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栗下直也の東京酔歩 偉人と歴史の裏路地
2026.7.20
第三回 水道橋「かつ吉」 筋トレを一年間しても何も変わらないので、三島由紀夫がジムの後に通った店で肉を食ってきた
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経済記者出身でありながら、なぜか酒にまつわる執筆が多い栗下直也。そんな栗下が、かつての偉人たちが愛した酒場を訪ね歩く。政治家や文豪、実業家たちはどんな酒を飲み、何を語り、どのように夜を楽しんでいたのか。実際に店を訪れ、その酒と歴史を味わいながら、偉人たちの日々を垣間見る“大人の酒場紀行”である。
第三回は文豪の三島由紀夫や川端康成が通った、水道橋のかつ吉である。
筋トレ一年、変化ゼロ
誰にも言っていないが、この一年ほどジムに通っている。パーソナルトレーナーがついている、ちゃんとしたジムだ。だが、誰にも気づかれない。誰にも言っていないから「筋トレしてるんですね」と言われないのかもしれないが、考えてみれば、誰にも言っていなくても、外見が変われば「なんか締まりました?」とも言われるものだ。何も言われないということは、何も変わっていないのである。
実際、体重は横ばいで、筋肉はほとんど増えていない。トレーナー氏いわく、食べ物が大事らしい。酒を飲みすぎるな、たんぱく質を摂れと何度もご助言をいただいた。ごもっともである。ごもっともであるが、酒は飲みすぎているし、肉よりも糸こんにゃくを食べている。
何だか、もはや中年どころか初老のぼやきであるが、そもそも、二十年近くまともに運動していない人間が「運動後はたんぱく質を」などと言われても、運動しただけでヘロヘロなのだ。たんぱく質どころか糸こんにゃくも勘弁願いたいし、プロテインは胃腸が弱いのであまり飲みたくない。卵をぐびぐびジョッキで飲んだり、トレーニングのあとにステーキを食ったりはユーチューバーに任せておけばいいのである。あんなものはパフォーマンス以外の何物でもないだろう――そう思っていたら、ある偉人を思い出した。
三島由紀夫である。
文豪、バーベルを握る
三島がボディービルを始めたのは昭和三十年、三十歳のときだ。身長一六四センチ。細身のインテリ作家が「自分に欠けているのは肉体だ」とばかりにバーベルを握った。やがて通うようになったのが後楽園のジムである。競輪場の一角に昭和二十八年に開かれた、日本で最も古いボディービルジムのひとつだ。当時は「インテリが筋肉なんて」という偏見すらあった時代である。ノーベル賞候補にもなった文豪が、水道橋で汗だくになってバーベルを上げ下げしていたのだ。
三島は、鍛えたあとに肉を食った。その店が、ジムから目と鼻の先、今も水道橋にある。とんかつの「かつ吉」だ。鍛えて、歩いて、食う。動線として、これ以上ないほど正しい。
地下に広がる古民家
JR水道橋駅の東口を出て、白山通りの向こうに東京ドームシティを眺めながら歩くこと数分。全水道会館というビルの地下一階に、かつ吉水道橋店はある。ビルの地下と聞いてチェーン店的な店内を想像して階段を降りると、面食らう。古材と骨董に囲まれた、古民家がまるごと一軒、地下に埋まっているような空間が広がっている。壁一面の蕎麦猪口をはじめ、並ぶ骨董はおよそ二千点。玉川上水で実際に使われていた水道木管まで店の造作に使われている。水道橋の地下に水道管。出来すぎである。
階段を降りた先にある、玉川上水の水道木管。
柔道の神様と呼ばれる、三船久蔵氏の書。
創業は昭和三十七年。創業者の吉田吉之助は信州・安曇野の育ちで、旧制松本中学を出て、戦後、満州から引き揚げ、古道具屋などを経てこの店を開いたという。店内の骨董趣味は古道具屋時代の名残りだろう。
平日の夕方、まずはハイボール。筋トレはしていないが、水道橋駅ではなく東京メトロ後楽園駅からここまで十分ほど歩いてきたのだから運動後といえなくもない。運ばれてきた一杯をぐいとやると、濃い。むせるくらい濃い。断っておくが、「濃い目で」と頼んだわけではない。普通に頼んでこの濃さというのは、日本ハイボール党の党首である私でもあまりお目にかかれるものではない。とんかつ屋の顔をして、なかなかの曲者である。
メニューを開くと、とんかつ屋なのにステーキ、ハンバーグ、旬の魚と、想像より守備範囲が広い。濃すぎるハイボールにはすぐに出てきそうなつまみが必須なので刺身の盛り合わせをチョイス。肉料理は迷った末に、大皿盛りの「松」。ひれかつ、特大天然海老フライ、海老かつに、三島ゆかりのステーキまで一皿にのってくる。この店の看板を一枚で総ざらいできる代物だ。トレーナー氏に見せたいくらいの、たんぱく質の布陣である。
富士山麓(ハイボール)。
メニューの一部。
デミグラスを醤油に変えた男
この店のステーキには、三島がらみの逸話がある。ソースは、もともとデミグラスだった。それが三島の提案がきっかけで醤油ベースに変わり、その味が現在まで受け継がれている。洋食風の王道ソースを、常連の一言で和の味に切り替え、しかも半世紀以上守り続ける。言い出した客も客だが、受けて立った店も店である。鍛えた体で通い詰めた末に、店の看板の味まで変えてしまう。常連の最高到達点と言っていい。
常連は三島だけではない。創業者の吉之助と懇意だった川端康成もこの店の味を愛した。ちなみに、三島は、ボディービルを始めて間もない昭和三十一年、創刊されたばかりの「週刊新潮」にビル仲間の募集告知を出している。条件は「キャシャな小説家に限る」。しかも会長は川端康成氏にお願いしたいとまで書いた。会員は当時、三島ただ一人である。のちのノーベル賞作家を筋トレサークルの会長に担ごうとした男と、担がれかけた男が同じとんかつ屋の常連になったわけだ。
もっとも、この店に残る逸話は、文豪絡みばかりではない。近くの競輪場ですってんてんになった客が子連れで現れると、黙って飯を食わせてやった、という創業者の逸話も残っている。文豪にも一文無しにも、同じように旨いものを出す。いい店だ。
箸で切れるとんかつと、醤油のステーキ
やがて運ばれてきたのは、堂々たる大皿である。数種類のかつがずらりと並び、その脇に醤油味のステーキが数片。骨董の器に盛られて、涼しい顔で鎮座している。まずはステーキから箸を伸ばす。醤油の香ばしさが鼻にくる。洋食の顔をしているのに、味の芯は完全に白飯の側に立っている。なるほど、これは三島が正しい。濃いハイボールにも負けない味だが白飯をかき込みたくなる味でもある。とはいえ、筋トレに白飯の食いすぎは禁物らしい。いまさら気にする体でもないが、さすがに白飯は頼まなかった。酒はしっかり飲んでいるくせに、守るところがそこなのかと突っ込まざるをえない。
続いてかつ。かつ吉のとんかつは、低温の油で「煮るように」じっくり揚げるのが流儀で、揚げ時間は二十分を超えるという。せっかちな人は頼んではいけない。その代わり、出てきたかつは箸で切れる。衣はさっくり、中の肉はふんわりと甘い。盛り合わせだから一切れごとに表情が違って、ゆっくり火を通された肉が口の中でほどけていくーと書くといかにも食通のようだが、実際には夢中で食っているだけで、ほどけているのか噛み切っているのか、よくわかっていない。わかっているのは、旨いということと、ソースもいいが塩でいくと肉の甘さがよくわかるということ。そして、ハイボールは相変わらず濃いが、気がつけば三杯目だ。あの濃さで、三杯目である。筋トレをしていないのにたんぱく質とアルコールだけが着々と摂取されていく。
国産銘柄豚ひれかつ、特大天然海老フライ、海老かつ、和牛ヒレステーキなど。
おかわり自由のキャベツと漬物。
お刺身三点盛り。
三島は鍛えたあとにここで肉を食った。運動と栄養。理屈としては完全に正しい。彼のその情熱がやがてどこにいったのかについては、酒の連載であるのでここでは書かない。ただ、地下の骨董に囲まれてかつを食べていると、バーベルを置いた文豪が階段を降りてくる姿くらいは、ちょっと想像してもいい気になる。
店を出ると、日が暮れていた。白山通りの向こうで、東京ドームシティの灯りがまたたいている。三島が通ったジムがあったのは、あのあたりだ。ジムも競輪場も、とうに消えた。いまは観覧車の回る遊びの街である。それでも、通りのこちら側では、かつ吉が半世紀前と変わらず、かつを揚げている。文豪は、鍛えてから食った。私は、食っただけである。順番の問題ではない気もするが、とりあえず糸こんにゃくよりは前進である。
余談だが、翌日、別の飲み屋でハイボールを頼んだら、水かと思った。いや、店に罪はない。かつ吉の一杯が基準になってしまっただけで、普通の濃さなのだろうが、その晩は「濃い目で」「すみません、もっと濃い目で」とひたすら連呼するはめになった。とんかつ屋に酒の基準を狂わされるとは思わなかった。恐るべし、水道橋。違うか。
本日のおすすめ
大皿盛り松<2人前>
国産銘柄豚ひれかつ、特大天然海老フライ、海老かつ、和牛ヒレステーキなど 6,700円
お刺身三点盛り 1,480円
富士山麓(ハイボール) 500円
店舗情報
かつ吉 水道橋店
住所:東京都文京区本郷1-4-1 全水道会館ビルB1
電話:03-3812-6268
営業時間:平日11:00~15:30/17:00~22:30、土11:00~22:30、日祝11:00~22:00
※営業時間・価格は変更の場合があるため、店舗にお問い合わせください
アクセス:都営三田線 水道橋駅 A1出口 徒歩約1分
JR総武線 水道橋駅 東口 徒歩約3分
栗下直也 Naoya Kurishita
1980年生まれ、東京都出身。著述業、書評家。横浜国立大学大学院国際社会科学研究科経営学専攻修了後、専門誌をへて独立。経済記者出身でありながら、なぜか酒がらみの文章が多い。著書に『人生で大切なことは泥酔に学んだ』(左右社)『偉人の生き延び方 副業、転職、財テク、おねだり』(同)、『政治家の酒癖 世界を動かしてきた酒飲みたち』(平凡社新書)、『得する、徳。』( CEメディアハウス)がある。
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界で巡る、温泉と土地を味わう2泊3日のゆっくり旅
2026.7.21
涼風に癒される山岳温泉と上高地の旅~界 奥飛騨 避暑旅2泊3日
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取材/文:中嶋千祥(Premium Japan編集部)
都会の暑さを離れ、北アルプスの涼風に迎えられる奥飛騨温泉郷へ。平湯温泉に佇む「界 奥飛騨」は、豊富な湯量を誇る名湯と、飛騨の文化を取り入れた滞在が魅力の温泉宿です。そして、実は上高地へのアクセスがよいことは、まだあまり知られていません。朝は上高地で清々しい空気の中をハイキングし、午後は宿に戻って温泉でゆったりと過ごす。そんな贅沢な時間を叶えてくれるのも、この宿ならでは。北アルプスの自然と温泉を満喫した2泊3日の旅をご紹介します。
◆界 出雲&界 玉造 出雲大社、日御碕神社、八重垣神社など出雲路の開運スピリチュアルスポットと温泉旅はこちらへ
<u>運も肌も整う島根旅|界 出雲と界 玉造で巡る開運パワースポットと温泉2泊3日</u>
◆界 加賀で味わう金継ぎ、九谷焼、加賀獅子舞……山代温泉でのんびり2泊3日の旅はこちらへ
<u>温泉と加賀文化を体験|界 加賀 2泊3日で巡る山代温泉の魅力</u>
◆北海道の森と湖に抱かれ、アイヌ文化に触れ、モール温泉でくつろぐ2泊3日旅はこちらへ
猛暑から逃れて北海道の森と湖へ。界 ポロトで過ごす涼やかな2泊3日旅
「界 奥飛騨」北アルプスに抱かれた山岳温泉の宿
早朝に東京・バスタ新宿を出発した高速バスは、約4時間半かけて北アルプスの麓、平湯温泉へと向かいます。高速道路を降りると、やがてバスは山道を進み、窓の外には北アルプスの山々と深い緑が広がります。標高が上がるにつれて空気は次第に涼しくなり、平湯温泉バスターミナルに降り立つ頃には、都会の暑さはすっかり遠いものになっていました。小さな平湯温泉街を歩くこと約3分。「界 奥飛騨」が姿を現します。
「山岳温泉にめざめ、飛騨デザインに寛ぐ宿」をコンセプトにした「界 奥飛騨」。北アルプスの自然と飛騨の文化を感じる温泉宿です。
「界 奥飛騨」の中庭を流れる湯の川。北アルプスの自然に囲まれながら、離れに併設された足湯なども楽しめ、奥飛騨温泉郷ならではの豊かな湯の恵みを感じられます。
飛騨の木工文化を現代的に表現した「界 奥飛騨」のフロント。木の温もりを感じる空間には、飛騨デザインの美意識が随所に息づいています。
中庭側から見た湯小屋棟。館内だけで完結するのではなく、棟から棟へ歩いて巡る造りも「界 奥飛騨」の魅力。平湯温泉街に溶け込むような滞在が楽しめます。
ご当地部屋 「飛騨MOKU(もく)の間」木の香ただよい匠の技が光る
「界 奥飛騨」ならではのご当地部屋「飛騨MOKUの間」は、飛騨の木工文化と職人の技を感じる客室です。古くから良質な木材に恵まれ、「飛騨の匠」と呼ばれる職人たちが木と向き合ってきたこの土地。その歴史を受け継ぐように、室内には木の質感や美しい曲線を生かしたデザインが取り入れられています。なかでも目を引くのは、飛騨木工の伝統技術「曲木(まげき)」をイメージしたヘッドボード。やわらかな曲線が、客室全体を包み込み、安らぎを生み出しています。飛騨春慶の艶やかな色彩や、木工細工を取り入れた装飾など、随所に飛騨ならではの美意識が息づいています。窓の外には奥飛騨の山々と豊かな緑。客室にいながら、木と自然に包まれるような静かな時間を過ごせます。
木の香りがただよう、やわらかな曲線が印象的な「飛騨MOKUの間」。木の質感や温もり、飛騨の匠の美意識を感じる空間です。温かな灯りと木の表情が調和し、穏やかな滞在時間を演出しています。
広々とした露天風呂スペースには、大きな湯舟とデイベッドを配置。好きな時間に温泉を楽しみ、湯上がりものんびり過ごせる、連泊したくなる客室です。
「連泊おこもりセット」では、ランチタイムに特製の「昼餉弁当」がお部屋に届きます。
2泊3日のおこもり旅を楽しみたい方には「連泊おこもりセット」もおすすめです。特製の「昼餉弁当」が客室に届き、外出せずに気ままな時間を過ごせます。さらに、飛騨の木工文化に触れられる「組子手づくりキット」も用意。木片を千鳥格子に組み上げ、自分だけのコースター作りを楽しめます。
奥飛騨温泉郷・平湯温泉の湯を満喫する「界 奥飛騨」の温泉時間
奥飛騨温泉郷の中でも、最も古い歴史を持つといわれる平湯温泉。焼岳の火山活動によって育まれた湯は、今も豊かに湧き続け、山あいの温泉地を潤しています。「界 奥飛騨」の大浴場があるのは、湯小屋棟。部屋を出て、湯の川が流れる中庭を抜け、湯へ向かう。そのわずかな時間にも、北アルプスの風や木々の気配を感じます。
湯小屋棟に足を踏み入れると、聞こえてくるのは静かな湯音。内湯には、ゆっくり長く浸かれる「ぬる湯」と、体の芯まで温まる「あつ湯」の2つの湯舟があります。その先に広がるのは、奥飛騨の雪景色から着想を得た露天風呂。昼は澄んだ空を、夜は星空を見上げながら、山岳温泉の恵みを感じる時間が流れます。
豊富な湯量を誇る平湯温泉を引く大浴場。内湯にはあつ湯とぬる湯の2つの湯舟を備え、その奥には自然を感じられる露天風呂も。山岳温泉ならではの湯浴みを楽しめます。
奥飛騨の豪雪地帯ならではの「雪の回廊」を表現した露天風呂。丸みを帯びた白い壁に包まれ、見えるのは空だけ。静かに響く湯音とともに、山岳温泉ならではのひとときを味わえます。
「界」では、地域ごとに受け継がれてきた温泉文化に触れる体験「温泉文化いろは」を用意しています。「界 奥飛騨」では、焼岳の恵みによって育まれた平湯温泉がテーマ。足湯に浸かりながら、豊富な湯量を誇る平湯温泉の歴史や、古くから伝わる湯花祭の文化について学びます。締めくくりには、源泉で茹でた名物「はんたい玉子」を味わうひとときも。奥飛騨温泉郷ならではの魅力に触れる時間です。
「温泉文化いろは」で温泉のことを学んだあとは、源泉でつくる温泉たまご「はんたい玉子」を食べに温泉街へと歩いていきます。黄身は固まっているのに白身は半熟になっているから「はんたい玉子」なんです。不思議!
奥飛騨の山の恵みを味わう「飛騨牛の玄武焼き会席」
夕食は、飛騨を代表する味覚を楽しむ季節の会席「飛騨牛の玄武焼き会席」。飛騨地方に伝わる郷土料理や旬の食材を取り入れながら、土地の食文化を感じられる会席料理です。始まりは、大豆をすりつぶして作る飛騨の郷土料理「すったてと牛しぐれ」。続く宝楽盛りには、季節を映した品々が美しく並び、ひと皿ごとに異なる味わいを楽しめます。そして会席の主役となるのが、台の物「飛騨牛の玄武焼き」。飛騨牛は、溶岩焼きと朴葉味噌焼きの2種類で味わいます。熱した溶岩プレートの上で肉が焼ける音、朴葉から立ち上る味噌の香ばしい香り。目の前で仕上げながら、飛騨牛の旨みを五感で楽しめる一品です。
飛騨地方の郷土料理「すったて」を取り入れた先付。「すったて」は大豆をすりつぶして作られる伝統の味。牛しぐれとともに、飛騨の食文化に触れる会席が始まります。飾られているのは代情(よせ)山彦人形。北アルプスの山並みを表した人形は、開運厄除を祈念して作られています。
器の中に季節を映す宝楽盛り。合鴨ロース 牛蒡味噌、海老と青菜の松風、稚鮎 煎り酒、丸十おかき揚げなど、ひと品ごとに異なる味わいと食感を楽しめます。
会席の主役となる「飛騨牛の玄武焼き」。溶岩プレートで焼く飛騨牛本来の旨み、朴葉味噌をまとった香ばしい味わい、その違いを食べ比べできます。
会席料理をより深く味わうアルコールペアリング。先付から甘味まで5品に合わせて、界スタッフが日本酒やワインなどをセレクト。飛騨の食文化と土地のお酒の魅力を一緒に楽しめます。
会席の締めくくりは「みたらし真珠麿(ましゅまろ)」。香ばしく焼いたマシュマロに、みたらしの甘じょっぱいタレを合わせ、黒ゴマ風味のアイスクリームや竹炭を練りこんだクッキー とともに味わいます。
「界 奥飛騨」から上高地へ。山岳温泉宿だから叶う北アルプスの休日
実は「界 奥飛騨」が位置する平湯温泉は、上高地へのアクセスに優れた場所。北アルプスの自然を満喫したあと、宿へ戻れば平湯温泉の湯が待っている。山歩きと温泉、どちらも楽しめるのが「界 奥飛騨」に連泊する魅力です。今回の旅ではプライベートガイドにアテンドをお願いし、上高地をゆっくり楽しむことに。朝9時に「界 奥飛騨」を出発し、タクシーで上高地へ向かいます。
タクシーで上高地へ向かう途中、大正池に立ち寄りました。言葉をなくし、ただ眺めているだけで心がいっぱいになりました。
最初に訪れた大正池では、目の前に広がる景色にしばらく足が止まりました。静かな水面、その向こうにそびえる穂高連峰。山々が水鏡のように映り込み、上高地が特別な場所と呼ばれる理由を感じます。その後、上高地バスターミナルへ移動し、多くの人で賑わう河童橋へ。世界中から訪れた人々が、橋の上で足を止め、山並みを見つめ感歎しています。この眺めだけでも眼福なのですが、上高地の本当の魅力は梓川沿いを歩いてこそ。初心者でも楽しめるよう散策路が整備されており、北アルプスの自然をすぐそばに感じながら歩くことができるのです。
五千尺キッチン
ここでショートブレイク。河童橋の目の前にある「五千尺キッチン」でひと休みしました。窓際のカウンターは河童橋と穂高連峰、焼岳が一望できる特等席です。名物の山賊定食(2,180円)、焼岳溶岩ハヤシオムライス(2,980円)などが楽しめるカジュアルダイニングです。 gosenjakukitchen.jp
梓川左岸道からハイキングへ
いよいよハイキングへ。河童橋から梓川左岸道約2.5キロを、明神橋を目指して歩き出しました。小梨平キャンプ場を通り過ぎると、森の中は初夏の訪れを喜ぶように、木々の緑が日差しを受けてきらめいています。途中、小川が勢いよく梓川へと注ぎ、その透明な流れに心まで洗われていくよう。歩いては立ち止まり、清流の音に耳を澄ませ、水の美しさに目を奪われながら、ゆっくりと進んでいきます。上高地の魅力、それはただ目的地を目指すのではなく、立ち止まって目を、耳を、研ぎ澄ますひとときを持つことなのだと、歩き始めて気が付きました。
透き通った川に揺らめく美しい梅花藻。ただ美しく、ただ清冽で、言葉をなくす瞬間。
河童橋から2.5キロ、明神橋までやってきました。途中、風景を楽しみつつ、ゆっくり歩いて1時間くらいです。
穂髙神社奥宮
海神穂高見命を御祭神とする穂髙神社奥宮。上高地明神池のほとりに祀られています。神聖な雰囲気を湛える一の池は、伏流水が常に湧き続けているため、真冬でも全面凍結することがないそう。海神穂高見命は北アルプスの総鎮守、海陸交通の守り神、結びの神として信仰を集めています。https://hotakajinja.com/okumiya/
山のひだや カフェ・ド・コイショ
明神池からすぐの 山のひだやカフェ・ド・コイショ。山小屋の中にランプのあかりが灯る、クラシックな雰囲気が魅力。ひだやオリジナルブレンド焙煎コーヒー、パティシエール中谷衣里さんがつくるオリジナルケーキが大人気です。上高地ハイキングの途中にぜひ立ち寄りたいカフェです。https://yamano-hidaya.com/
明神池からは、梓川右岸道を通って河童橋へ戻るコースへ
行きの左岸道とはまた違い、右岸道には湿原や木道が続き、より深い森の中へ足を踏み入れるような趣があります。澄んだ水が流れる岳沢湿原では、立ち枯れの木々や水辺の植物が織りなす幻想的な風景に出合えます。森の気配や水音を感じながら歩いていると、2時間ほどの道のりもあっという間。上高地を歩いて実感したのは、河童橋の眺めだけで満足して帰ってしまうのは本当にもったいないということ。少し足を延ばして、梓川沿いをハイキングすれば、自然が見せてくれる美しさや荘厳さに圧倒されて、もっと上高地を好きになる。そんな経験になりました。
上高地を代表する景勝地の一つ、岳沢湿原。清らかな湧水と立ち枯れた木々が織りなす風景は、どこか神秘的な趣をたたえています。
界 奥飛騨に泊まって楽しむ、新しい上高地旅のスタイル
このツアーの魅力は、朝9時に出発し、午後2時半頃には「界 奥飛騨」へ戻れること。上高地をたっぷり楽しみながらも、混雑のピークを避けて戻れるので、午後の時間もゆったりと過ごせます。そして何よりうれしいのは、宿に戻れば平湯温泉の湯が待っていること。北アルプスの自然を歩いた後は、温泉に浸かり、湯上がりに冷えたビールを一杯、そんな贅沢な過ごし方も叶います。上高地を歩き、山岳温泉で寛ぐ。「界 奥飛騨」を拠点にするからこそ楽しめる、新しい上高地旅のスタイルです。
今回ガイドを担当してくださったのは、Raicho.inc の内山雄斗さん。正直なところ、インドア派の私は、内山さんのガイドがなければ河童橋だけを見て満足し、そのまま帰っていたかもしれません。しかし、一歩歩き始めると、上高地の自然が生まれた背景や歴史、この土地ならではの見どころを丁寧に解説してくださり、その景色が何倍にも魅力的に感じられました。参加者一人ひとりの歩くペースや体調にも細やかに気を配ってくださるので、無理なく安心して散策を楽しめたのも印象的です。私がこれほどまでに上高地を満喫できたのは、内山さんのガイドがあったからこそ。ガイドツアーはぜひ参加していただきたい体験です。
なお、「界 奥飛騨」の宿泊者は、Raicho.incのウェブサイトにあるお問い合わせ窓口から直接申し込むことで、夏の上高地ガイドを個人で手配することも可能です。上高地の魅力をより深く味わいたいなら、ぜひ利用をおすすめします。https://activity.raichoinc.jp/
飛騨の文化に触れるアクティビティ。「界 奥飛騨」で過ごす豊かな時間
2泊3日の滞在だからこそ楽しみたいのが、宿で過ごす時間。「界 奥飛騨」では、飛騨に受け継がれてきた木工文化や、木の香りに触れる体験も用意されています。温泉や食、上高地だけではない、奥飛騨という土地の魅力をゆっくり味わえるひとときです。
ご当地楽「飛騨の匠体験」
ご当地楽「飛騨の匠体験」は、1300年以上の歴史を持つ飛騨の匠の技に触れる体験です。飛騨の木工文化を学んだあと、実際に木を曲げ、界オリジナルの風呂敷に合わせて使える曲木のバッグハンドルを作ります。実はこのアクティビティに興味津々だったのです。それは各地の界を旅するごとに、界オリジナルの風呂敷をどうやって活用しようかと思案していたから。バッグなら大浴場やお食事に行く際にぴったり。楽しい体験でした。
「ブレンドオイル体験」
さまざまな精油から3種類を選び、自分だけの香りを作る「ブレンドオイル体験」。ローズマリーシオネールやベルガモット、クロモジなど個性豊かな香りを確かめながら、好みの組み合わせを探します。私はスイートオレンジ、ゼラニウム、ラベンダーアルパインをチョイス。さわやかで明るい気分にさせてくれる香りに仕上がりました。最後に自分だけの香りに名前を付けます。私は「清風」と名付けました。
旅が終わっても続く楽しみ。「界 奥飛騨」セレクトのお土産
旅の最後に楽しみたいのが、「界 奥飛騨」のショップでのお土産選び。飛騨の文化や自然、職人の手仕事を感じる品々が並びます。滞在中に触れた土地の魅力を、日常へ持ち帰ることができるのも「界」の旅の楽しみです。
写真左から、雉子舎の「一輪挿し 平タイプ」(3,630円)、osio craftの「木と真鍮の一輪挿し」(8,800円)、お山からこんにちわの「胡桃カゴバッグM」(37,400円)。いずれも「界 奥飛騨」のスタッフが選んだ、地元の作家による手仕事の品々。飛騨の自然や暮らしから生まれた、温もりあるものづくりに触れられます。
「界 奥飛騨」オリジナルの「野草グラノーラ入り味噌煎餅」(5枚入り1,200円)。昔ながらの味噌煎餅に、野草グラノーラが意外な出会い。客室のお茶菓子としても提供されており、滞在の思い出を持ち帰れる一品です。
北アルプスの自然と温泉に癒される。「界 奥飛騨」で過ごす新しい避暑旅
「界 奥飛騨」のある平湯温泉は、夏でも30度を超える日がほとんどないという冷涼な気候が魅力です。澄んだ空気、豊かな湯量を誇る温泉、そして昔ながらの風情が残る小さな温泉街で、都会の暑さを忘れるような時間を過ごせます。そして今回改めて感じたのは、「界 奥飛騨」を拠点にすることで広がる上高地の楽しみ方。朝からゆっくりハイキングを楽しみ、宿に戻れば名湯・平湯温泉の湯が待っている。上高地を日帰りで訪れるだけではない、山岳温泉宿ならではの旅のスタイルがありました。夏は北アルプスの涼風に包まれ、冬には一面の白銀に染まる奥飛騨へ。季節を変えて、また訪れたくなる場所です。
◆界 奥飛騨
北アルプスの名峰に囲まれ、溢れんばかりの湯量が魅力的な界 奥飛騨。コンセプトを「山岳温泉にめざめ、飛騨デザインに寛ぐ宿」とし、山あいの温泉の良さに気づくきっかけや、飛騨の匠の技を随所に感じる、モダンでアーティスティックな宿です。
界 奥飛騨 2泊のすすめ
温泉を存分に楽しみ、心身ともにリフレッシュするには1泊ではもったいない。ゆっくりのんびり滞在する2泊3日をおすすめ。心ゆくまで旅の時間を楽しむ連泊滞在をご提案します。
界 2泊のおすすめ https://hoshinoresorts.com/ja/brands/kai/sp/renpaku_kai/
◆界ブランドとは
界は、星野リゾートが運営する日本初の温泉旅館ブランドです。現在、全国 24か所に展開しており、今後数年かけて日本有数の温泉地に約 30 か所展開し、日本旅の拠点となることを目指しています。「王道なのに、あたらしい。」をテーマに趣のある心地よく快適な空間で、ホスピタリティ溢れるスタッフが旅の醍醐味である「地域」や「季節」へこだわり、その土地ならではの旅の提案をするブランドです。
photos by Makiko Nawa
text by Chisa Nakajima
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ひんやり涼やかな「だし和え麺」
2026.7.19
四季のだし料理を味わう「御食事 茅乃舎」から夏メニュー登場
だし和え麺 牛しぐれ 1,800円
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「茅乃舎だし」で知られる久原本家が手がける「御食事 茅乃舎」。「季節に寄り添う、だし料理」をコンセプトに、四季折々の味覚を生かした料理を提供する同店から、夏限定の「だし和え麺」が登場。
だし和え麺 豚しゃぶ 1,500円
暑い季節にぴったりの冷たい「だし和え麺」は、茅乃舎自慢のだしを麺に和えることで、冷たくてもうまみが際立つ新しいメニュー。さらに、好きなだしと麺、具材を選び、自分好みの一杯を味わえるのも魅力だ。
だし和え麵 蒸し鶏 1,400円
有料トッピング
だしは、茅乃舎だしをはじめ、鶏だし、椎茸だし、かつおだし、昆布だし、煮干しだしから選択可能。麺は中華麺、うどん麺、こんにゃく麺。具材は、牛しぐれ、豚しゃぶ、蒸し鶏、彩り野菜のほか、追加の有料トッピングも豊富に用意。生七味や柚子胡椒など無料のトッピングを合わせれば、味わいの変化も楽しめる。
無料トッピング
秋には温かな和え麺、冬には鍋、春には芽吹きの季節を感じる料理が登場する予定。伝統的なだしの知恵を生かしながら、その季節ならではのおいしさを届ける「御食事 茅乃舎」。何度でも足を運びたくなる一軒となりそうだ。
◆御食事 茅乃舎
【住所】東京都港区赤坂9-7-4
【営業時間】11:00~21:00(L.O. 20:30)
【定休日】館の営業に準ずる
【TEL】03-3479-0880
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ザ・リッツ・カールトン東京「ニナ ザ・リッツ・カールトン東京」夏メニューが登場
2026.7.17
世界最高峰のパティシエ、ニナ・メタイエの味を堪能
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ザ・リッツ・カールトン東京のパティスリー「ニナ ザ・リッツ・カールトン東京」から、旬の果実を取り入れた夏の新メニューが登場。6月よりテイクアウトも本格始動し、2024年に「世界最優秀パティシエ」に選ばれたニナ・メタイエ氏が手がける芸術的なスイーツを、自宅でも楽しめる。
ニナ・メタイエ氏
2026年4月にオープンした「ニナ ザ・リッツ・カールトン東京」は、世界で活躍するトップパティシエ、ニナ・メタイエ氏による日本初のパティスリー。「⾃然や季節の移ろい」から得たインスピレーションを、圧倒的なデザインへと昇華させたスイーツは、世界中の美食家を魅了している。
エレガンスショコラ 1,600円(イートイン)、2200円(テイクアウト)
シャインマスカットタルト 1,500円(イートイン)、2,000円(テイクアウト)
夏の新作は、ヴィーガン仕立ての「エレガンス ショコラ」、みずみずしい果実を主役にした「シャインマスカットタルト」や「桃とミントのパブロバ」、華やかな「ブラックベリーとラベンダーのフラワーケーキ」などがラインナップ。イートイン限定では、見目麗しい「無花果と桃のパルフェ」も楽しめる。
無花果とアーモンドのフィギエ 12cm 8,400円、15cm 10,200円
ほうじ茶と⽊苺のロールケーキ 4,700円
テイクアウトには、シグネチャーカラーの赤を基調としたエレガントなボックスを用意。ペストリーだけでなく、ホールサイズの「無花果とアーモンドのフィギエ」や「ほうじ茶と木苺のロールケーキ」なども持ち帰ることができる。
無花果と桃のパルフェ 2,900円(イートイン)
世界最高峰のパティシエが生み出すスイーツの数々。店内でゆったりと味わうのはもちろん、自宅や手土産で、その世界観を堪能してみてはいかがだろうか。
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子どもの学びも、大人の贅沢時間も。「帝国ホテルの夏休み 2026」
2026.7.9
パフェ作りやビアプラン、夏祭りイベントなど多彩なプログラムを開催
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帝国ホテル 東京では、子どもの学びと大人のくつろぎをテーマにした「帝国ホテルの夏休み 2026」を開催する。親子で参加できる体験型イベントから、大人がゆったり過ごせる季節限定プランまで、多彩なコンテンツが登場する。
8月の1カ月間開催されるのが、今年で開店 55 周年を迎えるホテルショップ「ガルガンチュワ」の記念企画「ガルガンチュワ王を探せ」。館内15カ所に隠されたガルガンチュワ王のシルエットを5カ所以上見つけると、ガルガンチュワ店頭でオリジナルグッズをプレゼント。さらにそのグッズを提示すると、8月末まで一部商品を優待価格で購入できる。
7月28日(火)と8月6日(木)には、ホテルのパティシエとともに世界に一つだけのオリジナルパフェを作る「手作りパフェに挑戦」を開催。ランチとともに、ホテルならではの特別な食体験が楽しめる。
大人向けには、プレミアム生ビール「白穂乃香」を含む4種類の生ビールやビアカクテルを90分間楽しめるフリーフロープラン「AWAホール」を用意。ビールに合うフードやボードゲームとともに、夏の夜をゆったり満喫できる。
8月1日・2日に開催される恒例の「バイキングの日」は、「夏祭り」をテーマに店内に屋台が登場。飴細工のパフォーマンスや生演奏(ディナータイム限定)、カプセルトイのほか、帝国ホテル 京都のオリジナルカクテル「弥ひらき」や限定メニューも登場。世代を超えて楽しめる特別な2日間となる。
子どもたちには学びと発見を、大人には上質なくつろぎを。世代を問わず、思い出に残る夏のひとときを過ごせそうだ。
◆手作りパフェに挑戦 ~帝国ホテルでパティシエ体験~
【日程】7月28日(火)、8月6日(木)
【料金】大人12,000 円(ランチ料金)
子ども(4歳~12歳)8,900 円(ランチ、パフェ作り体験料金)
【時間】11:00~13:00 11:00 お食事開始 / 12:00 パフェ作り開始
【予約】電話にて受付。TEL 03-3539-8187
※各日、子どもの予約人数が8名様に達し次第受付終了。
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