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和光アネックス ティーサロン「SHIKI パフェ」が新登場

2025.03.12
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和光アネックス ティーサロン「SHIKI パフェ」が新登場
PREMIUM JAPAN » 食 | 2025.03.12

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2025.3.12

和光アネックス ティーサロン「SHIKI パフェ」が新登場

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銀座・和光アネックス ティーサロンから、四季それぞれのチョコレートパフェが楽しめる「SHIKI パフェ」が新登場。またケーキ&チョコレートショップでは「SHIKI パフェ」と連動した「SHIKI ショコラ・フレ」が発売される。


第一弾となる「SHIKI パフェ ―HARU―」は、見た目にも華やかで春を満喫できる一品。爽やかなサクラの風味に加え、フランボワーズのソルベやイチゴのコンポート、チェリーのジュレなど、こだわりの素材が幾層にも重なり、食べ進めていくうちにさまざまな味わいに出合える。



SHIKI パフェ ―HARU― 3,630円〈3月1日(土)~ 5月11日(日)の期間限定〉


味の中心となるチョコレートアイスクリームとチョコレート風味の生クリームには、フランス産チョコレートを使った和光の自家製を使用。日本のショコラティエの先駆けとして、30年以上にわたり守られてきた伝統と製法を引き継ぐ和光のチョコレートを楽しめるのも魅力だ。


SHIKI ショコラ・フレ ―HARU―  各1粒 594円〈3月1日(土)~ 5月11日(日)の期間限定〉


1階ケーキ&チョコレートショップに並ぶ「SHIKI ショコラ・フレ ―HARU―」は、サクラの風味とミルクの風味が軽やかなハーモニーを奏でる「サクラ」と、抹茶とほうじ茶の風味を一度に味わえる「抹茶とほうじ茶」の2種類がラインナップしている。


ティーサロン店内


春を感じながらチョコレート本来のおいしさを存分に堪能できるこちらは、5月11日(日)までの期間限定販売。今だけの味わいを、ぜひ楽しんで。

 

◆銀座・和光ティーサロン、ケーキ&チョコレートショップ
【住所】東京都中央区銀座4丁目4-8 和光アネックス
【営業時間】
2階 ティーサロン 10:30~ラストオーダー19:00(日曜・祝日はラストオーダー18:30)
1階 ケーキ&チョコレートショップ 10:30~19:30(日曜・祝日は19:00まで)
【休業日】無休(年末年始を除く)

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和光 公式サイト

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星野リゾート代表・星野佳路  確固たるリゾート戦略と、観光産業への提言

2025.03.12
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星野リゾート代表・星野佳路  確固たるリゾート戦略と、観光産業への提言
PREMIUM JAPAN » 食 | 2025.03.12

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日本のエグゼクティブ・インタビュー

2025.3.12

星野リゾート代表・星野佳路  確固たるリゾート戦略と、観光産業への提言

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国内外に展開する「星のや」、21カ所の「界」をはじめとして、「リゾナーレ」「OMO(おも)」「BEB(ベブ)」などの5つを中心に、それぞれのブランドカラーを鮮明に打ち出した、国内外72施設(2025年2月現在)の展開で注目を集める「星野リゾート」。代表を務める星野佳路さんが、軽井沢で100年以上続く「星野温泉」を閉じ、「星のや軽井沢」を誕生させたのは2005年のことだった。




それ以前から、山梨や北海道でのリゾート再建を成功させ注目を集めていた星野さんだが、現在の「星野リゾート」を語るうえで、大きな転機となったのは、やはり「星のや軽井沢」の誕生といえる。その誕生の経緯を尋ねると、意外な答えが返ってきた。





脱軽井沢から始まった、「星のや軽井沢」




「軽井沢らしさをできるだけ排除する、いわば脱軽井沢。まず最初にそれを考えました」

星野さんが排除しようとした「軽井沢らしさ」というのは、軽井沢に対して多くの人がイメージする、避暑地、別荘、教会といったものだった。




「従来のイメージに捉われていると夏しか集客できません。温泉という武器があるのだから、通年を通して魅力ある施設するためには、夏の避暑地や教会が持つ、欧米っぽい雰囲気にこだわらず、失われつつある日本の集落をここに再現し、春夏秋冬の美しさを温泉旅館で楽しんでいただければ。そんな思いで立ち上げました」

 









脱軽井沢。それが意外に聞こえるのは、国内各地に点在する「星のや」と「界」いずれも、その土地の文化や風習をリスペクトし、それを組み込んだ宿泊客体験プログラムやワークショップなどを積極的に取り入れているからだ。




「星のや京都」では、「和歌の家」として知られる冷泉家当主夫妻の手ほどきによって和歌を詠む「歌詠み」体験が年に2回開催されている。またすべての「界 」では、「ご当地楽」と題した催しやプログラムがあり、たとえば「界津軽」では津軽三味線の生演奏が毎晩行われ、夕食には大間のまぐろがお目見えする。




「脱軽井沢」どころか、滞在することによってその土地の文化に肌身で触れる。今やそれが「星のや」や「界」の大きな特徴のひとつとなっている。

 



「歌詠みの家」として知られる冷泉家当主夫人による「歌詠みの会」が年2回開催される。©Hoshino Resorts

 




「界津軽」の「ご当地楽」として毎晩催される、津軽三味線の生演奏。©Hoshino Resorts


遠隔地にある温泉旅館に足を運んでもらう手法とは



「温泉旅館ブランド『界』を立ち上げたとき、畳敷の和室があって、きもの着た女将がいてという、数多存在する類型的な温泉旅館にしてしまうと、関東でいえば熱海、箱根、草津のような東京近郊の温泉旅館がやはり有利になってしまいます。




そうした温泉旅館に対抗し、どうしたら遠隔地の温泉旅館である『界』にまで足を運んでいただくか、その方策を考えたときに、辿り着いたのが『ご当地』という発想です」




地方にある昔ながらの温泉旅館にも、その土地独自の文化や風習は存在していたはずだ。ただ、ややもすると当たり前すぎて気づかなかった「ご当地」に積極的に光を当て、さらに深掘りして宿泊客に提案していく。





「星野リゾート」が、「界」を展開していくときに取り入れたこの手法が、現在のリゾート業界では、スタンダードになりつつある。




「模倣されるのはビジネスの世界では当然で、我々が行っていることを見ていただいているということでもあり、ありがたいとも言えます。ただ、今後はこの手法だけでは厳しくなっていくことも予想されるので、次なる手段を考えなければならない時期かなとも思っています」

 

 



オーバーツーリズムの解消方は地方への分散化



約3,690万人。先ごろ発表された2024年の訪日外国人旅行者数である。コロナ前の2019年を上回る過去最高の数字となり、それは喜ばしいことではあるが、同時にオーバツーリズムという問題も引き起こしている。




京都市にいたっては、若年層を中心とした人口流出に歯止めがかからない状態が続いている。インバウンド増加に対応するためのホテル建設ラッシュに伴う地価高騰が、その要因だとされている。深刻なオーバーツーリズムに対する有効な対策はあるのだろうか?

 





「インバウンドの宿泊の80%が、じつは東京、京都、大阪、北海道、福岡の5都市に集中しています。つまり残りの42県はアンダーツーリズム。5か所に集中している80%のインバウンドを42県に分散させる。これが解決法です」

 



星野さんが考える解決方法は明解だ。



32か所ある国立公園のコンテンツ強化




「インバウンドの集中は、とりわけ東京、京都、大阪が凄まじく、その理由は、これらの都市がもつ文化に魅力があるからです。観光には、文化観光と自然観光の二つがあり、日本は文化観光が強く、その反面で自然観光が弱いために、これまでは自然観光を打ち出すことを苦手としてきました。



この自然観光を強くし、そこへインバウンドを流入させていくのが解決策です。カナダとスイスは自然観光が強く、それを目的とした観光が成立しています。日本も豊かな自然が残る国。自然観光のポテンシャルは十分に持っています」

 






その際にキーワードとなるのが、国立公園だと星野さんは考えている。




「日本には全国で35の国立公園があります。それぞれが特徴をもち、魅力に満ちた場所です。国立公園の魅力をアピールし、そこにインバウンドを呼び込めば、3都市の集中というのは解消されていくはずです。国立公園へ足を運ぶには、地方都市が拠店となりますから、地方都市の活性化にもつながります」



自然観光は、多くのリピーターを生む





星野さんは、その例としてサンフランシスコを挙げた。1980年代、サンフランシスコは観光地として日本人にとても人気のある都市だった。ところが今、サンフランシスコを目的とした観光客は激減している。





ただ、サンフランシスコから少し離れたナパバレーには多くの人が訪れ、そのゲートウェイ都市としてサンフランシスコにも観光客が存在する、という状況になっているそうだ。

 



「自然観光は、リピーターが多いという特徴もあります。政府は、将来的には6千万人のインバウンドを目標としていますが、それを達成するには、国立公園を中心とした自然観光のコンテンツを強化し、リピーター増やすことが一番有効だと考えています。そうすれば地方に分散し、オーバーツーリズムの解消にもなります」




インバウンドに比べ、じつは伸び悩んでいる日本人観光客



訪日外国人旅行者数の増加に伴い、インバウンドによる観光消費額も伸びた。その一方で、日本人による国内観光消費額も伸びてはいるが、インバウンドの伸び率よりは少ない。いわば頭打ち状態となっている。



「日本人の観光消費額を伸ばす最も有効な手段は、休日の分散です。道路は渋滞し、宿泊料金もあがる、ゴールデンウィーク、夏休み、年末年始だけがまとまった休日という現状では、これ以上の伸びは期待できません。




愛知県は11月に一週間の「あいちウイーク」を設け、県内の小・中・高の公立高校では、その期間中に学校長の判断で任意の1日を休校日としています。保護者がそれに合わせて有給休暇を取得し、近隣へ出かけるきっかけとなって、観光消費額の効果もあがっています。国全体ではなく、こうした地方からの取り組みが、観光需要の分散と、それに伴う消費額の増大になっていくのではないでしょうか」



減少する観光人口の歯止めは、休日の分散化


「インバウンドの増加や観光消費額の伸長に目がいきがちですが、28兆円とされる2023年の観光消費総額のなかで、日本人による消費額は22兆円前後。じつは、日本人観光客が消費額の3分の2以上を支えているのです。日本人観光客は大切であり、そこが伸び悩んでいるのは由々しき事態でもあります。





その一方で、日本人の観光消費額は2025年以降は今よりも下がる可能性が大きい、私はそう予想しています。観光を支えてきた団塊の世代の大半が後期高齢者となり、多くの方が今までのようには観光地に出掛けなくなるからです。そのためにも、休日の平準化は急務だと思います。このことは、もう随分前から言い続けているのですが……」

 

 


2028年、北米での温泉旅館開業を予定


昨年10月、「星野リゾート」はアメリカでの2028年温泉旅館開業予定を正式に発表した。場所はニューヨーク州。マンハッタンから車で3時間半ほどかかるシャロンスプリングスという、1800年代中盤に栄えたリゾート地だ。鉱泉が湧出するこの地では、先住民族が治療効果を求めて足を運ぶ、いわば温泉保養地と知られた土地だった。

©Hoshino Resorts





ところが、1900年代に入り、飛行機での移動が主になると、人々の足が遠のくと同時に観光地としても衰退の道を歩みはじめた。このシャロンスプリングスで地元の人々と手を携えながら、かつての温泉リゾート地を、温泉旅館を核として再生していく。それは、「星野リゾート」がこれまで国内で行ってきた事業と通底する部分が多い。



「かつて、日本の大手ホテルが北米に進出し、ことごとく失敗しました。バブルの崩壊を失敗の口実としましたが、じつはそうではありません。日本のホテルが北米で西洋スタイルのホテルを始めたからです。それは、喩えるならば、日本の鮨職人が、アメリカでフレンチを始めるようなもの。欧米人にとっては何故? ということになります」




「それと同じで、日本のホテル会社がアメリカまで来て、なぜ欧米スタイルのホテルなんか始めるの、という疑問を投げかけられますし、マーケットは納得しません。アメリカで受け入れられるためには、自分たちの文化のバックグラウンドを明確に打ち出し、それを提供していく、そのためには温泉旅館であることが必須です。このことは、アメリカに住んでいた80年代に、僕自身が痛感していたことでもあります」




温泉旅館を構成する4つの重要な要素




「日本的なデザインと建築」「日本食の提供」「温泉体験」「四季折々の美しさを背景にした心細やかなもてなし」。星野さんは、温泉旅館を構成する要素は、この4つに集約されると考えている。

 





「シャロンスプリングスには、鉱泉があり日本のような四季もあります。そんな土地で、本物の日本建築とデザイン、そして日本食を提供します。3年後の開業に向けた人員の確保も初めていますし、スタッフとして働いていただく現地の方々を日本に呼び、温泉旅館としてのサービストレーニングも行います。客室数はそれほど多くなく、せいぜい50室程度。日本庭園も造り、雪見露天風呂ができるような、まさに日本の温泉旅館そのものを北米で実現したいと考えています」






星野さんにお話を伺ったのは、「星のや東京」の一室だった。いつもそうだが、星野さんはきわめてカジュアルな装いだ。ネクタイはおろか、ジャケットを纏っていることも稀だ。しかし、「星野リゾート」としてのビジネス戦略や組織運営の在り方のみならず、日本の観光業界全体に向けて絶えず幅広い視野と斬新な発想を持ち、正確な数字やデータとともにそれを発信していく様は、まさしくビジネスパーソンの姿だった。




そんな姿が一変したのは、年間60日以上の滑走日確保を公言している、スキー談義に話題が及んだ時だった。

「今シーズンは80日を目指しています」

悪戯っぽく、少し得意げに笑うその笑顔は、スキーが好き好きでたまらない少年そのものだった。

















「星のや東京」の一室にて。館内はすべて畳敷きで、温泉も湧出。大手町のビジネス街に位置し、「塔の日本旅館」を標榜する。




星野佳路 Hoshino Yoshiharu 

星野リゾート代表。1960年長野県軽井沢生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、米国コーネル大学ホテル経 営大学院修士を修了。帰国後、91 年に星野温泉旅館(現・星野リゾート) 代表に就任。以後、「星のや」「界」「リゾナーレ」「OMO(おも)」「BEB(ベブ)」の5ブランドを中心に、国内外で72施設を運営。2003年には、国土交通省が選ぶ観光カリスマに選ばれ、幅広い見地から、国の観光政策にも多くの提言を行う。趣味はスキー。2024~2025シーズンは年間80日のスキー滑走を目標としている。

 

島村美緒  Mio Shimamura

Premium Japan代表・発行人兼編集長。外資系広告代理店を経て、米ウォルト・ディズニーやハリー・ウィンストン、 ティファニー&Co.などのトップブランドにてマーケティング/PR の責任者を歴任。2013年株式会社ルッソを設立。様々なトップブランドのPRを手がける。実家が茶道や着付けなど、日本文化を教える環境にあったことから、 2017年にプレミアムジャパンの事業権を獲得し、2018年株式会社プレミアムジャパンを設立。

 


Text by Masao Sakurai
Photography by Toshiyuki Furuya

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毎年テラスを楽しめる季節のみオープンする、シャネル銀座ビルディングのルーフトップテラス「LE JARDIN DE TWEED(ル・ジャルダン・ドゥ・ツイード)」。2025年の営業が3月1日(土)からスタートした。


銀座の街を見下ろす開放的な空間はもちろんのこと、メゾンのアイコンであるツイード柄に刈り込まれた草木に囲まれる空間で、パリを身近に感じながらドリンクやフードが楽しめると人気の「LE JARDIN DE TWEED」。



「カレ・シャネル」と「ブトンショコラ」、ドリンクのセット「カメリア」4,700円(※別途シートチャージ 1,000円)


おすすめは、昨年の提供開始以降、行列が絶えることなく続いたという人気セット「カメリア」。こちらは同じビルで展開する1つ星フレンチレストラン「ベージュ アラン・デュカス 東京」の限定コースでしか味わえなかったシグネチャーデザート「カレ・シャネル」を、カメリアやマトラッセなどをモチーフにしたプリントショコラやドリンクとともにいただけるティータイムセット。


「カレ・シャネル」とドリンクのセット「ボヌール」3,700円


「カレ・シャネル」は、ゴールドのカメリアが描かれた真っ黒な正方形のショコラムースの中に、ショコラビスキュイや塩キャラメル、プラリネクリームなどが層をなし、ひと口食べるごとに異なる食感や味わいを堪能できる。


「本日の前菜盛り合わせ」4,000円


このほかにもフードメニューは、「本日の前菜盛り合わせ」や「イベリコ豚の生ハムと季節野菜」「サーモンのブリーニ風 サワークリーム添え」など、「ベージュ アラン・デュカス 東京」が手掛ける逸品を用意。


シャンパーニュカクテル「ココ」2,500円


アルコールも充実。ココ・シャネルをイメージした華やかな香りのシャンパーニュカクテル「ココ」をはじめとするカクテルのほか、種類豊富なシャンパーニュはすべてマグナムボトルで提供される。

 

外で過ごすのが気持ちよい季節、銀座の風を感じながら優雅なひとときを過ごしてみては。


◆LE JARDIN DE TWEED(ル・ジャルダン・ドゥ・ツイード)
【住所】東京都中央区銀座 3-5-3 シャネル銀座ビルディング 屋上テラス
【TEL】03-5159-5500
【営業時間】15:00~22:00(L.O. FOOD 20:00、DRINK 21:00)
【定休日】月曜日(12月~2月は冬季休業)
【座席数】50席(テーブル席 18席・ソファ席 16席・カウンター席 16席)
※悪天候およびイベント開催日は休業。詳しくはSNSをご確認ください。

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アラン・デュカスの 料理の神髄@「MUNI KYOTO」高弟2人の饗宴
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「MUNI KYOTO」は、京都の渡月橋のすぐそばに佇むスモール・ラグジュアリーホテルである。貴人が別宅を持った嵐山の地にふさわしく、大きくは洋風建築でありながら、随所に和の意匠が施されている。

 

 

一歩入れば、観光客の賑わいとは隔絶された静寂が施設内を支配しているのも嬉しい。






嵐山に溶け込んだホテル外観。







〝食の帝王″の高弟2人が京都でディナーを開催

 

 

さて過日、ホテルのシグネチャー・レストランにて、アラン・デュカスの高弟に当たる2人のシェフが相まみえ、4ハンズディナーの宴が催された。

 

デュカス氏については、今さら説明は不要だろう。フランス、いや世界を代表する料理界の巨星である。モナコとロンドン、異なる国の自分名義の店でミシュラン3つ星を獲得した世界初のシェフだ。今や世界9カ国に30のレストランを指揮し、ショコラ専門店やコーヒー専門店まで展開する、言わば〝食の帝王″である。






パリから来日したのは、フランスを代表するパラスホテル「ル・ムーリス、ドーチェスター・コレクション」にある2つ星レストラン「ル・ムーリス・アラン・デュカス」のエグゼクティブシェフ、アモリー・ブウール氏だ。迎えたのは「MUNI KYOTO」内のレストラン「MUNIアラン・デュカス」のエグゼクティブシェフ、アレッサンドロ・ガルディアーニ氏である。

 






2人が受け継ぐデュカスのDNA

 

 

2人は「ル・ムーリス」の厨房でともに腕を磨いた元同僚でもある。デュカス門下となってともに十年以上、師のDNAを最も色濃く受け継ぐ2人とも言える。

 

来日してから2年10カ月になる京都のガルディアーニ氏が話す。





「2人で料理をするのは久しぶりですが、共同の創作はとても楽しい。それは私たちのチームにとっても、ゲストの皆さまにとっても大変刺激的なことだと思います。

 

 

私たち2人には共通するデュカスのテクニックがありますが、日本の素材は同じものであったとしても味が違います。従来のレシピと新たな素材を、どのように調和させるかを慎重に考えました」




「ル・ムーリス」で同僚だったアモリー・ブウール氏(右)とアレッサンドロ・ガルディアーニ氏。






デュカス氏のDNAについて聞いてみた。

 

「デュカス氏の偉大さは多岐にわたるので、語りつくすのは容易ではありません。料理に限定すれば、旅をしながら、世界中の様々な要素を取り込んでしまうことでしょう。クラシックなフランス料理の確固たるベースがあって、そこに世界各国の料理のエッセンスを加えるのです」




来日したブウール氏はどう答えるか。

 

「私はモナコの『ル・ルイ・キャーンズ』でインターンシップを始めて、それからパリの『プラザ・アテネ』に行きました。デュカス氏とは18年間一緒に働いてきたので、師から得たものはあまりにも多い。例えばプラザ・アテネにあるのは、止まることのない進化です。料理の創造だけではなく、ソムリエにしてもテーブルサービスに関しても、日々新たに変わっていくと言って過言でありません。

 

もちろん、『ル・ルイ・キャーンズ』と『プラザ・アテネ』で違う点はたくさんありますが、それはここ京都でも同じことです。伝統的な料理というものが常にあって、そこに進化の要素を加えること、それがデュカスのDNAですね」






日本の魚貝類と野菜の質の高さに驚愕

 

 

では、コース料理に移ろう。

 

まず、素晴らしいシャンパーニュ(アントワーヌ・ブヴェ)に合わせた4種の独創的なカナッペ、そしてオイスターとジントニックシャーベットのカクテルが出された後に、前菜がサーブされた。

 

ブウール氏による「ホタテ貝 ラディッシュ ナスタチウム」は、色とりどりのカブが繊細にカットされ、円環を成すように並べられた極めて美しい一品だ。カブの下に隠れたホタテは、柚子胡椒とジャスミンのパウダーでマリネされている。もえぎ色のオリーブオイルのソースは、なんと、クズでとろみをつけたものだ。



ホタテとカブのコンビネーションが素晴らしい。




ブウール氏は京都に来るや市場に日参している。日本の食材、とりわけ、「魚貝類と野菜の信じ難いほどの質の高さには驚愕した」そうだ。2年前から日本の素材を扱うガルディアーニ氏の経験がヒントを与え、共作を豊かにしているのだろう。新たな素材使いは、新たな創造と同じことだが、見事にはまっている。

 

この一品は酸味でバチッと輪郭を決められているが、シャキシャキしたカブと柔らかく甘みのあるホタテを、トマトウォーターとオリーブオイルとクズのとろみがつなぎとなって、すべてを融合させている。

 

「もちろん、フランス料理の哲学をある強度を以て保つことが前提です。その一方で、日本の食文化は素材の味を大事にします。ですから、調理しすぎずに、素材の持つ旨味がより際立つように注力した部分はありますね」(ブウール氏)

 

 

 






レイヤーが積み重なる構築の魔術

 

 

ガルディアーニ氏は言う。

「来日した1年目は食材の発見と理解、そして生産者との関係作りに費やしました。創作に打ち込めるようになったのは2年目からです」

 

2品目の「長崎県産クエ ビーツ トレビス シャンパーニュのエミュルション」は、まさに彼が日本で発見したであろう高級魚のクエを使ったグリルだ。



ビーツとトレビスのピンクのエミュルション(乳化させたクリーム)ソースが見事だった。中に散らしたプチプチしたキャビアが、ソースに味の奥行きを与えている。付け合わせのマリネしたビーツも、半生に焼いたクエとソースに絡めると、驚くべき相乗効果をもたらした。




高級魚クエとビーツのソースが合う!







もうすでに、アラン・デュカスの弟子たちが表現する料理の特徴は明らかだろう。

 

上手く魚を焼いた、それに美味しいソースを合わせた——。そのような1対1の対応で料理はまるで終わらない。デュカスの料理哲学とは、味のレイヤー(層)を何重にも積み重ねていくことで、口の中で一つに収斂された時には、経験したこともないような衝撃をもたらす設計をすることなのだ。

 

ソースの魔術だけでは飽き足らない、構築の魔術なのである。

 





オマール海老のカレー粉の驚き

 

 

続くブウール氏による「オマール海老のクルスティアン セロリ 牛の骨髄 ラベージ」(トップ画像)は、ル・ムーリスのシグネチャーディッシュの一つだ。クルスティアン(衣)をまとったオマール海老を、春巻きのように揚げてある。付け合わせはセリとラベージ(ハーブ)で、スパイスとしてごく微量のタマリンド(カレー粉)を忍ばせている。こういう普通のフレンチにはないようなスパイス使いにこそ、デュカスDNAの面目躍如があるのだろう。








海の恵みが続く。ガルディアーニ氏による「松で燻製した鮑 紫アーティチョーク ソースサルミ」は、命名通りで、北海道産のアワビに燻製をかけたものだ。ソースはなんと、2種類が使われている。

 

クレソンのピューレを混ぜた辛子色のサバイヨンソースに、アワビの肝がベースのソースだ。前者のサバイヨンソースにしても変化を加えてあるものだが、後者のソースには驚いた。肝まで味わい尽くす日本文化が入り込んでいる。さらにはスライスしたアーティチョークの苦味のアクセントが小気味良い。


アワビの火入れは精妙だ。






「日本産のアワビは、フランスのものとは鮮度もテクスチャーも余りにも違う。燻して生に近い状態に仕上げました」

いずれにしても、あらゆる味覚に刺激を与えた上で、美味しいと思わせるのだ。味のレイヤー(層)が幾重にも折り重なっていくところに、デュカスの料理哲学の真髄を見る思いがする。







和牛の完璧な火入れと深い味わい

 

 

メインの最後を飾るのはブウール氏による「牛マリネの炭火焼き ロメインレタス オリーブとミント」である。

 

「オリジナルのレシピでは仔牛ですが、今回は和牛にしました。私の感覚では、和牛肉はフランスの牛肉とは相当に違うものです。バターに近い感じなので、火を入れすぎないように注意を払いました」

 

火入れは完璧に思えた。肉をマリネして周りに味噌でも塗ってから焼いたのか、とても味が深い。焦げるまでグリルしたロメインレタスが苦味を与えるが、ミントとオリーブオイルのソースが折り重なっていく様は見事としか言いようがない。


最後のデザート「奈良県産苺 バニラの山葵」は、ガルディアーニ氏によるもの。イチゴのマリネを火であぶり、ワサビのアイスクリームを合わせた。斬新な味わいだ。

最後にブウール氏が語る。


「日本は地方によって作物や肉が変わるところがとても興味深いですね。最も驚いたのは日本酒とウィスキーの高度なクオリティです。それらにはインスピレーションを掻き立てられます。日本酒とフランス料理とのペアリングは簡単ではないですが、いつかやってみたい」


火を入れて甘みが増したイチゴ。







桂川と嵐山を眺めるMUNI(無二)の滞在

 

 

さて、施設の話に戻ると、デュカス監修のレストランはもう一つあり、「MUNI ラ・テラス」では、朝食・ランチ・ティータイムが楽しめる。眼前に広がる桂川・渡月橋・嵐山の景観を眺めながら過ごす時間はすこぶる気持ちがいい。



朝食やランチ時には、眼前の風景が凄い。

ゲストルームは全21室。天井が高くミニマルで無駄なものはなく、白い漆喰と木調をベースにした柔らかい色調が居心地の良さを押し上げてくれる。桂川側の部屋から見える景観が素晴らしい。バスルームからも外の景色が眺められるところも、細やかな神経が行き届いている。

 

京都でMUNI(無二)の宿泊体験を望むのならば、「MUNI KYOTO」を選択しておけば極上の時間が待っている。

嵐山ビューの清々しいゲストルーム。


MUNI KYOTO


住所:京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3番
TEL:075-863-1110

 

MUNI ALAIN DUCASSE

TEL:075-873-7771(10:00~18:00)
営業時間:17:30~(最終入店19:00)
定休日:水曜日
メニュー:コース料理のみ
LES SIGNATURES(7品)38,000円
LES PRÉMISSE (5品)30,000円
(税込み、サービス料15%別途)

 

 





文:石橋俊澄
Toshizumi Ishibashi

「クレア」「クレア・トラベラー」元編集長

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MUNI KYOTO 公式サイト

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ザ ストリングス 表参道から「NY(ニューヨーク)トワイライトハイティー」が登場

2025.03.11
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ザ ストリングス 表参道から「NY(ニューヨーク)トワイライトハイティー」が登場
PREMIUM JAPAN » 食 | 2025.03.11

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夕暮れの表参道でニューヨークの華やぎを感じて

2025.3.11

ザ ストリングス 表参道から「NY(ニューヨーク)トワイライトハイティー」が登場

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ザ ストリングス 表参道1階「Cafe & Dining ZelkovA(カフェ&ダイニング ゼルコヴァ)」では、17時から数量限定で「NY(ニューヨーク)トワイライトハイティー」の提供をスタート。





ニューヨークを彷彿とさせるラグジュアリーな店内や緑があふれるテラス席で、お酒とともに季節のセイボリー&スイーツを楽しめる。




充実の3段ハイティースタンドを彩るのは、旬の食材を使用したセイボリー7種とスイーツ3種。“お酒とともにゆったりとした時間を過ごしてほしい”という想いから、セイボリーはお酒とのマリアージュを楽しめる内容に。



ドリンクは、シンガポール創業のラグジュアリーティーブランド TWG Teaの紅茶など全16種類をティーフリーで用意。またハイティースタンドのほか、パスタや魚、肉料理を選べるメインディッシュ付きのメニューや、フリーフロー、シャンパンフリーフローのオプションも登場。さらに土日祝日の18:00からは、大人の夜を演出するDJのライブミュージックがスタートする。



ニューヨークの夜の華やかさを感じられるハイティーは一年を通して利用可能。仕事やショッピング帰りに、リラックスした時間を過ごしてみては。


◆NY(ニューヨーク)トワイライトハイティー
【販売期間】2025年3月3日(月)より通年販売
【販売場所】Cafe & Dining ZelkovA(カフェ&ダイニング ゼルコヴァ)/ザ ストリングス 表参道 1F
【提供時間】17:00~22:00(L.O. 20:00) ※2時間制
【料金】 NY トワイライトハイティー&選べるメインディッシュ 7,800円
NY トワイライトハイティー 円6,800円
フリーフロー +3,000円
シャンパンフリーフロー +6,000円
※税金、サービス料15%込
【予約・問い合わせ】
tel.03-5778-4566(Cafe & Dining ZelkovA 直通)


関連リンク

NY トワイライトハイティー
ザ ストリングス 表参道 公式サイト

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広州からシェフ来日!5月末までの限定メニュー レビュー@グランド ハイアット 東京 チャイナルーム

2025.03.07
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広州からシェフ来日!5月末までの限定メニュー レビュー@グランド ハイアット 東京 チャイナルーム
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2025.3.7

広州からシェフ来日!5月末までの限定メニュー レビュー@グランド ハイアット 東京 チャイナルーム

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中国のパーク ハイアット 広州の悦景軒(Yue Jing Xuan)から料理長を招聘し、5月31日までの期間限定スペシャルメニューを提供すると聞いて、グランド ハイアット 東京の中国料理レストラン、チャイナルームに行ってきました。

 

 

 

パーク ハイアット 広州の悦景軒 料理長、ジェイコブ ホアン氏は、中国国内ではミシュランガイドと並ぶ著名なレストランガイドであるブラックパールレストランガイドに、8年連続1ダイヤモンドを獲得する実力派シェフ。1ダイヤモンドとは、ミシュランガイドでいうところの1ツ星相当だとか。


また、ミシュランガイドにおいても、セレクティッドレストランに7年連続で選出されるなど、広東料理の伝統を守りながら、国際感覚あふれるお料理を作るシェフとして有名な方だそうです。



今回は、パーク ハイアット 広州の悦景軒のシグネチャー料理を堪能できる、ディナーコースをいただきました。ホアン氏も初来日のため、メニュー作りに特別に力が入っていたそうです。

 

 


フュージョン感覚あふれる、ホアン シェフの中国料理


まずは、シグネチャーの豚肉のクリスピー焼きも入った、彩り豊かな前菜6品からスタートです。ピータンのゼリーよせや、フェンネルの黒酢マリネなど、意外な組み合わせや調理法で、ほうほう、そうきたか!という感じの、フュージョン感覚あふれる中国料理で攻めてきます!前菜からいきなり、心地よく私の想像を超えて行ってくれました。


下段中央はピータンのゼリーよせ、その左はフェンネルの黒酢マリネなど、ユニークで楽しい前菜6品。



次に出てくるのは、点心3品。「焼売から食べてね」というシェフの伝言に従います。焼売、からし菜入り小籠包、カニ肉パイの順番に食べ、それぞれの食感の違いを楽しみました。私が好きだったのは、カニ肉入りのパイ。サクサクというのか、ホロホロというのか、パイ生地がとても軽快なのです。



点心3品。からし菜入り小籠包、カニ肉入りパイ、トビ子のせ豚肉と玉葱の三色焼売。カニ肉入りのパイ、小さいからもう1つ食べられる、と思いました。



セッコク 玉竹 ハスの実のスープは、ひとくち飲むとまた想像を裏切られます。とても澄んだきれいなスープなので、もっとあっさりしているのかと思いきや、鶏や豚の骨で取ったというパンチのある、旨味が凝縮した味わいです。鶏、豚はわかったのですが、実はそこにもうひとつ決定的に旨味を加えるものがあるそうで、それはなんと、魚の浮袋だとか!あー言われてみれば、なんとなく魚の脂も感じる……かも。面白い。



コクと旨味が凝縮した、セッコク 玉竹 ハスの実のスープ。



クロスオーバーな中国料理。国際感覚豊かなメインの数々


伊勢海老 イタリア麺チーズ風味煮込みにも驚かされます。伊勢海老、クルクルと丸められたイタリア麺が、チーズソースの海に浮かんでいるのです。でもチーズの味は前面にグイグイ出てきたりはしません。味わいのセンターに出てくるのは伊勢海老の出汁なのです。イタリア麵というのは、いわゆるカッペリーニと言われるパスタくらいのとても細い麺。この麺はアルデンテを求めるのではなく、そうめん的な柔らかさです。これがソースによく絡みます。

 

 


海老伊勢イタリア麺チーズ風味煮込み。イタリアン?と思ったけれど、チーズソースは確かにチャイナ。



肉料理のメインは、国産牛サーロインのブラックペッパーソースです。サーロインの適度な歯ごたえと脂、ブラックペッパーの刺激がドーンと口中に広がります。こんなにスパイシーなステーキは初めて。これはぜひ赤ワインを合わせたい。




国産牛サーロインのブラックペッパーソース。前方のテーブルのゲストも同じメニューだったようなのですが、このステーキに、ボルドーのシャトーフィジャックを合わせていました……。赤ワインが口中でブラックペッパーをなだめてくれるんだろうなあ。


〆は牛肉とトリュフの炒飯です。お米は長米で、パラパラとしていて炒め具合良好。見た目に反して割とあっさりした味わいでした。香ばしい風味で、チャーハン好きにはたまらないはずです。

 

 

 

デザートはマンゴーミルクと小豆あんの入りパイの2品。マンゴーミルクのまろやかなコクのある甘みとふわっと広がる酸味のスープがタピオカに絡み、とっても美味しいのです。酸味の正体は、ピンクグレープフルーツの果肉でした。程よい酸味が爽やかさを連れてきます。

 

 

 

小豆あん入りパイは、これも点心の際に出てきたパイ同様、パイ生地の食感がパーフェクト。脂っぽさはまったくなくて、ふた口くらいでサクサクサク、ホロホロホロと口中で崩れる食感を楽しみます。ホアンシェフ、パイはお得意らしく、納得です。


牛肉とトリュフの炒飯は、炒めたお米がパラパラで、見た目に反して軽やかな味。香ばしさで食べるチャーハンです。


デザートは、マンゴーミルクと小豆あん入りパイの2品。私はホアンシェフのパイがとっても気に入りました。パイのサクサクとホロホロは、中毒性があります。美味しい。



とてもユニークな中国料理の数々を繰り出す、ホアンシェフ。伝統と新感覚を融合させる力量のある才能を持ったシェフだと思いました。

 

 

 

ホアン シェフはすでに広州に戻ってしまいましたが、グランド ハイアット 東京のチャイナルームでは、ホアン シェフが開発した悦景軒の限定メニューを5月31日(土)まで提供。ランチコース 1種類(8,800円※)と、ディナーコース1種類(17,600円※)を用意しています。お勧めはシグネチャーのお料理がいろいろ試せるディナーです。

 

 

 

グラスワインの用意も豊富で、私はお料理と合わせてペアリングを楽しみました。チャイナルームのコスモポリタンな雰囲気にぴったりのディナー。ホテルダイニングっていいなあと思いました。

 

 

※ともに税込・サービス料15%別。



笑顔がチャーミングな、ジェイコブ ホアン シェフ。パーク ハイアット 広州の悦景軒では、自然農法を取り入れたエコファームから新鮮な野菜、持続可能な手法で捕れた魚介類など、厳選した食材を使っているのが特徴だそう。「広州に来たら絶対、悦景軒に来てね!」とニコニコと話しかけてくれるナイスガイでした。


















中嶋千祥 Chisa Nakajima

Premium Japan 編集長代理。1950~60年代の日本映画鑑賞とワインを飲むのが大好き。

関連リンク

グランド ハイアット 東京 チャイナルーム 特別サイト

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チェンマイの名店とコラボ。タイ北部料理を味わう“チェンマイフェア”

2025.02.27
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チェンマイの名店とコラボ。タイ北部料理を味わう“チェンマイフェア”
PREMIUM JAPAN » 食 | 2025.02.27

Events

【3/1(土)〜3/31(月) 東京・SAAWAAN BISTRO】

2025.2.27

チェンマイの名店とコラボ。タイ北部料理を味わう“チェンマイフェア”

グリル野菜とハーブのカレー

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イノベーティブタイ料理を提供する東京・麻布台の「SAAWAAN BISTRO」が、チェンマイのミシュラン掲載店「KITI PANIT」とコラボレーション。タイ北部の恵みを味わう“チェンマイフェア”を、3月1日から31日まで開催する。




「KITI PANIT」


タイ料理は、首都バンコクを中心とした中部、プーケットなどの南部、チェンマイなどの北部、“イサーン”と呼ばれる東北部の4つの郷土料理に分けられるが、チェンマイなどタイ北部の料理は味つけがマイルドで、大自然で育つハーブやドライスパイスなど香り高いスパイスの使い方が特徴だ。


牛肉のグリル ジウソース


ナスの「ナムプリック」


今回の“チェンマイフェア”では、王道のメニューから、日本ではまだ珍しいタイ北部の伝統的な料理を「SAAWAAN BISTRO」流にアレンジしたものまで、さまざまなスペシャルメニューが登場する。


イノシシのタイハーブグリル


百合根とココナッツの餅


開業わずか7か月でミシュラン一つ星に輝いた本国「SAAWAAN」の味を、よりカジュアルに楽しめる「SAAWAAN BISTRO」と、世界の食通に愛される「KITI PANIT」がタッグを組んだフェア。知られざるタイ北部料理の魅力を、この機会に堪能してみては。

 

SAAWAAN BISTRO
【住所】東京都港区麻布台1-3-1 麻布台ヒルズ森JPタワー タワープラザ 3F
【営業時間】
ランチ11:00~14:00(L.O)14:00
ディナー17:30~23:00(L.O) フード 22:00 / ドリンク 22:30
バー11:00~23:00(L.O) 22:30
【定休日】火曜日
【TEL】03-6441-0737


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SAAWAAN BISTRO 公式サイト

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「PRIMO PASSO(プリモ パッソ)」は 5種のパスタに溺れる桃源郷である

2025.02.18
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「PRIMO PASSO(プリモ パッソ)」は 5種のパスタに溺れる桃源郷である
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2025.2.17

「PRIMO PASSO(プリモ パッソ)」は 5種のパスタに溺れる桃源郷である

私史上最高の「リングイネ トマト」。

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新たなる偉才がまた出現した。日本とは、正直、どういう国なんだろうと思う。





5種のパスタが出てくる画期的なコース

 

すでにフーディーたちの間では評価高き「プリモ パッソ」は、開店してからわずか1年半でミシュランの星1つを獲得した、凄腕のシェフがいる店である。5種のパスタを組み込んだ画期的なコースは、知る人の間ではすでに垂涎の的だ。

どんな猛者(もさ)がフライパンを振っているのかという先入観は捨てるがよろしい。スッキリした若者が、実直そのものの姿で料理に取り組んでいた。余分な話だが、高校時代は野球に打ち込んでいたらしい。爽やかだ。








そのシェフ・藤岡智之氏は1992年生まれ。ひらまつ入社の後、「銀座アルジェントASO」などに在籍してからイタリアに渡り、ナポリで4年間の修行をした。最後はミシュラン3つ星の「クアトロ・パッシ」でパスタを任されていたほどの実力者である。
イタリア人がガイジンにパスタ場という砦を明け渡すのは、余程認められた上でのことだろう。

 






寡黙な偉才・藤岡智之シェフ。






ピカピカのフルオープン・キッチン

 

さて、階段を降りて「プリモ パッソ」店内に入りさらに進むと、空気が変わるような気がするほど隅々までピカピカに磨き抜かれたフルオープンのキッチンの前に、広々としたカウンター席が8つ並ぶダイニングエリアが現れる。ゲスト全員がシェフのすべてを傍観できる特等席だ。








清潔で澄み渡ったダイニングルーム






調理をする彼の所作は、きびきびと美しく、まるで無駄がない。ちょっと萌え萌えになる人もあるかもしれない(笑)。こりゃあ、人気が出るねえ。

 

第一、店名の「PRIMO PASSO」は、師匠の店名「QUATTRO PASSI(4つのステップ)」にオマージュを捧げつつ、「最初のステップ」という意味だ。なんて、謙虚なのだろうか。



見事な「和+洋」の展開

 

初めに出てきたのは青魚のコンソメである。アジ、サバ、イワシで出汁をとり、具はスライスした源助大根に菜の花だ。このスープは、和の素材の旨味を最大限に引き出した上で、それらをイタリアンの文脈に封じ込めてみせるという、シェフからの宣言のように感じられた。

 

 




実際、スープは味がピンと澄み渡っていながらコクの芯があり、大根と菜の花が辛味と苦味を添えている。香草ディルのオイルでもって洋のニュアンスを加えることも忘れない。しかして、見事な「和+洋」の展開のおかげで、すべての味覚が覚醒してくるのである。






汁物の導入は「青魚 源助大根 菜の花」。






最近、欧式でも増えてきたが、温かい汁物でコースが始まるところが嬉しい。懐石や日本料理の様式にも通じるものがある。

 

ジャンルの枠に当てはめるのはあまり賢いことではないが、シェフの現在の料理は、和魂洋才という意味とともに、和の素材(&技術)と伊の技術(&素材)を使うという意味で、ジャパニーズ・イタリアンなのだろう。私の勝手な予感だが、「ヴィラ・アイーダ」の小林シェフや「NARISAWA」の成澤シェフのように、イタリアンやフレンチを名乗らずに、より「和」のほうに傾斜する日が来るのかもしれない。

 

 






揚げピザの完成度の凄さ

 

続くアミューズ・ブッシュが、「リコッタ スカルモツァ パルミジャーノ 生ハム」である。球状になったナポリの郷土料理フリッタ・ピッツァ(揚げピザ)の中に、リコッタ以下3種類のチーズがクリーム状で入っている。その球の上に超薄切りにされた生ハムが載っている。これは天女の羽衣か?(笑) 実に軽やかだ。

 

生ハムは冷たく、球体の中身のチーズはとろりんと熱々で、温と冷を同時に味わえるところが極上の快楽と言えるだろう。

 

この完成度はなかなか凄い。当店に来たら、必ず食べたい、そんな一品だ。






傑作の「リコッタ スカモルツァ パルミジャーノ 生ハム」。






実はゲストの目の前に置かれた手動式生ハムスライサーであるが、イタリアの「ベルケル」社製で、ハムを極薄に切れる最高峰のものらしい。マシーンを真剣に手繰るシェフの顔には、自信と喜びが満ちている。


パスタに突入、和のカッペリーニ

 

そしていよいよ5種のパスタに突入だ。

 

初手は冷製の細麺・カッペリーニ。ソースは昆布とハマグリで出汁を取ったもので、京都のアオリイカと自家製カラスミのトッピングだ。この一品の清々しさは、やはり出汁やスダチの果汁といった和の素材に由来しているところが大きい。

 

ソムリエが合わせてくれるアルコールがまた実に楽しい。栃木の日本酒「仙禽」である。甘みも酸味もある生酒と魚介出汁が出会う。その感覚は、冷酒の「あて」として、デュラムセモリナ・ソーメンを食べているような感じだ。両者の旨味が増幅する。これは見事なペアリングと言える。









トマトソースのリングイネは悶絶級!

 

筆者がこの晩、最高だと思ったのは、「リングイネ トマト」(トップ画像)である。

 

トマトは三重県多気町の「ポモナファーム」のミニトマト「プチぷよ」しか使わないとのことだ。赤いトマトからは酸味を、黄色いトマトからは甘みを引き出し、それをミックスさせてソースを作る。

 

赤と黄色を混ぜるから、ソースはオレンジ色だ。聞けば、トマトとバジルとオリーブオイルだけで作る。このソース、シェフが修行先の「クワトロ・パッシ」でようやく出会った理想形なのだそうだが、もちろん、藤岡シェフが日本の素材で再構築したものだ。




見た目は平凡なソースなのに、口に入れたらその味わいはかつて経験がないと言って良いほど素晴らしい。甘みと酸味がとてもピュアな旨味に昇華している。バジルを感じるがエグミはどこにもなく、オリーブオイルのフレッシュな青々しさもある。それらのバランスが完璧なのだ。歯ごたえのあるアルデンテのリングイネがまたいい。これはちょっとした感動ものだ。いや、悶絶級と言い換えよう!



筆者は12年前にイタリア・ソレントの星付きの店で、6月のトマトのとりわけ美味しい季節に、とんでもなくナチュラルな激旨のポモドーロを食べたことを未だに忘れられないでいたが、今宵、それ以上の経験を得た。

 

これに合わせてくれたのが、栃木の「雑賀 梅酒」で、単体でも相当に美味しいが、ペアリングも抜群だった。




めくるめくパスタの連続

 

続く生ハムと大根とライムのスープに浮かんだ餃子のような自家製トルテッロ(餃子の具であるシイタケ・レンコン・ドライトマトが秀逸だ!)、黒トリュフをかけた紅はるかの自家製ニョッキなど、それぞれに素晴らしかった。

なにしろ、得意とするところのパスタ5種を、コースの中核に据えるという発想が素晴らしい。それが食べ終えてからの実感である。

 




シェフはパスタを何種類でも食べたいという日本人の心情が分かっている。ニクいねえ。しかも、炭水化物のお祭り状態になるのではなく、繊細極まりないバランスで、具材と麺とが同等に存在を主張している。さらに、和と洋を違和感なく融合させるその手腕には驚きを禁じ得ない。


牛の炭火焼もデザートもセンスの塊

 

ここまでで相当に満ち足りたが、メインの「美笑牛」の炭火焼きも見事だった。部位はサーロインなのに脂くどさは皆無で、噛めば肉の旨味があふれ出す。聞けば、32カ月の牝牛とのことだった。付け合わせはイタリア野菜のソテーとビネガーに漬けたエシャロットで、一緒に食べれば、酸味が肉の別の旨味を引き出してくれる。



肉汁あふれる見事な「美笑牛」の炭火焼。




また、メインの前に差し挟まれた「生ハム メロン ミント」は、生ハムとメロンのつなぎにミントを持ってきたところが天才的だ。その3者が口中に氾濫し、鮮烈な旨味のパルスが脳内に飛び散った。

 

デザートの「苺 ピスタチオ」は、イチゴ、ピスタチオ、焙じ茶のアイスクリームのコンビネーションで、砕いたホワイトチョコレートも入っている。これらを構成するセンスには瞠目すべきものがあった。

 

ちなみに、メニュー内容はおよそ2カ月ごとに変更するそうだ。




驚きの「苺 ピスタチオ」。



いずれにせよ、コースを終えて、ゲストは己のパスタ愛を再確認した上で、その愛がさらに嵩じるのを自覚するだろう――。いや、パスタだけではなく、どの皿も繊細にして力強い。「プリモ パッソ」は、これからの進化をずっと見続けていたくなるような、唯一無二のレストランなのである。


PRIMO PASSO(プリモ パッソ)

住所;東京都中央区築地1-5-11 ACN築地ビルB1F
TEL:03-6826-9672
営業時間:17:00~23:30、17:00~と20:30~の2部制
定休日:火曜・水曜
コースディナー:16,500円(税込・サ別)

 

 





文:石橋俊澄
Toshizumi Ishibashi

「クレア」「クレア・トラベラー」元編集長

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2025.01.31
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2025.01.29
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2025.01.17
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