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写真を撮ること、撮り続けることが好きだ。と語る落合氏の“写真家”としての一面に迫る展覧会
世界的なメディアアート賞であるアルス・エレクトロニカ賞を受賞するなど、国内外で注目されているメディアアーティスト・落合陽一氏の展覧会『質量への憧憬 〜前計算機自然のパースペクティブ〜』が、2019年1月24日(木)~2月6日(水)まで、品川・天王洲のamana squareで開催されます。
メディアアートの制作、実世界志向コンピューティングの研究、研究開発の社会実装のための経営、大学教育を含めた教育活動や論文や書籍の執筆、と多岐に渡る領域で活躍中の落合氏。
これまでの一連の制作において落合氏は、「イメージによる表現」と「物質による表現」の間の表現の可能性について探求し続けてきました。そして、その落合氏の表現方法のひとつが「写真」です。
平面作品 21 作品、立体作品 2 作品 などを展示
今回の展覧会では、落合氏の“写真家”としての一面に迫り、本展のために撮り下ろした作品を含む、約 20 点の連作写真を始め、インスタレーションの展示も行います。落合氏が切り取る不可逆的な瞬間、視点、またその集合体としての風景が、言葉を超えてデジタル表現されることで、独特な美的感覚を私たちに提供してくれます。
「写真」という二次元の表現方法が、どこまで人々の感性を刺激できるのか? 本展では、落合氏が言葉での表現やビジュアル表現、メディアアート表現の間にある、質感や物質性そのものに注目した作品を通して、その美的感覚の根底を探っていきます。
また本展の開催を記念して、落合氏初の写真集『質量への憧憬』が1月18日に発売されました。完全受注生産で、エディションは200限定という貴重な写真集となっています。
◆メディアアーティスト・落合陽一の世界『質量への憧憬 〜前計算機自然のパースペクティブ〜』
会期 : 2019 年 1 月 24 日(木)~2 月 6 日(水)
会場 : amana square(session hall/IMA gallery/IMA cafe)
東京都品川区東品川 2-2-43 T33 ビル1F
時間 : 11:00〜21:00(会期中無休)※1 月 24 日(木)は16:30まで
入場料: 無料
公式サイト:https://amana.jp/news/detail_377.html
主催:株式会社アマナ、落合陽一
◆写真集『質量への憧憬』
発売日: 2019 年 1 月 18 日(金)
予約サイト:https://shitsuryou2019.jp/
葛飾北斎「かな手本忠臣蔵」十一段目 小判 文化初-中期(1804-1813)頃 シンシナティ美術館
Cincinnati Art Museum, Annual Membership Purchase Fund, 1909.32 通期展示
「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」など、世界的に知られる作品を数多く残した葛飾北斎。約70年という長きにわたって絵筆を持ち続けた北斎は、一般的に知られている名作以外にも、実に数多くの作品を残しています。そんな、知られざる北斎の作品までも鑑賞できる大規模な展覧会が開催されます。
2019年1月17日(木)から3月24日(日)まで、六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーで開催される「新・北斎展 HOKUSAI UPDATED」は、北斎の研究者として知られ、昨年逝去された永田生慈氏の調査研究と、新たに発掘された貴重なコレクションを紹介するものとして企画されました。
葛飾北斎は、研究の結果、その生涯で絶えず作風を変化させ、それに伴うように、作品へ記す画号も変えていることが分かってきました。有名な「冨嶽三十六景」などの錦絵は70歳過ぎのわずか4年間に描かれたもので、この頃の号は葛飾北斎ではなく、「為一(いいつ)」としていたそう。本展覧会では、作風と画号の変化によって「春朗期」や「宗理期」、「葛飾北斎期」など6つの期間に分け、国内外から集めた知られざる名品や初公開作品など約480件(会期中展示替えあり)紹介しています。
葛飾北斎《向日葵図》紙本1幅 弘化4年(1847) シンシナティ美術館
Cincinnati Art Museum, The Thoms Collection-Given by Mrs. Murat H. Davidson in Honor of her Grandfather, Joseph C. Thoms, 1982.15 通期展示
特に、北斎が最晩年88歳のときに描いたとされる《向日葵図》は、画号を「画狂老人卍」と記しているもので、本展覧会が初公開となる作品。ほかにも、葛飾北斎期の「かな手本忠臣蔵」など初公開作品が多数展示されるのも魅力です。
監修を手掛けた永田氏は、北斎が過ごした絵師としての人生を研究し、未知の作品を発掘し続けました。今回は永田氏の2000件にも及ぶコレクションからも出展されていますが、これらの作品は氏の遺志により故郷の島根県に寄贈されており、本展覧会後は島根県のみで公開されることになっています。東京で永田氏のコレクションが見られるのは、これが最後のチャンスです。
壮大な作品群から、知られざる北斎の世界を体感する貴重な機会。ぜひ足をお運びください。
◆新・北斎展 HOKUSAI UPDATED
会期:2019年1月17日(木)~3月24日(日) ※会期中展示替えあり
会場:森アーツセンターギャラリー
東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階
開館時間:10:00〜20:00 ※火曜のみ17:00まで、最終入館は閉館の30分前まで
詳細は展覧会公式サイト:https://hokusai2019.jp/
イサム・ノグチ《書》
1957年、鋳鉄、木、縄、金属、178.8×43.5×40.6cm、イサム・ノグチ財団・庭園美術館(ニューヨーク)蔵
©The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum, New York/ARS-JASPAR Photo: Kevin Noble
世界的に知られる彫刻家のイサム・ノグチと、抽象画を多く描いた画家の長谷川三郎。1950年に日本で出会った2人の芸術家の交友に焦点を当てる展覧会が開かれます。
2019年1月12日(土)〜3月24日(日)まで、横浜美術館で開かれている企画展「イサム・ノグチと長谷川三郎―変わるものと変わらざるもの」。古い東洋と新しい西洋の関係に興味を持っていたイサム・ノグチと長谷川三郎の2人がどのように出会い、何を目指したのか。共に歩んだ1950年代の作品を中心に、日本初公開作品も含め、ノグチ作品約50点、長谷川作品約70点を通して明らかにしていく展覧会です。
長谷川三郎《自然》1953年
紙本墨、拓刷、二曲屏風一隻、各135.0×66.5㎝、京都国立近代美術館蔵 展示期間:2019年1月12日(土)~2月13日(水)
日本人の父とアメリカ人の母の下、ロサンゼルスで生まれたイサム・ノグチは、幼少期を日本で過ごして渡米、パリへの留学を経てニューヨークで肖像彫刻や公園の設計、公共彫刻などを手掛けて国際的に知られるようになりました。
一方、長谷川三郎は東京帝国大学で美術史を専攻、卒業後にパリへ留学します。帰国後は抽象的な作品を描き始めましたが、戦時中に言論統制が厳しくなると創作活動を中止し、禅や茶道などについて研究。戦後は抽象画の制作を再開しました。
1950年に運命的に出会った2人は、京都や奈良、伊勢への旅行を経て、日本の伝統美や東洋の思想についての考察を深め、互いに創作活動の転機を迎えます。長谷川の案内によって、日本の建築や庭園、禅や茶道などの伝統文化や美の本質を理解したノグチ。長谷川にとっては、ノグチとの対話が、墨や拓本、木版を用いる新しい創作への契機となりました。
戦後の日本と東洋の芸術、そして世界の芸術がどこへ向かうのか、対話しながら共に歩んだ2人の軌跡と、交友によって生まれた数々の作品たちを鑑賞する本展覧会。東洋と西洋の芸術の交差点となった1950年代の時代背景をも映し出す、貴重な展覧会となっています。
◆イサム・ノグチと長谷川三郎―変わるものと変わらざるもの
会期:2019年1月12日(土)~3月24日(日) ※休館日:木曜日(3月21日を除く)、3月22日(金)
会場:横浜美術館
神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで) ※3月2日は20:30まで(入館は20:00まで)
詳細は公式サイト:https://yokohama.art.museum/special/2018/NoguchiHasegawa/
カッター1本で創り出す切り絵作品
日本古来の伝統芸のひとつでもあるハサミ芸。最近では、ハサミをカッターに持ち替えて、より細密に仕上げるレース切り絵などもあり、アートとして高く評価されています。
日比谷シャンテにある複合型のブックショップ「HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE」で、1月21日(月)まで開催されている『切り師 長屋明 奇跡の切り絵展』。カッターを使ってわずか0.1㎜の線を切り出し、ダイナミックな構図で仕上げる「糸切り絵」シリーズや「アニメヒーロー」シリーズ、毛筆の筆跡をそのまま切り抜く「書を切る」シリーズなどが好評の切り絵アーティスト長屋明氏の作品を多数展示するほか、作品の一部は購入することもできるそう。また、1月13日(日)には、長屋氏がレクチャーしながら切り絵体験ができる実演セミナーも企画されています。
毛筆の繊細な筆致まで切り絵で表現する「書を切る」シリーズ
元々は寿司職人の笹バランの細工に興味を持ち、独学で切り絵を始めたという長屋氏。2011年から切り絵アーティストとして活動を開始し、2012年にはニューヨークで個展を開催するなど、国内外で創作活動を続けています。
今回の展覧会では、作品を手に取るように近くで見られるほか、作者本人から実際に指導が受けられるセミナーもあり、趣味として切り絵を始めてみたい方にもおすすめ。気に入った作品は購入して手元で楽しむことができるのもこの展覧会の魅力です。
大胆な構図と細やかな線が織りなす切り絵アートには、ため息が出るばかり。繊細に切り取られた作品の隅々までじっくり鑑賞できる貴重な機会ですから、年始のお買い物のついでに日比谷へ足を運んでみてはいかがでしょう。
◆切り師 長屋明 奇跡の切り絵展
開催期間:2018年12月27日(木)~2019年1月21日(月)
開催場所:HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE ギャラリースペース(日比谷シャンテ3F)
開催時間:11:00〜20:00
入場料:無料
◆店内・実演セミナー開催
開催日時:2019年1月13日(日) ①12時~ ②15時~ ③17時~
参加費:3,000円(税込)※材料費込
公式サイト・申し込み詳細:https://www.hmv.co.jp/news/article/1811270010/
表面の「風神雷神図屛風」と裏面の「夏秋草図屛風」を透かすことで、 表裏の絵の関係を探る
昨年上演されて話題となった、VR作品『風神雷神図のウラ-夏秋草図に秘めた想い-』が、2019年1月2日(水)から3月24日(日)まで、東京国立博物館東洋館内「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」で再上演されます。
このVR作品は、江戸時代を代表するふたりの画家による両面屏風、尾形光琳筆の「風神雷神図屛風」と、その裏に描かれた酒井抱一筆の「夏秋草図屛風」の、オモテとウラの関係性について解説したもの。現在は、作品保護の観点で分割保管されている屛風を、バーチャルリアリティにより表裏一体となった往時の姿で再現しています。
酒井抱一筆、「夏秋草図屛風」 に描かれた草花ひとつひとつの細かな色使いを、大画面で鑑賞
酒井抱一は光琳を自らの師として仰ぎ、長年に渡って憧れを抱き続けましたが、晩年になって「風神雷神図屛風」の裏に絵を描くチャンスを得ました。VR作品では、自然に翻弄され、雨に濡れ風に揺れる繊細な草花を描いた「夏秋草図屛風」に託した抱一の想いをひも解き、 屛風のオモテとウラに隠された秘密に迫っています。
屛風の透かし、光の変化に応じた見え方や高精細の拡大鑑賞といった技術も導入されていることから、昨年1月の上演時に、「映像の美しさにビックリした」、「二つの作品を透かして重ね合わされたとき、見事で感動した」、「夏秋草図屛風の銀の再現が鮮やかですばらしい」など、多くの反響が寄せられたことが今回の再上演につながったとのことです。
江戸時代に生まれたこの画期的な両面屏風の秘密を知ることで、それぞれの絵に対する趣はさらに深まります。ぜひ、一度この映像体験を楽しんでみてはいかが。
◆VR作品「風神雷神図のウラ-夏秋草図に秘めた想い-」
上演日:2019年1月2日(水)~3月24日(日)月曜・火曜休演
会場:東京国立博物館東洋館内「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」
上演時間:約35分
公式サイト:http://www.toppan-vr.jp/mt/
白い空間に設置することでこれまでとは異なった表情を見せる「ガラスの茶室」
人間と自然との関係性に着目し、人間の感覚を光や音、香りなどの要素で表現した実験的なアート作品を多数発表している吉岡徳仁氏。彼の代表作、「ガラスの茶室」が九州で初お目見えしました。
2019年2月11日(月)まで佐賀県立美術館で開催されている、「吉岡徳仁 ガラスの茶室-光庵」。2011年のヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展に出店し、2015年には京都・東山の頂上にある将軍塚青龍殿の大舞台に設置され話題となった「ガラスの茶室-光庵」を、白い空間内で光と融合させたインスタレーションとして展示するとともに、同じく吉岡の代表作であり、パリのオルセー美術館にも展示されているガラスのベンチ「Water Block」や、ガラスのテーブル「Waterfall」なども一緒に展示されています。
Water Block 2002
デザイン、アート、建築など、幅広い領域において国内外から高い評価を得ている吉岡氏は、特に、光からもたらされる人間の感覚に対して追求と研究を重ね、光を透過する素材を使って壮大な自然のエネルギーを表現した作品に定評があります。
吉岡氏によれば、今回の「ガラスの茶室」のように、自然のエネルギーやオーラを知覚化した作品は、それを鑑賞する人間の視覚や感性と共鳴することによって完成されるのだとか。
人間の感覚を超越する、新しい光の体験を楽しんでみてはいかが。
◆吉岡徳仁 ガラスの茶室-光庵
会期:2018年11月28日(水)~2019年2月11日(月・祝日)
※休館日=12月29日-12月31日、1月21日、1月28日、2月4日
会場:佐賀県立美術館
佐賀市城内1-15-23
開館時間:9:30~18:00
公式サイト:https://saga-museum.jp/museum/exhibition/limited/2018/07/001926.html
◆吉岡氏によるギャラリートーク
日程:2018年12月23日(日)
時間:12:00~
岡田三郎助「ダイヤモンドの女」1908(明治41)年 福富太郎コレクション資料室蔵
美人の定義はその時代によって変わるもの。特に日本においては、西洋文化が流入した明治から太平洋戦争前の昭和初期にかけて、女性の服装や髪型などに大きな変化が起こったことを受けて、女性の美意識も転換期を迎えました。
2018年12月8日(土)から2019年3月17日(日)まで、箱根町のポーラ美術館において開催される「モダン美人誕生 岡田三郎助と近代のよそおい」は、生誕150年を迎えた洋画家、岡田三郎助の作品を中心に、近代日本のモダンな美人像がいつどのように生まれたのかを紐解いていく展覧会です。
明治から大正にかけて活躍した洋画家たちは、現代で言うクリエイティブディレクターのように最先端の流行を作り出す役割を担っていました。特に岡田は、日本初となった美人写真コンテストにも携わるなど、その作品の中で新しいタイプの美人像を次々と発表していったのです。
岡田三郎助「あやめの衣」1927(昭和2)年 ポーラ美術館蔵
藤島武二「女の横顔」1926-1927(大正15-昭和2)年 ポーラ美術館蔵
今回の展覧会では、岡田の傑作と言われる15点のほかに、藤島武二や鏑木清方などの絵画、当時のポスター、化粧道具など200点ほどを紹介。また、染織品コレクターでもあった岡田が、作品の中でモデルに纏わせた着物も6点展示されています。
これらの作品をながめていると、明治から昭和への時代のうねりの中で、どのように新しい美人イメージが形成されていったのか、女性の美意識の変遷を知ることができます。
平成も終わりを告げる今、この展覧会で、現代に通じる「美人イメージ」の原点を探ってみてはいかがですか。
◆モダン美人誕生 岡田三郎助と近代のよそおい
会期:2018年12月8日(土)~2019年3月17日(日) ※1月30日(水)は展示替のため「モダン美人誕生」展は休室
会場:ポーラ美術館
神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
開館時間:9:00~17:00(最終入館は16:30)
公式サイト:http://www.polamuseum.or.jp/sp/jmb/
中村健太
これからの日本のアートフォトをリードする若手写真家の支援と育成を目的とした展覧会「Lumix Meets/Beyond 2020 by Japanese Photographers #6」が、2018年11月30日(金)から12月9日(日)まで、天王洲のIMA galleryで開催されます。
2013年から開催しているこの企画も今回で6回目。今年も、昨年に続きアムステルダム、パリ、東京の3都市による巡回展として開催され、「不確実な世界との交信法」をテーマに、いま伝えるべき写真表現を追求しています。
三田健志
参加するのは新進気鋭のフォトグラファー6名。リアルとフィクションが入り混じる物語を通して、私たちに視覚的な体験を提示する三田健志氏、切実な世界の有様をジャーナリズムの視点から発信しようと試みる苅部太郎氏、動画と静止画のあわいを静謐な視点で切り取るネメス理世氏、イタリア版『VOGUE』が選ぶフォトグラファーベスト30に選出された中村健太氏、ニューヨークを拠点に活動する市田小百合氏、ファッションやカルチャー誌などで活動中の草野庸子氏といった顔ぶれです。
その複雑な現代社会において、若手写真家たちは世界をどのようにとらえ、何を発信していくのか。彼らの新しくユニークで大胆なクリエイションを通して、これからの写真表現について考えてみてはいかが。
◆Lumix Meets/Beyond 2020 by Japanese Photographers #6
会期:2018年11月30日(金)~12月9日(日)
会場:IMA gallery
東京都品川区東品川2-2-43 T33ビル1F
時間:11:00~19:00
公式サイト:http://beyond2020.jp/
子供地球基金は、これまで世界中で2000回を超えるワークショップ、3000回を超える展覧会を開催
1988年に創立され、想像力豊かな子どもを育てることを目的に、世界中で子どもたちと絵を描くワークショップを行ってきた特定非営利活動法人 子供地球基金が、今年で30周年を迎えました。この節目の年を記念して、これまでの活動の集大成ともいえる大展覧会「HAPPY EARTH展」が、2018年11月28日(水)から12月10日(月)まで、東京・六本木の国立新美術館で開催されます。
子供地球基金は、これまで30年にわたり戦争や災害、病気や貧困など様々な理由で心に傷を抱えた子どもたちと絵を描くワークショップや展覧会を行ってきました。子どもたちが絵を描き、その絵が基金となって他の子どもたちを救っていく。まさに子どもたちが子どもたちを救う活動として、世界47ヶ国で実績を重ねています。また、子どもたちが描いた作品は、その豊かな創造性から、フランス・ポンピドゥーセンターやロシア・プーシキンミュージアムでの展覧会をはじめ、国内外で高い評価を得てきました。
展示作品「心を繋ぐ一枚の絵」
今回は、同基金創設のきっかけとなったアーティスト志村星氏の作品を新作とともに展示するほか、世界各国のワークショップで描かれた子どもたちの作品を紹介するコーナーや、初公開となる横幅12mを超える巨大ペインティングも展示されます。また、会期中は、先着順で参加できる多数のワークショップを開催して、新たな作品も会場内に展示していきます。
このほか、各界著名人によるトークセッションやコンサート、ダンスパフォーマンスなど、節目の年を飾るにふさわしい企画が盛りだくさんです。
展示作品の中には、紛争終結直後の1995年クロアチアや、東日本大震災で被災した子どもたちによって描かれた作品も含まれているとか。ぜひこの機会に、基金の活動意義について考えながら、世界中の子どもたちからのメッセージと素晴らしいアートを体感してみてはいかがですか。
◆子供地球基金 30周年記念 HAPPY EARTH展
会期:2018年11月28日(水)~12月10日(月) ※火曜日休館
会場:国立新美術館
東京都港区六本木7-22-2
時間:10:00~18:00 ※金曜日のみ20:00まで ※12月10日は15:00まで
詳細は公式サイト:https://kidsearthfundjp.wixsite.com/happyearth
PHOTO CAMP会場(イメージ)
高層ビルが立ち並び、運河沿いの倉庫をリノベーションしたオシャレなブリュワリー、レストランなどが多い天王洲。周辺には大企業の社屋や高層マンションもあり、ビジネスマンから近隣に住むファミリーまで、様々な人が集まる人気のウォーターフロントエリアです。
この天王洲を舞台に、古き伝統と最新技術、働く人と住む人を結び付け、季節ごとに年4回行われるイベント「天王洲キャナルフェス」。2018年の冬は、11月30日(金)から12月2日(日)までの3日間、天王洲キャナルサイド周辺エリアで、アートフォトをテーマに展覧会やマーケットが行われます。
天王洲キャナルフェス2017 冬屋外展示の模様
ボンドストリートやボードウォークなど屋外の施設で大型のアート写真展示を行うほか、運河沿いにケータリングエリアも出現。アートファンはもちろん、どんな方でも楽しみながら最新のフォトアートに触れることができます。
多彩な催しの中でも特に、TERRADA B&C HALLで行われる「PHOTO MARKET」に注目。自ら撮影した写真を写真家自身が販売する、という新しい試みで、有名無名を問わずフォトグラファーが集まるフリーマーケットのようなもの。各ブースには、プリントや映像作品、書籍、プロダクトなどが並び、これからのフォトアート界を担う新しい才能との出会いが待っているかもしれません。
運河沿いを散歩しながら、最新のフォトアートに触れるもよし、グルメを堪能するもよし。この冬は天王洲エリアでアートな一日を過ごしてみてはいかがでしょう。
◆天王洲キャナルフェス2018冬 PHOTO CAMP
会期:2018年11月30日(金)~12月2日(日)
会場:天王洲キャナルサイド周辺エリア
東京都品川区東品川2-1-3
公式サイド:https://photo-camp.jp/
「白いフェンス, ニューヨーク州ポートケント,」 1916年 写真:ポール・ストランド 所蔵:京都国立近代美術館 ©Aperture Foundation, Inc., Paul Strand Archive
今はスマホで撮った写真を手軽にSNSにアップできる時代。写真は、現在の私たちにとって、最も身近な芸術であると言えます。そんな現代まで続く写真表現の基礎を築いた写真家たちの作品を集めた、貴重な展覧会が開かれています。
東京ミッドタウンのフジフイルム スクエアで、2018年11月28日(水)まで開催されている「アメリカ近代写真の至宝 ギルバート・コレクション展」。京都国立近代美術館が所蔵する写真コレクション「ギルバート・コレクション」から、珠玉の作品約70点を一堂に展示しています。
1800年代に登場した当初は、絵画の代用物のように扱われていた写真。1900年代に入ると“近代写真の父”と言われる写真家、アルフレッド・スティーグリッツが中心となって、対象物をストレートに撮影する「ストレート・フォトグラフィー」という手法で絵画的な表現から独立し、写真独自の芸術を求め始めました。
「月とハーフドーム, ヨセミテ・ヴァレイ」 1960年 写真:アンセル・アダムス
所蔵:京都国立近代美術館 ©The Ansel Adams Publishing Rights Trust
「ヌード」 1936年 写真:エドワード・ウェストン
所蔵:京都国立近代美術館 ©Center for Creative Photography, Arizona Board of Regents
今回の写真展では、スティーグリッツとその流れを継いだイモジェン・カニンガム、アンセル・アダムス、エドワード・ウエストン、ハリー・キャラハンなど、アメリカ近代写真を代表する10人の写真家の作品を集めています。これらの作品は、アメリカ・シカゴ在住のギルバート夫妻が20年に渡って収集した中から精選された1050点を京セラ株式会社が購入し、京都国立近代美術館に寄贈したもので、「ギルバート・コレクション」と呼ばれる日本初の大規模な写真コレクションの一部です。
現代の写真表現の原点とも言える「ギルバート・コレクション」の傑作たちを、オリジナル・プリントで鑑賞することで、近代写真の歩みを知ることができる今展覧会。写真表現の本質、そして可能性を感じてみてはいかがでしょう。
◆アメリカ近代写真の至宝 ギルバート・コレクション展
開催期間:2018年11月9日(金)~11月28日(水)
会場:FUJIFILM SQUARE (フジフイルム スクエア)
東京都港区赤坂9-7-3
開館時間:10:00~19:00 (入館は終了10分前まで) ※会期中無休
入場料:無料
公式サイト:http://fujifilmsquare.jp/detail/1811090123.html
『菅原伝授手習鑑 寺子屋』松王丸 2012 年 9 月 新橋演舞場 ©鍋島 徳恭
当代の中村吉右衛門といえば、現代歌舞伎を代表する立役であり、テレビドラマの『鬼平犯科帳』などでもおなじみ。堂々とした動きと滋味あふれるセリフ回しで、時代物や義太夫狂言、新歌舞伎や喜劇まで、あらゆるジャンルで活躍しています。その二代目 中村吉右衛門が今年、初舞台から70年を迎えたことを記念し、舞台上や楽屋、舞台裏での貴重なショットを集めた写真展が開催されます。
ミキモト銀座4丁目本店のミキモトホールで、2018年12月9日(日)まで開催中の「二代目 中村吉右衛門 写真展」は、2006年から中村吉右衛門が出演するすべての歌舞伎公演を記録している写真家・鍋島徳恭氏による約30点の作品を公開する展覧会。写真はすべて手すきの伊勢和紙にプリントして展示され、味わい深い作品に仕上がっています。
『菅原伝授手習鑑 寺子屋』松王丸 楽屋にての拵え風景 2012年9月 新橋演舞場 ©鍋島 徳恭
場内には、鍋島氏の写真を屏風に仕立てた『中村吉右衛門 初代/当代 三役屏風』を展示していますが、これは、鳥居清忠が初代 中村吉右衛門の役者姿を描いた屏風絵へのオマージュとして制作されたもの。初代から二代目 中村吉右衛門へと継承されてきた、伝統文化としての歌舞伎の姿を象徴する作品です。
70年に渡って立ち続けてきた歌舞伎の舞台で、今もなお圧倒的な存在感をみせ続ける中村吉右衛門。そのリアルな姿を通して、守り継承されるべき伝統の技と文化の魅力、奥深さを知ることができます。長年の歌舞伎ファンもビギナーも、ぜひ足を運んでいただきたい写真展です。
◆二代目 中村吉右衛門 写真展
会期:2018年11月7日(水)~12月9日(日)
場所:ミキモト銀座4丁目本店 7階ミキモトホール
東京都中央区銀座4-5-5
時間:11:00~19:00(最終入場18:45)※11月11日(日)は17:00閉場
入場料:無料
公式サイト:https://www.mikimoto.com/jp/news/181023/01.htm
重要文化財・二条城 唐門のプロジェクションマッピング
生け花と先進アートを融合させたイマーシブ(没入型)イベントで、通算30万人を動員している「FLOWERS BY NAKED」。この秋は、重要文化財である京都・二条城を舞台に、2018年12月9日(日)まで、歴史的な建造物と生け花、光の演出を融合させた体験型のアートイベントを開催中です。
城内の生け花を担当するのは、華道家元池坊の次期家元である池坊専好氏。各地で体験型アートイベントを手掛ける、NAKED Incとのコラボレーションにより、伝統的な空間を活かした新しいアートの世界を展開しています。
重要文化財・台所に展示される「秋桜と蒲公英」
清流園のライトアップでは音楽との連動して鮮やかに色が切り替わっていく
城内では、今回のイベントで初となる紅葉のライトアップを行うほか、二の丸御殿の御清所の部屋一面に広がるススキ野原、台所を使ったコスモスとたんぽぽの演出など、伝統建築と秋の草木が融合した新しい空間を体感できます。また、重要文化財の唐門をプロジェクトマッピングで優美に浮き上がらせ、今まで見たことのない、新しい二条城の姿を目にすることができます。
単に見るものではなく体験するアートへと変化していく「FLOWERS BY NAKED」。この秋、二条城の伝統建築の中で、新たな芸術の世界に触れてみてはいかが。
◆秋季特別ライトアップ FLOWERS BY NAKED2018―京都・二条城―
期間:2018年11月3日(土)〜12月9日(日)
場所:二条城(京都市中京区二条通堀川西入二条城町541)
開催時間:17:30〜22:00(最終入場 21:00)
入場料金:大人1,200円、小学生800円
公式サイト:https://flowers.naked.works/2018nijojo/
「私も連れて行ってください」2018年 ミクストメディア、紙50×40㎝
黒の背景にオイルパステルで鮮烈に描かれた女性や花々、動物たち。どこかなまめかしさをたたえながら、純粋でスピリチュアルな作品を描き続けるアメリカ在住のアーティスト、藤田理麻氏の絵画展が、2018年11月7日(水)から11月13日(火)まで、伊勢丹新宿店で開かれます。
絵画展のテーマは、サンスクリット語で感謝の気持ちという意味の「Anjali(アンジャリ)」。今年でアーティスト生活30年を迎えるという藤田氏が、自分とこの世界を包む、宇宙や神、何か大きな存在への感謝の気持ちを表現したという「私も連れてってください」や「ユニオン」などの新作が展示されるほか、過去の作品も合わせて30点ほどが公開されるそうです。
「ユニオン」2018年 ミクストメディア、紙40×32.5㎝
創作活動のほかに、貧しい国々の子供たちへ絵本を贈る機関の設立や、チベット難民孤児への教育支援など、社会奉仕活動に尽力している藤田氏。チベットへの支援は、夢でお告げを受けたことがきっかけと語り、チベット仏教の最高指導者であるダライ・ラマ14世とも交流があるとか。
大きな存在に導かれ、生かされていることへの感謝、自分を包む万物への尊敬を、極彩色のパステルで鮮やかに描き出す作品からは、しなやかで優しいパワーを感じ取ることができます。
目で見える世界ではなく、夢で見た鮮明な情景をそのままに描くことが多い、という藤田氏の作品。この展覧会で、スピリチュアルで心安らぐ、極彩色の世界に触れてみてはいかがでしょう。
会期中は毎日14時から16時まで、藤田氏が来場する予定とのことです。
◆藤田理麻25周年新作絵画展
会期: 2018年11月7日(水)~11月13日(火)
会場:伊勢丹新宿店本館5階=アートギャラリー
東京都新宿区新宿3-14-1
時間:10:30~20:00 ※最終日は18:00終了
◆ギャラリートーク&サイン会
11月11日(日) 14:00~15:30
エストニア国立博物館 (2006‒16年)photo: Eesti Rahva Muuseum / courtesy of DGT.
フランスを拠点に国際的に活躍している建築家・田根 剛氏の連携企画展が、東京オペラシティアートギャラリーとTOTOギャラリー・間、ふたつの会場で開催されています。
田根氏といえば、20代の若さで勝ち取った「エストニア国立博物館」の国際設計コンペや、2012年に行われた新国立競技場基本構想国際デザインコンペにおいて11人のファイナリストに選ばれた「古墳スタジアム」などで知られる気鋭の建築家です。
今回の展覧会では、「Archaeology of the Future ─ 未来の記憶」を共通のテーマに、2004年以降100作品以上の田根氏の全活動と、建築は記憶を通じていかに未来をつくりうるかという挑戦を、紹介しています。
新国立競技場案 古墳スタジアム (2012年)image courtesy of DGT.
東京オペラシティアートギャラリーでは「Digging & Building」と題して、場所をめぐる記憶を発掘し、掘り下げ、飛躍させる手法と、そこから生み出された「エストニア国立博物館」をはじめ現在進行中のプロジェクトを加えた7つの作品を、大型の模型や映像などによって体感的に展示しています。
そして、TOTOギャラリー・間では「Search & Research」にもとづき、建築における思考と考察のプロセスが展開され、田根氏のすべてのプロジェクトで実践されている「Archaeological Research(考古学的リサーチ)」の方法論を紹介しています。
ふたつの展覧会によって、場所の記憶をさまざまな角度から分析することで新たな系をつくり、未来につながる建築へと展開させていく、田根氏の探求と実践のプロセスが総合的に提示されていて、建築の持つ力や使命、未来への可能性を考えるきっかけとなるでしょう。
記憶は過去のものではなく、未来を生み出す原動力へと変貌する。と語る田根氏の創造の源に触れられる展覧会です。TOTOギャラリー・間では、田根氏によるギャラリーツアーもあるので、合わせてチェックしましょう。
◆田根 剛|未来の記憶 Archaeology of the Future
東京オペラシティアートギャラリー:2018年10月19日(金)~12月24日(月・祝)
TOTOギャラリー・間:2018年10月18日(木)~12月23日(日・祝)
東京オペラシティアートギャラリー公式サイト:http://www.operacity.jp/ag/exh214/
TOTOギャラリー・間公式サイト:https://jp.toto.com/gallerma/ex181018/index.htm
◆TOTOギャラリー・間 田根 剛氏によるギャラリーツアー
11月15日(木) 11:30~