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AppleオンラインストアのiPhone整備済製品として、iPhone14を除くiPhone14シリーズ3モデルと、iPhone15シリーズ4モデルの在庫が大幅に増えています。
ただし、例年通りであれば、iPhone17シリーズの発表に伴いiPhone整備済製品の販売価格が値下げされる可能性があります。
例年、新型iPhone発表後に整備済製品を値下げ
Appleは例年、新型iPhoneを発表した直後にiPhone整備済製品の販売価格を値下げしていました。
そのため、2025年9月10日午前2時から開催されるイベントでiPhone17シリーズが発表された直後に、iPhone14シリーズおよびiPhone15シリーズの整備済製品の販売価格が値下げされる可能性が高いと考えられます。
値下げ額はモデルによって異なりますが、これまでは税込5,000円〜税込14,000円値下げされたのが確認されていました。
iPhone整備済製品の在庫状況と販売価格(9月1日)
2025年9月1日午後10時50分時点でのiPhone整備済製品の在庫状況は下記の通りですが、購入は9月10日以降の販売価格を確認してからの方が良さそうです。
iPhone14 Plus
<figure>
モデル | 価格(税込) |
iPhone14 Plus, 128GB, スペースブラック | 95,800円 |
iPhone14 Plus, 256GB, スペースブラック | 108,800円 |
iPhone14 Plus, 512GB, スペースブラック | 133,800円 |
</figure>
iPhone14 Pro
<figure>
モデル | 価格(税込) |
iPhone14 Pro, 128GB, スペースブラック | 108,800円 |
iPhone14 Pro, 128GB, シルバー | |
iPhone14 Pro, 128GB, ゴールド | |
iPhone14 Pro, 128GB, ディープパープル | |
iPhone14 Pro, 256GB, スペースブラック | 121,800円 |
iPhone14 Pro, 256GB, シルバー | |
iPhone14 Pro, 256GB, ゴールド | |
iPhone14 Pro, 256GB, ディープパープル | |
iPhone14 Pro, 512GB, スペースブラック | 147,800円 |
iPhone14 Pro, 1TB, スペースブラック | 172,800円 |
iPhone14 Pro, 1TB, シルバー |
</figure>
iPhone14 Pro Max
<figure>
モデル | 価格(税込) |
iPhone14 Pro Max, 128GB, スペースブラック | 122,800円 |
iPhone14 Pro Max, 128GB, シルバー | |
iPhone14 Pro Max, 128GB, ゴールド | |
iPhone14 Pro Max, 128GB, ディープパープル | |
iPhone14 Pro Max, 256GB, シルバー | 134,800円 |
iPhone14 Pro Max, 256GB, ゴールド | |
iPhone14 Pro Max, 256GB, ディープパープル | |
iPhone14 Pro Max, 512GB, スペースブラック | 160,800円 |
iPhone14 Pro Max, 512GB, シルバー | |
iPhone14 Pro Max, 512GB, ゴールド | |
iPhone14 Pro Max, 512GB, ディープパープル | |
iPhone14 Pro Max, 1TB, スペースブラック | 185,800円 |
iPhone14 Pro Max, 1TB, シルバー | |
iPhone14 Pro Max, 1TB, ディープパープル |
</figure>
iPhone15
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モデル | 価格(税込) |
iPhone15, 128GB, イエロー | 95,800円 |
iPhone15, 256GB, ピンク | 108,800円 |
iPhone15, 256GB, イエロー |
</figure>
iPhone15 Plus
<figure>
製品名 | 価格(税込) |
iPhone15 Plus, 128GB, ピンク | 105,800円 |
iPhone15 Plus, 128GB, イエロー | |
iPhone15 Plus, 128GB, ブルー | |
iPhone15 Plus, 128GB, グリーン | |
iPhone15 Plus, 256GB, ピンク | 118,800円 |
iPhone15 Plus, 256GB, ブルー | |
iPhone15 Plus, 256GB, グリーン | |
iPhone15 Plus, 256GB, ブラック |
</figure>
iPhone15 Pro
<figure>
モデル | 価格(税込) |
iPhone15 Pro, 128GB, ブラックチタニウム | 122,800円 |
iPhone15 Pro, 512GB, ブラックチタニウム | 160,800円 |
</figure>
iPhone15 Pro Max
<figure>
モデル | 価格(税込) |
iPhone15 Pro Max, 256GB, ブラックチタニウム | 148,800円 |
iPhone15 Pro Max, 256GB, ホワイトチタニウム | |
iPhone15 Pro Max, 256GB, ナチュラルチタニウム | |
iPhone15 Pro Max, 256GB, ブルーチタニウム | |
iPhone15 Pro Max, 512GB, ブラックチタニウム | 173,800円 |
iPhone15 Pro Max, 512GB, ホワイトチタニウム | |
iPhone15 Pro Max, 512GB, ナチュラルチタニウム | |
iPhone15 Pro Max, 1TB, ホワイトチタニウム | 199,800円 |
iPhone15 Pro Max, 1TB, ナチュラルチタニウム | |
iPhone15 Pro Max, 1TB, ブルーチタニウム |
</figure>
iPhone整備済製品とは
Apple品質認定のiPhone整備済製品についてAppleは、下記のように説明しています。
- iPhone整備済製品は、すべてのモデルに新しいバッテリーと外装が使用され、1年間の保証も付いています。最短で翌日に無料でお届けし、返品も無料です
- ほかにも、以下のものが含まれます
- 完全な動作テスト、Apple純正パーツの交換(必要な場合)、徹底したクリーニング
- 出荷時のオペレーティングシステム、またはより最新のオペレーティングシステム
- 整備済製品はすべて、必要なアクセサリやケーブルとともに新品の箱に再梱包されます
- お客様のデバイスが出荷時のオペレーションシステムを搭載した状態で出荷された場合も、最新バーションをApp Storeから無料でダウンロードできます
- 数量限定につき、在庫状況は購入代金全額のお支払いが完了した時点で保証されます
Source:iPhone整備済製品
iPhone17シリーズにラインナップされる薄型モデル(仮称:iPhone17 AirもしくはiPhone17 Slimとの噂もあり)と、2026年末頃に発売される可能性が高い折りたたみiPhone(仮称:iPhone18 Fold)には、高密度バッテリーセルが採用されると、アナリストのミンチー・クオ氏が報告しています。
iPhone18 Foldに関する最新情報
クオ氏はiPhone18 Foldに関して、下記の最新情報を伝えています。
- 生体認証機構はTouch ID内蔵サイドボタンで、Luxshare ICTが製造
- 薄型筐体による内部スペース不足により、Face ID機構の搭載は困難
- 折り目が目立たないメインディスプレイのサイズは約7.8インチ、カバーディスプレイのサイズは約5.5インチ
- リアカメラは2眼、フロントカメラはメインディスプレイとカバーディスプレイに搭載
- 本体厚は、折りたたみ時が9mm~9.5mm、展開時が4.5mm~4.8mm
- ヒンジの素材は、ステンレススチールとチタニウム合金
- 筐体素材は、チタニウム合金
- iPhone17シリーズの薄型モデルと同じ高密度バッテリーセルを採用
iPhone17 Airが先行してシリコン負極バッテリーを採用か
クオ氏が今回伝えた最新情報のほとんどはこれまでに伝えられたものと同じですが、高密度バッテリーセルの採用への言及は新情報です。
その場合、iPhone17 AirにはTDK製のシリコン負極バッテリーが搭載され、2,800mAh〜2,900mAhと噂されているよりも実際のバッテリー容量は大きいかもしれません。
画面下埋込み型Touch IDが実現する可能性は低いと指摘
クオ氏はまた、iPhone18 Foldには生体認証機構として画面下埋込み型超音波センサーを用いた指紋認証(Touch ID)が搭載されるとの噂が流れているが実現する可能性は低いとし、Touch ID内蔵サイドボタンの搭載に自信を示しています。
折りたたみスマートフォン市場拡大に寄与するが、販売価格はかなり高い?
iPhone18 Foldの量産開始時期は2026年第4四半期(10月〜12月)とのことですので、2026年9月にiPhone18シリーズと同時に発表されたとしても、出荷時期は遅れる可能性があります。
また、後継モデルの開発計画も存在しており、2027年後半に量産が開始、iPhone18 Foldと合わせた2機種合計で2027年に2,000万台が出荷される可能性があるとのことですので、それが実現した場合は折りたたみスマートフォン市場が急拡大することになります。
iPhone18 Foldに関するクオ氏の予想販売価格は2,000ドル〜2,500ドルと、日本での販売価格は税込32万円〜39万円程度になりそうですので、Galaxy Z Fold7やGoogle Pixel 10 Pro Foldと比べて2割以上高額なモデルになるかもしれません。
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Six months ago, I predicted the foldable iPhone would use side-button Touch ID. There are now market rumors that it will adopt an under-display ultrasonic fingerprint sensor, but I think that’s unlikely. It’s expected that Luxshare ICT will supply the side-button Touch ID module… https://t.co/KsGu49JXkP
— 郭明錤 (Ming-Chi Kuo) (@mingchikuo) September 1, 2025
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Photo:Apple Hub/Facebook
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永遠の聖地、伊勢神宮を巡る
2025.8.29
この日だけの特別に出合える 伊勢神宮「お朔日(ついたち)参り」とは?
八朔参りの様子。筆者がペットボトルに水を汲んでいると、隣にいた年配の女性が、容器いっぱいに水を入れると、1年間水が腐らないこと、持ち帰った水は、痛いところに付けるだけでなく、玄関を清めたいときにまくこともある、などと教えてくれた。なお、近年は八朔の夕刻から夜にかけて、外宮をゆかた姿で参拝する「外宮さんゆかたで千人参り」も行われている。
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新しい月のはじまりの日に、氏神様などの神社に参拝する「お朔日(ついたち)参り」。前月の1ヶ月間を無事過ごせたことに感謝を捧げ、新たな1ヶ月間の無病息災や家内安全を祈るというこの風習は、日本各地で古くから行われてきた。
なかでも伊勢地方では、その昔、8月1日の早朝に神宮の内宮、外宮の両宮をお参りし、粟や稲の初穂を神前にお供えして、五穀豊穣と無病息災を祈る「八朔参宮」のならわしがあったという。
今回は、そんな「八朔参宮」を今に伝える「八朔参り」とともに、普段とはちょっと違う神宮参拝のあれこれをご紹介しよう。
「八朔(はっさく)参り」という言葉をご存知だろうか?
そもそも「朔(さく)」は、旧暦の太陽太陰暦でその月の第1日目を指す言葉。つまり「八朔」は「八月朔日(さくじつ)」の略で、8月1日を指している。
ちなみに、朔日は「ついたち」とも読む。月の満ち欠けの周期を利用した太陽太陰暦では、毎月最初の日が新月に当たることから、「ついたち」という言葉も、「月立ち(つきたち)」から転じたと考えられている。
「八朔参宮」の源にある祈りと、現在の「八朔参り」
「八朔参宮」が行われていた旧暦の8月1日は、新暦の太陽暦では8月下旬から9月下旬(令和7年は9月22日)に当たる。つまり、米作りにとっては、稲穂が膨らみ、黄金色になって稔りを迎える大切な時期。おそらく農家の人々は、とりわけこの時期、朝に夕に天候を気にしながら、不安と緊張の中で稲穂を見守っていたことだろう。
特に伊勢の神宮の主祭神は、太陽にもたとえられる天照大御神。近隣に住む農家の人々にとって、これほど心強い存在はなかったにちがいない。五穀豊穣への祈りは、自ずと他の「お朔日参り」より切実なものとなり、年によって収穫が間に合えば、稲の初穂を携えて、それが無理ならば、当時は五穀の中で1番早く収穫ができたという粟の初穂を神前にお供えし、これまで無事に稲が育てられたことへの感謝と、来たる豊かな稔りを祈ったことが、八朔参宮の源にあるのではないか。そんな推察も成り立つ。
神前に五十鈴川からいただいた水をお供えし、これまで無事過ごせたことへの感謝と、1年間の無病息災、家内安全を祈る。「お供えする際は、ペットボトルの蓋を外すこと」と、年配の女性に教わった。その後、このペットボトルの水は、自宅の神棚に供える。
現在は、さすがに粟や稲の初穂を携えて、とはいかないものの、新暦の8月1日の早朝に、やはり外宮、内宮の両宮に参拝し、五穀豊穣や家内安全、無病息災を祈る「八朔参り」が行われている。
特に内宮では、この日に宮域内を流れる五十鈴川の水を汲み、川のほとりに鎮座する瀧祭神(たきまつりのかみ)にお供えし、1年間の無病息災と家内安全を祈るという、伊勢地方独特のならわしが伝えられている。
ちなみにこの水は、持ち帰って自宅の神棚にお供えし、もし体のどこかに痛みが出たときは、その箇所に浸けると痛みがとれると信じられている。
五十鈴川のほとりに鎮座する瀧祭神とは、どんな神様?
五十鈴川の水をお供えする瀧祭神は、内宮の所管社の1つ。と言っても、お社に社殿はなく、御祭神の瀧祭神は、御垣(みかき)と御門に囲まれた岩の上にお祀りされている。
お社の近くには五十鈴川と島路川(しまじがわ)が合流する、いわゆる川合(かわい)があり、たつ瀬、つまり、水が激しく流れる瀬のほとりに鎮座することから、川の守り神として、天照大御神が鎮座する前から祀られていたのではないか、とも考えられている。
内宮の所管社の1つ、瀧祭神。すぐ近くに五十鈴川が流れている。
ちなみに、地元では御正宮へお参りする前に、まず御手洗場で手と口を清め、瀧祭神で自身の住む場所と名前を告げた後、「これから向かいますのでよろしくお願いします」などと、天照大御神に取り次いでいただくならわしがあり、「とっつきさん」、「とりつぎさん」などと呼ばれているという。
そんな庶民にとって身近な存在である一方、祭祀に関しては、別宮に準ずる扱いを受けているとも聞く。どうやら瀧祭神は、特殊な神様であるようだ。
毎月1日、神馬が御正宮を参拝する「神馬牽参(しんめけんざん)」
おかげ横丁のその日だけの楽しみ
毎月1日は、「神馬牽参(しんめけんざん)」と呼ばれる定例行事が行われる日でもある。神馬とは、天照大御神・豊受大御神に捧げられた御馬のこと。この神馬が、内宮、外宮の両宮で、毎月1日、11日、21日の朝に、皇室から捧げられていることを示す菊の御紋入りの馬衣を付けて、御正宮にお参りする。
外宮での「神馬牽参(けんざん)」の様子。神馬は、内宮は石階(せっかい)と呼ばれる石階段の下、外宮は御正宮を囲む1番外側の板垣の南御門の前で拝礼する。
馬は古来、神の乗り物とされ、神社に献納されるならわしが奈良時代からあったという。そのならわしは、時代とともに絵馬に置き換わっていったものの、神宮では、今も皇室からの献上が続いている。
人を乗せることはないというこの神馬は、両宮それぞれで2頭ずつ飼育され、神馬牽参の後は、しばらく両宮の宮域内にある御厩(みうまや)に控えている。涼やかで優しい目、穏やかな表情。見ているだけで心が和んでくる。
この日は、内宮の門前町であるおはらい町も、早朝からにぎやか。毎月の朔日参りに合わせて、さまざまな店で朔日粥や朔日餅が月替わりで用意されることから、それを目当てに訪れる人たちが、午前4時台から長蛇の列を作っている。
ちなみに、伊勢の老舗和菓子店「赤福」が8月に用意している朔日餅は、「八朔粟餅」。伊勢地方では、8月1日に縁起物として粟餅を食べるならわしがあったという。
おかげ横丁では朝市も開かれ、地場産の野菜などが並んでいた。
伊勢の老舗和菓子店「赤福」の前には、八朔餅を求める人たちでにぎわっている。
朔日粥は、さまざまな店で食べることができる。
現在は多くの食事処や土産物屋が建ち並ぶおはらい町。だが、江戸時代までは、その様子は少し違っていたようだ。
というのも、当時この一帯には、御師(おんし)、つまり、諸国を巡って神宮の御神札(おふだ)を配布するなど、伊勢信仰を広めていた神職たちの館が軒を連ね、参拝者が訪れた際は、自身の館に宿泊させ、お祓いやお神楽を上げるなど、手厚くもてなしていたという。
かつてのお伊勢参りを想像しながら、外宮から内宮へ通じる参宮街道を歩く
八朔参りをきっかけに、伊勢地方独特のならわしに触れ、昔と今を行き来しながら取材を進めてきた。そんな1日の最後に、かつてのお伊勢参りの様子を想像しながら、外宮から内宮に通じる参宮街道を歩いてみることにした。
ご案内いただいたのは、神宮司庁広報室次長の音羽悟さん。駆け足のお参りでは味わえない、伊勢の新たな一面を知るひとときとなった。
伊勢市には、主に3本の河川が流れている。西から宮川、勢田(せた)川、五十鈴川の3本で、かつては関東、関西のどちらの方面から伊勢に入っても、宮川を渡らなければ神宮に参拝することができなかった。
関東方面から伊勢街道を歩いてきた人々は、現在JR参宮線の鉄道橋がある近くの「桜の渡し」、関西方面から伊勢本街道を通ってきた人々は、少し南にある度会橋(わたらいばし)付近の「柳の渡し」で船に乗り、宮川を越えたという。その後、両者は、現在欄干のみが残る筋向橋(すじかいばし)で合流。そこから外宮へ向かったとされている。
つまり、かつて徒歩で参拝する一般の人々は、地理的な面から、外宮の、しかも正門ではなく北御門(きたみかど)から参拝するのが自然だったという。
宮川を望む。現在JR参宮線の鉄道橋が架かる近くに、関東や東国から伊勢街道を歩いてきた人たちが利用する「桜の渡し」と呼ばれる渡し場があった。かつて堤には桜が咲き、茶屋が建ち並んでいたという。
正門を利用するのは、勅使(ちょくし=天皇の使者)などが訪れたとき。彼らは、現在の外宮参道の一角に設けられた下馬どころで馬を下り、そこから歩いて御正宮に向かったという。
参拝後は、室町時代末期の永禄年間に作られたという「伊勢古市(ふるいち)参宮街道」を歩いて内宮へ。
ちなみに古市とは、外宮と内宮の中間に位置する「間(あい)の山」にあった歓楽街で、江戸の吉原、京都の島原と並ぶ日本の3大遊郭の1つとして栄えた場所。江戸時代後期の作家、十返舎一九(じゅっぺんしゃいっく)による滑稽本『東海道中膝栗毛』でも、弥次さん喜多さんが古市の街を訪れた様子が描かれている。
かつての歓楽街、古市の面影を残す麻吉(あさきち)旅館。当時、古市で遊ぶのは神宮へお参りする前ではなく、後という暗<wbr />黙の了解があったという。
かつての参宮街道を巡る。歴史の名残が随所に見られる「間(あい)の山」
もっとも、音羽さんは、本来の参宮街道は少し違うルートを通っていたと言う。
「現在外宮の前を通っている御木本(みきもと)道路も、御幸(みゆき)道路も昔はなく、勾玉池を周回する道も、江戸時代の寛永17年(1640)に整備されたものです。それ以前は、今はありませんが、外宮の風宮(かぜのみや)から、裏手の山を尾根づたいに下りて(宮域外の)岡本に出るか、もしくは、現在の外宮参道にある「豚捨(ぶたすて)」という店の前を通ってから岡本に出て、そこから現在の伊勢古市参宮街道を歩き、御贄(おんべ)川(=勢田川の異名)の川筋に沿って歩いたのでしょう」。
御贄川を渡る際は、小田橋(おだのはし)を利用したとされている。この橋の名は、平安時代の文献にも記されていることから、その歴史は古いと思われる。
だが、現在の小田橋から続く尾部坂(おべざか)は新しい道。江戸時代以前は、小田橋より1本北にある現在の簀子(すのこ)橋から、「間(あい)の山」と呼ばれる小高い丘陵へ続く細い道を歩いていただろうと、音羽さんは言う。
外宮と内宮の中間に位置する間(あい)の山の道。奈良時代からこの道を通って内宮へ向かっていたという。左には外宮神主の度会(わたらい)一族にも関係する岡崎宮妙見堂があったが、今はない。
倭姫命の御陵とされる宇治山田陵墓参考地。
「現在の簀子橋のことを、昔は小田橋と呼んでいた可能性もあると思います」。
たしかに、簀子橋から伸びる細い道を歩くと、積み重なる歴史を感じさせる場所が随所にある。たとえば、1000年以上の歴史を持つ妙見堂の跡があること、また、江戸時代まで代々外宮の神主だった度会(わたらい)一族が、弥生時代と平安時代に居住したとされる住居跡があり、一族の氏寺も、かつてこの近辺にあったこと、そして、倭姫命の御陵と考えられる、宮内庁管轄の宇治山田陵墓参考地があること‥‥‥。興味深い場所が次々に現れる。
度会氏の居宅があったとされる隠岡遺跡。「度会氏は、当時は磯部と名乗っていたでしょう」と音羽さん。弥生時代後期のむらの跡や平安時代の建物群跡が中心の遺構(いこう=生活の跡)で、眼下に勢田川(別名御贄川)が見渡せる。
外宮と内宮の間を流れる勢田川。神宮へ献上する魚を獲っていたことから、御贄川(おんべがわ)の異名がある。物流も盛んで、川沿いには伊勢の台所と呼ばれる問屋街もあった。
気がつけば夕刻。今と昔が交錯するなか、夢中で伊勢の町を歩いた1日が、静かに、ゆっくり暮れようとしていた。
Text by Misa Horiuchi
伊勢神宮
皇大神宮(内宮)
三重県伊勢市宇治館町1
豊受大神宮(外宮)
三重県伊勢市豊川町279
文・堀内みさ
文筆家
クラシック音楽の取材でヨーロッパに行った際、日本についていろいろ質問され、<wbr />ほとんど答えられなかった体験が発端となり、日本の音楽、文化、祈りの姿などの取材を開始。<wbr />今年で16年目に突入。著書に『おとなの奈良 心を澄ます旅』『おとなの奈良 絶景を旅する』(ともに淡交社)『カムイの世界』(新潮社)など。
写真・堀内昭彦
写真家
現在、神宮を中心に日本の祈りをテーマに撮影。写真集「アイヌの祈り」(求龍堂)「ブラームス音楽の森へ」(世界文化社)等がある。バッハとエバンス、そして聖なる山をこよなく愛する写真家でもある。
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