Appleのスマートホームハブが早ければ10月、遅くとも2027年の初めまでに登場する可能性が報じられました。7インチの画面を備え、家電の操作から通話までを1台でこなす新しいカテゴリの製品です。ただし中核となる新しいSiriについて、Appleが年内に予告しているのは英語のベータ版に限られます。
発売の時期と、機能が出そろう時期にはずれが生じるかもしれません。
スマートホームハブは家じゅうの機器をまとめる司令塔
スマートホームハブとは、照明やエアコン、鍵といった家中の機器をまとめて操作する司令塔になる機器です。外出先から自宅の機器を動かしたり、複数の機器を連動させたりするには、家の中で常に電源が入った1台が必要になります。
Appleの場合、この役割を担うのは現在のところApple TVとHomePod、HomePod miniです。テレビを見るための機器やスピーカーが、ついでにハブも務めている形になります。本体にディスプレイを備えた機器は、これまでありませんでした。
今回報じられているスマートホームハブは、画面を内蔵したApple初のホーム端末になります。7インチの画面によって、声だけだった操作を目で見て触れて行えるようになる点が最大の変化です。
スマートホームハブの遅れはSiriの完成待ちとみられる
スマートホームハブの登場が遅れ続けた原因は、ソフトウェアの完成待ちにあると海外メディアは伝えています。登場が近いと言われるのは今回がはじめてではなく、当初は2025年の春に出るとみられていた製品です。発売の見通しは、そこから何度も後ろへずれてきました。
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| 伝えられた時期 | そのとき示された見通し |
|---|
| 当初 | 2025年春の投入を想定 |
| 2025年 | 2025年後半へ後ろ倒し |
| 2026年3月 | 2026年春から2026年秋へ |
| 2026年6月 | 2026年後半へ |
| 2026年7月 | 10月から2027年初頭 |
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※いずれも海外メディアの報道にもとづく見通しで、Appleが公表した日程ではありません。
時期がずれ続けた理由として一貫してあげられてきたのが、新しいSiriの開発です。Appleは画面付きの機器で、声で頼んだ内容が画面にどう出るかまで作り込む必要があります。Siriの仕上がりが、そのまま製品の使い勝手を決める流れです。
スマートホームハブの本体側の設計は、すでに固まっていたとも伝えられました。発売を妨げていた主な要因はソフトウェアだったとみられます。
新しいカテゴリの製品でAppleが慎重に時期を計るのは、今回に限った話ではありません。Appleが準備中とされるプライバシー重視の設計を採るスマートグラスも、登場が2027年の後半へずれ込むとみられます。こちらの理由はSiriではなく、撮影機能をめぐる懸念への対応と報じられました。
7インチのスマートホームハブの中身が見えてきた
スマートホームハブの姿は、海外メディアの報道でおおよそ見えてきています。7インチのほぼ正方形の画面を、HomePodのようなスピーカーと組み合わせた形になるようです。スマートホームハブで動くのは、tvOSを土台にした新しいOSとみられます。
特徴的なのが、目の前にいる人の顔を判別して表示を切り替える仕組みです。本体は家族それぞれの予定やリマインダーを、その人が近づいたときに出し分けられます。
スマートホームハブの用途は、FaceTimeでの通話や防犯カメラの映像確認、写真の表示、音楽再生に広がる見込みです。本体は据え置き型で、卓上に置く土台付きのモデルと、磁石で壁に取り付けるモデルの2種類が用意されるとみられます。Appleは1家庭で複数台使われることを想定しているとも伝えられました。
Apple TV 4KとHomePod miniも、この秋に新しいチップを積んで更新されるとみられます。両製品の見た目は現行モデルのままで、新しいSiriを動かせる処理能力を持たせるのが狙いのようです。
換算するとスマートホームハブの価格は6万円前後
スマートホームハブの価格について、海外では約350ドルという数字が繰り返し取り上げられてきました。ただし約350ドルは、昨年10月に一度報じられた見込み額です。以後は各媒体がその数字を引用しているだけで、Appleが示した価格ではありません。同じ報道では、コスト削減の検討にも触れられていました。
それでも価格を見積もる手がかりにはなります。Appleの製品は、米国の表示価格に売上税が含まれないのに対し、Apple Storeの表示価格は消費税込みです。両者を並べるときは、税込価格から消費税分を戻してそろえる必要があります。
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| 製品 | 米国価格 | Apple Storeの価格(税込) | 税抜きで割り戻した換算 |
|---|
| HomePod | 349ドル | 59,800円 | 1ドル=約156円 |
| HomePod mini | 129ドル | 22,800円 | 1ドル=約161円 |
| Apple TV 4K(Wi-Fi 64GB) | 199ドル | 34,800円 | 1ドル=約159円 |
| Apple TV 4K(Wi-Fi + Ethernet 128GB) | 249ドル | 44,800円 | 1ドル=約164円 |
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※価格はいずれも6月25日の改定後のものです。右端は市場の為替レートではなく、Appleの値付けから逆算した数値のため、製品ごとに幅が出ます。
表に並べた4製品の換算は、1ドルあたり156円〜164円の範囲に収まりました。7月28日時点の実勢レートは163円台で、ほぼ同じ水準です。
このなかで最も近い物差しになるのは、同じスピーカー型で349ドルのHomePodでしょう。この1台に絞って当てはめると、スマートホームハブは税込で6万円前後に着地する計算になります。幅のある4製品の換算をそのまま使った場合でも、6万円〜6万3,000円ほどに収まりました。
6万円前後という金額は、画面のないHomePodとほぼ同じ水準にあたります。声だけで操作していた機器に画面が加わって近い金額なら、置き換えを考える人には分かりやすい選択肢になるでしょう。
一方でHomePod miniと比べると、6万円前後はおよそ2.6倍にあたります。スマートホームハブを最初の1台として選ぶのか、手持ちの機器の置き換えとして選ぶのかで、受け止め方は変わりそうです。
スマートホームハブは急がずに判断したい
スマートホームハブが10月に登場したとしても、その日から実力をすべて味わえるとは限りません。理由は、この製品の中核となる新しいSiriが、まず英語から提供されるとAppleが案内しているためです。
Appleは公式サイトで、Siri AIを年内に英語で提供すると明記しました。Appleはあわせて、最初の提供がベータ版になるとも説明しています。対応言語は速やかに広げる方針も示していますが、追加の時期までは明らかにしていません。
Appleはスマートホームハブそのものをまだ発表しておらず、発売時にどの機能が使えるかは未知数です。Siri AIの対応言語が広がる前に発売された場合、一部の機能を使えない状態から始まる可能性もあります。
手持ちのApple製品を買い替える順番にも注意したいところです。Apple TVとHomePod miniは、秋に新しいチップを積んだモデルへ切り替わるとみられます。この2製品をいま買うと、数カ月で世代が変わってしまうかもしれません。
Appleがこの製品で何を売りにするかは、すでにiPhoneの側で形が見えている機能から推し量れます。iOS27で自然な言葉からタスクを作れるようになったリマインダーは、その分かりやすい一例です。
長く待たされてきたスマートホームハブは、ようやく発売の話が具体的な月に落ちてきました。価格も対応言語もまだ確定ではありません。10月からの数カ月は、Appleのスマートホーム戦略が形になる期間になりそうです。
Photo:MacRumors
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