今回はお菓子のようにスイートなラデュレのコスメティクス、レ・メルヴェイユーズ ラデュレをご紹介したい。ブランドの誕生以来、色やデザインから香りや成分に至るまで、その独創的な世界観に私自身も魅了され続けている。
ブランドイメージは、18世紀の革命後に生きた「メルヴェイユーズ」と呼ばれた女性たち。彼女たちはフランスを愛し、貴族としての誇りを捨てることなく、優雅さとモダンさ、女性らしさと強さを持ち合わせ、独自のスタイルを生み出したパリジェンヌたち。古代ギリシャ・ローマ時代への憧れを反映させた新たな様式美ネオクラシシズムが生まれた時代でもあり、メルヴェイユーズたちもコルセットやスカートを膨らませるためのパニエを身につけずに、ギリシャ神殿のコラム(円柱)を彷彿させる直線的なシルエット、見頃部分とスカート部分が一続きとなった高いウエストラインのドレスを着用していたという。
「花と蝶」をテーマにした2019年の春コレクションは、そんなメルヴェイユーズたちのドレスを思わせるデザインのリップカラーが登場。ピンクをテーマにした10色があり、必ず #My Pink が見つかるというもの。またイルミネイティングフェイスパウダーは、まるで蝶の鱗粉のように光によって変化することで華やかさを演出してくれるという優れもの。アイカラーは色彩だけでなく、カメオのデザインやサイズもキュートだ。
リップカラー 全10色
レ・メルヴェイユーズ ラデュレと言えば、私にとってはチークアイテムのバラエティーの多さが先ず頭に浮かぶ。2011年秋のブランド初のお披露目発表会では、デザインや質感の異なるチークアイテムが3種類もあったのがとりわけ強く印象に残ったからだ。
最初にクリームチークベース、そしてプレストチークカラーをのせ、バラの花びらの形をしたフェイスカラーは、最後にブラシで花弁を優しく撫でるように色を含ませて頬にのせる。
レ・メルヴェイユーズ ラデュレPRマネージャーの西野絵梨さんによれば、最も大切にしているのは“表情美”で、そのポイントとなるのが頬。西野さんが「チークレイアード」と呼ぶ、3種類のチークアイテムを重ねて使うことこそブランドの美学であり、微妙な“表情美”を演出することが可能になる。そこには「五感を刺激し女性を本能的に魅了するものでなければ真に美しいと言えない」というラデュレ創業以来のフィロソフィーが継承されているのだという。
発表会でカラフルなカメオが象られたプレストチークカラーがまるでマカロンのように円錐状にびっしりと飾られていたことがあったが、今ではチークだけで50色はあるそうだ。
レ・メルヴェイユーズ ラデュレは、フランスのコンセプトと、上質な美容成分、そして日本の匠の技が融合することで生まれたブランドだ。
例えばバラの花びらの形をしたフェイスカラーは、開発にあたり製紙会社を見つけることから始め、造形職人に花びらの原版を作ってもらった。完成した花びらの紙に色を吸わせて一枚一枚手作業で作られている。花弁の原版を手がけた造形職人が亡くなってしまったなどの理由から、他社では真似ができない技術なのだという。
手前左からイルミネイティングフェイスパウダー、アイカラー02、トリートメントオイル、リップバーム02、リップカラー、リップ ブラッシュ、コンシーラー デイセラム。奥左からヘリオトロープ ミスト、ヘリオトロープ ボディ ウォッシュ、オー ド トワレレ メルヴェイユーズ、ヘリオヘリオトロープ ボディ ローション、フェイスカラー ローズ ラデュレ
※ボディケアは2019年3月1日発売予定
使用後には、ブランドのもう一つのコンセプトである「美しい裏切り」が隠されている。花びらチークはブラシに色がつかなくなったら、使い切ったサインとなるのだが、花びらの色も形もそのまま残るので、使い終わった後はオブジェとして楽しめる。カメオのデザインが施されたプレストチークカラーも、使い終わるとケースの底に使用していたチークカラーのカメオが現れる仕掛けになっていて、こちらもオブジェとしての楽しみが残されている。なんと粋なはからいだろう。
レ・メルヴェイユーズ ラデュレに使用されている成分にも注目したい。2種類のバラエキス(ダマスクとセンチュフォリア)、ローズハチミツ、オーガニックラベンダーエキスといった具合で、お菓子の材料のように美味しそうな成分が並ぶ。一部を除いて共通に使われている美容成分だそうだ。
西野さんのオススメという赤いボトルが印象的なトリートメントオイルを試してみた。洗顔後のぬれた肌に2・3滴すり込んでみたら、オイルなのにサラッとしていて、肌がやわらかな感じだ。化粧水も染み込みやすくなったように感じられ満足度は予想以上だった。
あなたもレ・メルヴェイユーズ ラデュレの世界にしばし浸ってみてはいかがだろうか?
text © Mika Ogura 2018
【プロフィール】
小椋三嘉(おぐら・みか)エッセイスト、食文化研究家。
十数年のパリ暮らしを経て帰国。2008年にはフランス観光開発機構・ パリ観光会議局の名誉ある「プレス功労賞」を受賞。フランスのチョコレート愛好会「クラブ・デ・クロクール・ド・ショコラ」の会員。著書は『高級ショコラのすべて』、『チョコレートのソムリエになる』、『ショコラが大好き!』、『アラン・デュカス進化するシェフの饗宴』、『パリを歩いて―ミカのパリ案内―』など多数。
【商品情報】2019年1月18日発売予定
イルミネーションフェイスパウダー 1色 6,000 円 (税抜)
リップカラー 10色 3,200 円 (税抜)
リップブラッシュ 2,800 円 (税抜)
アイカラー 5色 2,500円 (税抜)
オー ド トワレレ メルヴェイユーズ 75ml 9,000円 (税抜)
レ・メルヴェイユーズ ラデュレ
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http://www.lm-laduree.com
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