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日本の銘醸ワインを味わう特別ディナーイベント
2026.1.22
パレスホテル東京が「Japanese Wine Journey」を3回にわたり開催
パレスホテル東京は、ホテルのソムリエが厳選した日本の銘醸ワインを味わう特別ディナーイベント「Japanese Wine Journey」を、オールデイダイニング グランド キッチンにて3回にわたり開催する。
2月は、日本の食文化に寄り添う革新的なワイン造りを追求する「マンズワイン 小諸ワイナリー」(長野県)、6月は、100年以上の歴史を持ち、風土を表現した高品質なワインを生み出す「サントリー登美の丘ワイナリー」(山梨県)、そして、10月は、北海道余市郡仁木町の豊かな土壌を活かし、国内外から注目を集める「NIKI Hills Winery」(北海道)のワインと、オールデイダイニング グランド キッチンの特別ディナーコースとのペアリングを提供。各回とも、ワイナリーの生産者を会場に招いて開催する。
第1回の2月28日(土)は、トップシリーズ「ソラリス」をはじめ、幅広いラインナップを展開している「マンズワイン」より、代表取締役社長 島崎大氏が来場予定。会場で、島崎氏のワイン造りにかける想いやその土地の物語に耳を傾けながら、日本ワインの魅力に触れることができる。また、イベント開催日を含む約1ヶ月間は、各回で取り上げるワイナリーのグラスワインをグランド キッチンで提供する。
あなたも造り手の想いとソムリエの感性が融合する食体験を楽しんでみてはいかが。
◆Japanese Wine Journey
【会場】パレスホテル東京 1F オールデイダイニング グランド キッチン
【料金】1名 25,000円(消費税込、サービス料別) ※各回30名限定
【問い合わせ】03-3211-5307(レストラン予約課)
※予約は2名〜、イベント2日前まで
※満席になり次第、受付終了
※詳細は公式サイトで要確認
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春の京都で、雅な舞に酔いしれる
2026.1.22
祇園甲部の芸妓舞妓が華やかに舞う。第百五十二回公演「都をどり」
令和7年公演より(第1景 置歌)
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京都最大の花街・祇園甲部の芸妓舞妓の舞を鑑賞できる「都をどり」。第百五十二回公演が、4月1日(水)から4月30日(木)まで、祇園甲部歌舞練場にて開催される。
毎年テーマを変え、立方、地方、鳴り物を受け持つ芸妓たちが呼吸を合わせ、華やかで洗練された舞台世界を作り上げる「都をどり」。令和八年は、寛永行幸四百年にちなんだ『寛永行幸都華麗』を上演する。
令和八年 第百五十二回公演「都をどり」 ポスター 原画
寛永行幸とは、徳川幕府の大御所・秀忠と三代将軍・家光が、後水尾天皇を二条城へ迎え入れた際に行われた饗応のこと。朝廷と江戸幕府の融和、そして平和な世の到来を示すために執り行われた、一大行事である。
その寛永行幸から四百年という大きな節目を迎える今年は、二条城を舞台に繰り広げられた華やかな饗応の様子と、寛永文化の気風に思いを馳せる構成となっている。
令和7年公演より(第8景 平安神宮桜雲)
「都をどり」は、明治五年の初演以来変わらず、「ヨーイヤサァー」の掛け声とともに、揃いの明るい浅葱色の着物に身を包んだ踊り子たちが一斉に登場する「総をどり」から幕を開ける。今年もこの「総をどり」を皮切りに、寛永文化と京都ゆかりの風景が、美しい四季のモチーフとともに描き出される。約一時間にわたる舞台のあいだ、一度も幕を下ろすことなく行われる舞台転換も、大きな見どころのひとつだ。
芸妓たちが魅せる華麗な舞はもちろん、毎年新調される京友禅の着物や西陣織の帯の美しさ、三味線・唄・鳴物による生演奏、そして歴史を重ねてきた劇場空間のしつらえまで、見どころは尽きない。
茶券付一等観覧券を購入すると、公演前に、京風島田まげに黒紋付の衿裏返しという正装に身を包んだ芸妓によるお点前を鑑賞し、お菓子と抹茶を味わうことができる。
お茶屋とのご縁がなくとも、誰でも鑑賞できる「都をどり」。うららかな春の京都で、雅な舞の世界に身を委ねてみてはいかがだろうか。
◆都をどり
【会期】2026年4月1日(水)~4月30日(木)
1日3回公演(各公演約1時間)
1回目12:30~ 2回目14:30~ 3回目16:30~
【会場】祇園甲部歌舞練場(京都府京都市東山区祇????園町南側570-2)
【料金】観劇チケット(全席指定・税込)
・茶券付一等観覧席 7,000円
・一等観覧席 6,000円
・二等観覧席 4,000円
・学生料金(二等席限定)2,000円
※公演プログラム 1,000円
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グルメ最前線 トップレストランを探訪する
2026.1.20
世界一の美食都市「東京」を堪能! 「東京最高の名物料理レストランウィーク2026」が始まる
「東京最高の名物料理レストランウィーク2026」の開催期間は1/19(月)~2/17(火)。
東京の食の現在地を世界に示す
1月19日(月)から2月17日(火)までのおよそ1カ月にわたって、「東京最高の名物料理レストランウィーク2026」が開催される。
同イベントは、今回で25冊目となるレストランガイド本『東京最高のレストラン』(ぴあ刊)が主催するものだ。
東京の117軒の人気レストランが名物料理とともに参加し、世界一の美食都市の魅力を堪能できるまたとない機会となっている。
イベントの今回のテーマは、「過去・現在・未来を紡ぐ名物料理」である。
シリーズ25冊目となる『東京最高のレストラン』(ぴあ刊)。
「飲食業界に長く関わってきて、この業界に恩返しがしたいという強い思いが何よりも先にありました」
2001年の創刊時から編集長を務めてきた大木淳夫氏はそう話す。
氏が同イベントを開催したいと思った理由は他にもある。
「ニューヨークやパリなど、世界の多くの都市にレストランウィークがあります。東京は世界のどの都市よりも食が豊かなのに、なぜそれがないのだろうという疑問がありました。
25年間にわたって名店を紹介してきた『東京最高のレストラン』には、その役割を担って、東京の食の現在地と可能性を世界に示すという使命が課せられているのではないかと考えたわけです」
『東京最高のレストラン』の大木淳夫編集長。
「江戸から未来へ」味をつなぐ
昨年の第1回目は、「東京の名物料理を食べに行く」というコンセプトで、100店を超える有名レストランが参加した。
「今年は少し増えて、117軒の参加が予定されています。また、同イベントが東京都の『東京の魅力発信プロジェクト』に採択されたことから、東京の現在を代表する美食を伝えることはもちろんですが、江戸から続く400年以上の食の歴史にも光を当てることになりました」(大木氏)
実際、同イベントのホームページに飛ぶと、イタリアン・フレンチ・中華・和食・鮨・肉料理・焼鳥・その他などのジャンルから店を予約できるが、興味深いのは「特別企画から選ぶ」のコーナーだ。
・江戸・明治の味が楽しめる料理コース
・未来の名物料理体験コース
・体験型コース(握り体験・まかない体験等)
・今では味わえない名物料理復刻コース
・目指せ!一流シェフ 若手料理人応援コース
・レストランウィーク特別コース
興味深いコースが並んでいる。
「後援してくれた東京都によりますと、そもそも『江戸』というワード自体が、世界的にはまだまだ知られていません。そこで、『江戸から未来へ』と大きな括りを設けまして、コンセプトも内容も昨年と比べて格段に明確にしました。このイベント期間のために多くのレストランが特別メニューを作ってくれます」(同前)
今回、店の予約はTableCheck(テーブルチェック)を経由することになる。英語版のメニューもすべて作っているので、外国人の予約も簡単だ。
「鮨 からく」の特別メニュー
特別メニュー「江戸時代の握り寿司」を考案した名店「鮨 からく」の戸川基成親方に話を聞いた。
店は銀座のほぼ中心にあるが、入口には、「江戸前寿司研究所」なる表札が掛けられている。親方は江戸前寿司を知悉することはもちろん、英国のソムリエ資格を有し、ワインとのペアリングでは世界的に知られた料理人だ。
「この話を大木さんから頂戴した時に、江戸というコンセプトを伺って、それならば江戸の寿司を再現してみようということになったのです」
お武家たちが食べている高嶺の花であった寿司を、「庶民も食いてえ」と言って出来たのが屋台で食べる江戸前寿司である。
銀座の「鮨 からく」は江戸時代の握りを再現させた。手前の現代の握りと比較すると、その大きさが判る。
「通常は1貫の寿司のシャリは15グラムですが、江戸時代にはおよそ3倍の1貫50グラムもあったようです」
トップ画像が再現された寿司なのだが、確かに小型のお握りのようだ。シャリが多い分だけ、酢飯の重要度が増すはずだ。
「酢飯が美味しくないといけません。江戸時代に寿司に使っていたのは赤酢です。精製していない酢ですから旨味が強い。ウチのシャリは見た目は白いのですが、実は赤酢なんです。特別にもらっております赤酢の上積みだけを使うと、白いシャリになります」
酢がキリリと立っていて、細工を施したそれぞれの江戸前のネタと見事に合致している。1貫は大きいので一口で食べるのは難しく、半分ずつが丁度よい。
では、ネタはどうなるのか。
「江戸時代は、基本的に東京湾で獲れたネタしか使いませんでした。屋台で外気にさらされ、おまけに冷蔵庫がないので生ものは使えません。
鮪は腹から腐っていきますから、トロは捨てていました。赤身はヅケにして臭みを取った。玉子は稀少ですから、玉子焼きがいちばん高価だったようです。
酢で締めた青魚、昆布で締めた白身、煮た穴子や蛤、ヅケなどがメインとなってきます」
寿司に最も合うワインは?
当店のスペシャリティでもあるペアリングだが、それを支えるのは膨大な数のワインを試してきた20年間の歴史である。
「一つずつ寿司を出すときにワインをペアリングして、大体6種類から8種類ぐらいを少しずつお出ししています。8割はワインですが、必ず日本酒も入れています。ワインは白も赤もお出ししますが、実はウチの江戸前寿司にいちばん合うのはロゼワインなのです。
なぜかと言うと、ロゼには白の要素と赤の要素がありますから、幅が広いんですね。フランス人がペアリングの際にロゼをたくさん飲むのは、あまり悩まなくて済むからです。
レストランウィークの特別メニューにお出しするのはオーストラリアのシラーズで作った『スモール・フォレスト』を考えています。これはお醤油との相性が非常にいいのです」
確かに、ロゼは白身にも鮪にも見事に合った。他にも、鮪のヅケに合わせて試飲させてくれたブルゴーニュの赤「ボーヌ・デュ・シャトー」は、ちょっと凄いマリアージュとなって現れた。
親方が到達したペアリングは別格の感がした。「鮨 からく」を訪れた際には、その絶妙さをぜひとも味わっていただきたい。
八重洲の「8go」の一品である月齢100カ月の経産和牛のグリルは実に深い味わいだ。
多彩な特別メニューの品々
他店の特別メニューの一部を紹介すると、「江戸・明治の味が楽しめるコース」では、「浅草ひら山」の「花巻蕎麦」、「御料理ほりうち」の「ねぎま小鍋」、「四川料理 巴蜀」の「江戸時代(西暦1862年)の麻婆豆腐入り特別コース」、「乃木坂しん」の「雉の雑煮」などが、特別メニューとして提供される。
「未来の名物料理体験コース」からは、「Siamo noi」の「未利用魚と野草の乳酸発酵ソース」、「Filemone」の「ビーガンティラミス」などが提供される予定だ。
1月14日にプレス発表会が八重洲のレストラン「8go(エゴ)」で開かれたので、その模様を報告しておきたい。
料理の試食は「江戸時代」「未来」の名物料理が提供された。「未来の名物料理」は「8go(エゴ)」より「8年後の未来の名物料理」から7品が出された。特に印象深かったのは、「サスティナブル和牛」で、およそ月齢100カ月の経産和牛を用いたグリルだ。実に柔らかく味わいがグッと深い。丁寧に育てられたことが判るような見事な肉だった。
「江戸時代の料理」は、「江戸前 芝浜」と「奈美路や」より7品が出された。「江戸前 芝浜」料理長の海原大氏は江戸料理に精通している。ちなみに彼がレストランウィークで提供する「江戸御菜番付コース」は、江戸時代に庶民の間で人気のあった‶おかず″を相撲の番付に見立ててランキングした「江戸御菜番付」から着想を得た特別コースだ。
印象深かったのは「ねぎま鍋」(通常メニューでの提供で今回の特別コースには入っていない)で、出汁はカツオだけなのに、具材であるマグロと葱から引き出された旨味が素晴らしかった。
この2店舗を体験しただけでも、心が打ち震えた。是非ともこの好機を逃さず、数多くの名店を訪ねてみたいものだ。
Toshizumi Ishibashi
「クレア」「クレア・トラベラー」元編集長
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銀座・和光で開催。「第2回 いしかわの工芸 漆と陶」
2026.1.20
石川の漆と陶、その現在地を知る
(左)????田幸央 金襴手彩色鉢 φ52×h13cm (右)水尻清甫 沈金乾漆盤「海原」 φ40×h3.5㎝
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銀座のランドマークとして知られる和光のセイコーハウスホールにて、2026年1月29日(木)から2月8日(日)まで、展覧会「第2回 いしかわの工芸 漆と陶」が開催される。
水口 咲 乾漆黄桃茶器 φ7.5×h7.5cm
輪島塗や九谷焼に代表される、漆芸と陶芸の豊かな伝統が息づく石川県。本展は、県内で創作活動を続ける漆芸家・陶芸家による展覧会の第2回目となる。
浦出勝彦 蒔絵箱「朝涼」 w25×d11×h14cm
今回は、それぞれの分野で活躍する新たな作家を迎え、より多彩な表現が一堂に集結。 加賀百万石の時代から脈々と受け継がれてきた技と美意識に、現代の感性を重ね合わせた石川工芸の現在地を体感できる内容だ。
田島正仁 釉香器「月明り」 φ15.5×h12.5cm
会期中には、出品作家によるギャラリートークも予定されている。1月31日(土)は陶芸家の柴田有希佳氏と漆芸家の水口 咲氏、2月7日(土)は陶芸家の多田幸史氏と漆芸家の中室惣一郎氏が登壇し、作品制作の背景や工芸に込める思いを語る。
柴田有希佳 茶碗「絵日傘」 φ11.6×h8cm
漆と土、それぞれの素材と真摯に向き合う作家たちの競演。石川の工芸がもつ奥行きと進化を、銀座でじっくりと味わいたい。
◆第2回 いしかわの工芸 漆と陶
【会期】2026年1月29日(木)~2月8日(日)
【会場】セイコーハウスホール(東京都中央区銀座4-5-11 セイコーハウス6階)
【時間】11:00~19:00(最終日は17:00まで)
【休業日】会期中無休
【入場料】無料
【問い合わせ】03-3562-2111(代表)
出品作家によるギャラリートーク
1月31日(土)14:00~ 柴田有希佳氏、水口 咲氏
2月7日(土)14:00~ 多田幸史氏、中室惣一郎氏
司会進行:????田幸央氏
※混雑時には入場を制限する場合があります。
【問い合わせ】和光 美術部 03-3562-2111(代表)
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そごう美術館にて開催「artisansと輪島塗」
2026.1.20
輪島塗の「そのさき」へ──。光沢の奥に隠された技法と職人の仕事
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そごう美術館で、1月22日(木)から2月23日(月・祝)まで、展覧会『artisans と輪島塗 』が開催される。
本展は、2024年の能登半島地震により壊滅的な被害を受け、存続の危機に直面している輪島塗の復興支援を目的に企画されたもの。漆の技術を未来へとつなぎ、輪島塗の「そのさき」を見据える試みである。
《曲輪造籃胎食籠》小森邦衞
《栗鼠に葡萄文蒔絵箱》中野孝一
日本を代表する漆器である輪島塗は、「輪島六職」と総称される椀木地、指物、曲物、塗師、沈金、蒔絵という専門職の高度な分業体制によって支えられてきた。その緻密な工程の積み重ねが、ほかの漆芸にない堅牢さと光沢をもつ輪島塗を形づくっている。
轆轤を使い、何段階にも分けて挽いていくことで椀木地を作る
椀木地の生成工程
曲物師は水につけた能登ヒバを鉋で削り、型に沿って曲げる
本展では、完成作品の鑑賞にとどまらず、輪島塗が作られる工程にも注目。これまで光が当たりにくかった素地(輪島塗の下地)の完成にいたるまでの過程を紹介するほか、実際に触れられる工程展示や、制作に用いられる必要な道具も公開。堅牢優美な輪島塗が、いかにして育まれてきたのかを体験できる構成となっている。
《漆象嵌箱「玉響」》山岸一男
さまざまな「artisans=職人」の手を経て完成する輪島塗。その超絶技巧の数々を、会場でぜひ目の当たりにしてほしい
◆artisans と輪島塗
【会期】2026年1月22日(木)~2月23日(月・祝)
【会場】そごう美術館(そごう横浜店6階)
【開館時間】10:00~20:00(入館は閉館30分前まで)
【入館料】一般1,400円(1,200)、大学・高校生 1,200(1,000)円、中学生以下無料
*( )内は前売、公式オンラインチケットおよび[クラブ・オン/ミレニアムカード、クラブ・オン/ミレニアム アプリ]を提示の方の料金。
*前売券は1月21日(水)まで公式オンラインチケットおよびそごう美術館にて取り扱い。
*障がい者手帳各種をお持ちの方、および同伴者1名は無料。
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日本のエグゼクティブ・インタビュー
2026.1.5
旅行業界の台風の目――「温故知新」松山知樹社長が語る「共創フィロソフィー」
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2011年2月、たった一人で「㈱温故知新」を創業した松山知樹氏。2015年に運営を請け負った初の施設「瀬戸内リトリート 青凪」は話題を呼び、多くの賞を総なめにした。その後も、玉野競輪場に併設する「KEIRIN HOTEL 10」や、世界初のオフィシャル・シャンパーニュ・ホテル「Cuvée J2 Hôtel Osaka」などで新風を巻き起こし続けている。現在、手掛ける旅館とホテルと飲食店は15施設、社員数も400名を超えた。破竹の勢いで成長する同社の代表取締役 松山知樹氏に話を聞いた。
コンサル会社から旅行業界へ
松山氏は、東京大学大学院を修了すると、ボストン・コンサルティング・グループに続いてドリーム・インキュベータに入社する。その後、業種をガラッと変えて、星野リゾートという旅行業界に転職した。
「コンサルティング業界というのは、アドバイスする側は言いっ放しで、あとは先方にやってもらう仕事ですね。自分は結構、真面目な性格なので、結果までコミットできない仕事はどうなんだろうという思いが胸の中にありました。
できればリアリティのある業界がいいなと思っていたところに、たまたま星野リゾートにご縁があったのです。リアルな業界を探していた当時は、パン屋の社長をやらないかというお誘いもありました。そちらを選んでいたら、随分と人生は変わっていたでしょうね(笑)。」
旅行業界はサービス産業であり、ドメスティックでもある。かつていた業界との間のギャップはなかったのだろうか。
「外資系のコンサル会社にいたとは言っても、僕はそんなに英語が得意じゃなかったし、国内企業が専門でした。ですから、それほどギャップは感じなかったです」
5年ほど籍を置くことになる星野リゾートで、最初に着手したのは意外な仕事だった。
「最初は客室清掃の効率化に取り組みました。掃除のマニュアル作りです。
どういう風に部屋を回るか、ゴミ回収のやり方とか布団やシーツを入れるタイミングとかの手順書です。というのは、星野リゾートは清掃も社員自らが行うからです。ホテル業の中で清掃は、とても地味ですが大事な部分なのですね。何を参考にして手順書を作成したかと言うと、日産のような自動車工場のマニュアルです。これは面白くて、例えば、ある工程で「右手で回す」という指示があったとしたら、左利きの人でも右手で回す、それがマニュアルの世界なのです。そういう視点から清掃のノウハウを蓄積していったのが、星野での最初の仕事です」
自動車会社のマニュアルを援用するところが、松山氏の発想の斬新なところだ。
「自動車メーカーの考え方が、マクドナルドに行き、コンビニにも行きました。チェーン展開をしているような会社では、考え方は基本的にみんな一緒です。同じやり方を複製していって、上手い人と下手な人の差が開かないようにする。属人化することを極力排していくわけです。さらに言えば、3人で出来る仕事を5人でやらせたら、ゆっくりやるだけですよね。ですから、究極的にはどのようにして適切なシフトをどう組むか、なのです。つまり、いかに適切な仕事量に対して、適切なリソースを配置するか、ということです。
ある仕事に対する最適な人数配置、それがいちばん重要なポイントで、清掃の手順はシフトの先の話となります。最初は清掃に関わっていましたけれど、すぐに旅館運営の仕事をやるようになりまして、10軒ぐらいの旅館の運営を見ていました」
創業の一カ月後に東日本大震災
「温故知新」の創業は2011年2月だが、いかなる考えのもとに、この社名にしたのだろうか。
「会社を創った当時は、ホテルというよりは温泉旅館の再生がメインのものとして頭にありました。だから、温泉の温が入っている言葉がいいと考えました。そして、故きをたずねて新しきを知る――温泉旅館を次の時代につないでいくのにピッタリの意味だなと思ってこの社名を選びました。いま関わっているプロパティがすべて温泉宿というわけではありませんが、ベースには温泉旅館の発想があります。どんな部屋にでも露天風呂をつけてしまう、みたいなことですね(笑)」
ところが、起業した翌月に東日本大震災が起きてしまう。
「会社を創って一カ月後に震災に遭ったのは、大変な誤算でした。随分と苦労はしましたねえ。でも、いま振り返ってみると、商売にとって良くない時期に苦労をしたことは大事なことだったなと思います。なぜなら、いい時代にイケイケの流れしか知らない会社って、ちょっと悪い時期に当たるとアッという間にうまくいかなくなってしまいますから」
社員はまだいなかったのが幸いした。
「社員は私一人でしたから、会社にはあまり損害は出ていません。仕事がなかっただけの話で。原発が爆発するみたいな世界でしたから、仕事なんかあるワケがなくて暇でした。その後は逆に、震災復興の仕事が沢山ありましたので、ひたすらそれをこなす感じです。具体的には、被災したホテルや旅館の再生・復興計画を作る仕事で、ある種のコンサルティングでした。ですから、東北新幹線は全駅に通いました」
潰れる旅館も多かったのではないか。
「復興支援の場合は特殊スキームでした。それは言わば、借金を塩漬けにするスキームですから、逆に倒産しかかっていた旅館やホテルが復活していました。震災復興のプラン作りにプラスして、売り上げを上げるための実行支援も少しだけやりましたし、旅館運営のお手伝いも同時にやりました。会社を創ったときに、社業としてやがては運営をする心積もりがあったので、先々につながるだろうとは思っていました」
1軒目の「瀬戸内リトリート青凪」は賞を総なめ
そこから本格的に施設運営に携わることになるのだが、最初に手掛けたプロパティはインパクト充分だった。
「会社を創ってちょうど5年目のことで、たまたま最初にご縁があったのが、『瀬戸内リトリート 青凪』です」
あの海に抜けるプールで有名な、安藤忠雄氏が設計した宿である。
瀬戸内海が一望できる「瀬戸内リトリート青凪」
「しかし、開業してからが大変でした。新規の施設で、7部屋しかないホテルですから、どう頑張ってもすぐには黒字になりません。最初の一年ぐらいは死ぬかと思いました。やってもやっても赤字ですから、給料はゼロどころかマイナスで、タダ働き以下です。働いたらお金を入れなきゃいけないという状態ですね。とは言え、焦りとかはなかったです。『自分がやってもムリだったら、ムリだよね』みたいなところがあるんですよ。マイナスでも何とかなるみたいな、ワケの分からない自信みたいなものです」
成功する創業者は、決まって、ある種、楽天的なものだ。
「まあ、根拠がゼロというわけではないです。一応、いろいろな社会人としての経験もあった上での話ですから。とりあえず、目先の資金繰りだけはちゃんとしておいて、いずれはきちんと黒字にはなるだろうと。銀行っていうところは、人が本当に困っているときにはお金を貸してくれないですよね(苦笑)。だから、知り合いに出資を頼みました。名刺のリストがあって、『こういう条件で出資してくれませんか』と一斉メールを送ったら、一日で40口が完売しました。メール1本で、1人80万で3200万円を集めました」
80万という額が絶妙にいい。
「これが1人8万で、返って来なかったら真剣に怒るでしょう。1人100万というのも二の足を踏む額です。その当時、株主になってくださった皆さんには恩返しをしなければなりませんから、出資してくださった人が株を売ろうと思えば売れるような状態にしてあります。しんどいときに、いろんな人に助けていただきました。一応、その恩返しは出来たかなとは思っています。」
礼文島から五島列島までの多彩なプロパティ
いま現在、北は礼文島から南は五島列島まで、様々なプロパティに関わっている。どのように選択しているのだろう。
「場所については、話が持ち込まれるものから選んでいます。その上で、ちゃんと持続可能かどうか、数字がきちんと回る施設かどうか、もちろんそれは計算しています。礼文島の『三井観光ホテル』に関して言えば、そこにホテルを出そうとはまったく想像もしていませんでした。話が来たときに、ウチの社員に『礼文島ってどう思う?』と聞いたら、『それ、結構ロマンじゃないですか』みたいなことを言う人がいたんですね。
雄大な利尻富士を眺めることができる「礼文観光ホテル 咲涼」
もともと壱岐で『海里村上』(現在は『壱岐リトリート海里村上』)とかを運営していましたから、ある種、ウチらしい場所なのかなと思い直して、結果、やることになりました」
礼文島は稚内市の西方60キロの位置にある。日本海に浮かぶ最北の離島だ。陸地からはフェリーで2時間もかかる。一体、どんなゲストが来るのだろう。
「いわゆるツアーの旅行客がほとんどです。世界中行ったし、海外は疲れるから日本国内で行ったことのないところに行ってみよう、という感じですね。真冬を挟んで、11月から4月までは閉めています。実は、2025年は新入社員の入社式をそこでやりました。礼文島にそのまま置いていって、新入社員に実務をやらせました。一生そこでやるという話じゃなくて、長くても10月までで、早い人は8月ぐらいからよそに異動しますから、期間限定の研修です。逃げたくても逃げられない場所でしたが(笑)、一人も辞めていません」
社是は地域文化を盛り立てること
当社は地域文化を盛り立てることに極めて意識的だ。
「礼文島なんかはその最たるものです。あれぐらいのところですと、このホテルがなければ無人島になってしまうんじゃないかと思えるほどです。やっぱり、ホテルや旅館というのは地域貢献なんだなということがリアルに感じられる場所です」
他の施設では、具体的に地域の産業とどのような取り組みをしているのか。
「まず食材がそうです。地産地消と敢えて謳うまでもなく、普通に仕入れたら地域から仕入れることになります。タクシー会社との関係も密になりますし、離島へのツアーもあります。地元の人が通うレストランの紹介や、地元の職人を招いてのクラフト制作体験などもやっています。施設の中にいると社員同士の会話で終わりになっちゃいます。だから社員には、『なるべく外の人と会うように』と言っています。外で話しているうちに、いろんなアイデアが出てきて、新しいものが生まれてくるものです。
それを私たちは、『地域との共創』と呼んでいます。
それを意識的にやりたいと考えていて、今度、社内で『地域共創アワード』を作って、競わせようと思っています。そうした旗印があったほうが、みんなやる気になりますよね」
ホテルや旅館が、「自らは地域のショーケースである」という意識を持つことは、とても大事なことではないか。
「ホテルは特に何もしなくても、よそから来た人が宿泊できるというだけで社会貢献にはなっているのでしょうが、社会貢献を意識的にやることが大事だと思うのです。既存の市場を奪うのではなく、新しい市場を共に創出していくことです。その結果、社員が誇りをもって働けることにつながるし、またそういう意識のある施設だということでウチのホテルを選んでくださるお客様も出てくるのかな」
もちろん、イベントも大いに開催される。
「お越しくださった方には、ここにいらっしゃれば地域のものがまとめて見られる点が良いと思います。その意味では、地域の方と交流できるイベントは各施設でやっていますね。生産者に語ってもらう会とか、ワインの生産者の会などは分かりやすいです。長野県・白馬の『ホテル ラ ヴィーニュ 白馬』などは、開業して一年なのに、もう4、5回、ワイン会をやっています。
四季それぞれの自然と戯れることができる「ホテル ラ ヴィーニュ 白馬 」
「ホテル ラ ヴィーニュ 白馬 」でのワイン会。ワインメーカーズディナーなど、趣向を凝らしたワイン会を定期的に開催している。
地域の良いものを知ってもらう場としてホテルを活用していただきたいのです。そういう地道な積み重ねが社会貢献につながると思います」
年間5軒ずつ増やしていく計画
温故知新はホームページ上で「業績推移」をオープンにしている。そこでは、売上、経常利益、当期純利益、総資産、固定負債、運営施設数の推移……などを誰でも知ることができる。
「一応、上場を目指したときもあったので、会社の数字は出しています。いいことをやっている風の会社のホームページは世の中に一杯あるじゃないですか。でも、この会社、本当に大丈夫なのかなって心配になりますよね。結局、ウチの会社の数字はこうなっていますよと正直に出しておいたほうが、信用度が上がるのではないでしょうか。
とは言え、もっと沢山の利益を出している会社は山ほどあるわけです。良くも悪くもこのぐらいの数字ですと、実態を公開しているということです。上場企業ならば、普通にオープンにしているわけですから、特別なことをしているとは思っていません」
一人で始めた会社は、現在、社員数が400人を超える。14年で400倍に成長した。
「特にこの数年、運営施設が増えると人が増えます。元になっている施設の母数が小さいので、一気に倍になったように見えるんですが、このまま倍々ペースで行くわけではありません。ただ、今後、施設は年間で5軒ずつ増やす計画ではおります。実は、今後の社の成長のために、外部から資金を入れてもらいました。
施設の一個一個を丁寧に作っていって、小さいままオーガニックに成長していく選択肢もありました。しかし、外部から億単位でお金を入れるということは、会社をもう少し大きくしていく方向に舵を切ったわけです。
それを言い換えれば、ある種の覚悟がいるのですが、会社がきちんと持続性のあるものになるということです。ちゃんと施設を増やして、それに見合う仕組みを作って、結果的に大きな社会貢献ができるようになる、そういう選択です。それが今年決断した大きな覚悟となります」
宿泊施設をめぐっては、ファンドやM&Aが極めて活発に動いている。持ち込まれる案件も多いのだろう。
「岡山県玉野市の玉野競輪場内に併設して作った『KEIRIN HOTEL 10』や長崎県五島の『五島リトリート ray』、この辺が出来たのがコロナ中の2022年です。その頃から運営施設の案件はどんどん入ってくるようになりました。最近は、持ち込まれる案件が多すぎて処理し切れないほどなのです。
10個を吟味するだけならいいですけど、100個になり1000個になる。そして実際には、必ずしも良い順から選べるわけじゃなくて、いろんな事情で選ばれるわけです。そうした案件を僕だけでは処理できなくなってきているのが、直近の悩みではありますね」
岡山県玉野市に位置する日本初のスタジアム一体型ホテル「KEIRIN HOTEL 10」
長崎県福江島の海辺に立つ「五島リトリート ray」
みんなが幸せになるために
外資系にも在籍したところからドメスティックな業界へと急転回した松山氏は、「日本の美意識」をどのように捉えているのだろうか。
「品質に対する責任感の強さじゃないでしょうか。海外に行くとよく分かりますが、日本は、一個一個のものの出来栄えが異常なほど素晴らしい。ちゃんとしたものを作りたいという意識がこれほど強い民族が世界の他にあるのだろうかと思います。
細かいところまで行き届いている感じです。モノづくりに関しては、本当に凄いです。それが行き過ぎていて、いいモノさえ作れば認めてもらえるという甘えが強いという側面も、逆に日本人にはあるように思います。その先は、ブランディングの問題で、欧米のようにちょっとしたことをさも凄いことのように言い換えることも大事です。ここは重要なポイントなので、うちの会社はしっかりとやっています。良いものでもそれが伝わらなければ、結局は良くないものになってしまいますから。
それは地域活性化のポイントでもあって、新しいものを生み出すというよりも、今あるものを言い換える、あるいは良さや光を見つけることです。それはハッタリではなくて、みんなが幸せになるための方法なんですね」
松山知樹 Matsuyama Tomoki
1973年デトロイト生まれ、18歳まで大阪育ち。1998年東京大学大学院修了・都市工学修士。同年㈱ボストン・コンサルティング・グループ入社、2000年ドリーム・インキュベータ創業に参画。2005年㈱星野リゾート入社、2007年より取締役。2011年2月㈱「温故知新」創業。
島村美緒 Mio Shimamura
Premium Japan代表・発行人兼編集長。外資系広告代理店を経て、米ウォルト・ディズニーやハリー・ウィンストン、 ティファニー&Co.などのトップブランドにてマーケティング/PR の責任者を歴任。2013年株式会社ルッソを設立。様々なトップブランドのPRを手がける。実家が茶道や着付けなど、日本文化を教える環境にあったことから、 2017年にプレミアムジャパンの事業権を獲得し、2018年株式会社プレミアムジャパンを設立。
Photography by Toshiyuki Furuya
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Features
神話のふるさと、出雲で良縁を祈る
2026.1.20
「界 玉造」冬限定の特別滞在「八重垣神社開運プラン」
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日本最古の美肌の湯と称される玉造温泉に佇む星野リゾートの温泉旅館「界 玉造」から、縁結びの聖地として知られる八重垣神社での祈願と湯浴みを組み合わせた、期間限定の開運プランが登場。
2月28日まで提供される「八重垣神社開運プラン」は、心身を整えながら良縁を祈る、2日間の“静かな開運旅”。
プランの要となるのは、素盞嗚尊(すさのおのみこと)と稲田姫命(いなたひめのみこと)の夫婦神を祀る、八重垣神社での特別祈祷。界 玉造の宿泊者限定で奏上される祝詞(のりと)によるご祈祷を受けたあと、神職の案内によって国指定重要文化財の壁画を拝観。祈祷後は、占い用紙に硬貨を乗せて占う「鏡の池」での縁結び占いを体験し、運を開くひとときを過ごすことができる。
参拝前には、浄化作用をもち、邪気を払うとされる「真菰(まこも)」を用いたオリジナルのバスセットで湯浴みを。心身を清め、神域へ向かうための身支度を整えたい。
さらに、八重垣神社で授与されたお守りを大切に持ち帰るための、オリジナル勾玉チャーム付きお守り袋も用意。三種の神器の一つとして知られる勾玉は、古来より魔除けや幸運の象徴として親しまれてきたもの。このお守り袋は、松江で142年の歴史を持つ、めのう細工の老舗「秀玉堂」が制作を手がけている。
滞在中には、界 玉造で開催するご当地楽の「石見神楽 大蛇(おろち)」の演舞を最前列で鑑賞できる特別席も用意。この演目は、翌日参拝する八重垣神社に祀られる素盞嗚尊と稲田姫命の神話を描いたもので、参拝前に神話に触れることで、祈りの時間がより立体的な体験へと変わるはずだ。
神話、湯、そして祈りが静かに重なり合い、心身を整える冬の出雲。神話のふるさとならではの開運旅を、ぜひ体験してみてはいかがだろうか。
◆「界 玉造」冬限定の特別滞在「八重垣神社開運プラン」
【期間】2026年1月13日~2月28日
【料金】56,000円~(2名1室利用時1名あたり、税・サービス料込)
【含まれるもの】祈祷料(撤饌授与品含む)、壁画拝観料、真菰バスセット、オリジナルお守り袋、夕朝食
【場所】界 玉造、八重垣神社
【定員】1組3名まで
【予約】公式サイトにて宿泊7日前までに要予約
※八重垣神社までの送迎は含まれません。
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