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シェフ集結の記念ディナーや限定クッキー缶が登場
2025.9.29
ザ・キャピトルホテル 東急が15周年を彩る特別企画を開催
静謐な和の美と現代的な快適性を融合してきた、ザ・キャピトルホテル 東急。2025年10月22日(水)にリニューアルオープンから15年を迎えるのを記念して、記念ディナーイベントや限定クッキー缶など、節目を祝う特別企画を開催する。
「星に願いを ~シェフの饗宴~」
【日時】2025年10月17日(金)18:00受付・開場/18:30開宴
【会場】38,000円(和洋中フルコース・ドリンク・サービス料・税込)
10月17日(金)に行われるのが、一夜限りのディナーイベント「星に願いを ~シェフの饗宴~」。総料理長・曽我部俊典の監修のもと、ホテルを代表する精鋭シェフが集結。各シェフの個性を凝縮したアミューズに始まり、伝統と革新が交差する20品を超える料理が、ソムリエ厳選のワインとともに五感を満たす。
開業15周年記念 「戸河内」ウイスキー
【提供期間】2025年10月1日(水)~(売り切れ次第終了)
【時間】15:00~23:30(L.O.23:00)
【料金】ボトル 75,900円/グラス 4,427円
【限定数】180本
ホテルの象徴的な空間「ザ・キャピトル バー」では、広島・桜尾蒸留所でつくられる希少なジャパニーズウィスキー 「戸河内」のオリジナルカスクを数量限定で販売。カルバドスの樽で熟成された、まろやかな甘みとキレのある余韻を楽しめる。
開業15周年 クッキーアソート
【販売期間】2025年10月1日(水)~11月30日(日)
【時間】11:00~21:30
【料金】4,212円
ペストリーブティック「ORIGAMI」では、ホテルパティシエが風味や食感にこだわって焼き上げたクッキー缶を、15周年仕様で限定販売。多彩な食感や味わいが響き合う特別なアソートは、贈り物にも最適だ。
このほか日本料理「水簾」では、懐石、寿司、天ぷら、鉄板焼を楽しめるコースを、中国料理「星ヶ岡」では名物の北京ダックを心ゆくまで味わえるスペシャルコースを用意。オールデイダイニング「ORIGAMI」でも記念メニューが順次登場する。
和の美意識と洗練されたおもてなしを磨き続けてきたザ・キャピトルホテル 東急。これまでの歩みを讃え、未来への想いを込めた特別な企画は、訪れる人の心に忘れられない記憶を残してくれるに違いない。
Premium Japan Members へのご招待
最新情報をニュースレターでお知らせするほか、エクスクルーシブなイベントのご案内や、特別なプレゼント企画も予定しています。
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2025.9.29
常設アート ミュージアム「チームラボ バイオヴォルテックス 京都」が2025年10月7日(火)…
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ドバイの伝統と京都の風味が溶け合う、唯一無二の味わい
2025.9.26
デュシタニ京都から「抹茶ドバイチョコレート」が登場
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デュシタニ京都が、同グループの「デュシタニ・ドバイ」とコラボレーション。世界的に注目を集める「ドバイチョコレート」に京都ならではの風味を重ねた「抹茶ドバイチョコレート」を、ロビーラウンジ「The Gallery」で提供している。
カカオの芳醇な香りと、奥深い味わいが広がるデュシタニ・ドバイの「ドバイチョコレート」。中東の代表的なスイーツ“カダイフ”のザクザクとした食感や、<wbr />香ばしいピスタチオのフィリングを組み合わせた奥深い味わいが魅力だ。
デュシタニ京都
今回のコラボレーションでは、その本家の味わいをベースに、京都らしいアレンジをプラス。鍵となる素材は、京都・和束町の自社茶園「デュシット・ティー・ガーデン」で育てられた宇治抹茶。甘く華やかなチョコレートに抹茶の繊細な苦みと旨味が重なり、ドバイのエッセンスを保ちながらも、日本の繊細な味覚が融合する唯一無二のチョコレートが誕生した。
京都の風土とドバイの風味が交わる一皿を、ぜひ味わってみては。
「デュシタニ京都」 抹茶ドバイチョコレート
【提供場所】ロビーラウンジ「The Gallery(ザ・ギャラリー)」
【予約】不要(売り切れ次第終了)
【価格】2,000円(税サ込、1皿2個入り)
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2025.9.26
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2025.9.26
「サントリーウイスキー響 “The Art of HIBIKI”」イベントレポート
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9月26日から始まる「六本木アートナイト2025」に先駆けて開催された「サントリーウイスキー響 “The Art of HIBIKI”」。この特別なイベントに参加してきました。
今回のイベントの舞台はジャヌ東京。今や世界中が求めるサントリーウイスキーの最高峰「サントリーウイスキー響(以下、響)」の世界観を、歴史、香り、色、装い、そして味覚を通じて、日本の美意識の結晶を五感で体感する……というもの。
夕暮れのひととき、「響」のボトルがディスプレイされたエントランスを通り、バーへと誘われていきます。
華やかさと爽やかさが魅力の「響 JAPANESE HARMONY」。アペリティフにも最適。ウェルカムドリンクとして「響 JAPANESE HARMONY」スパークリングスタイルが用意されていました。
「サントリーウイスキー響」の芸術を五感で体感できる体験展示は、歴史を知り、香りを聞き、色を愛で、装いに感嘆する……とても贅沢な内容です。
1989年、サントリー創業90周年を記念し、日本のウイスキーの黎明期を築き上げたサントリーの粋を結集して作られたブレンデッドウイスキー「響」誕生の物語、それにまつわるさまざまなバックストーリーがわかる展示。特にネーミング秘話、ロゴ決定の流れまで展示されていて、ファンにはたまりません。
色、香り、すべてが異なる個性を放つ、「響」を構成する10の原酒の展示。目で色の違いを確認したあと、まるで極上のパフュームの香りを楽しむように、香りの個性を体験できました。
「響」のブランドカラー・深紫(こきむらさき)を探し当てるという体験。カラーパレットに光が透過されて目に鮮やか。ひとつひとつの色には和名が付いており、それを見ていくのも趣きがあります。
「サントリーウイスキー響」クリエイティブディレクター古庄章子さんのプレゼンテーション。サントリーウイスキー「響」「山崎」「知多」などのパッケージデザインをはじめ、製品に関するクリエイティブディレクションを監修されています。さまざまな日本の伝統的な意匠をまとめ上げ、世界観を創出しています。
「響35年」と人間国宝が手掛けた特別限定品のボトルも展示されました。「響35年 十三代今泉今右衛門作<色絵薄墨草花文洋酒瓶>」など、マニア垂涎の数々です。
この日、一番の話題は「響40年」。和紙ラベル、蒔絵が施された木箱など実物を目の当たりにして、匠の技が凝らされたパッケージに目を見張ります。日本の工芸の粋がひとつになり、もはやアートピースに昇華されています。
そしてお待ちかね、第5代チーフブレンダーの福與伸二さんによるテイスティングセミナーです。サントリーのウイスキー作りの歴史から、「響」が開発された経緯などを直々にお話しいただきました。
「響」を構成するシングルモルトやシングルグレーンの特徴をテイスティングしながら確かめたのち、「響 JAPANESE HARMONY」、「響 21年」、「響 30年」を順番に飲んでいきます。それぞれ異なる個性を持つシングルモルトやシングルグレーンをブレンドすることによって生み出される味わい、香り、広がりの妙を実感することができました。
「響」を構成する5種類の原酒は、どれも異なる個性を持っています。それぞれの違いを確認したのち「響 Japanese Harmony」「響21年」「響30年」をテイスティングすると、原酒の個性を生かしながら、異なる味わいを表現していることがわかりました。
第5代チーフブレンダーの福與伸二さん。「響」誕生の歴史など、あらゆる角度からその魅力を伝えてくれます。
テイスティングセミナーに続き、JANUグリルでのディナーです。私は「響」とのマリアージュに興味津々。ウイスキーを合わせながら食事を楽しむのは初体験だからです。
「平目のタルタル キャロット ドレッシング いくら」には、「響 Japanese Harmony」スパークリングスタイル(フロート)で。平目と驚くほど合います!
「鴨胸肉のロースト ナッツとドライフルーツ ポルチーニの焼きリゾット トリュフの香り」は、「響21年」の水割りでいただきます。香ばしい鴨とリッチな焼きリゾットに、「響21年」の華やかな香りが口中で合わさりマッチ。意外なマリアージュに思いましたが大成功でした。
「熟成 黒毛和牛 Tボーンのグリル いぶりがっこのマッシュポテト ポワブラードソース」。Tボーンの焼きと赤身の火入れは絶妙。ゴージャスな「響30年」は、Tボーンの迫力に負けない骨格を持っていました。ロックで味わいます。
「テリーヌショコラ 洋ナシのコンポート キャラメルソース」には、「響21年」のストレートが間違いない!という感じ。ねっとりとしたコクのあるテリーヌショコラに「響」を合わせるなんて、まるで天国。完璧なマリアージュでした。
9月26日から28日まで、「サントリーウイスキー響」を実際に体験できる「六本木アートナイト2025」はもうすぐ。「日本の美の結晶」である「響」の世界観を感じてみてください。
◆「サントリーウイスキー響」The Art of HIBIKI
日時:9/26(金) 、27(土) 16:00〜22:00、9/28(日) 16:00〜20:00
場所:六本木ヒルズ 大屋根プラザ
無料(飲食にまつわる費用は別途)
提供メニュー/
響 ジャパニーズハーモニー:ハイボール、ロック、水割り、ストレート 各¥800
響21年:ストレートのみ 5,000円
響30年:ストレートのみ 30,000円(専用カウンターにて整理券配布後、当選者のみに販売)
飲み比べセット:1,800円
中嶋千祥 Chisa Nakajima
編集NことPremium Japanの編集長ダイリ。1950~60年代の日本映画鑑賞とワインを飲むのが大好き。戦後の女性誌収集が趣味というちょいオタク。
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深まる秋を感じながら、珠玉のスイーツに舌鼓
2025.9.23
和光アネックス 新作パフェ&ケーキで楽しむ実りの秋
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深まる秋にふさわしい珠玉のスイーツが、和光アネックスから登場。2階 ティーサロンでは、四季折々の味わいを表現する「SHIKI パフェ」から、秋メニュー「SHIKI パフェ ―AKI―」の提供がスタートした。
「SHIKI パフェ ―AKI―」3,960円(11/30までの期間限定販売)
多彩なチョコレートの風味と食感を、ほどよい酸味のカカオハスクジュレや洋梨のキャラメルソテーが引き締めるパフェ、大人の味わい。渋皮栗やもみじをあしらった装飾も、秋の訪れを感じさせる。食べ進めるごとに異なる食感が現れ、チョコレートの奥行きと秋の味覚を五感で堪能できる一品だ。
SHIKI ショコラ・フレ ―AKI― 各1粒 648円(11/30までの期間限定販売)
1階ケーキ&チョコレートショップでは、「SHIKI ショコラ・フレ ―AKI―」を11月30日(日)までの期間限定で販売。熊本県産の和栗ペーストを贅沢に使った「栗きんとん」と、洋梨のピューレとリキュールを合わせた「キャラメル ポワール」の2種類が楽しめる
「Premier マロン Robe de Reine ―女王のドレス―」 3,780円(11/30までの期間限定販売・直径9cm)
さらに同ショップから、これまでにない贅沢な味わいを追求した最高峰のケーキ「Premier(プルミエ)シリーズ」が登場。「最上級」を意味する“Premier”の名にふさわしく、素材選びから製法に至るまで一切の妥協なく作り上げられた一品は、和光が誇る美意識の結晶。サイズも通常の約1.5倍とたっぷりで、一人で贅沢に味わう時間にもふさわしい一品となっている。
「Premier Ensemble ―多重奏―」3,456円(12/1〜2月末まで販売予定・直径9cm)
第一弾は、国産和栗とほうじ茶を組み合わせ、香ばしい風味が口いっぱい広がる「Premier マロン Robe de Reine ―女王のドレス―」。続く第二弾には、濃密な味わいを重ねたチョコレートケーキ「Premier ショコラ Ensemble ―多重奏―」が登場予定だ。季節の移ろいを感じながら、心まで満たすひとときを味わってみては。
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芸術の秋をスイーツで満喫
2025.9.22
リーガロイヤルホテル大阪。小出楢????重の世界観を味わうスイーツセットが登場
左:小出楢????重「周秋蘭立像」、右:秋蘭ティータイムセット
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リーガロイヤルホテル大阪 ヴィニェット コレクションが、芸術の秋にふさわしいコラボレーションを開催。大阪中之島美術館で開催中の展覧会「小出楢????重 新しき油絵」にあわせ、ホテル1階メインラウンジにて、小出楢????重の世界観をスイーツで表現したティーセットが期間限定で登場した。
11月24日(月・休)まで楽しめるこの特別なティーセットは、普段メインラウンジに展示されている小出楢????重の名作《周秋蘭立像》が展覧会に出展されることを受けて誕生したもの。
「小出楢????重 新しき油絵」展 秋蘭(しゅうらん)ティータイムセット
【期間】 販売中~2025年11月24日(月・休)
【時間】 10:30~18:30(ラストオーダー18:00)
【料金】 2,530円(税・サービス料込)
扇子や花瓶の花、チャイナドレスなど作品に登場するモチーフを、ベリーのバターサンド、チョコレートとスパイシーバナナマフィン、杏仁ブランマンジェの3種のスイーツで表現。ドリンクは、期間限定のはちみつ花梨フレーバージャスミンティーのほか、コーヒーや紅茶からも選ぶことができ、《周秋蘭立像》の雰囲気をスイーツとともに堪能できる。
メインラウンジ
紫雲をイメージしたシャンデリアや、せせらぎが響く水の回廊、窓の外に広がる日本庭園──都会の喧騒を忘れさせる静謐な空間で味わうスイーツは、美術館での体験をさらに豊かな時間へとつなげてくれる。
小出楢????重《卓上静物》1928年 京都国立近代美術館
大阪中之島美術館から徒歩約10分という立地も魅力で、展覧会鑑賞と合わせて訪れれば、心も舌も満たされる“アートな秋”を体感できるはずだ。
◆大阪中之島美術館「小出楢????重 新しき油絵」開催概要
【会期】開催中〜 2025年11月24日(月・休)
【休館日】 月曜日、10月14日(火)、11月4日(火)
※10月13日(月・祝)、11月3日(月・祝)、24日(月・休)は開館
【開場時間】 10:00~17:00(入場は16:30まで)
【会場】大阪中之島美術館 4階展示室(大阪市北区中之島4丁目3-1)
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W大阪「LIVING ROOM」が新章へ
2025.9.11
シグネチャーカクテルと100種類以上のテキーラが織りなすラグジュアリー体験
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大阪・御堂筋のラグジュアリー・ライフスタイルホテル、W大阪の中心的空間「LIVING ROOM」が、ナイトシーンの魅力をさらに深める新サービスをスタート。
NANIWA Paloma
まず注目したいのが、国内外で数々の受賞歴を誇り、大阪のバー「ISTA」を主宰する野里史昭氏が監修する5種類のシグネチャーカクテル。
Sound of Cheers
The Latest SAMURAI
W大阪の5つのパッションポイント「SCENE」「TASTE」「SOUND」「BODY」「STANCE」をテーマに、梅干しや山椒、みりんといった和の要素を取り入れたカクテルを創出。一杯ごとに物語が込められた独創的なカクテルを楽しめる。
テキーラ トローリー
さらに、毎月最終金曜日に開催される「Agave Experience(アガベ・エクスペリエンス)」では、100種類以上のテキーラをオリジナルトローリーで提供。目の前で仕上げられるカクテルなど、ライブ感あふれる演出を楽しめる。
スパイシーフライドチキン 2,400円
ワカモレ&サルサ 1,500円
また、和牛タコミートのケサディーヤやスパイシーフライドチキンといったフードメニューも登場。一皿ごとに広がる香りと食感がテキーラの奥深い世界をさらに引き立ててくれる。
このほかにも毎月第3金曜日には、音楽やカクテルを“つくる”体験を通じて創造性を刺激するナイトワークアウトも開講。W大阪のレジデンスDJがレクチャーする「DJマスタークラス」と、ミクソロジストによるバーテンダーレッスン「ミクソロジークラス」の2コースがあり、宿泊者は無料で体験できる。
月に一度、国内外の実力派バーテンダーを迎えて行われるスペシャルイベント「Bar Swap(バー・スワップ)」も好評だ。9月18日(木)、19日(金)には、Asia’s 50 Best Bars 2025を受賞した韓国「アリス・チョンダム」のバーテンダーが参加。10月にはWバンコクのバーテンダーが登場し、タイのエッセンスを加えたオリジナルカクテルを楽しめるという。
ホテルラウンジの枠を超え、文化と遊び心が交差するソーシャルハブへと進化する「LIVING ROOM」で、大阪の街のエネルギーを体感してみてはいかがだろうか。
◆ソーシャルハブ「LIVING ROOM」
【営業時間】12:00~23:00(※金・土・日・祝前日のみ 12:00~24:00)
【予約】TEL 06-6484-5812(レストラン予約)
※写真はすべてイメージです
DJ Master Class / Mixology Class 概要
【開催日】毎月第3金曜日
【時間】 18:00~18:30
【料金】 DJ Master Class 1時間 5,000円(カクテル2杯込)
Mixology Class 1時間 5,000 円(カクテル2杯込)
※宿泊者様は無料にて体験可能
※料金はすべて税・サービス料15%込
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六代目尾上菊五郎をはじめとする大歌舞伎一座の全国巡業記録『戦下の歌舞伎巡業記』
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マロンとショコラが奏でる、秋の贅沢な出会い
2025.9.12
ジャン=ポール・エヴァン「グルマンディーズ ドトンヌ コレクション」
ジャン=ポール・エヴァン「グルマンディーズ ドトンヌ コレクション」
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ジャン=ポール・エヴァンから、すべての美食家に捧げる「グルマンディーズ ドトンヌ コレクション」が、2025年10月31日までの期間限定で登場。
今シーズンは<新しい世界>をテーマに、メゾンを象徴するショコラと、ジャン=ポール・エヴァンが愛する秋の味覚「マロン」との出会いから生まれた特別なクリエイションが揃う。
トリュフ マロン 9個 4,752円(10月より発売予定) ※ショコラの色味は変更する可能性があります
マロン コンフィ 12個 7,599円
ボンボン ショコラ 16個 オトンヌ 7,884円
注目は、新作「トリュフ マロン」。マロン風味のガナッシュをビターチョコレートでコーティングし、奥行きのある味わいを生み出す。また、イタリア産の大粒の栗をシロップ漬けにした「マロン コンフィ」、期間限定のボンボン ショコラ「マロン カシス」と「ポワール キャラメル」を含む16個の詰め合わせ「ボンボン ショコラ」など、旬を堪能できるラインナップだ。
モンブラン 962円(2026年3月29日までの期間中、金・土・日・祝日のみ限定)
ムニュ モンドレ 2,475円( 9月17日~9月30日の期間限定)
※日本橋三越本店 「バー ア ショコラ」(イートイン)限定
さらに秋の定番「モンブラン」は、2026年3月29日までの金・土・日・祝日限定で発売。また日本橋三越本店では、9月17日から30日までの期間限定で丹波栗を使った「モンドレ」とドリンクのセットメニューが登場。同じく9月30日まで、サブレやショコラ、キャラメルなどを詰め合わせた「ボワットゥ ア グテ」も販売される
(左)ショコラ ショ マロン 1,100円 (右)ショコラ グラッセ モンブラン 1,495円(共に11月30日までの期間限定)
※「バー ア ショコラ」(イートイン)限定
このほか、リッチな香りとやさしい甘さをたたえたマロンをドリンクで味わえる期間限定メニューも。ショコラとの絶妙なハーモニーが、秋のひとときをより豊かに演出してくれる。
マロンとショコラが織りなす多彩な表現。季節を彩るジャン=ポール・エヴァンの特別なコレクションを、ぜひ楽しんでみては。
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2025.9.12
六代目尾上菊五郎をはじめとする大歌舞伎一座の全国巡業記録『戦下の歌舞伎巡業記』
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ザ・リッツ・カールトン東京「グランクラシックアフタヌーンティー〜シェフ エスコフィエ…
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パレスホテル東京で開催。フランス料理「エステール by アラン・デュカス ーChampagne SA…
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Portraits
日本のエグゼクティブ・インタビュー
2025.8.31
スポーツで子どもたちに笑顔を取り戻す 一般財団法人 United Sports Foundation 代表理事 諸橋寛子
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ゼビオホールディングス株式会社は、福島県郡山市に本社を構え、『スーパースポーツゼビオ』『ヴィクトリア』『ゴルフパートナー』などを展開するスポーツ小売のグループ企業である。その創業者である諸橋廷蔵さんの長女、諸橋寛子さんは、父の後継者として経営を担っていたが、2011年の東日本大震災が彼女の人生を大きく変える。同年9月、『一般財団法人 United Sports Foundation(USF)ユナイテッド・スポーツ・ファンデーション』を設立し、企業経営者から「スポーツを通じた社会貢献」という新たな挑戦へと歩みを進めた。
現在、諸橋さんはゼビオホールディングスのアドバイザリーボード・チェアマンをはじめ、国家機関の委員や国内外の非営利団体の理事・評議員など、約20の肩書を持つ。肩書だけを並べれば「近寄りがたいキャリアウーマン」を思い浮かべるかもしれないが、実際に会うとその印象は一変する。
親しみやすい笑顔と気取らない語り口。その場にいる人を包み込むような温もりがあり、初対面でも自然に心を開かされる。世代や立場を超えて彼女のまわりには人々が集まり、いつしか多くの支援者とともに、財団は来年設立15周年を迎える。
『一般財団法人 United Sports Foundation(USF)』の2024年の事業レポート。
父が一代で築いた事業とともに、父の想いを受け継ぐ
「父の事業を継ぐことを意識し始めたのは、5歳くらいだったと思います」と諸橋さんは振り返る。「弟は心優しいのんびり屋でしたから、父も私のほうが事業には向いていると感じていたようです」。
ゼビオの前身は福島県いわき市の紳士服店。そこからファッション、さらにスポーツウエアへと拡大し、父・廷蔵さんが一代でスポーツ小売業のリーディングカンパニーへと成長させた。諸橋さん自身は事業継承を念頭に、大学はボストンで学び、その後は三井物産繊維部で輸出入業や三国間貿易などの仕事を経験し、やがてゼビオに入社。夫となり、現在ゼビオホールディングスの社長を務める友良さんも商社を経験し、ゼビオに入社して、父の教えの下、共に経営に携わっていく。
ところが2003年に廷蔵さんが事故で急逝するという不幸に見舞われ、突然二人はすべての事業を引き継ぐこととなる。「幼い頃から父に教わり、店舗を見て学んできましたので、経営の基礎は自然に身についていました」と語るが、若干30代の二人には一大企業の経営を背負うにはまだ若く、経験も充分とは言えない状況であった。
一方で、寛子さんの弟・英二さんは父が設立した福島県北塩原村にある「諸橋近代美術館」の館長を務めている。「諸橋近代美術館」は、サルバドール・ダリの絵画・彫刻・版画など、約340点の作品を所蔵する、世界屈指のダリの美術館として知られている。ダリの作品の素晴らしさ言わずもがなではあるが、磐梯山を望む素晴らしい庭園と、ヨーロッパに訪れたかのような美しい建造物も一見の価値がある。この建築物は父・廷蔵さんが馬小屋をイメージして設計されたと聞く。
朝日磐梯国立公園に位置し、美しい自然に囲まれた諸橋近代美術館。
諸橋廷蔵さんが自ら蒐集したサルバドール・ダリの作品の数々が並ぶ。
「父は経営者であると同時に芸術を愛する人でした。私たち兄弟も子供時代から芸術に触れて育ち、私は長くバイオリンを習っており、コンクールでは賞をいただくほど熱中していました。今では驚かれますが、子どもの頃はスポーツが苦手だったんです」と微笑む。
福島に本社を持つゼビオの復興へ向けた取り組み
2011年3月の東日本大震災。当時、諸橋さんは東京へ出張中で、中学生の娘は一人自宅にいた。「帰宅すると、家は全壊状態。駐車場に佇む娘の姿を見つけ、無事を確認できたことがただ嬉しく、安堵をしたことを覚えています」。
ゼビオの店舗も被災したが、無事だった店舗を避難所として開放。社員たちは炊き出しを行うなどして、地域を支えた。「住民の生活をどう守るか、一日も早く日常を取り戻すことが最優先でした」。
被災した店舗からボールなどのスポーツ用品を取り出し、子どもたちに手渡すと、子どもたちは屈託のない笑顔で遊んでいた。「ボールひとつで子どもたちが笑顔になる姿を見て、スポーツの力を実感しました。それまではスポーツが苦手で、関わりも薄かったんです。でも、スポーツには人の心を豊かにし、健康をもたらす力があると感じた瞬間でもありました」。
USFの最初の取り組みとなった無料施設『KIDS PARK』(現在は閉館)。
復興には長い時間をかけて真剣に向き合っていく必要があると、諸橋夫妻は考えはじめていた。企業のCSR活動だけでは限界がある。「株主には利益を出す責任がある。だからこそ、主人は経営に専念し、私は財団を設立して社会貢献に集中することを決めました」。これがUSFのはじまりだった。
オフィスに顔を出すのは週1回程度。毎日スポーツウエアで全国で行われている企画に顔出したり、政府との会合に参加するなど、国内外を飛び回っている。
子どもたちの未来のために、私たちが今できることとは
震災直後、放射能への不安から子どもたちは外で遊べず、心身の成長に悪影響が懸念されたため、無料施設「KIDS PARK」を開設。体を動かせる場を提供したことがUSFとしての最初の取り組みだった。
その後はトップアスリートによるスポーツ教室や宿泊型マルチスポーツキャンプを企画していく。「初めて会う子どもたちが共同生活を送り、さまざまな競技に挑戦する。そこで自分を再発見するんです。子どもの表情が変わる瞬間に立ち会うと、私たちの活動は間違っていないと心から思えました」。
2013年から2024年までのUSFの取り組みに参加した人数は約60万人、イベント回数は約3,000回、共催・賛同企業や団体は80以上。
スポーツは苦手と話していた諸橋さん自身もスポーツに取り組むようになった。震災後の入院や手術をきっかけに、健康の大切さに気づいたのだ。
「スポーツシューズやウエアすら持っていなかった私が、パーソナルトレーナーをお願いして、週3回の筋トレ、さらに毎朝10キロ走り、今はスパルタンレースにも挑戦しているんです。いつしかスポーツが生活の一部になっていて、やらないと逆にエネルギーが湧かないんです」。
同時に歌舞伎や芝居、美術館鑑賞など、芸術に触れる時間もしっかりと設けることで、偏りが生まれないような時間の使い方をしているとも語ってくれた。
財団の活動で見えてきた、日本の部活動文化と社会課題
諸橋さん財団を運営する中で、日本のスポーツ教育に横たわる課題があることに気付いたと語る。
「日本は野球なら野球だけ、サッカーならサッカーだけ、1つのスポーツを徹底的に行うことがヨシとされています。この根底には日本の部活文化が関係していると思います。しかし1つのことしかやらない、そうした偏りは子どもの可能性を狭め、燃え尽き症候群にもつながります。さらには岐路に立ったときに切り替えができにくい思考にもなると思います。これはアスリートのセカンドキャリアの課題にもつながっていると思います」。
現在、子どもたちとスポーツの課題の1つとして、スポーツ庁では、『部活動の地域展開』『地域で子どもを育てる』などの理念を掲げて取り組みを進めている。
教員がボランティアで部活動の指導を担うのではなく、地域が主体となって部活動を行うというもの。この実現によって、教員の長時間労働問題や教員の専門外の指導の問題を解決し、学校を超えた地域校との交流や専門的な指導を受ける機会の創出につながる。
ただし、部活動の費用負担や保護者による送迎の増加、指導者の確保などの課題もあるが、諸橋さんはスポーツ庁の取り組みの支援や相談役にもなっている。
アスリートによる指導を受けるイベントも多数行っている。
スポーツを通じて、子どもたち、日本の未来へ挑戦を続ける
震災を契機に設立された財団は、その歩みを「復興支援」から「スポーツ振興」へと広げてきた。国内外のアスリートとの交流や、企業・自治体との連携を重ねながら、スポーツの持つ社会的な可能性を着実に拓いてきたのである。
「私はトップアスリートを育てたいわけではありません。スポーツを通して、子どもたちに『生きる力』を届けたいのです」。
スポーツ業界は男社会が長く続いてきた。このガラスの天井を破る取り組みも諸橋さんの課題の1つであったと語る。
「日本のスポーツ業界では古くから“根性”“忍耐”が美徳とされている傾向があったが、これらの思考も時代とともに変化していく必要がある」と諸橋さんは語る。
「スポーツは楽しむもの。やる人も見る人も、心と体を豊かにするエンターテイメント。スポーツ体験は子供たちの心身の成長に大きな意義を持つと考えています。そのためには親御さんを含めた大人たちの常識を覆すことも大切です」。
日本社会の課題にもつながっているのが、教育格差、地域格差、居場所を失っている子どもたちの存在だ。スポーツはそれらを解決する万能薬ではないが、子どもの心を開き、つながりを生むきっかけになる。
諸橋さんはまだゴールは見えていないと語るが、この取り組みは日本社会へ、そして大人たちへ、多くの課題を投げかけていると感じる。今後の諸橋さんの取り組みに注目していきたい。
USFの諸橋さんのデスクにて。
諸橋 寛子 Hiroko Morohashi
福島県いわき市生まれ。大学卒業後総合商社勤務を経て、創業者である父が経営する現在のゼビオホールディングスに携わる。2011年3月東日本大震災後、復興支援活動を契機に「スポーツの持つ力」を理念に掲げ、同年9月「一般財団法人UNITED SPORTS FOUNDATION」を設立し、代表理事に就任。 「スポーツの力で子どもを笑顔に」をテーマにマルチスポーツイベントを推進し、約60万人の子どもたちにスポーツに触れる機会を提供。2020年から、文部科学省や経済産業省、東京都などの部活動の地域展開に係る委員会やスポーツ推進などに参画し、スポーツを通じて持続可能で健全な社会を形成するための活動を行っている。
島村美緒 Mio Shimamura
Premium Japan代表・発行人兼編集長。外資系広告代理店を経て、米ウォルト・ディズニーやハリー・ウィンストン、 ティファニー&Co.などのトップブランドにてマーケティング/PR の責任者を歴任。2013年株式会社ルッソを設立。様々なトップブランドのPRを手がける。実家が茶道や着付けなど、日本文化を教える環境にあったことから、 2017年にプレミアムジャパンの事業権を獲得し、2018年株式会社プレミアムジャパンを設立。
Photography by Toshiyuki Furuya
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投稿 スポーツで子どもたちに笑顔を取り戻す 一般財団法人 United Sports Foundation 代表理事 諸橋寛子 は Premium Japan に最初に表示されました。
Lounge
Premium Salon
これを食べなきゃ人生ソンだよ
2025.9.5
行列してでも一年中食べたい 東京チャーハンのベスト5はこれだ!
日本独自の和風中国料理として発達した町中華屋のチャーハン
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今回は誰もが好きなチャーハン ベスト5だぜ。
「萬来園」、「鼎泰豐」、「一寸亭」、「中華 兆徳」、「中国名菜処 悟空」の5軒を紹介する。
チャーハンは、具材も五目にエビやらカニやらと様々で、トロミのついた炒め物がかかったメニューもあるが、筆者はシンプルな単体で米料理として食べるのが好きだな。対象とするのは高級店のものではない。それを含めたら、「KOBAYASHI」とか「家全七福」とか、技術を究めた炒飯が頂点に来るに決まっている。
今回対象にしたのは、それとは別種の、日本独自の和風中国料理として発達した町中華屋、そのチャーハンである(この範疇ではないのも1店入っている)。チャーハンは「パラパラ系」と「しっとり系」に大別される。前者は中華鍋を激しく振り、米は火柱の上にかざされて空中を舞い、余分な油分が飛ぶ。後者は攪拌されて空中を少し舞うぐらい。油分は適度に残りしっとりとなる。
本編に移る前に申し述べておきたいことがある。
例えば、東京のチャーハンベストで必ず挙げられる某店がその一例だ。満席の連続で全員がチャーハンをオーダーするのに、たったの30秒で出てくる。選者たちが絶賛してやまないこのチャーハンは、予め大量に作り置きし、ジャーに入れて保温したものだ。油っ気は抜け落ち、まるで炊き込みご飯になっちまっている。「パラパラ系」ならぬ「パサパサ系」なのだ。
こういうのはチャーハンじゃあないよ。出来立ての油の熱を感じさせるものこそがチャーハンなのだと、あたしゃ、言いたい。
この店以外にも、夜に食べてとても良かったのに、注文が立て込むランチではやはり「作り置き+ジャー」の店があった。作り置きは不味い! いくら忙しくとも、その都度、鍋を振ってほしい。そこが旨さの生命線だと思うのだな。
ここが東京一かもしれない
中国料理 萬来園
今回も方々で食べまくったが、最終的にはやっぱりここだよなという結論に落ち着く。
佇まいはカウンターのみの町中華だが、実は半端な店ではない。主人はかつて、フジテレビの「アイアンシェフ」に出演し、「ジョエル ロブション」の須賀洋介シェフに挑んだこともあるほどの腕前だ。昼は1000円前後で、エビチャーハン、五目チャーハン、五目そば、五目焼きそば等が食べられるが、夜は一変して4名以上の貸切り制となり、1人の予算は3万ぐらいらしい。だから本当は本格派の中国料理店なのだろうが、昼のメニューは町中華屋そのものなんだな。
さて、この店が少々厄介なのは、臨時休業がしばしばあることと、開店時間も微妙にズレることだろう。だから、「今日は行くでえ」と意を決してから、念のために電話をかける必要がある。で、「本日は臨時休業です」とか「今日は12時40分からです」と言われる。
全員が調理場にかぶりつきで10席あるが、1巡目で入った場合には、誰もがエビチャーハンを頼む。その同調圧力が凄いために、なかなか他の品目を言い出しにくいところがある。ほかのメニューが食べたいのならば、2巡目、3巡目を狙うのがよかろう。
という私は、1巡目でエビチャーハンを食べ、まだ食べたかったので、一回外に出て30分ほど時間を潰してから再訪し、五目焼きそばを食べた(笑)。アホか。
さて、店は老夫婦と息子の3人構成で回している。実際に鍋を振るのは息子だ。手順は予めちょっと炒めた玉子チャーハンがあって、それを一人前ずつに分けて念入りに炒め直し、味付けを施してから、4尾のエビを加えて完成させる。味付けは塩と白胡椒と化学調味料だけだ。かなりパラパラになるまで炒めるのだが、途中でお湯も少々加えて水分を補う。米一粒一粒への油の染み具合と、焼き焦がしの具合、味のバランスが見事じゃ。出来上がったそれは、高級店のそれではなく町中華風だ。
これは東京一かもしれんと感動する。
目の前で一人前ずつ完成させる「萬来園」のチャーハン
4尾のエビは背ワタを除いて丁寧に油通ししてあるので、エビ臭さなどは微塵もない。むしろ、天ぷらのようにぷりぷりと甘みがあって旨い。なにしろ、目の前で一人前ずつ完成させる手抜きのなさが素晴らしい。分量は一人前でやるのがいちばん旨くできると確信しているんだろうね。最初の10人前を次から次へと炒めていくので、滂沱の汗がしたたり落ちて、脱水症状を起こすんじゃないかと心配になるほどだ。
途中、息子が両親の手際に対して毒づく瞬間があって、ちょっと冷えた空気が漂うのだが、まー、せわしいのですぐ次の場面に通過していく。要は、ちょっとしたハードルを乗り越えても、辿り着くべきチャーハンなのである。慣れた常連は、五目そばの後にエビチャーハンを食べるという理想的な(爆)頼み方をしていた。
ちなみに、五目やきそばは人生最高レベルで旨かった。マジで。
「中華料理 萬来園」の入口
中国料理 萬来園
東京都品川区東大井5-6-8
℡03-3450-5667
月~土:12:30~13:45、17:30~21:30
定休日:水・日
エビチャーハン 1000円
五目チャーハン 850円
五目そば 800円
五目焼きそば 800円
小籠包だけじゃない、玉子チャーハンも食すべき
鼎泰豊 池袋東口店
ここを2番目に出すのはズルかもしれん。日本ではやや高級感が加味されて町中華屋と並ぶような店じゃない。本国の台湾じゃ、あくまでも大衆店のちょい上だ。チャーハンだけを取り出せば、値段はそれほど高いわけでもないから、まーいいでしょ。
「鼎泰豐」は日本に30軒以上あるが、今回の店舗は池袋東口に2025年5月にオープンした日本初の路面店である。もちろん行列店だが、ラストオーダー5分前(20:55)に行ったら、すぐ入れてくれた。
実は筆者はこの6月に台北の店に行ったばかりなのである。常々思ってきたことだが、台北店に較べると東京店の味は確実に絶対的に落ちる。これだけ店舗を増やせば当然のことだ。また、台北の「鼎泰豐」は驚きたまげるほど親切なことで知られているが、池袋東口店も充分に親切な感じがした。ええことや。
飲茶の回でも書いたが、小生は蒸し餃子や焼売には目がないけれども、小籠包というものには余り興味がない。かつて何回か台北店でひと通りの種類を食べたが、旨いとは思うがあまりソソられない。唯一、トリュフ入り小籠包という高額(1個500円ほど)のものには、思わず「うめ~」と呻いた。
さて、私は思うのだが、「鼎泰豐」で食べるべきものは、点心もいいけれども、何と言っても玉子チャーハンもしくはパイクーチャーハンなのである。玉子チャーハンについては、新宿高島屋内に初上陸した時から(この時のこの店が日本ではいちばん良かった)、「こりゃあ、旨えもんだな」とずっと思ってきた。その感想は今でも変わらない。
今回は一人だったので、そんなに多品目はムリ。最初に来たのは、前菜の「茄子の醤油煮」(この品は台北では売り切れになることが多い)。台北に較べると、盛り付けが格段に雑である。茄子の上に肉みそが載っているところが台湾料理っぽい。味は閉店間際なので、茄子に汁がしみすぎだ。前菜の「蒸し鶏ねぎソース」は旨かった。鶏は超柔らかく、ネギと生姜が効いていて、間違いないところだ。
さて、肝心の「玉子チャーハン」である。
具は玉子とネギのみで、味付けは塩と特製調味料だけ。パラパラ系としっとり系の中間で、筆者はこのぐらいのが好きだ。YouTubeで料理長の手順を見ても、ご飯はそれほど宙を舞わない。玉子は結構な大きさで残っている。たぶん、ご飯の投入が遅いからだ。玉子がもっと生の状態でご飯に絡ませた方がより旨くなると私は思う。
とはいえ、チャーハンとしては、多くの町中華屋の上を行く。味は塩も調味料もほのかな感じで非常に上品だ。台湾料理は概して味が濃いのだが、この優しい具合がとてもいい。米粒の旨さがきちんと立っている、立派な米料理だ。ワシワシと夢中で掻き込み続けたくなる。私は途中で酢をかけて味変するのを常としているが、この店の卓上の黒酢はまろやかで、とても良かった。
パラパラ系としっとり系の中間をいく「鼎泰豊」の”玉子チャーハン”
台北では、この玉子チャーハンの上に、タレに付け込んだ豚のスペアリブ(パイクー、排骨)を載せたパイクーチャーハンを食べたが、この揚げたパイクーはめちゃ柔らかくて絶品だった。ちなみに、別の日に池袋東口店で食べてみた。台北店よりも肉の量が少なく、やや硬めで反り返っていた。だが、台北の完成度を知らなければ、これはこれで旨い部類のものだろう。
スペアリブ(パイクー、排骨)を載せた「鼎泰豊」の”排骨チャーハン”
ちなみに最後にやってきた「トリュフ入り桑水流黒豚小籠包」であるが、台北ではあれほど感激したのに、こっちのはそうでもない。皮を縒(よ)った結び目が硬いのと、豚の質が違うのと、トリュフの味が強すぎる。台北では肉にトリュフを細かく練り込んでいたが、東京のは薄切りトリュフが雑に入っていた。同系列店の同じ料理なのに、こうも違うのかと衝撃を受けた。ザンネン。
鼎泰豐 池袋東口店
東京都豊島区南池袋1-23-11
℡03-5924-6911
平日:11:00~15:00 17:00~22:00
土日祝:11:00~22:00
玉子チャーハン 1100円
パイクーチャーハン 1800円
茄子の醤油煮 680円
蒸し鶏ねぎソース 1200円
トリュフ入り桑水流黒豚小籠包(2個)1270円
細切れの叉焼とネギ、細かく刻んだナルトがいい味だしてるよ
一寸亭
千代田線の千駄木駅から徒歩2~3分、「谷中ぎんざ」の真っ只中にある。36度のカンカン照りの下を歩いて、13:15に着いたら甘かった。なんと行列ができていて、店内に2人、炎天下に5人がいて小生は8番目だった。汗がだらだら出てくる。
中を覗いた客の一人が叫ぶ。「なんだよー、真ッ昼間から宴会やってるのが、テーブル席に2組もいるよ。あいつらが独占して動かないんじゃん」。そういうのは別の大箱店でやってもらいたいもんじゃのお(涙)。
ここの店主は、かつては数十種類の品目を作っていたが、いまは寄る年波によって、チャーハン、もやしそば、焼餃子の3種類しかやっていない。にもかかわらず、宴会客がいなくても行列ができる。YouTubeでも見たが、店を始めて50年が経つというのに、厨房はピカピカで仕込みもとても丁寧だ。
順番が来てカウンターに座ると、隣のオッサンは、このクソ暑いのに、餡かけのもやしそばをズルズル食っている。で、しばらくしたら、焼餃子とチャーハンも出てきた。スゲー。ワシも出来れば、こうやりたいところだったが、カラダのことを考えてチャーハンと焼餃子だけにした(笑)。他の客はほとんど全員がチャーハンだ。
主人は一心不乱に中華鍋を振って、先にチャーハンが来た。この細かく刻んだナルトの量がたまらん。他に具は細切れの叉焼とネギという潔さだ。うむ、それでいいのだ。
「一寸亭」のチャーハンの具は細切れの叉焼とネギ、細かく刻んだナルトが特徴
米は適度に焦げ、しかも満遍なく油が染みている。パラパラ系としっとり系の中間ぐらいか。一口食べると、叉焼の味が先に来る。しかる後に、米の旨味とナルトの味がくる。塩と旨味調味料は控え目だ。醤油は使っていない。ベタつきは少なく、どちらかといえばカラリとしている。うん、玉子塩チャーハンやね、旨いなー。
同時に出てきた焼餃子も、しっかりと自家製の感じで、底は良く油で揚げてあって焦げてパリッとしているが、上部の皮は柔らかい。ニラとキャベツとニンニクと挽肉が詰まっていて、とても旨い。しかして、チャーハンと焼餃子はなかなかのカップリングなのであった。餡かけになった「もやしそば」は旨そーだけど、さすがに夏の食い物じゃねえな。いつか食べてみたい。
「一寸亭」の入口
一寸亭
東京都台東区谷中3-11-7
℡03-3823-7990
月~金・祝日:11:00~16:00
定休日:土日
チャーハン 850円
もやしそば 900円
焼餃子 600円
名物 黄金チャーハンのために並んだゾ
中華料理 兆徳
チャーハン好きなら誰でも知っている駒込の町中華屋である。巷では、「黄金チャーハン」の店として有名だ。
であるから、なにしろ昼飯前の行列たるや、もの凄い。開店時間の11:30に到着しても、もう手遅れなほどだ。だから、待たずに食べたい人は覚悟を決めて早めに出かけることをお薦めする。
とりわけその「玉子チャーハン」(=黄金チャーハン)は、ほとんどの客が頼む。ゆえに、見ていると、ガタイのいい兄ちゃんが大振りな中華鍋に玉子チャーハンをてんこ盛りにして作っていた。重いから鍋を大きく振ることは適わぬ。仕上がりは必然的に、しっとり系となる。
ほとんどの客が注文するという「中華料理 兆徳」の”玉子チャーハン”(=黄金チャーハン)
具は卵とネギだけという潔さだ。味付けは塩と化学調味料だけなので、玉子とネギの味が米によく馴染んでいる。ちゃんとした米料理になっていて、なかなか旨い。卓上の自家製ラー油をかけて味変するのも一興で、玉子にラー油がとてもマッチする。
たぶん、注文がまばらな時には、鍋をしっかり振って作り、パラパラ系になるに違いない。筆者はこの玉子チャーハンは、しっとり系よりもパラパラ系のほうが好ましいと思うし、味もアップするはずだと推測する。
この店には他にも名物があって、甘酢餡かけの「揚げ餃子」と「砂肝の黒胡椒風味炒め」である。私は一人メシだったので、後者と焼餃子を頼んだ。砂肝はコリコリっとして、他にピーマンと玉ねぎが入っているが、透明な餡がかけてあり、胡椒がとても効いている。うむ、かなりクセになる味で、ビールのつまみに最高だ。
この店はなかなか一品一品の盛りがいいので、3品食べたら、もー、限界だったわ。
夜は予約が可能なので、何人かで行くのがいい。極めて多くのメニューがあるので、様々に頼んでから、玉子チャーハンと醤油チャーハン、あるいは麺で締めるのが良かろう。
「中華料理 兆徳」の入口
中華料理 兆徳
東京都文京区向丘1-10-5
℡03-5684-5650
火~日・祝日:11:30~14:30、17:30~22:00
定休日:月曜日
玉子チャーハン(塩) 900円
チャーハン(醤油) 900円
砂肝の黒胡椒風味炒め 1200円
焼き餃子(6ケ) 550円
揚げ餃子(6ケ) 700円
味もボリュームも大満足
中国名菜処 悟空
ランチタイムに行ってみた。昼は11時からだが、11:40に店に着いてラストの1席だった。客はひっきりなしにやってくる。銀座のはずれではあるが、まず、値段が良心的であり、盛りがいい。なので、メシをたくさん食べそうな近隣の兄ちゃん姉ちゃんサラリーマンで一杯だ。
工事現場のおっちゃんもいる。太っちょのサラリーマンが焼きそばに白メシという炭水化物ミックスを、豪快に食っていた。「まるで大阪人みたいだね」とか言いながら(笑)。この焼きそばがしっかりと濃い茶色で、実に旨そうだった。
筆者は「五目チャーハン」と「五目野菜のあっさり炒め」を単品で頼んだ。
最初に来たのは野菜炒めだ。キャベツ、モヤシ、ニラ、キクラゲ、ニンジン、ネギが、塩味でシャキッと炒めてあり、片栗粉でトロミがついている。なかなか旨い。続いて、五目チャーハンが来た。
叉焼と玉子とグリーンピースが結構なボリュームで入っている「悟空」の”五目チャーハン”
五目であるから、具は玉子、叉焼、ネギ、グリーンピース、エビ2個である。しっとり系の薄い醤油味だ。典型的な日本の町中華屋のチャーハンである。味は濃くも薄くもない中庸を保っている。だから、オカズとともに食べるのにも適している。普通盛りのはずなのに、食べ進めると、叉焼と玉子とグリーンピースが結構なボリュームで入っているために、半分も食べるとかなりヘビーになった。
そこで初めて、なんだこの盛りの良さは!と気づいた。これ、二人でシェアして丁度いい量だぜ。気前いいね。
で、結局は量が多すぎて4分の1を残した。こんなこと初めてだぜ。
ちなみに、隣も前も海老チャーハンセットを食べていた。このチャーハンは玉子とネギと塩だけで出来ていて、白いチャーハンでなかなか旨そうに見えた。ここも、4人ぐらいで夜に来て、単品をいろいろと頼んでみたい店だと思った。
「中国名菜処 悟空」の入口
中国名菜処 悟空
東京都中央区銀座1-15-7
マック銀座ビル1F
℡03-3566-0059
五目チャーハン 980円
五目野菜のあっさり炒め 980円
海老チャーハンセット 950円
「これを食べなきゃ人生ソンだよ」とは
うまいものがあると聞けば西へ東へ駆けつけ食べまくる、令和のブリア・サバランか、はたまた古川ロッパの再来かと一部で噂される食べ歩き歴40年超の食い道楽な編集者・バッシーの抱腹絶倒のグルメエッセイ。
筆者プロフィール
食べ歩き歴40年超の食い道楽者・バッシー。日本国内はもちろんのこと、香港には自腹で定期的に中華を食べに行き、旨いもんのために、台湾、シンガポール、バンコク、ソウルにも出かける。某旅行誌編集長時代には、世界中、特にヨーロッパのミシュラン★付き店や、後のWorld Best50店を数多く訪ねる。「天香楼」(香港)の「蟹みそ餡かけ麺」を、食を愛するあらゆる人に食べさせたい。というか、この店の中華料理が世界一好き。別の洋物ベスト1を挙げれば、World Best50で1位になったことがあるスペイン・ジローナの「エル・セジェール・デ・カン・ロカ」。あ~、もう一度行ってみたいモンじゃのお。
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Lounge
Premium Salon
これを食べなきゃ人生ソンだよ
Features
大阪から発信する“ネイバーフッド体験”の集大成
2025.9.2
「キャノピーbyヒルトン大阪梅田」開業1周年を記念した特別企画を開催
(写真右下)ホテルオリジナルクラフトビール『DOYASA!』も1周年記念ラベルで登場。
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2025年9月6日に開業1周年を迎える「キャノピーbyヒルトン大阪梅田」では、これを記念して、地元・大阪の魅力を体感できる多彩な企画を展開している。
CC:CARBON COPY(シーシー カーボンコピー)
!JaJa!Bar(ジャジャバー)「DENKYU クラフトビアガーデン」
館内のオールデイダイニング「CC:CARBON COPY」、バー&ラウンジ「!JaJa!Bar」、カフェ「Bean there, UMEDA」では、最大30%オフのタイムセールを実施。予約は9月11日(木)まで、利用期間は9月6日(土)から10月31日(金)(カフェは9月30日まで)となっており、大阪らしい食文化と洗練された空間を、気軽に味わうことができる。
1周年記念特別プラン「World of Canopy」ランチ/ディナーセット
また、同日より特別ランチ/ディナーセット「World of Canopy(ワールド・オブ・キャノピー)」も登場。大阪を含む世界各地の「キャノピーbyヒルトン」が誇る“地元の味”を一度に味わえるコースで、まるで世界を旅するようなユニークなダイニング体験を楽しめる。
ホテルロビー ウォールアート
さらに、海外ホテル宿泊券が当たるソーシャルメディアキャンペーン「1周年記念!大阪の旅の想い出」も開催。9月6日(土)14:00から9月25日(木)23:59までの期間、公式Instagramアカウントをフォローし、対象投稿に「♡」と旅の思い出をコメントすることで応募が可能だ。
エレベーターホール ウェルカムアート
1周年当日の9月6日(土)には、書道家・美紗稀(みさき)氏によるライブ書道パフォーマンスや、夜にはホテル南側の客室を使った「1」をかたどるライトアップも予定されている。
客室|キャノピービュールーム&プレミアムビュールーム(ツイン)
“ネイバーフッド(地域とのつながり)”を大切にし、その土地の文化や食をゲストに伝えることをブランドフィロソフィーとしている、ヒルトンのプレミアムライフスタイルブランド「キャノピーbyヒルトン」。今回の記念企画は、大阪に息づくカルチャーと、世界に広がるキャノピーbyヒルトンの魅力を同時に体感できる絶好の機会となるはずだ。
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投稿 「キャノピーbyヒルトン大阪梅田」開業1周年を記念した特別企画を開催 は Premium Japan に最初に表示されました。
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編集部&PJフレンズのブログ
2025.8.29
「”Dîner de la Sincérité” ~杉本雄の”サンセリテ”~」美食レポート 帝国ホテル総料理長・杉本雄が京都の食材に出会ったら
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「”Dîner de la Sincérité” ~杉本雄の”サンセリテ”~」とは、帝国ホテル総料理長・杉本雄さんがプロデュースする、食への真摯な敬意が込められた特別な食事会。
もともとは料理長が料理をふるまうイベントとして、第11代帝国ホテル 東京の料理長だった村上信夫さんが1978年にスタートさせたもの。杉本さんも、第14代帝国ホテル 東京料理長に就任した2019年から継承されています。
杉本シェフが日本各地の素晴らしい食材と向き合い、ゲストのために一期一会の皿を創り上げるこの会を、毎回楽しみにしているファンも存在するほど。このイベントに参加する貴重な機会を得ました。
杉本さんのモットー「美味しく社会を変える」。それを実施する取組みのひとつとして、杉本さん自ら地方に出向き、生産者の方々と交流して新しい食材に出合い、そして、生産者の方々が食材に込めた思いを杉本さんの料理に乗せ、お客様に楽しんでいただくことを大切にしているそうです。
今回の「サンセリテ」のテーマは京都府産の高品質な食材たち。杉本シェフみずから幾度も京都を訪れ、準備してきました。「帝国ホテルには素晴らしい食材が集まってきますが、厨房を飛び出して実際に生産地を訪れ、新たな食材と出会うことは、料理人として極めて重要な経験です」と述べています。
杉本シェフがセレクトした京都府の食材。京都は、豊かな食材の宝庫。今回は丹後ぐじ、美山の鮎、万願寺甘とう、賀茂なすなど、京都の海と山の恵みを揃えた。
今回、杉本シェフが選び抜いた食材は、京都府産の万願寺甘とう、賀茂なす、鮎や鱧、丹後ぐじ、そして宇治抹茶など。ペアリングするワインや日本酒も京都産を用意する徹底ぶりです。杉本シェフの技術とユニークな発想によって、どのような一皿に変貌するのでしょうか。
杉本シェフの食材へのリスペクトから生まれる美味なるコース
テーブルに置かれたメニューからすでに京都とのコラボレーションは始まっていました。スリーブをそっと外すと、この日のために選んだ「黒谷和紙」のカバーの中にメニューが入っているのです。厚みのある、独特の手触りが心地よい「黒谷和紙」は、なんと文庫本サイズのブックカバーにもなるというすぐれものです。
杉本シェフがアミューズをサーブしてくださいました。帝国ホテルの総料理長である杉本シェフが直々にテーブルまで来てくれるなんて。その近さに驚きました。聞けば、そもそもこの「サンセリテ」は、杉本シェフのお料理を直接ゲストにお出したい、それも宴会場ではなくレストランで、ゲストと会話をしながら楽しんでいただきたい、という思いから始まったそうです。杉本シェフの即妙でテンポのよい説明が期待を高めてくれます。
「鮎 初夏野菜のタルトレット オシェトラキャビアを添えて」は、タルトそして美山川の鮎のベニエのサクサクとした軽やかな感触が心地よい一品です。京都・美山川の鮎は、清流で育つことで身が引き締まり、香りと繊細な味わいが特長。藻を食べて育つため、ほんのりとした香ばしさがあります。
「鱧 炭落とし 茸のミジョタージュと黒トリュフ香るコンソメスープ」。炭落としとは、鱧を皮目から炭にはわせて火入れを行うという、和食の技法を取り入れたそう。炭火と黒トリュフの香味が広がり、新しい鱧の味わいを知りました。
「オマールブルー 海老のナヴァランとコニャックのフランベ 万願寺甘とうのトリコロールパプリカのゼブラ」。万願寺甘とう、本当に長い!この形状にインパクトがあります。「万願寺甘とうを見た時、このポテンシャルをそのまま表現したいと思いました」と語ってくれた杉本シェフ。だからそのままの魅力的な姿を活かしたそう。オマール海老とさわやかな万願寺甘とうがマッチ。
「甘鯛 カリカリの鱗焼き モダンに仕立てた白ワインバターソース」。京都では「ぐじ」と呼ばれるアカアマダイ。ぐじの皮をカリカリに焼き上げると、白バターソースがよく絡みます。食感と香ばしさ、なめらかなソースの旨味がリッチな味わいです。今回採用した「丹後ぐじ」は、延縄漁で釣り上げた後、厳格な品質管理のもと高鮮度で出荷されるブランド魚。平成24年(2012年)には「京のブランド産品」にも認証されました。
「賀茂なす イチボ肉のミソナードと牛生ハム ヴィテッロ・トンナートソースで」。賀茂なすは「京の伝統野菜」の代表格。大きさと肉質の良さで「ナスの女王」と呼ばれているそう。賀茂なすはふんわりとやわらかく、なす独特の甘みとイチボ肉がよく合います。
「京丹波 日本鹿 ロース肉のカイエット 黒コショウをきかせたジュ」。ジビエは鹿肉。京丹波の鹿肉をミンチにしてボール状にしたものを網脂で包んで焼いたもの。ジビエの旨味が凝縮。鹿肉は「国産ジビエ認証」の第1号を取得した、衛生管理と品質に優れた鹿肉を提供する専門店「鹿肉のかきうち」より取り寄せました。
「ロース肉のカイエット 黒コショウをきかせたジュ」と一緒に供された「鹿ブリオッシュ」。鹿肉のミンチが入ったブリオッシュ!ブリオッシュの甘みとジューシーな鹿肉が楽しめる一品。
デザートの準備に取り掛かる杉本シェフ。このデザートのために茶道の先生のレッスンを受けたそう。杉本シェフが立てている抹茶は、丸利????田銘茶園のもの。宇治市小倉地区で16代にわたり続く、老舗茶園です。
杉本シェフが目の前で仕上げた「丸利????田銘茶園 抹茶 宇治タルトレット 濃茶のアフォガード カモミールアイスクリーム」。丸利????田銘茶園の上質な抹茶の風味のタルトレットとカモミール味のアイスクリームの妙。カモミールのアイスクリームは記憶に残る味わいでした。
京都産のものをメインにしたペアリングもユニーク。お料理との相性も抜群。
シャンパンを除き、すべて京都産のもので揃えたペアリングのラインナップ。右から京都宇治玉露 玉兎、Palmer & Co. Blanc de Blancs、神蔵 純米 無濾過 無加水 生酒 クリア、京都丹波 ピノ・ブラン シュール・リー 2023、京都丹波 タナ 2020、季のTEA 京都ジン。
杉本総料理長の料理への情熱に触れて
今回の「”Dîner de la Sincérité” ~杉本雄の”サンセリテ”~」は、杉本シェフの食材へのあくなき興味と追求、そして彼の情熱を感じさせるものでした。
ゲストはそれぞれのテーブルで、この一期一会のお料理を楽しみます。杉本シェフがセレクトした、京都のさまざまな食材が、この一皿に昇華したその瞬間を目撃できるよろこびがあります。その食材の来歴や、料理へのアイディアなど、杉本シェフと触れ合いながら、コースが進んでいくのです。料理を介して、京都の食材を知り、その土地や人々の営みに触れるという、稀有な体験がここにはありました。
それは、杉本シェフをはじめ、サービスのスタッフのレベルの高さがあるからこそ可能なこと。すべてのテーブルに気を張り巡らせながら、親しみやすさと隙のないサービスが両立していました。
京都府は南北に細長い地形を持ち、京都市をはじめ、山城・南丹・中丹・丹後の5地域に分かれています。海と山の恵みがもたらす、さまざまな食材を供給する、豊かな土地です。今回、その京都の食材をどう料理として昇華させるのか、一皿ごとに杉本シェフの発想に驚かされつつ、スタッフ全員の情熱に心をつかまれた、素晴らしい一夜でした。
中嶋千祥 Chisa Nakajima
編集NことPremium Japanの編集長ダイリ。1950~60年代の日本映画鑑賞とワインを飲むのが大好き。戦後の女性誌収集が趣味というちょいオタク。
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Premium Salon
編集部&PJフレンズのブログ
Features
鮮やかなルージュに彩られた、伝説のアニバーサリーケーキが待望の復活
2025.8.29
「ベージュ アラン・デュカス 東京」記念日に贈る、特別なケーキ
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記念日や大切な日に、特別なケーキを選びたい――。そんなシーンにおすすめしたいのが、シャネル銀座ビルディング最上階にあるミシュラン1つ星レストラン「ベージュ アラン・デュカス 東京」のアニバーサリーケーキ。
鮮やかなルージュカラーと、パールを散りばめたキ<wbr />ルティングモチーフが印象的なケーキは、かつて多くのゲストに愛されつつも、惜しまれながら販売を終了した伝説の逸品。復活を望む熱烈なリクエストにこたえ、このほど待望の再登場を果たした。
アニバーサリーケーキ(11cm×11cm) 7,500円
*事前予約制(イートインのみ)
*別途サービス料12%
ケーキの中には、マダガスカル産バニラを用いたなめらかなムースや、フランボワーズ、イチゴ、カシス、ブルーベリーをブレンドしたマーマレードと、ライムの酸味が際立つジャムが。さらに、香ばしい自家製アーモンドプラリネや、繊細な食感のフィヤンティーヌ、フランボワーズのビスキュイ生地を重ね、香り・味わい・食感が幾重にも響き合う構成に仕上げられている。
鮮烈なビジュアルとともに、特別な日を華やかに彩る「ベージュ アラン・デュカス 東京」のアニバーサリーケーキ。大切な人と過ごすひとときを、忘れられないものにしてくれるはずだ。
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Features
2025.8.29
池尻⼤橋の複合施設「HOME/WORK VILLAGE」に「APÉRO VILLAGE」がオープン
Features
2025.8.29
「LEXUS MEETS…」および「INTERSECT BY LEXUS」にて「MORIZO TEA」の提供を開始
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投稿 「ベージュ アラン・デュカス 東京」記念日に贈る、特別なケーキ は Premium Japan に最初に表示されました。
Features
ワインのボトルショップと⾓打ちを融合させた「APÉRO」の新店舗
2025.8.17
池尻⼤橋の複合施設「HOME/WORK VILLAGE」に「APÉRO VILLAGE」がオープン
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池尻⼤橋の学校をリノベーションした複合施設「HOME/WORK VILLAGE」1階に、ワインのボトルショップと⾓打ちを融合させた「APÉRO VILLAGE(アペロ・ヴィラージュ)」がオープンした。
「APÉRO」は、フランス⼈オーナーのデュペリエ・ギヨーム氏が、フランスの“アペロ”(ディナーの前に軽くワインとつまみを楽しむフランスの習慣)を、⽇本にも伝えたいという思いから、2014年に南⻘⼭で一号店を開業(移転に伴い現在は⼀時クローズ中)。2021年には、京島に2号店をオープンした。
今回新たにオープンした「APÉRO VILLAGE」は、“ワインを学び、味わう”体験型の空間がコンセプト。フランスを中⼼に、オーストラリア、イタリア、⽇本など、造り⼿のセラーから直接セレクトした300種以上のオーガニック・ナチュラルワインを販売するほか、店内中央のカウンターでは、⽇替わりの10種のワイン(¥1,000〜)を⾓打ちスタイルで楽しむこともできる。今後は、テイスティングイベントやワークショップなども開催する予定だ。
あなたも池尻でフランスのエスプリを感じる一杯を楽しんでみてはいかが。
◆APÉRO VILLAGE(アペロ・ヴィラージュ)
【住所】東京都世⽥⾕区池尻2-4-5 HOME/WORK VILLAGE 1F 104
【営業時間】13:00〜22:00
【定休日】水曜
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Features
2025.8.17
世界が注目するワイナリー「ドメーヌ・タカヒコ」のワイン造りの秘密に迫るノンフィクシ…
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投稿 池尻⼤橋の複合施設「HOME/WORK VILLAGE」に「APÉRO VILLAGE」がオープン は Premium Japan に最初に表示されました。
Features
富士の森を感じるプレミアムクラフトティーが誕生
2025.8.15
「LEXUS MEETS…」および「INTERSECT BY LEXUS」にて「MORIZO TEA」の提供を開始
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「LEXUS MEETS…(東京ミッドタウン日比谷)」および「INTERSECT BY LEXUS(南青山)」にて、富士の自然から着想を得た、プレミアムクラフトティー「MORIZO TEA」の提供がスタートした。
「MORIZO TEA」は、トヨタ自動車会長・豊田章男氏(愛称:モリゾウ)の、「モリゾウ、森を飲む」という発案から、静岡県の富士スピードウェイ周辺の雄大な自然にインスパイアされ誕生。農薬不使用の厳選された静岡県産緑茶を、旨みとほのかな渋みを最大限引き出すよう丁寧に抽出し、キンモクセイなどの森を感じる素材をブレンドしている。
緑茶本来の上品な味の中に、新緑の季節の森で深呼吸をしたときに感じる、“風にそよぐ緑と木々の香り、芳しい根や土の香り、そしてどこかで可憐に咲く花の香り”を表現し、飲み終えた後にも続く、柔らかく穏やかな余韻も楽しめる。
また、「MORIZO TEA」は、「体験型SDGs」を提案した商品として、その売上の一部が富士スピードウェイ周辺の自然環境を未来へと継承すべく、地域の植林活動などに活用されるとのこと。
あなたも富士の森を飲みに日比谷、南青山へお出かけしてみてはいかが。
◆MORIZO TEA(モリゾウティー)
【提供店舗】「LEXUS MEETS…」東京都千代田区有楽町1-1-2 東京ミッドタウン日比谷1F
「INTERSECT BY LEXUS」東京都港区南青山4-21-26
※詳細は店舗公式サイトで要確認
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京都通信
2025.8.8
【京料理講演会レポート第3回】歴史に学び、今を活かす──木乃婦三代目主人・髙橋拓児氏が語る京料理の「伝統と革新」
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2025年5月14日(水)〜19日(月)の6日間、京都髙島屋S.C.にて「京都 食の博覧会」が開催されました。京のグルメを集めたこのイベントでは、京都府内各地の料理店・和洋菓子店のグルメやスイーツ、人気ベーカリーのパンなどが集結。特設スペースでは、日替わりで京都を代表する料亭3店による出汁の飲み比べ体験も行われるなど、伝統を受け継ぐ料理人たちの技と豊かな食文化を堪能できる絶好の機会となりました。
そして14日(水)〜16日(金)には、京の料理人による講演会も実施。伝承の技や和食の未来について、貴重なお話が繰り広げられました。
木乃婦 三代目主人の髙橋拓児氏
髙橋拓児氏[木乃婦 三代目主人]──歴史の中から新しさを見出す
3回にわたってお届けしてきた講演会レポートも、今回が最終回。この日は料亭「木乃婦」の三代目主人・髙橋拓児氏が登壇し、京料理の「本質」と「創造性」についてお話ししてくださいました。
京料理とは何か──情緒と技術の融合
京料理は国の無形文化財に登録されています。そこでは「京料理とは、京都の地で育まれてきた調理・しつらい・接遇・食を通じた「京都らしさ」の表現」であると定義されています。では、京都らしさとは?
講演の冒頭で髙橋氏が見せてくれたのは、下記の写真でした。
一見すると「金団(きんとん/餡を裏ごししてそぼろ状にしたものを餡玉や求肥にまぶした和菓子のこと)」が3つ並んでいるよう。
「実はこれ、アイスクリームなんです」と髙橋氏。3色のアイスクリームを裏ごししたものを金団風に仕立てています。
食籠に盛り付けると、アイスクリームも金団にしか見えない。まったく異なる印象に。
次に映し出されたのは、水ようかんのような一枚。
しかしこれも、和菓子ではなく、チョコレートでできた寒天なのです。
丸型でつくったチョコレート寒天。洋皿に盛ると、和の要素が感じられない。
同じ材料を使っていても器や盛り方を変えると、いかにも水ようかんらしい佇まいに。
「イタリアンやフレンチのような料理は、うちの店では出しにくいです。でも、まったく同じ材料を使って盛り方や演出に工夫を凝らせば、なんとなく和食の店にもなじむ」
ここに“京料理らしさ”を考える上でのヒントがありそうです。
さらに例として挙がったのが、ブリ大根。家庭料理としてのブリ大根と、料亭で供されるブリ大根では、表現がまったく異なるといいます。
「ブリは薄くそぎ切りにして、大根は細かいおろし、粗いおろし、鬼おろしの3種類におろして合わせ、みぞれ鍋仕立てに。ニンジンは薄く丸くスライスし、細かく切った柚子皮をあられのように散らします。ブリの旬は、冬の時分。あられが降り、雪が積もって、非常に寒い。雪の下にはニンジンを越冬させて……という情景美を込めた料理に仕立てます」
大根は三角に、人参は丸く、切る形を変えることで家庭でも美しく華やかなブリ大根が作れる。
とくに京都では、高度な調理技術はもちろん、抒情的な表現力が欠かせないのだとか。
「うちの店に食べに来られるお客様は、ご来店前に寺社仏閣に寄って来られる方もいらっしゃいます。そこで過ごした雰囲気を持ったまま来られますので、その道程とともに季節の風情をまとった料理を楽しんでいただく。それが料理屋の考え方じゃないかと思います」
同じ食材でも表現を変えると、器のなかに風情のある景色が生まれる。
そして話題は、料亭と割烹との違いに移っていきます。
「割烹は、主にそのとき主人が作りたい料理を提供しますが、私たち料亭は非常に受け身です。お客様のご要望に応じた料理を用意できないと具合が悪い。ですから、料理長になる者は、創業当初からの料理─うちなら347品を、全部作れないといけないんです」と髙橋氏。
京料理の継承と創造─歴史に学び、今を活かす
革新ともよく言われますが、京料理の創造性とは、単に新しさを追い求めることではありません。決まった枠組みのなかで、工夫を凝らしていくことで、創造性豊かなものになるのです。
「時代が変われば、見え方も変わる。だからこそ、過去を見直すことで、新しい発見がある」と、歴史に学ぶことの重要性を強調されていました。
木乃婦は寺社仏閣への仕出しも多く手がけており、そこから学ぶことも多いのだそう。
「お寺さんごとに歴史的な背景やお好みがございますので、それぞれに合わせて味の加減、色合い、素材の扱い方などのルールを作っていきます。制約のあるなかで創意工夫を重ねることで、豊かな創造性が生まれてくるのです」
料亭のイメージが強い木乃婦だが、創業当時は「仕出し」が専門。そのため、京都一円の錚々たる寺社仏閣の御用達となっている。
工夫という点では、近年増加しているベジタリアンやヴィーガンの方への対応も、伝統的な精進料理の技術を応用しているそう。
「たとえば、カボチャを雲丹に見立てて調理することで、ベジタリアンの方でも、同席する他のゲストと同じ料理を共有することができる。同じものを食べている感覚で食事が楽しめるので、とても喜ばれます。精進料理においてこういった、本来とは異なる食材で味や食感、見た目を似せて作る“もどき料理”がどうして生まれたのか。それはやっぱり、おもてなしの心だと思います」
雲丹のように見えるのは、カボチャのペースト。塩加減を強めにして、味わいのバランスも近づけている。
最後に語られたのは、「名物をつくる」ということについて。それは料理人にとって、永遠のテーマだといいます。
「名物は、型から外れなければ生まれない。僕らは常に、これを名物にしようと思って料理をつくっています」そう語る髙橋氏が考案したのが、「ふかひれ胡麻豆腐」です。
木乃婦の「ふかひれ胡麻豆腐」。考案から四半世紀が経ったいま、根強いファンを持つ名物料理となった。
ふかひれは中華料理の食材だという思い込み。それを軽やかに塗り替えたこのひと皿は、いまや押しも押されもせぬ名物となっています。
近年は「“季節性”のローストビーフ」も好評。「実山椒や青柚子、葉唐辛子、きのこなど、時期によってソースをガラッと変えて、ローストビーフに季節感を与えました」
旬の時期にしか味わえない、実山椒のローストビーフ。
これまでのお話を踏まえ、立ち戻ったのは「京料理とは何か」という問い。
その答えとして「京都の人々が日々の暮らしの中で食べ続けられる料理でなければ、京料理とは言えない。皆さんが良いと思えるような料理こそが、京料理なのだと思います」と語り、講演を締めくくりました。
1935(昭和10)年、畳10畳ほどの仕出し屋からはじまった料亭「木乃婦」。いち早くワインと京料理のマリアージュを提案したことでも知られている。
【京料理 木乃婦(きのぶ)】
住所 京都市下京区新町通 仏光寺下ル岩戸山町416
TEL 075-352-0001
営業時間 昼の部12:00~15:00(L.O.13:30)、夜の部18:00~21:30(L.O.19:30)
定休日 不定休
HP http://www.kinobu.co.jp/
3日間にわたって開催された京料理講演会。
登壇されたお三方のお話から、京料理の豊かな世界にあらためて触れることができました。
Text by Erina Nomura
野村枝里奈
京都在住のライター。大学卒業後、出版・広告・WEBなど多彩な媒体に携わる制作会社に勤務。2020年に独立し、現在はフリーランスとして活動している。とくに興味のある分野は、ものづくり、伝統文化、暮らし、旅など。Premium Japan 京都特派員ライターとして、編集部ブログ内「京都通信」で、京都の“今”を発信する。
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