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世界で大人気のサントリーブランド「ROKU〈六〉」の体験拠点が期間限定オープン
2025.6.26
高輪「茶室 BAR ROKKAN by ROKU GIN」サントリー「ROKU〈六〉」ブランドを深く知り愉しむ
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サントリージャパニーズクラフトジン「ROKU〈六〉」初のコンセプトショップ「茶室 BAR ROKKAN by ROKU GIN(以下ROKKAN)」が、グランドプリンスホテル高輪に6 月 18 日より約 1 年間だけオープンする。
日本の伝統技法を用いた光の少ない空間は、私たちの五感を研ぎ澄ますことでより味わい深く、そして心静かに過ごせる、知る人ぞ知る大人のBarである。
なぜ「ROKU〈六〉」がここまで世界で高く評価されているのか
2017 年の発売以来、約60 カ国で販売され、海外の販売ボリュームが約 9 割を占め、世界のプレミアムジンランキングで第 2 位という世界でも評価の高いグローバルブランドだ。かねてから海外ではジャパニーズウイスキーが高い評価を得続けているが、日本のボタニカル素材が醸し出すジャパニーズクラフトジンもまた、海外の愛好家たちを魅了している。
「ROKU〈六〉」と、2025年限定品が並ぶ。
「ROKU〈六〉」ブランドは、日本の四季が生んだ 6 種のボタニカル(桜花、桜葉、煎茶、玉露、山椒、柚子)を使用して、繊細な職人技で完璧な香味バランスを追求。華やかな香りとともに、優しい飲み口は他にはない、まさに本格的なジャパニーズクラフトジンと呼べる。サントリーの強いこだわりによって生まれた「ROKU〈六〉」ブランドは年々売り上げを伸ばしていることからも、その評価がいかに高いのかがうかがい知れる。
もっと「ROKU〈六〉」ブランドを深く知り、そして愉しむ空間が「ROKKAN」である
「ROKKAN」は事前予約制の「ジャパニーズクラフトジン ROKU〈六〉体験コース」と予約なしで利用できるBarがあり、用途によって使い分けることができる茶室Barである。
和の要素を取り入れた静謐な空間。
予約が必要な体験コースは、趣の違う3つの和空間を巡りながら、原料であるボタニカルに触れる体験やジンを学んだり、「ROKU〈六〉」を使用した四季のカクテルと和菓子のフードペアリングを楽しんだり、よりジンを知り、そして「ROKU〈六〉」に触れることができるコース構成になっている。
「ジャパニーズクラフトジン ROKU〈六〉体験コース」(事前予約制/税込み 1 名 5,000円)予約可能時間:①15:30~17:00 / ②17:00~18:30
また予約なしで訪れることができるBarは、「ROKU〈六〉」を使用したオリジナルカクテルを楽しむことができるほか、「ROKU〈六〉」ブランドの飲み比べをすることができる。
さらに予約をすれば、カクテルと和菓子のペアリングコース(事前予約制/1 名 5,000 円)の体験も可能だ。ジャパニーズクラフトジンならではの、季節ごとの香りや素材を表現したカクテルと和菓子のペアリングは思わぬ発見があることだろう。
抹茶マティーニ1,400円
寿ネグローニ 1,400円
朝涼とアイスみつ豆のペアリング ※単品2,000円
世界的に人気の高い「ROKU〈六〉」をとことん味わう体験できる「ROKKAN」は、クールで洗練された大人の隠れ家Barである。日本の美意識に包まれた時間をゆっくりと味わってみてはいかがだろうか。
◆「茶室 BAR ROKKAN by ROKU GIN」
【営業期間】2025 年 6 月 18 日(水)~2026 年 6 月 30 日(火)※日・祝日休
【場所】グランドプリンスホテル高輪内 B1(〒108-8612 東京都港区高輪 3-13-1)
【営業時間】体験コースとバー営業の二部制で営業します。
・体験コース: ①15:30~17:00 / ②17:00~18:30
・Bar Time:18:30~23:00(ラストオーダー22:30)
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Features
W大阪で開催。カクテルとカルチャーが交差する3日間限定イベント
2025.6.25
ソウルの最旬バー「GONG GAN」がW大阪に登場
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W大阪にて、韓国・ソウルで注目のバー「GONG GAN」のトップバーテンダー、Evan氏とJoon氏を迎える限定イベント「REFRESH」が、7月4日(金)、5日(土)、6日(日)に開催される。
韓国・ソウルのバー「GONG GAN」
(左)「GONG GAN」オーナーバーテンダーEvan氏 (右)「GONG GAN」初代バーテンダーJoon氏
「REFRESH」は、Wホテルと南フランス生まれのナチュラルミネラルウォーター「Perrier」とのパートナーシップによる、世界各都市を巡るグローバルイベント。Wホテルならではのカクテルカルチャーに、ペリエの爽快なスパークリングのエッセンスを加え、カクテル、食、音楽を融合させた唯一無二のプログラムを展開する。
3階「LIVING ROOM」
3階ソーシャルハブ「LIVING ROOM」で行われる初日は、韓国・ソウルのナイトシーンに迷い込んだようなDJイベント「REFRESH ビート」を開催。韓国のビートに乗りながら、「GONG GAN」の2人によるスペシャルカクテルを楽しめる。
3階「Oh.lala…」
2日目は、同じく3階のニューブラッセリー「Oh.lala…」にて、W大阪の遊び心が光る「REFRESH カクテルペアリングディナー」を開催。ディナー後は、同フロアの「LIVING ROOM」で行われるラテン音楽イベント「Salsa & Latin Night」への招待も。
4階「WET DECK」
最終日となる3日目は日中の開催。海外リゾートのような開放的な空間が広がる4階「WET DECK」にて、韓国スイーツを取り入れたアフタヌーンティーとともに、「GONG GAN」の2人が手がけるカクテル、モクテルを楽しめる。
W大阪を舞台に、伝統と革新が交差するアジアのバーシーンの現在地を体感できるイベント。味覚、聴覚、そして美意識までも潤す“REFRESH”な時間を楽しんでみては。
◆W大阪「REFRESH」
≪DAY1≫「REFRESH ビート」
【日時】2025年7月4日(金)20:00~24:00
【場所】3 階 ソーシャルハブ「LIVING ROOM」
【料金】
〈VIPシート〉 1シート 60,000円(最大4名様まで)
(W大阪オリジナルラベルシャンパンニューボトル1本+「GONG GAN」オリジナルカクテルの2種)
〈一般〉1名 3,000 円(1 ドリンクチケット付き)
≪DAY2≫ 「REFRESH カクテルペアリングディナー」
【日時】2025年7月5日(土) 18:30~21:30
【場所】3 階 ニューブラッセリー「Oh.lala…」
【料金】 ディナー 1名15,000 円(4品コースと「GONG GAN」 カクテル4種のペアリング)
≪DAY3≫「REFRESH コリアンアフタヌーンティー」
【日時】2025年7月6日(日) 12:00~15:00
【場所】4階 「WET DECK」
【料金】1名 8,500 円(コリアンアフタヌーンティー+「GONG GAN」カクテル2種のペアリング※モクテルに変更可。コーヒー、紅茶のフリーフロー付き。)
※要予約
※料金はすべて税・サービス料 15%込。
※写真はすべてイメージです。
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Events
【7/23日(水)、7月24日(木)ホテル椿山荘東京】
2025.6.21
英国の紅茶文化とマナーを家族で学べる「英国式アフタヌーンティーマナー教室」を夏休みに初開催
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ホテル椿山荘東京は、紅茶の国・英国の紅茶文化とマナーを家族で楽しく学べる体験教室「英国式アフタヌーンティーマナー教室」を、2025年7月23日(水)、24日(木)に初開催する。
国家検定資格を持つスタッフが、アフタヌーンティーの歴史や、マナー、紅茶についてなど、初めての方にも分かりやすく説明。ホテル特製の三段スタンドで提供する「サマーハニーアフタヌーンティー」を味わいながら、ティーカップの持ち方や紅茶の注ぎ方、スコーンの食べ方など、日常でも役立つ英国式の基本マナーを親子で一緒に楽しく学ぶことができる。
このほか、7月26日(土)から 8月17日(日)までの特定日には、ナイフとフォークで食事をするレストランや、かしこまった席に欠かせないテーブルマナーを学ぶ体験教室「夏休み 家族で楽しむテーブルマナー教室」も開催する。子供も食べやすく工夫した特製フレンチコースを、大人用のカトラリーやグラスを使って味わいながら、楽しく学ぶテーブルマナー教室だ。
あなたも親子で夏休みの素敵な思い出を作ってみてはいかが。
◆家族で楽しむ 英国式アフタヌーンティーマナー教室
【期間】2025年7月23日(水)、7月24日(木)※事前WEB決済予約制
【時間】2部制 約120分 ①11:00~13:00 ②14:30~16:30
【会場】ホテル棟3階 ル・ジャルダン「サロン」
【料金】一人 13,800円(消費税・サービス料込み)
※本イベントは小学生以上が対象
◆夏休み 家族で楽しむテーブルマナー教室
【期間】2025年7月26日(土)〜 8月17日(日)※期間中、特定日開催 ※事前WEB決済予約制
【時間】12:00~14:00 ※30分前より受付開始
【会場】ホテル宴会場
【料金】20歳以上 一人12,000円、小学生~19歳 一人9,600円(消費税・サービス料込み)
※本イベントは小学生以上が対象
※いずれも詳細は公式ホームページで要確認
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Features
夏の銀座で出合う、涼やかな美食の旅
2025.6.20
福岡の食材を味わう「アルマーニ / リストランテ」夏のシーズナルメニュー
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モダンイタリアンの名店「アルマーニ / リストランテ」で、夏季限定のシーズナルメニューがスタート。その⽇に仕⼊れた最⾼の⾷材を⽤いたシグネチャーコース「OMAKASE」や、ランチ限定コース「TRADIZIONE LUNCH」「CLASSICO」などで楽しめる。
タリオリーニ【提供コース︓OMAKASE】
今季フォーカスしたのは、「福岡」。豊かな大地が育む野菜や、三方を海に囲まれた地形がもたらす海の幸といった、福岡ならではの食材を厳選。エグゼクティブ シェフ ブルノ・昼間の感性によって、土地の魅力が皿の上で美しく昇華される。
カッペリーニ【提供コース︓TRADIZIONE LUNCH】
カプレーゼ【提供コース︓OMAKASE】
なかでも注目は、冷製仕立ての「カプレーゼ」や「カッペリーニ・アル・ポモドーロ」など、イタリアで長く親しまれてきた料理を、日本の夏に合わせて涼やかに再構築したメニュー。イタリアを連想する“トマト”を主役に、軽やかながらも繊細な旨みがあふれる⼀⽫に仕上がっている。
うなぎ 【提供コース︓OMAKASE】
また、日本の夏の風物詩である“うなぎ”をイタリア伝統の「スカペーチェソース」でモダンにアレンジした一品など、日本の繊細さと南イタリアの個性が交差するメニューも必食だ。
桃 酒粕【提供コース︓OMAKASE】
食後には、福岡県産の酒粕と桃を組み合わせたデザート「桃 酒粕」を。ナポリの伝統菓子「ババ」に和のエッセンスをまとわせた一皿が、五感を満たす甘美なフィナーレを演出する。
ハラミ【提供コース︓OMAKASE】
銀座の高層階に佇むモダンイタリアンの名店で味わう贅沢なランチ。イタリアのエッセンスと日本の風土が織りなす軽やかな味わいを、ぜひ堪能してみては。
アルマーニ / リストランテ
【住所】東京都中央区銀座5-5-4 アルマーニ / 銀座タワー 10階&11階
【営業時間】ランチ 11:30~15:00(L.O. 14:00) ディナー 18:00~23:00(L.O. 20:00)
【定休日】日曜日(8月31日まで)・月曜日
【電話番号】03-6274-7005
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Experiences
Spotlight
2025年 SAKE COMPETITION 日本酒順位発表
2025.6.13
本当に美味しい日本酒 純米酒・純米吟醸・純米大吟醸・・・2025年度受賞日本酒 全順位紹介
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本当に美味しい日本酒はどれか? 日本酒選びの基準にもなる日本酒品評会の一つである「SAKE COMPETITION(サケ・コンペティション)」の2025年度表彰式が6月10日に開催された。
2012年からスタートしたSAKE COMPETITIONは、今年で11回目となる。
「ブランドによらず消費者が本当に美味しい日本酒にもっと巡り会えるよう、新しい基準を示したい」という理念のもと、東京の酒販店らが中心となって、消費者に分かりやすく日本酒の魅力を伝えようとして企画された品評会である。
審査対象は市販されている日本酒であり、銘柄を隠したブラインドテイスティングで行われ、日本酒のおいしさ(酒質)のみで競う。そのため、ブランドや銘柄に左右されることなく、どんな日本酒でも1位をとるチャンスがあるとされている。
2025年の審査部門は、「純米酒」「純米吟醸」「純米大吟醸」「Super Premium」「海外出品酒」に加え、「モダンナチュラル」が新設され、日本全国の358蔵から1,163点の日本酒が出品された中から受賞酒が発表された。
TAKANAWA GATEWAY CITYで開催された表彰式で、一堂に会した受賞者たち。
「純米酒部門」
1位は、1830年創業の老舗、静岡県焼津市にある磯自慢酒造株式会社の「磯自慢 雄町 特別純米53」。
「日本酒の原点である純米酒の部門で第1位をいただけたことは作り手冥利に尽きます。岡山県の雄町の特等米の米質にあった酵母を選択しており、手抜きすることなく作りました。和食だけではなく、イタリアンやフレンチにも合うお酒です」と語った。その味わいは果実感より米感の味や香りを感じ、後味はキレがいい。
2位 「天上夢幻 旨口 特別純米」株式会社中勇酒造店(宮城)
3位 「流輝 純米ドライ」松屋酒造株式会社(群馬)
4位 「飛露喜 特別純米」株式会社廣木酒造本店 (福島)
5位 「AKABU 純米酒」赤武酒造株式会社(岩手)
6位 「みむろ杉 ろまんシリーズ Dio Abita」今西酒造株式会社(奈良)
7位 「自然郷 円融純米」合名会社大木代吉本店(福島)
8位 「土佐金蔵 特別純米」高木酒造株式会社(高知)
9位 「一白水成 特別純米酒 良心」福禄寿酒造株式会社(秋田)
10位「大盃 特別純米」牧野酒造株式会社(群馬)
「純米吟醸部門」
1位は、伊勢の地で家族の手作業による日本酒を代々受け継いできている、寒紅梅酒造株式会社(三重)の「寒紅梅 純米吟醸 山田錦50%」である。
「今年はお米の品質自体があまりよくなく、酵母も立ちづらかった為、試作では中々満足行くものが作れなかったのですが、工夫と試飲を繰り返しながら、改良を重ねた結果このような賞に繋がったと思っています」。
味わいは、華やかな果実の香りとフレッシュな酸、山田錦の旨味が感じられ、冷やして楽しみたい。
2位 「而今 純米吟醸 山田錦」木屋正酒造株式会社(三重)
3位 「東洋美人 限定純米吟醸 愛山 醇道一途」株式会社澄川酒造場(山口)
4位 「大嶺 3粒ひやおろし 山田錦」大嶺酒造株式会社(山口)
5位 「楽器正宗 雄町 中取り」合名会社大木代吉本店(福島)
6位 「作 奏乃智」清水清三郎商店株式会社(三重)
7位 「磯自慢 純米吟醸」磯自慢酒造株式会社(静岡)
8位 「町田酒造 純米吟醸 山田錦」株式会社町田酒造店(群馬)
9位 「中島屋 純米吟醸」株式会社中島屋酒造場(山口)
10位「AKABU 純米吟醸 愛山」赤武酒造株式会社(岩手)
「純米大吟醸部門」
1位は創業200年になる神奈川県あつぎの黄金井酒造株式会社の「盛升 純米大吟醸」が受賞した。授賞式は欠席だったが、インスタグラムでは「マジか!!」と驚きの呟き。
その味わいは七沢の名水で丹精込めて仕込まれており、フルーティーなニュアンスを感じながらも、甘みと旨味が調和した繊細な味わいが特長。
2位 「望bo: 純米大吟醸 雄町」株式会社外池酒造店(栃木)
3位 「南部美人 純米大吟醸」株式会社南部美人(岩手)
4位 「有機純米大吟醸 天鷹 槽搾り原酒」天鷹酒造株式会社(栃木)
5位 「石鎚 純米大吟醸」石鎚酒造株式会社(愛媛)
6位 「燦爛 純米大吟醸 夢ささら」株式会社外池酒造店(栃木)
7位 「南部美人 純米大吟醸 結の香」株式会社南部美人(岩手)
8位 「AKABU 極上ノ斬 純米大吟醸」赤武酒造株式会社(岩手)
9位 「白鶴 Alternative 純米大吟醸 白鶴錦」白鶴酒造株式会社(兵庫)
10位 「天吹 純米大吟醸 愛山」天吹酒造合資会社(佐賀)
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「Super Premium部門」
特定名称酒に限らず、720mLで小売価格が10,000円(外税)以上、1,800mLで15,000円(外税)以上の清酒から選ばれる。
1位「極聖 純米大吟醸 天下至聖」宮下酒造株式会社(岡山)
2位「田酒 純米大吟醸 PREMIUM」株式会社西田酒造店(青森)
3位「くどき上手 命」亀の井酒造株式会社(山形)
「海外出品酒部門」
DASSAI USA lnc.(アメリカ)の「DASSAI BLUE Type 23」が1位を獲得した。
「モダンナチュラル部門」
新設された当部門は、純米酒かつ「生酛/山廃/菩提酛」の清酒であり、2023年7月1日~2024年6月30日(2023BY)、および2024年7月1日~2025年6月30日(2024BY)の期間に醸造された清酒から選ばれ、次世代の日本酒が選ばれる。
1位は株式会社西田酒造店(青森)の「田酒 純米大吟醸 山廃」が獲得した。
「重いやクセがあると思われがちな純米大吟醸ですが、山廃の純米吟醸は決して変なクセがあるわけではなく、スッキリとした酸が出ているのが特徴です。これが本当の山廃なんだと伝えたかったので、今回賞をいただけたのはその証だと実感しています。今年初めて出品し、まさか賞を2つもいただけて、うれしいです。」と、受賞の喜びを語った。
2位 「雨降 水酛愛山 “MIZUMOTO”」吉川醸造株式会社(神奈川)
3位 「松の司 純米大吟醸 AZOLLA50」松瀬酒造株式会社(滋賀)
4位 「山城屋 STANDARD CLASS」越銘醸株式会社(新潟)
5位 「仙禽 モダン 壱式」株式会社せんきん(栃木)
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Events
フリッツ・ハンセンの家具が並ぶ空間で、ヒュッゲな夏時間を
2025.6.11
「フリッツ・ハンセン × ニコライ バーグマン NOMU」期間限定でコラボカフェを開催
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デンマークを代表する家具ブランド、フリッツ・ハンセンと、フラワーアーティスト・ニコライ・バーグマンが手がけるカフェ「ニコライ バーグマン NOMU」が、東京・南青山にて期間限定のコラボレーションカフェを開催中。7月13日(日)まで、NOMUの空間が、北欧デザインと花のアートで彩られる。
期間中、店内の家具はすべてフリッツ・ハンセンのプロダクトに。セブンチェアやスワンチェアといった名作が、ニコライ・バーグマンのフローラルデザインと響き合い、洗練された北欧空間を演出している。また、一部の家具には、耐用年数を迎えたチェアや、使用しなくなったチェアを回収・再利用するサーキュラープログラムによるものを取り入れるなど、サステナブルな取り組みも実施。
NOMU オリジナルホットドッグとKAMIKATZ ビールセット 2,090円
カフェメニューには、デンマークの定番メニューをNOMUらしくアレンジした品々が並ぶ。ジューシーなポークソーセージをサワードウバンズで挟み、ピクルスやフライドオニオンをトッピングしたホットドッグは、2種のソースから選択可能。
さらに、 “ゼロ・ウェイスト” 活動を進める徳島県上勝町のRISE & WIN Brewing Co. によるクラフトビール「KAMIKATZ BEER」とのペアリングセットも。柚香の皮を香りづけに使用した白ビール「カミカツホワイト」と、鳴門金時芋をアクセントにした黒ビール「カミカツスタウト」の2種が楽しめる。
ルバーブソースとカスタードのデニッシュケーキ 770円
ブラックレモネード 880円
スイーツは、デンマークの伝統菓子「カルトフルケーケ」を夏向けにアレンジ。カスタードクリームを詰めたシュー生地に、甘酸っぱいルバーブソースとマジパンを重ねた、見た目にも美しい一皿。このほかにも、竹炭パウダーを加えたブラックレモネードなど、視覚と味覚を楽しませるドリンクもラインナップしている。
家具、花、食がひとつに溶け合う、感性豊かな空間。北欧の暮らしに根付く“ヒュッゲ”の精神に触れながら、心地よいひとときを楽しんでみては。
期間限定コラボレーションカフェ
「フリッツ・ハンセン× ニコライ バーグマン NOMU」
【期間】開催中~2025年7月13日(日)
【場所】Nicolai Bergmann NOMU(東京都港区南青山5-7-2)
【営業時間】10:00~19:00(7/7は休業)
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Stories
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グルメ最前線 トップレストランを探訪する
2025.6.12
石川「オーベルジュ オーフ」、そこには 魂が震える食体験が待っている
シェフの糸井章太氏。背後にあるのは館内の至る所に飾られたパリ在住のアーティスト・小川貴一郎氏の作品。
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若手の登竜門「RED U-35」で史上最年少で優勝、このたび「デスティネーション・レストラン2025」に選ばれた「オーベルジュ オーフ」に行くのなら今のうちだ。
里山の真っ只中にある至高の店
5月28日、ジャパンタイムズが毎年発表している「デスティネーション・レストラン」だが、2025年度の受賞店の1軒に選ばれたばかりの石川県小松市観音下町にある「Auberge〝eaufeu″オーベルジュ オーフ」に出かけてきた。
北陸新幹線の小松駅から車でたったの20分、小松空港から車で30分の距離にある。東京からなら3時間余で到着できる。
開業からもうすぐ3周年、糸井章太シェフはまだ32歳という若さで北陸ガストロノミーの先頭に立ち、その手腕はますますの進化を遂げている。
最初に結論めいたことを言えば、北陸にはミシュランが何年も来ていないから更新されないが、来さえすれば、星を獲ることぐらいは確実な店であることを指摘しておきたい。
オーベルジュの外観は小学校なのだが、中は実にモダンで洒脱なデザインだ。
廃校だった小学校を大胆に改装した。
廃校となった小学校を大改装した当施設は、オーベルジュであるから宿泊もできる。過疎化の結果なので、周囲には本当に何もない。小さな村落と、古い石切り場、少し離れて隣に〝酒造りの神″と言われる農口尚彦研究所の酒蔵があるだけだ。
すぐ近くの小山の新緑と田植えが済んだ田んぼが美しい。オーベルジュには、時たま通り過ぎる車以外、人工的な音は何一つ聞こえてこない。鳥のさえずりと蛙声(あせい)のみ。到着しただけで、思わず、ウーッンと一度、背伸びをしたくなるような開放感がある。空気がうまい。
自家製の湯葉とそら豆。シンプルで余計なものは削ぎ落されている。写真を見ると、衝撃的な味が蘇ってくる。
余計なものを削ぎ落とした料理
さっそく、ディナーに入りたい。
冒頭で、本日使われる野菜のプレゼンテーションがある。山菜の時期は過ぎたが、それでも地元の野菜に多種の野草が混ざっている。まだ瑞々しいから、午前中に近場で摘んだばかりなのだろう。
幾つかのアミューズの後に運ばれたのは「そら豆」。茹でたそら豆を包むのは、小松で採れた大豆から作った自家製の湯葉である。味付けはオリーブオイルと塩だけというシンプルさだ。豆の甘みと湯葉のコク、その塩加減が抜群にいい。ここまで余計なものを削ぎ落とした料理なのに、なんとも豊饒で余韻が深い。
何よりも、これを摂り込んだ身体が喜びに浸っている。この序章だけで、いや~、東京からはるばるここまで来た甲斐があったと、思った。
合わせてくれたのは、農口尚彦研究所の「SHOCHU2022」。酒粕で作った奥行きのある焼酎が湯葉のとろみを切ってくれる。
イワシのねっとり感とジャガイモのシャクシャク感の組み合わせが堪らない。
「イワシ ジャガイモ」は、イワシのマリネをジャガイモのせんべいで挟んだもの。ねっとりと熟成感のあるイワシのマリネがジャガイモのシャクシャクと混ざり合う口中の感覚が心地よい。しかも味付けは、野のハコベ、酒粕のペースト、クリームチーズにアンチョビ……意図的に盛り込んだ発酵食品が満載だ。
その一体感は、しかるべきところに味のパズルが組み合わされたようで、天与の感性をびしびしと感じさせる。
「食材には旅をさせない」
糸井シェフはどのようにして出来上がったのか。その出発点は辻調理師学校で、卒業すると渡仏し、アルザスの3つ星「オーベルジュ ド リル」で修業し、その後もアメリカの3つ星「フレンチランドリー」と、今は閉業した3つ星「マンレサ」でも研鑽を積んだ。
辻調とフランス本国で料理の下地を作り上げ、アメリカで料理の自由さに触れた。恐らくは、アメリカの経験がなければ、今の糸井シェフはなかったのではないか。
2018年、若手の登竜門と言われるコンテスト「RED U-35」で、史上最年少の26歳という若さでグランプリを獲得している。まさに、嚢中(のうちゅう)の錐(きり)、を地で行く感じなのである。
しかし、最終的に彼を覚醒させ才能を解き放たせたのは、里山なのではないか。
そこには、まずミネラルたっぷりの水があり、野生の草花、根や木の実や、近場の農家の野菜、野生のジビエ、肉も魚も至近の距離にある。
「食材に旅をさせないこと」(シェフ)は、料理人にとって究極に理想的な条件であるに違いない。そして何よりも、そのことは美味しさに直結するのである。都会では望むことのできない、地方のガストロノミーの可能性はそこにこそある。
シェフは話す。「3年やって来て、やっとここでやる意味が見えてきました。この時期には、あの野草があそこにあるとか、農家さんのサイクルとかも分かってきました。食材はほぼ、この辺です。はずれても新潟か京都ですね」
環境負荷は、最小限で済んでいることだろう。
フライにされたどじょうは、清らかとしか形容できない。ディップは発酵食材が満載だが、発酵は糸井シェフのテーマでもある。
圧巻のクリエイティブな想像力
面白かったのは「どじょう」だ。土地の清い水で育った半養殖のどじょうを、農口さんの焼酎に浸して酔っ払いどじょうにする。それを米粉でくるんで揚げるのだ(発想は中国料理からか?)。まったく臭みがなく清らかなフライである。自家製の甘酒と自家製のヨーグルトと自家製の柚子胡椒、自生のヨモギで作った発酵ディップをつけて食べる。
何というか、食す者は誰もが、土地の恵みに感謝したくなるだろう。そして、この土地の生気に満ちた食材に日々触れていたら、シェフのクリエイティブな想像力はぐるんぐるんと爆進していくのが、その一皿一皿から分かる。いや、凄いです。
全品を紹介したいところだが、かなり端折(はしょっ)ている。
夏に相応しい冷菜。柑橘系とトマトの甘みのジュースで食べるいかそうめんは、ひれ伏したくなるほど美味しい。
「赤いか トマト」にも筆者はひれ伏した。甘みにとりわけ秀でた「プチぷよ」のミニトマトのスライス、その下にいかそうめんが敷いてある。コブミカンとスダチを軽く絞って、トマトのジュースが甘味を加える。上に載せた緑のアクセントは野草のミョウガタケだが、ミョウガに似たような清涼感があり山の力強さが味わえる。
「岩牡蠣 スナップえんどう」も忘れ難い。岩牡蠣とスナップえんどうを、ともに炭火で炙った。エゴマと青梅の塩漬けのソースは、ジェノベーゼのようなソースだが、青梅のピリリと来る味の配分は天才的だ。茹でた野生のカラスノエンドウの花が添えてある。
この2品とも、味の重層性と補完性が見事すぎる。口に入れるたびに、どれだけ「美味しい」をつぶやいたか分からない。
奥底に眠るDNAが揺さぶられる
シェフは美味しいものを目指してシンプルに考えている。結局、料理とは食材に尽きるのだ。野山を歩けば食材に突き当たる。季節が変わり、変化は無限だ。シェフの感覚は研ぎ澄まされていくだろう。それに農家直送の野菜が加わり、直送の魚と肉が加わる。
それぞれの食材が持つ固有の美味しさを引き出し、唯一無二の皿を構築する確信に満ちた手さばきは、和歌山「ヴィラ アイーダ」の小林寛司シェフを思い出させる。
もう一つ思ったのは、日本人は太古の昔から野草を摘んでは食べてきた。糸井シェフの料理に食べ手の魂が打ち震えるのは、凄まじく美味しいせいでもあるが、われわれの奥底に眠るDNAが揺さぶられるためでもあるかもしれない。
鹿もセリも地のものである。そこに加えられた野草たちが、野趣を引き上げ本能を刺激する。素晴らしい。
一週間過ぎても美味しさが舌に残る
また、「鹿 山野菜」の美味しさの刻印は、一週間が過ぎた今でも味蕾の中に刻み込まれている。
鹿肉は藁でたたき上げにして、セリの軸とカキドオシをまぶした。野生のカキドオシはミントのような爽やかさを添えてくれる。鹿の火入れが凄い。揚げた野ゼリの根が重層性を引き上げる。そして、すべてをまとめ上げる鹿肉から作ったコンソメが、料理というものの深淵へと引き込むのである。
「オーフ 巻き」はいわゆるタコスで、創業当時からのスペシャリテだ。皮も中身も季節によって変わる。その意味では旬を味わうのに最適な一品だ。
新緑の今は、緑をイメージして、生地にホウレンソウ、山で採れたアザミを練り込んだ。具材は、西田農園の葉野菜、ヌカに付け込んだ白菜、パクチー、ミント、白山でとれた羊のソーセージ、ハーブ、自生のローリエ。トマトをベースにしたオレンジのソースを加えた。
合わせた農口さんの日本酒17年ヴィンテージものを熱燗にしたところにセンスを感じた。
火入れされたキジハタの弾力が見事で、浅利出汁のソースがあまりにも素晴らしい。
薫香ときちんと熱がある料理
「なめら 蕨」にはガツンとやられた。「なめら」はキジハタのことだ。皮目を香ばしく焼いて、付け合わせは山で採ってきた蕨を炭でさっと炙った。ソースは浅利出汁、ケッパー、アサツキ、ナメラの上に発酵させた玉ねぎを載せ、レモンジュースとレモンの皮で香りづけした。
キジハタは焼くのが難しいはずだが、魚は身が熱くぶりんぶりんと弾力がある。ちょっと信じがたいほどの味だった。
糸井シェフの料理がフレンチから遠くにあると思わせるのは、まずその香りである。一般にフランス料理は香ることが極めて稀だ。あくまでも口中で展開される芸なのである。糸井シェフの料理は薫香が豊かに立って来る。そしてきちんと熱くあるべきものが熱いのも特徴だ。ネコ舌の欧米人は料理を熱く作らない。
イノシシは毛のついたまま届けられたそうだ。野性味と火入れの妙、人生でいちばん美味しいイノシシであった。
メインの最後に出た「猪 ほうれん草」は、炭火と薪火の合わせで焼いたイノシシで、周囲のカリカリ具合と、血のしたたるレアの火入れが最高。猪の骨やクズ肉から取ったソースのコクがいい。最もクラシックな一品だったとも言えるが、ソースにはエシャロットに粒マスタードを加えてあり見事だった。
合わせたイタリアの赤「CARDIN」は濃厚なフルボディで、猪の野趣を引き上げていた。
デザートの「いちご 黒文字」の斬新さにも驚いた。コンポートにしたいちごと、山でとれた薬草でもある黒文字の葉を乾燥させてタルトの中に入れた。上に薬草のイタドリのコンポート。黒文字で味付けしたアイスクリームを添えた。
最低限を足す料理の凄さ
「最近料理をしていてよく思うのは、これはいらない、が多いことです。削ぎ落としていって、最低限を足すみたいな考え方になっていますね」
という糸井シェフの言葉を聞いた。言うに易く行うに難しだろう。しかし、今宵食べたすべての料理について、「なるほど」と深く納得がいった。
ジュニアスイートの部屋。無駄なものがなく気持ちがいい。色合いもロロ・ピアーナとかクチネリっぽくて素敵だ。
最後に宿泊施設にも触れておきたい。1Fに糸井シェフ特製のハンバーグを出すカフェがある。ここは誰でもフラリと入れる。奥にダイニングがあり、ゲストルームは2Fと3Fで12室ある。
各部屋はベージュと茶色と白のアースカラーを主にしていて、こざっぱりとして実に爽快感がある。元教室の窓が大きい。黒板が白塗りで残っているのも面白い。
清浄な空気と無音であるためか、かつてないほどの寝起きの心地よさがあった。
写真は、徒歩7分のところにある観音下(かながそ)石切り場にあるテーブルで朝食を広げたもの。
一夜開けての朝食だが、今年4月から、朝食バスケットを手に、館内や屋外の好きな場所で楽しめるようになった。サラダ、ジュース、熱いスープ、ペストリーなど、シェフこだわりのメニューだ。
ここは何度でも戻ってきたくなるオーベルジュであることは間違いない。
Auberge〝eaufeu″オーベルジュ オーフ
住所:石川県小松市観音下町(かながそまち)口48番地
TEL:0761-41-7080
営業時間:(月・木・金・土・日・祝日)18:00~22:00、(土日のみ)12:00~15:00
定休日:火・水
ランチ:15,000円~(税サ別)
ディナー:15,000円~(税サ別)
宿泊(1泊2食付き、2名1室利用時の1名の料金):45,600円~(税サ込み)
Toshizumi Ishibashi
「クレア」「クレア・トラベラー」元編集長
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Features
希少価値の高いジャパニーズウイスキーを堪能
2025.6.5
東京ドームホテル、「山崎25年」「白州25年」を特別価格で提供
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2025年6月1日に開業25周年を迎えた、東京ドームホテル。ホテルのメインバー「2000」にて、希少価値の高いジャパニーズウイスキー「山崎25年」「白州25年」を特別価格・数量限定で提供する「ジャパニーズウイスキーフェア」を開催中。
酒齢25年以上のモルト原酒を選び抜き、ミズナラ樽やスパニッシュオーク樽などで長期熟成を重ねた「山崎25年」。年間生産本数がわずか千数百本と非常に希少で、高貴な木香と複雑な甘み、そして深く伸びやかな余韻が印象的な逸品だ。
一方の「白州25年」は、クリーミーでウッディーな原酒に、ピートが効いたスモーキーな原酒、果実味豊かなスパニッシュオーク樽原酒を巧みにブレンド。芳醇かつ壮麗な味わいが、熟成の極みを感じさせる。
また同期間、「響17年」「竹鶴」「白州」も特別価格で提供。いずれもなくなり次第終了となる。
18.44メートルのロングカウンター越しに、東京ドームシティの夜景を一望できるバー「2000」。美しいイルミネーションを眺めながら、極上の一杯を味わってみては。
◆東京ドームホテル開業25周年記念「ジャパニーズウイスキーフェア」販売概要
【期間】2025年6月1日(日)~ ※数量限定
【時間】19:00~23:00(ラストオーダー:フード 22:00 / ドリンク 22:30)
【場所】東京ドームホテル 6F バー「2000」
【料金】
「山崎25年」通常料金 ¥92,250 ⇒ 【特別料金】¥25,000
「白州25年」通常料金 ¥92,250 ⇒ 【特別料金】¥25,000
※各20杯限定
※お一人様につき1杯限定
※白州 / 竹鶴 / 響17年も同期間特別価格で提供。
「響17年」通常料金 ¥220,000 ⇒【特別料金】¥165,000 (25%引き) ※ボトル販売
「竹鶴」通常料金 ¥3,200 ⇒【特別料金】¥2,500 ※グラス販売
「白州」通常料金 ¥3,800 ⇒【特別料金】¥2,500 ※グラス販売
※表示料金はサービス料・消費税込みの料金です。
【予約・問い合わせ】6F バー「2000」Tel. 03-5805-2299
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Features
季節を味わうチョコレートの芸術品
2025.5.30
和光が贈る、夏の銀座を彩る新作パフェ「SHIKIパフェ ―NATSU―」
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和光アネックス2階ティーサロンから、夏限定のチョコレートパフェ「SHIKIパフェ ―NATSU―」が登場。6月1日(日)から8月31日(日)までの期間限定で楽しめる。また、同時発売される、1階ケーキ&チョコレートショップの「SHIKIショコラ・フレ ―NATSU―」にも注目だ。
「SHIKIパフェ ―NATSU―」3,740円(6/1~ 8/31の期間限定メニュー)
「SHIKIパフェ ―NATSU―」は、ホワイトチョコレートをベースに、マンゴーやパッションフルーツ、ココナッツ、ライムといったトロピカルフルーツを重ね、夏らしい軽やかさと甘やかな奥行きを表現。
トップには向日葵をイメージした装飾をあしらい、自家製ホワイトチョコレートアイス、ライム風味のメレンゲ、フィアンティーヌ、カカオパルプのソルベなど、何層にも重ねられた素材の妙も見どころ。食べ進めるごとに味わいや食感が変化し、最後のひと口まで驚きと感動が続く。
「SHIKIショコラ・フレ ―NATSU―」1粒 648円(6/1~ 8/31の期間限定販売)
「SHIKIショコラ・フレ ―NATSU―」は、「ココ シトロンヴェール」と「マンゴー パッション」の2種類がラインアップ。「ココ シトロンヴェール」は、ココナッツとライムの香りが爽やかに広がるひと粒。ガナッシュだけでなくザクザクしたココナッツにもライムジュースをまぶし乾燥させることで、鼻に抜けるライムの香りと風味を堪能できる。
もう一方の「マンゴー パッション」は、マンゴーのガナッシュとパッションフルーツのパート ド フリュイを重ねたショコラ・フレ。果実のみずみずしさとチョコレートの深みが溶け合う、夏らしいショコラ・フレに仕上がっている。
2階 ティーサロン
1階 ケーキ&チョコレートショップ
旬のフルーツの鮮烈な香りと、チョコレートの奥行きが調和する逸品。夏の銀座で、甘美なひと時を楽しんでみては。
和光アネックス
【住所】中央区銀座4-4-8
【営業時間】
2階 ティーサロン 10:30~ ラストオーダー19:00(日曜・祝日はラストオーダー18:30)
1階 ケーキ&チョコレートショップ 10:30~19:30(日曜・祝日は19:00まで)
【休業日】無休(年末年始を除く)
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Features
希少な新物オイスターに舌鼓
2025.6.3
ウルフギャング・ステーキハウス、カナダから届く「ロブスターヌーヴォー」を6月限定で提供
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アメリカ発の名門ステーキハウス「ウルフギャング・ステーキハウス」にて、カナダ・プリンスエドワード島州で水揚げされた若いロブスター「ロブスターヌーヴォー」を使用した特別メニューが、2025年6月30日までの期間限定で登場。
ロブスターヌーヴォー&プライムステーキコース 1名 24,200円(税込・サ別)
提供されるのは、カナダ・プリンスエドワード島州の漁で最盛期を迎える、5月から7月にかけて獲れた新物のロブスター。甘みが際立ち、ぷりっとした食感が特徴だ。今回は、そんな美味しさのピークといえる希少な食材を、ウルフギャング・ステーキハウスならではの豪快かつ繊細な調理法で楽しめる。
ロブスターヌーヴォーカクテル 7,480円(税込・サ別)
「シーフードプラッター」 12,100円(税込・サ別)
アラカルトでは、素材の味わいをダイレクトに楽しめる「ロブスターヌーヴォーのカクテル」や「シーフードプラッター」などのシンプルなメニューが登場。
コ-スより、ウルフギャングスタイル クラブケーキ
コ-スより、ロブスタービスク
コ-スより、プライム熟成T-BONEステーキ
一方コースは、ウルフギャング自慢のTボーンステーキとロブスターヌーヴォーの両方を堪能できる「ロブスターヌーヴォー&プライムステーキコース」を用意。いずれも食材の魅力が最大限に引き出され、初夏の味覚を堪能できる内容となっている。
六本木店 店内
限定メニューは、六本木、丸の内、大阪、福岡、青山の5店舗にて展開。名門ステーキハウスが贈る、今だけの特別なシーフード体験をぜひ味わってみてはいかがだろうか。
◆ウルフギャング・ステーキハウス 「ロブスターヌーヴォー」
【開催期間】開催中~2025年6月30日(月)
【内容】ロブスターをテーマにしたコース、アラカルトメニューの提供
<アラカルト>
・ 「ロブスターヌーヴォーカクテル」 7,480円
・ 「シーフードプラッター」 12,100円
<コース>
・ 「ロブスターヌーヴォー&プライムステーキコース」 1名 24,200円
ロブスターヌーヴォーカクテル/ウルフギャングスタイル クラブケーキ/ロブスタービスク/プライム熟成T-BONE ステーキ/マッシュポテト/クリームスピナッチ/本日のデザート/コーヒーまたは紅茶
※価格はいずれも税込・サービス料別。コースは2名から。
【提供店舗】「ウルフギャング・ステーキハウス」国内5店舗
六本木店/丸の内店/大阪店/福岡店/シグニチャー青山店
※Teppan 銀座店での販売はありません。
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Style
Portraits
日本のエグゼクティブ・インタビュー
2025.5.30
羽田未来総合研究所代表取締役執行役員・大西洋 ヨーロッパブランドに肩を並べるジャパンブランドの確立は日本の未来の光になる
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羽田未来総合研究所(羽田未来総研)の代表取締役社長執行役員を務める大西洋さんは、かつては“ミスター百貨店”と呼ばれた人物であり、日本の消費や価値観の変革に大きく貢献し、本当の豊かさは何かを日本人に伝えてきた。その大西さんが、現在の日本の国力低下から、このままでは後進国になると警笛を鳴らし、そのために取り組むべきこととして、地方創生や日本のモノづくり、また日本のブランド価値の向上に向けた取り組みについて語ってくれた。
オーバーツーリズムが叫ばれる中、
観光国日本へ向けた不可欠な施策の必要性を訴える
オーバーツーリズムが社会課題となっている中、日本の空の玄関口である羽田空港に携わる大西さんに現況を聞いた。
「羽田空港のお客さまはどんどん増えていますが、2024年には3,600万人が訪日し、2025年は確実に4,000万人を超えてくるでしょう。さらに今後は6,000万人などという数字も耳にしますが、正直言って、現在の日本ではその数を受け入れることは難しいと思います。特に地方都市ではタクシー不足などの二次交通の課題も大きく、いま以上にインバウンドを受け入れるプラットフォームが日本には整っていません。日本は、観光を産業として成立させていくためには早急な環境づくりが必要です」と政府の対応策を訴えた。
無論、日本企業がより元気になることも必要である。大西さんは現在の事業の未来を見据えた施策を次々に行っている。
百貨店業界をけん引してきた大西さんは、日本の伝統や文化を守り、生活文化の産業化、観光のビジネス化を通じて、日本の国力向上につなげる活動をライフワークにしている。
日本の経済を支えられる企業ポートフォリオをどう描くかで、企業の将来は変わる
「企業が生き残っていくためには、企業ポートフォリオをどう変革させていくかが大切です。日本空港ビルデングという会社は、羽田空港の旅客ターミナル運営をしている会社ですが、それだけやっていたのでは企業としての存続が難しくなります。コロナの時がいい例だと思いますが、飛行機が飛ばない、お客さまがいらっしゃらないとなると、もう会社としてはビジネスが遂行できなくなるわけです。つまり企業ポートフォリオとして、どうリスクヘッジしていくのかが非常に大事なんだと思います。そこで新しい企業ポートフォリオを作る一因として生まれたのが羽田未来総研だと私は解釈しています」。
現在、大西さんが社長を務める羽田未来総研は、羽田空港の旅客ターミナルの建設、管理・運営を担う日本空港ビルデングが2018年に創設したシンクタンクである。羽田空港を軸として、人や地方をつなぎ、新たなビジネスやブランディングなどの価値を創出する「地方創生」「観光開発」事業をはじめ、日本発のアート・文化の発信「アート事業」などを幅広く展開している。
日本は世界とどう向き合うべきか、また世界の中でどう勝ち抜いていくのか
「まだ実感のない日本人もいらっしゃるかもしれませんが、日本は後進国、いや中進国になってしまったのです。日本のGDPは2025年にインドに抜かれる見通しですし、2030年には東南アジアの伸びている国に追いつかれる。日本が国力を上げていくためには地方創生も大切な一つの施策であると考えています。日本のGDPの半分は地方が生み出します。地方にはたくさんの匠の技や技術力、それらが生み出す素晴らしいモノがあります。それらを産業化していくこと、これを私は『生活文化産業』と呼んで、事業の一つとしています。日本の文化や技術が世界から高い評価を受けて、それらを輸出すれば、地方は活性化し、その結果日本のGDPにも貢献することができます」。
日本のアートもひとつの産業である。
企業がアートや文化を支援することで日本は変わる
現在、大西さんは将来の日本空港ビルデングや羽田未来総研のビジネスにつながっていくことを想定し、文化事業などを行う財団や団体などの支援活動にも多数携わっている。その中で日本のアートや文化への評価の低さについて課題を感じている。
「日本のアートマーケットの市場は3,000億円ほど。しかし欧米では1兆、2兆もあります。アートや文化も、日本の産業の一つの柱として企業も支援をしていく体制が必要です。ただ、いまの若い人たちはアートへのポテンシャルが高いので、日本のアートや文化に対するあり方は変わってくることを期待しています」。
羽田未来総研では、羽田空港第3ターミナル出国エリア内の免税店舗として、2023年12月に地方創生型日本発ラグジュアリーブランド『JAPAN MASTERY COLLECTION(ジャパン マスタリー コレクション)』をオープンさせた。“守るべき日本の美と技”を世界へ発信し、地方創生につなげていく、そしてこれは日本伝統文化のブランディングであり、ジャパンブランド確立への足掛かりとなる取り組みと言える事業である。
「トラベル」「上質な日常」「趣味」「プロモーションエリア」の4区画に分けられている。
日本の職人や日本のブランドからセレクトしたもののほか、オリジナルアイテムも揃っている。
「現在は地方自治体との連携も活発に行っています。自治体が抱える課題を解決すべく、地方のブランディングや海外への展開などのお手伝いもしています。日本の素晴らしい文化やアートを世界に知ってもらうには大切な活動になります。もちろん、ジャパンラグジュアリー『ジャパン マスタリー コレクション』の展開もまだ始まったばかりですので、これらをどうやって海外へ発信するか、あるいは国内に広げていくのかにも取り組んでいます」。
「このジャパンブランドの存在が地方創生をはじめとして、アートや文化、さらには流通業の課題解決など、すべてに通じていく事業です。さらに商品をご覧になった方が、地方のモノづくりに興味を持ち、その場所を訪ねたり、また体験したりすることで、地方にお金を落としていく、よりよい循環にも期待しています」。
なぜ銀座には欧米ブランドばかりが並ぶのか。
ジャパンブランドを世界的ブランドに育てるために必要なこととは?
最後に、なぜ欧米ブランドに匹敵するジャパンブランドが育っていかないのか、その理由についても聞いてみた。
「ブランドが育たない理由には2つあるように思います。1つはヨーロッパには、ラグジュアリーブランドを大事に育てる文化が根付いています。ブランド価値をキープするために、人気デザイナーとコラボレーションするなど、常に新たな息吹を意識して、ブランド力やその価値を守っているのです。それに対して日本は、クリエイティビティとしては世界的にも高く評価されているのですが、それはファッションのクリエイティビティではなく、やはりモノづくりなんです。日本は昔から、自動車産業を含めた製造業が基軸ですし、地方に素晴らしい手仕事のテキスタイルなどがあるものの、あくまでの素材の一つ。ブランドとして育てて来なかった歴史があります」。
「ジャパン マスタリー コレクション」の店頭に並ぶ、香川県「讃岐かがり手まり」。
温暖な気候が育んだ木綿を使って、地域の女性が受け継ぐ手仕事。
最高レベルのオーガニックコットンを用いて、岡山県にある人気ブランドのデニムを製造する工場で生産した、「ジャパン マスタリー コレクション」オリジナルデニムパンツ90,000円(免税価格)。
日本人の積み上げ方式の価格設定では欧米ブランドには太刀打ちできない
さらにジャパンブランドがうまく確立できない背景には、日本人の気質が大きく関係していると大西さんは語る。
「日本の小売業に携わっている人たちは残念ながら交渉力が無さすぎるのです。たとえば、日本で絶大な人気を誇る世界的ブランドは、本国の営業利益率が26%もあります。しかし日本の小売業とか流通業は、だいたい商品利益率が15%程度ですから、営業利益で見ればわずか3~4%程度です。こういう商売をしていては絶対にダメ。日本の小売業、流通業に携わる人は、もっと日本のブランドに自信を持って、オールジャパンでブランディングをしていくという気概や意識が必要だと思います。利益は外には出さないくらいの強い想いで交渉していかないと、世界的な有名ブランドには並べません」と大西さんは語気を強める。
小売業に長く携わっていた大西さんだからこそ知り尽くしている価格設定にも日本人の気の弱さがあると語る。
「日本のブランド商品はそもそも安すぎです。日本はモノづくりからスタートしている文化があるので、価格は素材の原価や職人さんへの報酬、さらに製造費などを足して原価が3,000円だとすれば、それに利益をプラスして1万円で売ろうと、積み上げ方式で価格を決めていきます。しかし海外ではブランディングが先にあるので、まずこの商品は1万円で売ろうと決めます。実は原価が1,000円だったとしても、ブランド価値がそこにはあるのでOKなんです。ここは感性の違いで、日本人は真面目だから機能的価値で価格を決めますが、海外の人は、製品やサービスが消費者の心に感動や満足感などを与える感性価値を重んじているわけです。ただ日本人はこういう発想はやっぱり苦手。でも欧米のように付加価値をつけて売ることをしていかないと、海外のブランドには太刀打ちできなくなります」と大西さんは語気を強める。
そして、銀座には海外ブランドがずらりと並んでいる状況に対しても、オールジャパンでジャパンブランドの確立に取り組めば、10年後には必ずジャパンブランドが並ぶ銀座になると語ってくれた。大西さんは自身の事業の成功はもちろんであるが、それ以上によりよい日本をつくりたいとの思いが常に強くあることが通じてくる。
「昭和20年に戦争で負けて、私の2世代上くらいの方々の努力で日本は経済大国になれたんだと思うんです。だからこそ、私たち世代が、今の20~30代の若者に、誇りある日本を託していくことが役割だと思っているんです」。
大西さんの日本愛はここから始まっているのかと、強く胸が打たれた。
常に足を止めることなく、前に進み続ける大西さん。
大西 洋 Hiroshi Onishi
東京生まれ。1979年慶應義塾大学卒業、同年 伊勢丹入社。三越 常務執行役員百貨店事業本部MD統括部長、伊勢丹 常務執行役員等を経て、2012年三越伊勢丹ホールディングス代表取締役社長執行役員、三越伊勢丹 代表取締役社長執行役員に就任。2018年7月より羽田未来総合研究所 代表取締役社長執行役員。
島村美緒 Mio Shimamura
Premium Japan代表・発行人兼編集長。外資系広告代理店を経て、米ウォルト・ディズニーやハリー・ウィンストン、 ティファニー&Co.などのトップブランドにてマーケティング/PR の責任者を歴任。2013年株式会社ルッソを設立。様々なトップブランドのPRを手がける。実家が茶道や着付けなど、日本文化を教える環境にあったことから、 2017年にプレミアムジャパンの事業権を獲得し、2018年株式会社プレミアムジャパンを設立。
Photography by Toshiyuki Furuya
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投稿 羽田未来総合研究所代表取締役執行役員・大西洋 ヨーロッパブランドに肩を並べるジャパンブランドの確立は日本の未来の光になる は Premium Japan に最初に表示されました。
Lounge
Premium Salon
これを食べなきゃ人生ソンだよ
2025.5.30
星の数ほどもある東京の餃子店から 「ベスト6」を選んでみた!
”ちゃんこ餃子”と呼ばれる「亀戸ぎょうざ 錦糸町店」の餃子
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誰もが好きな餃子を取り上げる。餃子と言っても、焼餃子がメインだ。東京には餃子を出す店は星の数ほどあるが、専門店といえども思わず「旨い!」と言ってしまうような店は、意外にも少ない。
そんな中からの厳選「東京ベスト6」である。錦糸町「亀戸ぎょうざ 錦糸町店」、石神井公園「好又香(コウユウカ)」、乃木坂「亜細亜割烹 蓮月」、渋谷「長崎飯店」、江古田「らーめん太陽」、池袋「開楽本店」の6軒となった。
中国式と日本式は随分と違うゾ
中国で餃子と言えば水餃子や蒸餃子が一般的で(家庭では主食だ)、焼餃子は残り物を焼いて食べるものであって決してメジャーな存在ではない。焼餃子の根っこは中国にあるが、日本で独自に発展を遂げた料理と言ってもいいだろう。
その意味ではラーメンに似ている。日本人の凝り性と創意工夫が、焼餃子を進化させたのである。第一、焼餃子をおかずに白飯を食うなんてのは、たぶん、日本の食文化にしかないだろう。
今回のターゲットは、水餃子よりも焼餃子の旨い店である(水餃子も出てくるが)。
餃子は作り手が、中国人(日本に帰化した中国人を含む)か、日本人かによって姿かたちが変わってくる。大別すると、前者の作る餃子は、水餃子の延長線上にあり、形状は丸っこくやや大き目で、皮は厚い。餡は肉と野菜だが、ほぼ肉と感じることが多い。ニンニクはほぼ入っていない。日本人の作る餃子は、形状は三日月形、小振りで皮は薄く、餡は野菜と肉だが、野菜がメインであることが多い。餡は千変万化だが、ニンニクを使うことも多々ある。
東京で中国式餃子の名店と言えば、幡ヶ谷の「您好(ニイハオ)」と国領の「手作り餃子の店 吉春」が筆頭に挙げられるべきなのだが、ともに予約がなかなか困難なので、今回ははずしておく。ぜひ、食べてみてほしい。
一応、お断りしておくと、今回、飯田橋「おけ以」、六本木「中国飯店」、銀座「天龍」、恵比寿「えびすの安兵衛」、駒込「兆徳」、赤坂「珉珉」は、食べた上で、6選からは漏れたことを申し添えておく。
では、行ってみよう。
「亀戸ぎょうざ 錦糸町店」はまるでちゃんこ餃子。
どんどん焼いてくれて何個でもいけるゾ
泣く子も黙る「亀戸餃子 本店」(1953年創業)の支店である。他に、大島店と両国店がある。完全に日本式餃子の店だ。
なぜ、支店にしたかと言うと、本店には餃子とアルコールとソフトドリンクの飲み物しかないからである。それでも、名物の餃子をめがけて毎日長蛇の列だ。「亀戸ぎょうざ 錦糸町店」も行列店だが、こちらの良さはどこにあるかと言えば、卓抜の餃子に加えて、白飯やチャーハンやラーメン各種があることだ。
とにかく本店も支店も、驚くべき安さだ。例えば、餃子5個で330円、餃子10個+ライスが880円である。
なんちゅうこっちゃ。価格破壊もいいとこだべ。
小生が錦糸町店に最初に行ったのは20数年前かのお。その頃から味はまったく変わっていない。時々、「あ~、亀戸餃子が食いてえなあ」と思う。しばらく食わないでいると、飢餓感に襲われるのである。
”ちゃんこ餃子”と呼ばれる「亀戸ぎょうざ 錦糸町店」の餃子
さて、この店の餃子は一部のファンの間では「ちゃんこ餃子」と呼ばれている。男女に等しく、2皿10個なんか軽く行けちゃう。4皿、5皿は当たり前の世界だ。
焼き場の大将は、ひっきりなしに焼くのであるが、実に素早い。餃子もちっこいので、出来上がりも早い。だから、客も途切れなくやってくるが、あまり待つことはない。なんせ、餡はキャベツと白菜とニラと肉がみっちり詰まっているのに、餃子が軽い。小さいから一口でおさまる。それも好感度のポイントだ。
底だけがパリッと焼き目がついているが、茹でた白い皮の部分はとても柔らかい。肉汁はそんなにはない。噛めばシャリシャリするキャベツがとてもいい。肉はゴロッとしているが、印象としては野菜餃子な感じだ。ヘルシーな感じすらする。店は醤油の小皿に和カラシを塗ってくれているが、そこに醤油、酢、ラー油を垂らして食べる。和カラシがとても合うね。
ちなみに、ニンニクは入っていない。だから、近所のお姉さんが、昼のピーク時を過ぎたころに一人でやってきて、「餃子10個と半ライス」なんかを食べていくのである。毎日でも食えちゃうからな、羨ましいこった。
実は焼き方に技があって、一個一個の餃子を離した状態で焼いている。だから、柔らかい皮の部分が引っ付いて、1個を引き離すときに破れるということは皆無なのだ。
そして筆者はこの店のチャーハンが好きだ。いかにも町中華屋のチャーハンである。具は卵と叉焼とネギだけ。叉焼の味がとても濃い。それと化調。従って、なかなかワイルドなチャーハンに仕上がっている。ちゃちゃっと目の前で作って、サッと出てくるところが素晴らしい。まさに老若男女に永遠に愛されるであろう、下町の偉大な店である。
亀戸ぎょうざ 錦糸町店
東京都墨田区江東橋3-9-1
℡03-3634-9080
(月・水・木・金)11:30~20:30
(土・日)10:30~19:00
定休日:火曜
餃子(5個) 330円
餃子(10個)+ライス 880円
醤油ラーメン 770円
チャーハン 990円
味がついている「好又香」の餃子は
完全に中国式だが、いちばん好きかもね
筆者が東京で最も好きな町中華屋として、すでに紹介したことのある店だ。しかし、餃子を取り上げるのであれば、再度、ご登場願わねばなるまい。
◆東京で一番通いたい町中華の名店「好又香」の巻はこちらをクリック
教えたくないけど教えたい!東京で 一番通いたい町中華の名店「好又香 (コウユウカ)」の巻 – Premium Japan
完全な中国式餃子で、皮も餡ももちろん手作りである。たまに客が少ないときに、ママさんがテーブル席で、餃子や焼売をせっせと包んでいたりする。その隣でセガレが宿題をやっていたりして、なかなか微笑ましい。
同じ上海系の料理人が作っているので、「中国飯店」の餃子にとても似ているが、同系統としては「好又香」のほうが遥かに旨い。皮は厚めでモッチリしていて、餡はすでに旨味たっぷりの味がついている。だから、醤油とか辣油とかを付ける必要がない。
熱々の肉汁が満ちている「好又香」の餃子
上海出身のママさんも出すときには、「味はついていますから、そのまま食べてね」と言う。ただし、皮の中には小籠包並みに熱々の肉汁が満ちているのである。ゆえに食べ方は、皮の一部を歯でちょっと齧って穴を開け、そこから肉汁をすすることから始める。
それをしないでグッと齧ると、肉汁がビュビューッと飛び出す。「飛び出るぞ」って言ったそばからネクタイにモロにぶっかけてた、小生の先輩がいた。だから、注意したじゃんか。
その肉汁も肉と野菜のエキスにあふれている。弾力のある皮と一緒に旨味たっぷりの餡を噛めば、完璧な旨さだ。うーむ、結局、東京でいちばん好きかもしれん。醤油もラー油もつけずにそのまま食べるのは、中国の餃子の伝統に則っているのだろう。確かに、皮が立派だと白メシなんかはいらねえもんだな。
小生は何十人もこの店に連れて行ったが、この餃子に「旨い」と呻(うめ)かなかった者はいない。しかし、この店のメニューはとても豊富で、どれもこれも激ウマだから、餃子はせいぜい2個にしておいて、何人かで来て、ほかの料理をシェアするのが正しい。というか、そういう食べ方をしなけりゃ、人生ソンだぜ。
好又香
東京都練馬区石神井町7-1-3 Tビル3F
℡03-6913-3225
(月・水・木・金・土・日)11:00~15:00、17:00~22:30
定休日:火曜日
焼餃子(5個) 550円
「亜細亜割烹 蓮月」のソレは
世界一になったことのあるシロモノだ
なんでも、毎年シンガポールで行われている中国料理世界大会で、2012年に優勝した餃子らしい。作り手は日本人だが、餃子は日本式と中国式のハイブリッドな感じだ。
筆者は夕方の開店と同時に入ったが、7時以降は予約で連日満席なんだそうだ。高嶋ちさ子のテレビ番組(「ザワつく!金曜日」)に出演してから激混みなんだってさ。カウンターとテーブルを合わせて14席の小さな店だ。ドリンクを頼むとお通しの辛い搾菜が出てくる。ラー油で炒めたものだ。それを食べながら、水餃子と焼餃子を待つ。
最初にサッと出てきたのは水餃子だ。皮はもちろんモチモチだが、珍しいのは餡に羊肉を使っていることだ。店主によれば、修業時代に中国の北朝鮮との国境付近の瀋陽で食べた羊の水餃子がおいしくて、それを日本で再現したいと思ったのだそうだ。
臭い消しは少量のパクチーだが、何の臭みもなく、むしろ爽やかで誰でもいける。旨い。大体、皮そのものが旨い。一人前の6個なんか、ツルツルと食えてしまう。黒酢のタレに付けるところがいい。
さて、テフロンの小さなフライパンで焼いた餃子の番だ。焼き目はしっかりついていて、皮は厚めで弾力がある。ほんの少しだけ羽がついている。私に出されたものは少々炭化しておるが、普段はもっと飴色に仕上がる(1万個作っても、同じ仕上がりにして欲しいもんじゃのお)。とはいえ、この焦げは気にはならない。
中華料理世界チャンピオンが作る「亜細亜割烹 蓮月」の餃子
餡はキャベツ、白菜とニラと豚肉であるが、肉が優っている。包む前に一日寝かせるとのことで、餡自体に旨味がある。甘みは野菜のみから出ているそうだ。しっとりしていて柔らかい肉団子を食べているような感じだ。肉の印象が強く残る。
これが「世界大会優勝」と言われると、そんなモンなのかな。うおー、世界一! と叫ぶほどではないが(笑)、なかなか旨いよ。ただし、6個で990円は、今回紹介するなかではいちばん高いな。小生は水餃子の方が好きかも。この店は割烹と言っているが、メニューは6品だけである。白メシはない。
「醤爆茄子(ジャンバオチェズ)」というナス料理が気になって食べてみた。トロトロのナスと豚肉とシメジとネギを豆鼓や香辣醤で味付けして炒めたスパイシーなもので、まあまあかのお。この料理こそ白メシと一緒に食いたかったね。現地の味に近いのかもしれんが、なんか輪郭がナスのせいでボヤっとしているから、花山椒などを加えてもっと尖がらせるといいかも。
奥さんが材料を切り、旦那が調理する。こじんまりとしたアットホームな店である。旦那はなかなか話し好きで、常連との会話が聞こえたんだが、栃木県小山のほかに、新橋と福島駅前に暖簾分けができたんだってさ。新橋も結構混んでるらしいが、常連の話によれば、「こっちの本店のほうが美味しい」そうだ(笑)。
亜細亜割烹 蓮月
東京都港区南青山1-23-7 Grange南青山101
℡050-5589-5965
(月~金)17:00~23:00、(土・日・祝)17:00~21:00
定休日:不定休
特製手作り焼餃子(6個) 990円
羊肉の手作り水餃子(6個) 900円
「醤爆茄子(ジャンバオチェズ)」1320円
日本式で言うとここがいちばん!
「長崎飯店」の餃子は侮れない
渋谷駅から道玄坂に向かってすぐのところにある。駅から徒歩2分ぐらいで、近いのが嬉しい。「長崎飯店」というからには、「ちゃんぽん」と「皿うどん」が名物である。筆者は、皿うどんの方が好きだが、どちらも旨い。
そして、ここは大抵のもの――回鍋肉とか麻婆豆腐とか木須肉(ムーシーロー)とか、何でもかなりイケている。いや、町中華の中では絶品の部類だと言っても良い。だからこの店も町中華の回で取り上げた。そんな中華屋であるから、前回来た時も、何気なくついでに頼んだ餃子であった。
完全な日本式餃子である。餃子本体は小ぶりなほうだ。パリッと焼きあがっていて、羽が多いタイプで、羽がくっついている。カリカリの飴色がいい色してんねー。
これが、かぶりついてみて、本当にビックリした。滅茶苦茶に旨い。その旨さを分解すると、まず、飴色にこんがり焼かれた皮。こいつがとても香ばしいのである。餡は肉よりも野菜が多めで野菜餃子という感じだが、配合のバランスが抜群だ。餡自体には深い味がある。
最高の皮と最高の餡、この二つが融合するんだから、口の中は、もー、パラダイスとしか言いようがないでしょう。けだし、日本式餃子が辿り着いた傑作と評すべきだろう(そこまで言うか!)。
この店の餃子が取り上げられるのを見たことがないが、「ちゃんぽん」と「皿うどん」に惑わされているんじゃないか。正統的日本式餃子で、「おけ以」なんかよりも旨いと思う。見逃さないで欲しいもんだわ。
長崎飯店
東京都渋谷区道玄坂1-9-1梅山ビル1F
℡050-5593-4789
(月~金)11:00~14:30、17:10~22:00
(土)11:00~14:30
定休日:日・祝日
焼餃子(5個) 700円
回鍋肉 1700円
木須肉 1700円
ちゃんぽん 1000円
皿うどん 1000円
「らーめん太陽」の餃子には、
丁寧さと誠実さが詰まっている
午前11時から深夜2時までぶっ通しでやっている凄い店だ。日大芸術学部や武蔵野音大とかがあるから、練馬区の江古田はちょっとしたメシ屋が多い。ラーメン屋も多い街だが、この店は煮干しラーメンで知られている。ひっきりなしに客が来ては、誰もがラーメンを頼んでいる。しかし、焼餃子を逃してはならない。ラーメンとの二枚看板なのだから。
筆者は、チャーハンもいいなあと迷いながら、「味付け玉子らーめん」と「ミニ餃子(5個)」を頼んだ。
さっと出てきたのは、らーめんで、煮干しがホワッと香ってくる。スープを飲むと、とても素直な飽きの来ない味だ。中太麺はもう少しきっちりと湯切りをして欲しいかも。叉焼も支那竹も穏やかな味わいである。最先端のラーメンのようにエッジは立っていないが、母親(と言っても、様々だろうけど)の料理みたいな安心感がある。
ほどなくして餃子が来た。お手本にしたいような日本式餃子だ。当店にはミニ餃子とジャンボ餃子がある。小生はジャンボ餃子が食べにくくて苦手なので、ミニにした。ミニと言っても、普通の店より一回り大きいぐらいか。
まず、その焼き色が見事なことに目を奪われる。カンペキな色でしょう。かぶりつく。皮はちょい厚めで、餡がミチミチに入っている。白菜、キャベツ、ニラ、豚肉がいい塩梅に捏ねてあり、野菜と肉は半々ぐらいだろうか。野菜の甘味と酸味がする。今回の紹介店の中では、酸味がいちばんある。
焼き色が見事な「らーめん太陽」の餃子
うーむ、これは旨い餃子だ。餡の蒸し具合がいいのだが、やはり大事なのは皮の焦がし具合だろう。その両者の相乗効果で旨い餃子が出来上がるのだ。餡がみっちりと丁寧に包まれているところに、店の誠実さを感じる。どこかの人気店のように、皮がパカッと開いていたりしない。
それから、店内は清掃が行き届いており、サービスのお姉さんも親切だ。客思いな点は、種々のお得セットメニューが揃えてあるところにも表れている。ミニ餃子セット(半らーめん・ミニ餃子5個)、ミニワンタン麺セット(半らーめん・ワンタン・味玉・ミニ餃子5個)とか、8種類もあるから、そこから選ぶのも手である。
らーめん太陽
東京都練馬区旭丘1-75-8
℡03-3954-5417
11:00~02:00
ミニ餃子(5個) 400円
ジャンボ餃子(5個) 750円
らーめん 900円
ミニ餃子セット 1000円
ミニワンタン麺セット 1200円
今さらながら「開楽本店」は
何度も通いたい、いい店だ
池袋東口から徒歩2分の場所にある。創業は1954年と古く、ジャンボ餃子でよく知られた店だ。
筆者はなぜか、池袋駅西口の繁華街は自分ンちの庭みたいなモンだが、東口にはあまり降りない。しかし、「開楽本店」に初めて来てみて驚いた。とにかく客がひっきりなしなのである。特に1階が22席ほどあって、そのうち18席がカウンターで、兄ちゃんもおっちゃんも若い女子も、一人で入りやすい。
観察していると、慣れている兄ちゃんは、まずビールと餃子3個を頼む。とりあえず食べ終わると、定食に移る。別のおっちゃんは定食に餃子2個を付けていた。小生は、餃子3個と麻婆茄子定食にしてみた。
最初に来たのは定食のほうだ。これがねー、茄子の揚げ色がすごくキレイだ。茄子は熱々で、トロンと柔らかい。そして麻婆の味が辛すぎずにバシッと決まっている。料理にキレがある。うーむ、これはとても日本的な麻婆茄子で、実に旨い。なかなかどうして、旨い麻婆茄子に巡り合うことは少ない。しかも、白米がいい。町中華屋で白米が旨い店はめったにない。貴重だと思う。
この店は、この定食だけで当たりだと思った。長年通っている人にとっては、「何を今さら」だね。すんません。左隣の麻婆豆腐も右隣の回鍋肉も、その向こうのエビチリも実に旨そうだ。
そこで焼餃子がやってきた。ジャンボ餃子である。通常の餃子の2・5倍ぐらいの大きさか。実は、小生はジャンボ餃子が苦手なんである。食いにくいし、それだけで腹が満ちてくるからだ。
「開楽本店」のジャンボ餃子
ところが、この店のジャンボはなかなかいいと思った。まず、「天龍」ほど大きすぎない。餃子を持っても、「天龍」みたいに綴じ目がパカッと開いたりしない。
皮はやや厚めである。一部は焼き目がついているが、ほかの大部分は茹で餃子みたいなもんだな。だから、ジャンボ餃子というのは、〝焼き〟と〝茹で〟のハイブリッドみたいなもんやね。
餡は豚ひき肉、キャベツ、ニラ、ニンニク、ショウガなのだが、特に豚とキャベツがざく切りで食感がいい。キャベツがシャクシャクする。味もまことにいい。それから肉汁も豊富だ。調味料には、醤油、酢、ラー油、胡椒に加えて、カラシが置いてある。それらが自由な味変を可能にする。私見だが、ワシは焼餃子にはカラシが合うと思うのだね。だから、「亀戸ぎょうざ」とかこの店は、ワシは好きだね。
しかし、3個はちと多かったかも。定食と一緒ならば、2個が適正かもしれぬ。
餃子もいいんだが、他の定食――ニラレバ炒め、肉野菜炒め、細切り豚肉とピーマン炒め(青椒肉絲)、豚肉・きくらげ・玉子炒め(木須肉)、中華丼、天津丼を味わってみたいから、しばらくは通ってみたい。そう率直に思ったよ。
「開楽本店」の入口
開楽本店
東京都豊島区南池袋1-27-2
℡ 0303985-6729
火~土:11:00~22:00、日:11:00~21:30
定休日:月曜
手造りジャンボ餃子(3個) 570円
餃子定食(3個) 980円
麻婆茄子定食 1300円
麻婆豆腐定食 1300円
エビチリソース定食 1500円
「これを食べなきゃ人生ソンだよ」とは
うまいものがあると聞けば西へ東へ駆けつけ食べまくる、令和のブリア・サバランか、はたまた古川ロッパの再来かと一部で噂される食べ歩き歴40年超の食い道楽な編集者・バッシーの抱腹絶倒のグルメエッセイ。
筆者プロフィール
食べ歩き歴40年超の食い道楽者・バッシー。日本国内はもちろんのこと、香港には自腹で定期的に中華を食べに行き、旨いもんのために、台湾、シンガポール、バンコク、ソウルにも出かける。某旅行誌編集長時代には、世界中、特にヨーロッパのミシュラン★付き店や、後のWorld Best50店を数多く訪ねる。「天香楼」(香港)の「蟹みそ餡かけ麺」を、食を愛するあらゆる人に食べさせたい。というか、この店の中華料理が世界一好き。別の洋物ベスト1を挙げれば、World Best50で1位になったことがあるスペイン・ジローナの「エル・セジェール・デ・カン・ロカ」。あ~、もう一度行ってみたいモンじゃのお。
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Lounge
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これを食べなきゃ人生ソンだよ
Features
バカラの美学を体感する、丸の内の新たな空間
2025.5.21
「バカラショップ 丸の内」「B bar Marunouchi」が移転オープン
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フランスの「アール・ドゥ・ヴィーヴル(生活美学)」を体現するバカラが、丸の内の旗艦店とバーをリニューアルオープン。5月24日(土)にオープンする「バカラショップ 丸の内」は丸の内二丁目ビル1Fに、5月12日(月)にオープンし、24日(土)にグランドオープンを迎える「B bar Marunouchi」は新東京ビル B1Fに、それぞれ新たなロケーションを得て生まれ変わる。
ブランドの象徴である深紅の縁取りが、丸の内仲通りの豊かな緑や洗練された街並みと調和する「バカラショップ 丸の内」。アーチを模したディスプレイ棚や、焦がしたような加工を施したスギ材の棚、19世紀万国博覧会で展示されたバカラ作品を彷彿とさせるトランク型のディスプレイケース、スチールリボンのコンソールなど、店内のディテールの一つひとつに伝統と職人技へのオマージュが込められ、バカラの世界を旅するような体験ができる。
さらにファサード左側には、季節ごとにテーマが変わるディスプレイボックスが登場。選び抜かれたクリスタル作品が、ショップのコンセプトを象徴するかたちで展示され、行き交う人々の視線を惹きつける。
同日オープンする「B bar Marunouchi」は、クリスタルの輝きと深紅の世界観が交差するラグジュアリーな空間。入口でまず迎えてくれるのは、カラを代表する燭台「ツァリーヌ」や、200点以上のバカラグラスで構成された「バカラの壁」。その奥に進むと、深紅のソファやシャンデリアが織りなす非日常の空間が広がっている。
ここには、貴重なヴィンテージから最新シリーズまで約200種類を超えるバカラグラスが並び、ゲストはその中から好みの1客をセレクト。グラスに合わせてバーマンが仕立てるオートクチュールなカクテルを堪能できる。
ただの贅沢ではなく「アール・ドゥ・ヴィーヴル」を追求するバカラ。新たに誕生した二つの空間で、ブランドの真髄に触れるひとときを楽しんではいかがだろうか。
バカラショップ 丸の内
【住所】東京都千代田区丸の内2-5-1 丸の内二丁目ビル 1F
【営業時間】月~土 11:00~20:00/日・祝 11:00~19:00
【TEL】03-5223-8868
B bar Marunouchi
【住所】東京都千代田区丸の内3-3-1 新東京ビル B1F
【営業時間】月~土 16:00~26:00/日・祝 休
【TEL】03-5223-8871
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Features
銀座・和光から、焼きたての贅沢を
2025.5.17
期間限定で登場「焼きたてフィナンシェ」
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「和光」アネックス1階のケーキ&チョコレートショップでは、昨年好評を博した「焼きたてフィナンシェ」が今年も期間限定で登場。
このフィナンシェは、店舗内のアトリエで一つひとつ丁寧に焼き上げられるもの。6月30日までの期間中、毎日12時と16時の焼き上がりのタイミングにあわせて訪れれば、まだ温かさを残す焼きたてをその場で購入できる。
フィナンシェ ミエル 432円(※数量限定、売り切れ次第終了)
フィナンシェ ショコラ フランボワーズ 432円(※数量限定、売り切れ次第終了)
今シーズンは、昨年人気を博した「ミエル」と新作の「ショコラ フランボワーズ」の2種類がラインナップ。「ミエル」は、焦がしバターとレモンの花のハチミツが調和した上品な味わい。口にした瞬間、ふんわりと香りが広がる。一方の「ショコラ フランボワーズ」は、濃厚なチョコレートと甘酸っぱいラズベリーが絶妙にマッチ。後を引く味わいだ。
「焼きたてフィナンシェ」を監修するのは、2024年4月に和光のシェフ パティシエに就任した小野雄大氏。ミシュラン星付きレストランでの経験を持ち、洋菓子コンクールの受賞歴を誇る彼の手によって、和光にふさわしい、丁寧で洗練された味わいが生み出されている。
今しか味わうことのできない焼きたての味。銀座を訪れた際、ぜひ立ち寄ってみては。
◆和光アネックス1階ケーキ&チョコレートショップ
【住所】東京都中央区銀座4-4-8
【営業時間】10:30~19:30(※日曜・祝日は19:00まで)
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グルメ最前線 トップレストランを探訪する
2025.5.9
「アマン京都」の日本料理「鷹庵」にて ミシュラン2つ星料理人の凄味を味わう
板場にすっきりと立つ髙木総一朗総料理長。
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本阿弥光悦ゆかりの地に立つのが「アマン京都」である。文句なしに素晴らしい施設に華を添えるのは、日本料理「鷹庵」だ。そこでは、ミシュラン2つ星シェフが繰り出す品々に、圧倒され尽くす体験が待っている。
洛北の鷹峯(たかがみね)の麓に位置する「アマン京都」
江戸時代初期の数寄者として、当代と後世に、とてつもない影響を与えた本阿弥光悦が棲んだ地こそが鷹峯村(光悦村)だった。
光悦はご存知のように、家業は刀剣の鑑定と研磨と浄拭(ぬぐい)である。と同時に、陶芸、漆芸、書、茶は超一流で、また琳派のプロデューサー的な存在でもあった。早い話が、レオナルド・ダ・ヴィンチのような人物だ。現代でも、彼の手による茶器や漆器のいくつかは国宝として評価されている。
京都市内の賑々(にぎにぎ)しさから離れてこの地に降りると、不世出の芸術家・光悦が居を定めた土地の、まさしく「霊気」のようなものを感じるのである。
日本料理「鷹庵」の外観。この建物で宴が始まると想うだけで、気持ちが高まる。
日本料理「鷹庵」を指揮するのは金沢「銭屋」の当主
アマン京都のエントランスを過ぎてすぐの右手にあるのが、日本料理の「鷹庵」である。当店を2020年4月から指揮するのは、ミシュラン2つ星の金沢の老舗料亭「銭屋」を率いる二代目当主・髙木慎一朗総料理長である。
氏の料理人としての出発点は、徒弟時代の「京都吉兆」にある。だから、開業する前年にアマン側から打診があった時には、「京都で料理をやるのはイヤだなあ。せめて滋賀県にして欲しい(笑)」と思ったそうだ。
氏は修業こそ京都で始めたが、海外留学の経験もあり、語学に堪能だ。さらに重要なのは、日本料理を海外の視点も含めて俯瞰できる数少ない人物であることである。フレンチの巨星アラン・デュカス氏との親交はその一例であるが、海外の有力なシェフたちとの間に幅広い人脈を持っている。
嬉しいことに、髙木氏の斬れ味鋭い料理は、ホテルの宿泊者でなくとも利用が可能だ。
日本料理「鷹庵」の内観。カウンター10席、テーブル24席。
マチュピチュのような施設内の石積み
ホテル全体についてひと言。
アマン京都は約2万4000平方メートルという広大な敷地を有している。自然林を含めれば、およそ32万平方メートルに及ぶという。この敷地はもともと、西陣織で巨万の富を築いた織物屋の大旦那が所有し、ここに織物美術館を造る予定だった。
樹木は豊かに生い茂り、果ては鹿苑寺(金閣寺)まで続く小川がせせらぎ、辺り一面びっしりと苔が生す。圧巻なのは、およそ40年もの月日をかけて設計し組み上げた、石畳や巨大な石積みである。それらには風格すら宿っている。
エントランスに設置された石門から先には、異次元の世界が。
「森の庭」と名付けられているが、それ以上の印象を受ける。深山幽谷とまでは行かないが、まさに森林だ。人はそこにあって唐突に、まるでマチュピチュの遺跡に入り込んでしまったような錯覚に陥るであろう。ちなみに、庭の散策は宿泊者のみに限られている。
宿泊棟をはじめとした各施設は、日本的な自然美の只中に、溶け込むように点在しているところが洒脱だ。
建物こそ新しいが、世界に冠たるイギリスの最上級のマナーハウス、もしくはインドのマハラジャのパレス、それらに迫るほどの超弩級かつ高品位なリゾートであると思った。言い換えれば、世界最高峰レベルのリゾートホテルの一つということになる。
話を「鷹庵」に戻して、料理をいくつか紹介する。
食事の前に供されたのは、京都市伏見区の純米酒「蒼空」である。辛味、酸味、甘味とバランスが実に良く、米の味も豊かだ。
その真価がじわじわと来る驚愕のお椀
土佐酢を引いた先付けの「うるい、ミル貝、車海老」に続いて出された、お椀が衝撃的だった。
まずは、ビジュアルの美しさに引き込まれた。漆黒の椀の中で、山椒を載せた淡路島の真っ白なアブラメ(アイナメ)が中心にあり、その周囲を桜の花びらが舞っている。葛で出汁に軽くとろみをつけたから、花びらが浮遊しているのだ。薄ピンク色が愛らしい。
衝撃はその味わいだ。その場でガツンと来る衝撃ではないところが逆に凄い。塩を強く効かせ、味を濃くして迫りくる料理は、どこにでもある。しかし、このお椀は違う。
アイナメの周りに桜の花びらが舞うお椀。
味付けは鰹と昆布の一番出汁に少々の塩だけだ。そこにアイナメの身と山椒と桜の花びらが精妙なバランスで味を付け足す。結果、汁の味は桜の花びらのように淡いのである。
この汁は口内の細胞に、優しく、どこまでも深く染みていく。いつまでも飲んでいたい……そんな気になる。
これは日本料理で言うところの「残心」というものなのだろう。家に帰った翌日、あるいは翌々日あたりに、「ああ、あのお椀は美味しかったなあ」と、ゴクリと喉を鳴らして思い焦がれるような、そんな一品だった。つまり、上品でどこまでも奥ゆかしい。
もう一点、特筆すべきはおそらくは水の質だ。まったりとしていて、肌理(きめ)が細かい。このお椀を成り立たせているのは、水の良さもあるに違いないと思った。聞けば、京都の名水とされる京見峠がこの近くに位置し、光悦寺はこの鷹峯の水をお茶に使うそうだ。
刺身の3種盛りはしない
京料理は奥ゆかしさを〝押し売り〟しているように感じる場面もあるのだが、鷹庵の料理は自然(じねん)の裡(うち)にあるように感じる。
大将の髙木氏は190センチメートルという巨躯なのだが、剣道をしていたせいか、立ち姿は軸がブレずスラッとしてとても美しい。そして自然体で一本を取りに来る。
そんな彼が目指すのは、京料理ではない。日本料理の本道は残しつつも、店のゲストの9割を占める外国人に、どうすれば美味しさを感じてもらえるかを突き詰めて考えた末の品々になっている。
例えば、刺身であるが、3種盛りなどということは絶対にしない。何を食べたか分からなくなるからだ。ゆえに、皿に盛るのは1種か2種だ。
実際に筆者が食べたときも、淡路島の鯛と、炭で炙った平貝の刺身は、それぞれが一皿に1種ずつで提供された。貝を炭火で炙る工程を目の前で見せてくれるのも、ゲストには楽しいはずだ。
また、ゲスト間には日本料理のリテラシーの差異があって当然である。例えば、刺身醤油に切り身をどっぷりと付けてしまうとかだ。
髙木氏は、日本料理を食す習熟度が違っていても、間違いが起きないように工夫をこらす。例えば、お皿を手で持つように促したりする。刺身醤油を出汁で割っておくのも配慮の結果である。醤油のつけすぎはなくなり、素材の味をより一層感じられるようにもなる。粗相は起きないし、きちんと味わえる。まさに一石二鳥である。
ここで出てきたのが宮城県石巻の純米吟醸「日高見」。やや辛口だがバランスは良く、食中酒に相応しい。
握りは、漬けマグロとサワラ。マグロの上には、醤油漬けした山葵の軸と葉っぱ、フキノトウ。
渋味とえぐみをユニバーサルな味に変換
例えば、日本の食材にある渋味とえぐみを考えてみよう。それらは、おそらく誰もが好むユニバーサルな味ではない。それをどのようにして、ユニバーサルな料理として落とし込むか、という問いがあるとする。その解答の一つが、目の前で握られた2貫の寿司、とくに漬けマグロのほうだ。
日本人の大人ならば、フキノトウや山葵は好きだが、外国人には馴染みにくい。そこで、フキノトウも山葵の軸も葉っぱも醤油に漬けたものを、漬けマグロの切り身の上に添えて醤油で統一した。そこに合わせるのは米酢のシャリである。
マグロのねっとりした旨味、酢飯の爽やかさ、そこに醤油でこなれた苦味とえぐみが混じり合う。この三位一体のコンビネーションによって、日本人だ外国人だという狭い領域を超えて、ユニバーサルに見事な味が実現されている。お願いだから、もう一貫ください。
続いて、「ワカメと湯葉のしゃぶしゃぶ」をゲスト自らの手で完成させるのもテンションが上がった。コンロで沸き立った鍋のお湯の中に放った黒いワカメが、フワッと緑色に変わるのも面白い。漬け汁であるちり酢がとてもいい。
とは言え、髙木さんの中では、「しゃぶしゃぶ」というよりは「あったかい酢の物」という意識だそうだ(笑)。
「湯葉とワカメのしゃぶしゃぶ」。ちり酢が美味しい。
高1でニューヨークの「ブルー・ノート」へ
話は逸れるが、BGMはずっとモダンジャズである。コルトレーンのアルバム「バラード」の中の1曲も流れた。そもそも髙木氏がジャズに出会ったのは、16歳のアメリカ留学時なのだそうだ。
あるとき、マンハッタンをぶらついていたら、やたらと行列しているライブハウスみたいなものがあって、入ってみることにした。1986年の11月のことだ。まるで知る由もなかったが、実はそこは「ブルー・ノート」というジャズ・クラブの総本山の一つだった。たまたまサラ・ヴォーンとナンシー・ウィルソンとエラ・フィッツジェラルドの3日連続公演だったという。ジャズファンならば、垂涎のライブだ。
初日のサラ・ヴォーンが誰かも知らず、紅顔の高校1年生は、彼女のヴォーカルの1曲目で魂をワシ掴みにされた。もちろん、残りの2日も通った。
よくそんなところに簡単に一人で入れたものだ。髙木少年は16歳で187センチもあったそうだ(笑)。だが、このようにしてハマったジャズの世界は、教養として今も生きている。
それにしても、髙木氏の引きの良さは天賦のものなのだろう。加えて、物怖じしないところと押し出しの良さは、アマン京都の日本料理「鷹庵」の総料理長たるに余人をもって代え難い。
ここで山形県上山市のオレンジワイン「プティ・マンサンオレンジ2017」が供された。柑橘系でありながら蜂蜜とスモーキーな味わいがする。マネジャーの七黒さんのペアリングが冴えている。
「平井牛のロース炭火焼」はすき焼き風。「すき焼きは焼き物だ」(髙木氏)。
「筍の揚げだし」は傑作だ
料理に戻る。
続くのは「函館の桜鱒の焼き物」。季節の魚だ。酒と醤油とみりん、スダチの絞り汁に漬けた切り身を、炭火で焼き上げた。照り焼きのような具合だが、皮はパリンパリンで身はほっくほく。魚の体液がアッチッチ、沸々と沸き返るほど火入れされていて、実に美味であった。タラの芽の天ぷらが添えてあるところが嬉しい。
位置づけとしてはメインの2品目となるのが「平井牛のロース炭火焼」である。ただの炭火焼ではない。肉の下に敷いたタレは、酒と醤油に卵黄を溶いてすき焼き風にしたものだ。肉の上にこんもりと載せてあるのは、一年に一度は食べておきたい花山椒である。とても嬉しい。優しい味の花山椒で、卵黄とともに牛肉に深みを添えてくれた。
しかし、これで終わりではなかった。「筍の揚げだし」が待っていた。見た目は本当にどうということはないのだが、これは素晴らしい。
「外国の人には筍の美味しさが伝わりにくい。田楽にしたり、出汁で煮含めるたりするのではなく、揚げ出しにしてみました」(髙木氏)
「筍の揚げだし」は筍の旨味を追究した斬新な傑作。
日本人ならば、茹でた厚切りの筍を食べるのは喜びに他ならない。春先の旬菜として、それは美味しいものとして、舌や脳髄に刷り込まれているからだ。しかし、中国系や韓国系を別にすれば外国人にとっては、筍は地下茎ともただの茎とも知れないヘンなものでしかないだろう。それをいかに調理するかは難しい課題と言える。
その解答は、薄めに切って、てんぷら粉で揚げることにあった(天ぷらとは、蒸し料理である)。そうすることで、筍の旨みと甘みは衣の中に閉じ込められて倍加するのである。まさに筍の旨味のストレート勝負の感がある。いや、真正面からお面を打ち抜いて1本!の気持ちよさだ。これは分かりやすく新しい一品である。
魚と肉のメインが終わった次という順番も面白い。通常であれば、冒頭の先付けの次あたりに出てきてもおかしくはない。
いかに日本料理から〝一歩を踏み出す〟か
総料理長が重視する日本料理の特徴に、「二十四節気(にじゅうしせっき)」がある。1年を24の季節に分けるのだが、野菜の旬はその季節に符合するという。今宵の料理では、うるい、桜の花びら、フキノトウ、タラの芽、花山椒、筍などが使われた。
季節感を存分に盛り込む日本料理の本筋は、ゆるぎなく守られている。
と同時に、〝一歩を踏み出す〟料理も多く含まれている。お椀、鮨、牛の炭火焼、筍の揚げだしなどがそれに当たる。これらは、伝統をふまえた上で型を大胆に崩した本阿弥光悦のアヴァンギャルド性に通じるものがあるだろう。
それは髙木総料理長の創意工夫の賜物なのだ。
「鯛の炊き込みご飯」には錦糸卵と胡麻がたっぷり。
最後が、「鯛の炊き込みご飯」だ。「外国人には鯛だけでは分かりにくいので、錦糸卵と胡麻をあしらいました」(髙木氏)という。錦糸卵と胡麻がたっぷりで、何杯でも行けてしまう罪深き大団円だった。炊き込みご飯の具は、季節によって千変万化するところがいい。
さて、外国人だ、日本人だ、ということを言い過ぎたかもしれない。実際は、外国人だけが喜ぶ料理などというものは存在しない。髙木氏がチャレンジしているのは、日本料理の本筋と革新のギリギリのせめぎ合いの中で、すべてのゲストを喜ばせることだ。
私たち食べる側にしてみれば、革新的(イノベイティブ)であるがゆえに、日本人だからこそ、新たな〝気づき〟を得ることができるのである。
鷹庵
住所:京都府京都市北区大北山鷲峯町1番
TEL:075-496-1335(レストラン予約9:00~18:00)
営業時間:12:00~15:00(13:00L.O.)、18:00~22:00(20:00L.O.)
ランチコース:20,000円、ディナーコース:40,000円
Toshizumi Ishibashi
「クレア」「クレア・トラベラー」元編集長
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