―』が入場無料で開催される。会期は2026年1月7日(水)から1月28日(水)まで。
©吉田修一/朝日新聞出版 ©2025 映画「国宝」製作委員会
本展の目玉となるのは、作品の“継承”と“命の鼓動”を象徴的に伝える二つの体験だ。
地下2階の展示フロアでは、吉沢亮が演じる主人公・立花喜久雄と、横浜流星が演じる花井半弥が丹波屋の継承をめぐる印象的なシーンなど、劇中の名場面を切り取った写真を展示。スクリーンで観た感動を、静止した一枚の美しさとして改めて見つめ直せる構成となっている。
さらに3階では、ソニーの高画質LEDディスプレイ「Crystal LED」と、立体音響技術を用いた特別な空間を構築。劇伴音楽を担当した原摩利彦が作曲、坂本美雨が作詞、そしてKing Gnuの井口理が歌唱参加した本作の主題歌「Luminance」を、本編映像とともに鑑賞できる。
写真提供:Ginza Sony Park
また、Ginza Sony Park 4階では、特別企画展「5/513日」 Ryo Yoshizawa × Shunya Araiを同時開催。本作品の監督である李相日が、映画化の「決め手は、吉沢亮の存在」と語るほど圧倒的な印象を残した吉沢が「国宝」の準備と撮影にかけた513日間のうち、5日間を写真家・荒井俊哉が密着撮影。選りすぐりの写真を展示するほか、クリアファイルやチケットホルダーなどのオリジナルグッズも販売される。本企画展はチケット制で、専用サイトでの事前予約が必要となる。
「国宝」の熱狂が冷めやらぬ今、改めて映画の魅力に触れられる絶好の機会となりそうだ。
◆映画「国宝」展 ― 熱狂は終わらない、物語は続く ―』
【会期】2026年1月7日(水)~1月28日(水)
【時間】10:00~19:00(18:30最終入場)
【場所】Ginza Sony Park 地下2階・3階
【料金】入場無料
◆『映画「国宝」特別企画展「5/513日」 Ryo Yoshizawa × Shunya Arai
【会期】2026年1月7日(水)~1月28日(水)
【時間】10:00~19:00(18:30最終入場)
【場所】Ginza Sony Park 4階
【料金】日時指定チケット/当日チケット
一般1,600円(税込)、中学/高校生 1,100円(税込)、小学生以下無料
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Features
河瀨直美監督、8年ぶりのオリジナル脚本映画『たしかにあった幻』
2025.12.29
2026年2月6日公開。時を超えて運命が交差する珠玉の人間ドラマ
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河瀨直美監督の最新映画『たしかにあった幻』が、2026年2月6日(金)より公開される。河瀨監督にとって本作は劇映画としては6年ぶり、オリジナル脚本としては8年ぶりの作品となる。
第78回ロカルノ国際映画祭でワールドプレミア上映され、「河瀨直美のマスターピース」と評されたことでも注目を集める本作。物語が投げかけるのは、「人は亡くなったら、どこへいくのだろう」という根源的な問いだ。
物語の背景にあるのは、日本の臓器移植医療の現実と、年間約8万人にのぼる行方不明者問題という二つの社会的テーマ。本作では、“愛のかたち”と命のつながり“をモチーフに、失踪と心臓移植の現実を重ねて描く。
フランスから来日し、日本で臓器移植の普及に尽力するコリーは、異なる死生観や倫理観の壁に直面し、無力感を抱えながら日々を過ごしている。屋久島で出会った青年・迅との生活にもコミュニケーションの問題が生じるなか、心臓疾患を抱える少女・瞳の病状が急変し、物語は静かに、しかし避けられない運命へと進んでいく。
「幻」と「たしかにあった」という相反する言葉を重ねたタイトルは、二項対立を超えてゆく新しい思想を提案する本作の内容を知らしめている。河瀨監督はこれまでも『あん』『光』『朝が来る』などで、血縁や常識に縛られない関係性の中に存在する「愛」を描いてきた。本作でも「死」が終わりではないという気づきの先に、移植医療が人の命を繋いでゆき、「生」の意味が問いかけられる。
主人公コリーを演じるのは、ルクセンブルク出身のヴィッキー・クリープス。優しさと孤独を併せ持つ女性像を、全身全霊で演じ切る。迅役には、河瀨作品初参加となる寛一郎。さらに、尾野真千子、北村一輝、永瀬正敏ら実力派俳優陣が脇を固める。加えて、河瀨監督がオーディションで見出した、子役の中村旺士郎と中野翠咲のリアリティある演技も見逃せない。
心臓移植のシーンや医療現場のディスカッションは、実際に小児臓器移植に関わる医師や看護師の協力のもと、ドキュメンタリーのように撮影。また、世界遺産・屋久島の屋久杉が織りなす風景も河瀨監督のフィルモグラフィーと響き合い、生命の源たる息吹を放っている。
目に見える形が失われても、別の誰かの体や記憶の中で生き続ける命。そうした命のあり方を見つめながら、“愛のかたち”と“命のつながりを描く映画。観る者の心に静かに残る一本となりそうだ。
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2025.12.18
松屋銀座開店100周年・『婦人画報』創刊120周年記念
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日本の美を引き立てる「帯留め アラベスク」
2025.12.22
ウェッジウッドからジャスパー製の和装アクセサリーが限定登場
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英国王室御用達ブランド、ウェッジウッドを象徴するオリジナル素地「ジャスパー」の250周年を記念して、ジャスパー製の「帯留め アラベスク」が数量限定で登場。
ジャスパー「マグノリア ブロッサム」
モチーフは型から一つずつ取り出し、英国工場の熟練職人が丁寧に手作業で貼り付けている。
ジャスパーは、創設者ジョサイア・ウェッジウッドの探究心から生まれた独自素材。現在も英国バーラストン工場にて、誕生当時と同じ製法で熟練職人の手により作られている。マットな質感とやわらかな色合いは、ジュエリーやコートのボタン、刀装具、ハイヒールの装飾など、時代や用途を超えて愛され、装いに上品なアクセントを添えてきた。
「ジャスパー 帯留め アラベスク」(ペールブルー)27,500円・数量限定(ウェッジウッド公式オンラインストア、全国のウェッジウッドショップ、およびツカモト市田株式会社の販路でも販売)
「ジャスパー 帯留め アラベスク」(ブラック)27,500円・数量限定(ウェッジウッド公式オンラインストア、全国のウェッジウッドショップ、およびツカモト市田株式会社の販路でも販売)
日本限定の「帯留め アラベスク」は、葉や蔓が優雅に絡み合うアラベスク模様をモチーフに、中央に愛や美しさを象徴するバラの花をあしらったデザイン。英国の職人が一点ずつ手作業で仕上げており、合わせる着物柄や帯締めによって、さまざまな表情を楽しめる。
さらに、ウェッジウッドの代表的な柄を着物として表現した新コレクション「Wedgwood – KIMONO COLLECTION」も誕生。「フェニックス」や「フロレンティーン」などブランドを象徴する6種のモチーフを、訪問着や付け下げ、帯、小紋といった多彩なアイテムで展開。和と洋の伝統工芸が響き合うコレクションとなっており、ツカモト市田株式会社を通じて販売される。
250年にわたり受け継がれてきたクラフトマンシップと、日本の美意識が出会った記念コレクション。装いに静かな品格を添える一品として注目したい。
「Wedgwood – KIMONO COLLECTION」
▼展開品・販売価格(税込)
訪問着:2,178,000円~(2柄1~2配色)
付け下げ:638,000円(3柄各2配色)
帯: 363,000円~528,000円(8柄各2~4配色)
小紋: 385,000円~638,000円(7柄各2~4配色)
色無地:385,000円(1柄5配色)
帯留め:27,500円(1柄各2配色)※ウェッジウッド製※催事、百貨店、着物専門店、他にて随時販売を開始。
(帯留め以外は、ウェッジウッドショップでの販売はありません)
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アート探訪記~展覧会インプレッション&インフォメーション
2025.11.28
銀座・和光「福本潮子─藍の海─」藍染が蘇らせた、木綿の漁網
「藍の海」 福本潮子 作
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銀座・和光「セイコーハウスホール」では、藍染作家の福本潮子さんの作品展が開催されている。展覧会名は「福本潮子-藍の海-」。深淵な宇宙をも思わせる作品で世界的に活躍している福本さんが、今回新たに藍染に選んだ素材は、実際に使われ、やがて破棄されようとしていた漁網。合成繊維の登場で姿を消しつつある木綿という天然素材の漁網が、藍に染められアート作品として見事に蘇った。また、対馬麻のタペストリーや、蚊帳地として織られた亜麻への藍染など、作品が並ぶ会場は空気までもが藍に染められているような趣だ。
静かに漂う、幾重にも吊り下げられた藍染の漁網
いくつもの波がゆらゆらと漂っている。漂う波の揺らぎを海中で受け止めているかのような浮遊感にも似た不思議な感覚に包まれる。波に近づくとわかる。網だ。大きいもので左右20メートルほど。小さいものだと10メートル。両端だけを天井レールに繋ぎ留めた漁網が、緩やかな曲線を描いて幾重も吊り下げられている。濃い藍から白へのグラデーションが続く網は、かつて海の中で揺蕩(たゆた)っていた記憶を秘め、静かにたたずんでいる。作品名は「藍の海」。
自重で撓(たわ)む漁網と、藍から白へのグラデーションが複雑な表情を作り出す。
藍染を用いたさまざまな表現活動を行い、「藍染美術家」として世界各地で作品を発表してきた福本潮子さんが、今回試みたのは漁網への藍染だった。
「この網の素材は木綿です。この網は実際に長く使われた後、そのまま廃棄されようとしていたもので、私が入手した際は真っ黒でした。それを洗って漂白し、藍で染めたのです。藍は天然の素材にしか染まりませんが、古く汚れていた網でも綺麗に染まります」
合成繊維に駆逐される天然繊維
かつては木綿や麻を素材とする漁網が主流だったが、現在では大半がポリエステルやナイロンなどの合成繊維へと変わっている。耐久性があるうえに軽く手扱いやすいからだ。しかし、廃棄され海中に留まったこうした化学物質が海を汚染していることが、世界中で問題となっている。
「天然素材の木綿の漁網は美しい藍色に染まります。それは汚染されていない美しい海のそのもの。廃棄されようとしていた漁網が、藍に染まってこうした姿に変わりました。合成繊維で海が汚染されていく現状に、この網が何らかの波紋を投げかけることができたらと思っています」
木綿の漁網は重い。それを一定の長さに切って染めていく。それはある意味では重労働だ。染める際には漁網を持ち上げて吊るす、小さなクレーンまで使う。そうまでして、なぜ福本さんは漁網を染めたのか。それは漁網が天然素材だったからだ。
苧麻、中国の綿、亜麻……。長年にわたってさまざまな作品を発表し続けてきた福本さんは、たえず天然素材とともに歩んできた。しかし、その天然素材が次々と姿を消そうとしている。
藍に染まった天然素材の美しさに多くの人が出合うことで、こうした現状を少しでも食い止めることができるのではないか。福本さんは、そう願いながら藍と向き合い続けている。
会場に一歩足を踏み入れるとこの光景が広がる。ライティングの具合でそうは見えないが、網の一部分は濃い藍に染まっている。
対馬の風土が凝縮された布と、藍との出会い
会場の壁面に、縦長のタペストリーが何点か掛けられている。作品名は「対馬」。名前が物語るように、九州の離島、対馬に由来する作品だ。
「対馬の人々は大麻や麻を育て、対馬麻という独特の布を織り、労働着としていました。古い労働着をほどいて、それを縫い合わせてタペストリーとし、その一部分を藍で染めてみました。対馬は岩がちで道も狭く、村と村との交流はあまりありませんでした。だからそれぞれの村で独自の柄や風合いの織物となっています。対馬という島の風土と、そこに暮らす人びとの生活が凝縮された、そしてかつては日本のどこでも行われていた手作業の尊さを教えてくれる、素晴らしい布です」
「対馬」と名付けられたタペストリー。織り手の息遣いを感じさせる布の風合いを藍が引き立てる。いずれも100年以上前の織物。
そんな布に出合った福本さんだが、始めのうちは、藍で染める部分が多くを占めていた。やがて藍で染める箇所はほんのわずかとなり、大部分は布地のままの作品となっていった。
「さまざまなものを受け止め、それを染み込ませてきた布が持つ風合いや力強さを大切にした方がよいと思い始めたのです。藍は、この布が持つ力強さを引き立たせる役目です。楔(くさび)のように入った藍が、島の自然の厳しさや、絶海の孤島を語ってくれれば、と考えています」
柔らかく揺らいでいるかのような「藍の海」に対し、「対馬」と名付けられた壁面の作品は、峻厳すら感じさせるたたずまいで、前に立つ人に向かってくる。そのどちらもが天然素材であり、藍染の姿でもある。
滋賀県湖北の長浜で蚊帳地として織られていた布を用いた作品。亜麻を材料とするこうした蚊帳地もほぼ消滅した。
宇宙の摂理から自分の表現を引き出す
「藍は空気中の酸素と触れることによって発色します。水洗いを何度もしますから清浄な水、藍を受け止める天然繊維、天然素材そのものである藍。つまり、空気、水、天然繊維、そして藍。すべてが自然からの授かりもので、この4つがないと藍染は成り立たちません。この絶対的な自然の摂理が組み合わってどんな表情となるか、私はその表情のなかから自分の表現を引き出しているだけなのです。自分を出そうとはしていません。もちろん、こうすればこうなる、という感触を得るためのトライアルは何度も行います。でも最終的には自然にまかせる。自分が手を動かした跡のようなものは、あまり残したくありませんね」
かつて福本さんは、ひとつの作品を作るために、より完成度の高い出来具合を求め、気が付くと2万枚もの布を染めていたそうだ。そんな福本さんだからこそ、「自分を出そうとはしていない」という言葉はより重く響く。
自然の摂理が絶妙に組み合わさることによって生まれる藍染。今回、破棄されようとしていた漁網や100年以上前の対馬織を用い、新たな藍染の表現を引き出した福本さん。今度は、どのように自然の摂理を組み合わせ、どのような表現を引き出してくれるのだろうか。
◆アート探訪記~展覧会インフォメーション
福本潮子─藍の海─
会期:2025年11月27日(木) 〜 2025年12月7日(日)
時間:11:00 – 19:00 (最終日は17:00まで)
- 場所:セイコーハウス 6階 セイコーハウスホール
櫻井正朗 Masao Sakurai
明治38(1905)年に創刊された老舗婦人誌『婦人画報』編集部に30年以上在籍し、陶芸や漆芸など、日本の伝統工芸をはじめ、さまざまな日本文化の取材・原稿執筆を経た後、現在ではフリーランスの編集者として、「プレミアムジャパン」では未生流笹岡家元の笹岡隆甫さんや尾上流四代家元・三代目尾上菊之丞さんの記事、「星のや」滞在記などを担当する。京都には長年にわたり幾度となく足を運んできたが、日本文化方面よりも、むしろ居酒屋方面が詳しいとの噂も。
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Features
深遠なる“藍”の世界へ
2025.11.14
銀座・和光で開催「福本潮子 ―藍の海―」
「藍の海」一部切り抜き画像 (撮影:来田 猛 Koroda Takeru)
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銀座・和光セイコーハウスホールでは、2025年11月27日(木)から12月7日(日)まで、藍染作家・福本潮子による展覧会「福本潮子 ―藍の海―」を開催。深遠な藍の世界を探求し、国内外で高い評価を受ける福本氏にとって、和光での展覧会は今回が初めてとなる。
「藍の海」 木綿漁網 (撮影:来田 猛 Koroda Takeru)
「交差する青 -1」 亜麻 220×200cm(撮影:来田 猛 Koroda Takeru)
木綿や麻などの自然素材に、日本の藍が持つ奥行きのあるグラデーションを重ねる福本氏。その作品は、見る人の心に深く沈み込み、国境を越えて深い感動を呼び起こしてきた。
「銀河」 苧麻(開田高原麻) 200×180cm (撮影:来田 猛 Koroda Takeru)
「世界中の藍で一番美しい藍は日本の藍。その特色は、ブルーの豊かなグラデーションです」と語る福本氏。本展では、250メートルもの木綿の漁網を染めたインスタレーション「藍の海」をはじめ、「交差する青 -1」「銀河」「対馬 -Ⅻ」など、藍の多様な表現を体現する作品を展示。波打ち際を思わせる美しいジャパンブルーの濃淡が、空間全体を静かに包み込む。
「対馬 -Ⅻ」 大麻・木綿 223×92cm(撮影:来田 猛 Koroda Takeru)
会期中は、福本氏本人が在廊する日も予定。また11月29日(土)14時からは、美術評論家・森孝一氏とのギャラリートークも開催。作家の言葉を通じて、“ジャパンブルー”の美と哲学に触れられる貴重な機会となるだろう。
◆「福本潮子 ―藍の海―」
【会期】2025年11月27日(木)~12月7日(日)
※作家在廊予定日:11月27日(木)、29日(土)、30日(日)、12月6日(<wbr />土)、7日(日)
【会場】セイコーハウスホール(東京都中央区銀座4-5-11 セイコーハウス 6階)
【営業時間】11:00~19:00(最終日は17:00まで)
【休業日】無休
【入場料】無料
【お問い合わせ】tel. 03-3562-2111(代表)
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