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2025.10.23
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鹿児島の「宝」を巡る旅
2025.10.23
注目の自然派コスメを生み出す、鹿児島のボタニカルガーデンと工房を訪ねて
鹿児島のボタニカルガーデンで栽培されている何種類ものハーブが、自然派コスメの原料となる。写真は「ヴィーナスターオーガニクス」が手掛ける、ダマスクローズや月桃などを用いた化粧水など。(価格等の詳細は後述)
温暖な気候と豊かな自然が残る鹿児島は、ハーブや花々を栽培するボタニカルガーデン(植物園)が多い。自社農園で栽培したハーブなどを用いてナチュラルコスメやアロマオイルなどを作る工房も幾つか存在する。なかには、自社ブランドのみならず、大手コスメメーカーから委託を受けて生産し原料を提供する、いわゆる「OEM」を行っている工房も。つまり、それだけ鹿児島で作られる製品のクオリティが高いということに他ならない。今回の「南の宝箱 鹿児島」を巡る旅では、こうした自然派コスメに携わる「開聞山麓香料園」「ヴィーナスターオーガニクス」そして「ボタニカルファクトリー」の3つの工房や自社農園に足を運んだ。
開聞山麓香料園
80年以上の歴史を持つ、日本で最初のハーブ園
薩摩半島の南端に位置し、美しい稜線を見せる開聞岳(かいもんだけ)。薩摩富士とも称される優美な山の麓に広大なハーブ園を構えるのが「開聞山麓香料園」だ。開園は1941年。日本で最初のハーブ園といわれている。
ハーブ園の広さは、サッカーグランドのおよそ8面分以上に相当する約6ヘクタール。そこにレモングラス、ローズマリー、レモンユーカリ、ティーツリー、ローズゼラニウムなど50種類ほどのハーブが植えられている。なかでも特筆すべきは、1万本を超す芳樟(ほうしょう)の木だ。芳樟はクスノキ科の植物で台湾が原産地。葉にはリナロールという成分を多く含み、抽出されたリナロールがフルーティで甘い香りを発することから、「開聞山麓香料園」では、1947年からこの芳樟の栽培を始めている。
後方にずらりと並ぶ、薄い茶褐色の幹を持つ木が芳樟。なかには20mほどの高さになるものも。開聞岳がボタニカルガーデンを優しく見守る。
早速、副園長の宮崎利樹さんに園内を案内していただいた。道の両脇に高さ7~8mほどの木が立ち並ぶ。これが芳樟の木だ。
「匂いを試してみませんか」
宮崎さんが一枚の葉をちぎり、手渡してくれた。そっと嗅いでみる。甘く爽やかであると同時に、どこか懐かしさも感じさせる香気が仄かに立ち上る。樟(くす)から採れる樟脳の、ツンとした香りとはまったく異なる、どこまでも甘く爽やかな香りだ。
「この甘く爽やかな香りの素がリナロールで、私どもの工場が生産する芳樟精油の成分のうち80%がリナロールです。これほどリナロール含有率の高い植物由来の精油はなかなか他にはありません」
緑も鮮やかな芳樟の葉。爽やかと同時に柑橘系をも感じさせる複雑な香りを放つ。
1947年に台湾から芳樟が持ち込まれたことを契機に、南薩摩地方では芳樟の栽培が盛んになり、最盛期の1970年前後には、知覧や枕崎でも栽培がおこなわれ、年間5トンもの精油が抽出された。しかし、人工のリナロールが登場し、手間のかかる芳樟からの抽出は行われなくなっていた。
「ところが、近年は自然派志向が高まり、合成リナロールでなはく100%天然由来の精油が再び脚光を浴びるようになりました。そうした流れを受けて、『開聞山麓香料園』でも芳樟精油の抽出を再び始めるようになりました。現在では年間約20㎏の精油を生産しています」
農園の奥では、ちょうど芳樟の葉の収穫が行われていた。チェンソーで幹から伐り落とされた枝を一か所に集め、葉だけを手早く小枝から摘み取っていく。響くのはチェンソーのエンジン音だけ。屋外で黙々と行われる地道な作業だ。
チェンソーで刈り取った小枝から、葉を一枚一枚摘んでいく。精油作りはこうした地道な作業から始まる。
「1㎏の精油を抽出するのは100㎏の葉が必要となります」
宮崎さんのこの言葉を聞くと、精油を抽出するのがどれだけ大変な作業であることがよくわかる。しかも一度葉を収穫すると、次の収穫まで3~4年は間を置かなければならないとのこと。1万本もの芳樟は、ある意味では必要な本数だったのだ。
蒸留所にも案内していただいた。あいにく、蒸留の作業が行われていない時期だったが、所内に並ぶ3つの蒸留器は、なんとどれも創業時から使われているという年代もの。時代を感じさせる装置が、80年前と同じ精油を生み出しているかと思うと感慨深い。
蒸留所には、丹念にメンテナンスされた蒸留器が3台並ぶ。
園長を務める父の宮崎泰さんをサポートし、精油作りに邁進する宮崎利樹さん。
蒸留所の奥には、大きなフラスコなどが並ぶ、まるで理科実験室の様な部屋も設けられている。蒸留された精油を、この部屋で半年から1年ほどねかせ、香りを落ち着かせる。すべてが、極めて手のかかる完全な手作業で、ようやくひとつの商品ができあがる。
「開聞山麓香料園」のシグネチャーアイテムともいえる、「芳樟精油」。7ml、2,200円・3ml、1,000円(いずれも税込)
「芳樟精油」は、やわらかな甘さと清々しいグリーンの香りが調和した、心をほぐすような優しいアロマ。リラックス効果が期待できるため、ドライハーブに数滴垂らして香りを漂わせたり、アロマディフューザーで寝室を満たせば、一日の疲れを静かに癒してくれる。また、他の精油とブレンドすれば、自分だけのオリジナルアロマを楽しむこともできる。
農園で栽培した月桂樹、ローズマリー、オレガノ、タイムをブレンドした「ハーブの香りだし」。7パック入り、1,000円(税込)
「ハーブの香りだし」とは、ブーケガルニのこと。通常はパセリやタイム、ローリエなどを束ねて煮込み料理に加え、素材の臭みを抑えながら、深みのある香りを添えるものだ。この「ハーブの香りだし」は、開聞山麓香料園で育てられた月桂樹、ローズマリー、オレガノ、タイムの4種を贅沢に使用。シチューやロールキャベツ、スープなどのお鍋にひとつ入れるだけで、爽やかな香気がふわりと広がり、旨味をぐっと引き立ててくれる。いつもの家庭料理が、ひとさじの魔法でレストランの味に変わる──そんな上質な香りのひと包みだ。
匂い袋、お風呂用の香水、石けんなど、ショップにはオンラインでは販売していない園内限定のアイテムも並ぶ。
「開聞山麓香料園」では、芳樟をはじめ、レモンユーカリ、ローズマリーなどの精油、ハーブティや石鹸などの自社製品を併設のショップで販売。広大な農園を散策し、さまざまなハーブが栽培されている様子を実際に見学することもできる。また、定期的に開催される蒸留体験は、予約開始すぐに満席になる人気ぶりだ。80年という長きにわたり、自然派コスメの源流を培ってきた「開聞山麓香料園」。ぜひ足を運んでみたい。
開聞山麓香料園
鹿児島県指宿市開聞川尻5926
Tel:0993-32-3321
開園時間:9時~17時
定休日:火曜日
入園料:無料
ヴィ―ナスターオーガニクス
夫婦二人三脚で手掛ける、高品質の自然派コスメ
月桃、ローズマリー、レモングラス、ローズゼラニウム、レモンバーム……。10種類近くのハーブが植えられたガーデンで、自ら育てたハーブを愛おしそうに眺めるのは、永仮紗彩さん。夫の洋文さんと二人三脚で、「ヴィーナスターオーガニクス」ブランドのオーガニックコスメを手掛ける紗彩さんはカンボジア生まれ。洋文さんと結婚して日本に帰化し、永仮さんの故郷である鹿児島でハーブ栽培を始めた。
自宅兼工房前に設けられたハーブガーデンで、手塩にかけて育でたハーブを見つめる永仮紗彩さん。
ボタニカルガーデンで栽培されているさまざまなハーブ。右上から時計まわりに、レモングラス、ペパーミント、ティーツリー、月桃。
「カンボジアでは、ハーブが日常の食事や医療に深く溶け込んでいます。私自身も幼い頃からハーブに親しんできました。温暖な鹿児島もハーブ栽培には適した気候ですので、ここで何種類ものハーブを栽培し、人工的なものは何も加えない自然派コスメを多くの人にお届けしたいと思います」
自宅兼工房の周囲に設けたハーブガーデンの他に、約2,000坪ほどの農園を持ち、そこでも20種類ほどのハーブを栽培し、それを原料としたさまざまな自然派コスメが作られる。
「霧島は豊かな自然だけでなく、シラス台地が濾過したミネラルが豊富な天然温泉水に恵まれた土地です。雨も多いのでハーブが育ち、それを上質な水を用いて化粧水を作ると、肌に優しい素晴しい商品が出来上がります」
商品開発を担当する洋文さんがリコメンドしてくれたのは化粧水「ジャポニズムローション」シリーズ。ダマスクローズ、ジャスミン、月桃など5種類の商品は、いずれも霧島の天然水に、イチョウ葉エキスやワサビの葉エキスなど4種類の鹿児島産植物エキスを配合し、それぞれのハーブの香りを纏わせたもの。合成香料や合成着色料、鉱物油といったいわゆる人工化合物は一切含まれていない、文字通りの自然派コスメだ。
「ジャポニズムローション」シリーズの中から、「ダマスクローズ」を試してみた。手のひらに取ると、みずみずしくさらりとしたテクスチャーで、驚くほど甘く、華やかなダマスクローズの香りが立ちのぼる。頬や額にそっとなじませれば、潤いとバラの甘い香りで、気分まで上がるようだ。毎日のスキンケアで、この香りに触れるたび、肌だけでなく心までも満たしてくれる、そんな優雅なひとときをもたらしてくれるローションだ。
左から、ジャポニズムローション(ダマスクローズ)、ジャポニズムローション(月桃)いずれも200ml・3,520円(税込)ジャポニズム ツバキマルチオイル 、30ml・3,740円(税込)、ルームミスト(桜島小ミカン×霧島レモングラス)、30ml・1,980円(税込)
鹿児島産椿を用いた「ツバキマルチオイル」もおすすめ。椿油は古くから日本女性のスキンケア、ヘアケアに使われてきたもの。「ツバキマルチオイル」は、低温圧搾法にて圧搾した希少な椿油に、ダマスクバラ花エキス、ダマスクバラ花油、トウキンセンカ花エキス、カミツレ花エキスを配合したマルチオイル。スキンケア、ヘアケアはもちろん、頭皮ケア、爪のお手入れ、ボディオイルとしても優秀。ダマスクローズの香りが素晴らしいので、至福のケアを堪能できる。使い勝手のよいアイテムだ。
15種類のエッセンシャルオイルを80%以上使用した「ルームミスト」もラインナップは豊富。桜島小ミカンの果皮の精油と、霧島産レモングラス精油をブレンドしたルームミスト「桜島小ミカン×霧島レモングラス」は、爽やかさの中にミカンの甘さがあり、気温や湿度が高い時に使えば、リフレッシュ効果は抜群。
ドライハーブにすると、水分が抜けて成分が凝縮され、香りが強くなる。右奥から時計まわりに、バタフライピー、カレンデュラ、カモミール、ダマスクローズ。いすれも自家栽培したもの。
「ヴィーナスターオーガニクス」は自社製品だけでなく、抽出した原料を用いた自然派コスメの開発を、化粧品メーカーとともに行っている。また、さらに良質なものを目指し、来年に向けて自社コスメのリニューアルの検討も始まっている。
「肌に使うものは、新鮮なものではなくてはなりません。また、植物が持つ本来の力を最大限引き出すには、やはり新鮮な植物が必要となってきます。そのためには素材となる植物は自ら作る、あるいはできる限り近いところ、つまり鹿児島県産のものを使うのがベストだという結論に辿りつきました。」
桜島小ミカン、ティーツリー、タンカン、ヒノキ葉、レモンユーカリ、レモンバーベナ……。洋文さんが語るように、「ヴィーナスターオーガニクス」が手掛けるさまざまな原料は、いずれも自家栽培もしくは鹿児島県産から作られる。
工房には、精油や芳香蒸留水を生産する銅製の蒸留器が2台備わっている。「アランビック」と呼ばれるポルトガル産の蒸留器は、現地の銅職人が胴板から手作業で打ち出した伝統工芸品。
「ガラス製やステンレスに比べ、熱伝導率が高いために、植物の生臭さのもととなる硫黄系成分が除去され、高品質の精油や芳香蒸留水を抽出することができます」
2台の蒸留器並ぶ工房は、それほど広くはない。でも、この自宅裏に設けられた工房で、夫婦二人で丁寧に作られた数々の原料が、多くのコスメメーカーへと渡り商品となっていく。マニュファクチュール(家内制手工業)の原点がここにはある。
銅製の蒸留器が2台置かれた、こじんまりとした工房。銅イオンの殺菌効果により、保存期間の長い蒸留水を抽出することができる。
ヴィーナスターオーガニクス
お問合せメールアドレス:mail@venustar-organics.com
*現在、見学には対応していません。
ボタニカルファクトリー
大隅半島の大自然が育んだ、注目の自然派コスメ
温帯気候と亜熱帯気候が入り混じる鹿児島県の大隅半島。4,000種類以上の植物が群生する半島は、豊かな緑に覆われた自然豊かな地が広がる。この大隅半島の最南端に位置する南大隅町に本拠を置く化粧品メーカー「ボタニカルファクトリー」の製品や活動に、近年注目が集まっている。
4,000種類を超す植物が生い茂る大隅半島。「ボタニカルファクトリ―」の本社と工場のすぐ裏手も、濃い緑に覆われた景色が広がる。
「生まれたばかりの娘がかなり重いアトピー性皮膚炎となり、食事療法やさまざまなスキンケアを試したのですが、どれも効果はありませんでした」
「ボタニカルファクトリー」代表の黒木靖之さんが、ナチュラルコスメへ目を向けるきっかけとなったのは、自身の娘さんへの思いからだった。じつは黒木さんは、それ以前から化粧品の輸入販売などを手掛ける事業に携わり、化粧品に対する知識もある程度持っていた。
「自ら化粧品に携わっていながら、自分の娘のアトピーには何の役にも立っていない」
そんな思いを抱いた黒木さんは、肌に優しく、口に入れても安心な化粧品作りへと事業の方向を切り替えていった。
黒木さんが最初に取り組んだのは子どものための石けんとフェイスオイルだった。アトピーに効くとされたダチョウの油を用いた手作りの石けんとフェイスオイルが好評となり、2006年には故郷の南大隅町に工場を設立。
「大隅半島の豊かな自然を生かした、自然由来100%の成分にこだわり続けたいと思います」と、代表の黒木靖之さん。
「以前は気づきもしませんでしたが、南大隅という土地は、月桃をはじめさまざまなハーブが自生するという、アロマオイルを作る原料を入手するには最適の地なのです」
当初は、自生するハーブや自家栽培したレモングラスなどでアロマオイルを作り、それを石けんの香り付けに用いていたが、やがてアロマオイルや蒸留水を使ったスキンケア商品のラインナップが増え、2016年には「ボタニカルファクトリー」が誕生した。場所はもちろん南大隅だ。
廃校となっていた小学校と中学校の校舎をリノベーションして工場に
廃校となっていた小学校と中学校をリノベーション。それが南大隅の地に誕生した「ボタニカルファクトリー」の本社と工場だ。町の協力で借り受けた校舎は、町の人々にとっても思い出がつまった建物。その活用は、地域の人々にとっても嬉しい知らせとなった。それだけではない。町の特産物であるパッションフルーツの規格外品を買い取ってローションの原材料とし、工場は地元の女性やシニア層の働き場となるなど、「ボタニカルファクトリー」の存在は、地域活性化の大きな拠点となっている。
図書室だった部屋を改装し、ショールーム兼ワークスペースに。窓からは広がる大海原を見渡すことができる。
「ボタニカルファクトリー」が手掛ける化粧品のブランド名は「ボタニカノン」。植物の「ボタニカル」と、音楽用語の「カノン」を組み合わせた造語で、植物本来の成分や香りが、カノン(輪唱)のように重なって届いてくることがイメージされている。
地元産のパッションフルーツを用いたローションは、地元の農家から買い取った規格外のパッションフルーツを丸ごと活用。さらりとした付け心地ながらも、気が付くと肌がしっとりし、そのしっとり感は、やがてハリ弾力に変わる。また、南国の太陽を思わせるパッションフルーツ独特の爽やかな香りがほどよく残り、それはいつまでも、まさしくカノンのように嗅覚を心地よく覚醒させてくれる。
また、フェイスオイルはベタつかずさらりとしているにもかかわらず肌馴染みがよく、化粧水のブースターとしてオイルマッサージ後に化粧水を重ねることで、水分と油分とのバランスが整う。
右/シトラス スカルプ&ヘアローション、100ml・2,750円(税込) 左/パッションフルーツローション、100ml・1,650円(税込)
左/ホーリーバジル化粧水、150ml・2,420円(税込)右/フェイスオイルEX、30ml・3,410円(税込)
「こちらへどうぞ」
黒木さんに導かれるまま辿りついた場所。それはかつて校舎だった建物の屋上をルーフトップテラスに改装したスペースだった。きらめく鹿児島湾の大海原を挟み、開聞岳が優美な稜線を見せている。目を見張るような絶景だ。海から吹き抜ける風が心地よい。
「3年ほど前から、リトリートツアーを開催しています。ゲストの方々には、ヨガシークエンスや工場でのオーデコロン作り、その後は天気が良ければこのテラスでランチ、そしてメディテーションと、盛りだくさんのメニューを体験していただきます。最近では県外からお越しになる方も増えてきました」
錦江湾を一望するルーフトップテラスには、ソファが置かれ、流れる時間をゆったりと味わうことができる。
原料から生産までを一貫し、しかも天然成分由来を原料とした化粧品作りをほぼ実現させる一方で、「ボタニカルファクトリー」は、化粧品が出す有害なゴミを減らすために、容器は再生プラスチックへと徐々に移行させている。
「私たちは大手メーカが行っている大量生産、大量消費とは距離を置いています。もともと、それができるような規模でもありません。ですので、現在の体制をベースに、鹿児島という地の利を生かし、今まで以上に地元に密着した自然派化粧品作りを目指しています」
「ボタニカルファクトリー」は、海を挟んだ対岸の「開聞山麓香料園」から原料の一部を仕入れている。大隅半島と薩摩半島、二つの半島の間で原料がやりとりされているのだ。また、南大隅町には国の指定史跡の「佐多旧薬園」がある。これは薩摩藩が薬草を採取していた場所。黒木さんの言葉が物語るように、ハーブ栽培に関する独自の歴史を持ち、ハーブを介した工房間の交流が行われている鹿児島は、自然派化粧品づくりには格好の土地といえよう。
ボタニカルファクトリー
鹿児島県肝属郡南大隅町根占辺田3222(旧登尾中学校)
Tel:0994-24-3008
Text by Masao Sakurai(office clover)
Photography by Azusa Todoroki(Bowpluskyoto)
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