オリジナリティのある香りを発表しつづけ、フレグランス好きを唸らせるバイレード(BYREDO)。フレグランスやキャンドルといった香りのプロダクトのほかに、アイシャドウやリップスティックなどのメイクアイテムも展開していることは男性の間ではあまり知られていないかもしれない。
そんなメイクアップカテゴリーから新たに登場するのが、自然由来成分が豊富なヴィーガン処方のリップバーム「リップケア コレクション」だ。唇の保湿というジェンダーレスなケアを叶えながらも、ほのかに色づくカラーでさりげなく好印象をもたらすプロダクトが特徴。その魅力とメンズメイクのトレンドを、バイレード クリエイティブ・イメージ&メイクアップ・パートナーのルチア・ピカが語ってくれた。
ジェンダーの垣根が曖昧になり男性も“自己表現”としてのメイクを楽しむ時代に
男性のメイクに対する意識は世界中で年々確実に進化していて、よりインクルーシブになってきています。もはや「女性のためのメイク」と「男性のためのメイク」というボーダーラインはさらに曖昧になりつつあり、人々はスキンケアやちょっとした肌のトーンアップ、あるいはよりクリエイティブなメイクアップを通して、自由な自己表現を楽しむようになってきました。
最近のトレンドは、よりナチュラルで“肌本来の美しさを大切にする”方向にシフトしています。ティンテッドバームやコンシーラー、軽めのファンデーションなど、肌に重さを感じさせずにその人の魅力を引き出すアイテムが注目されています。そしてそれらの使用目的は、単に見た目を良くすることだけではありません。“自分らしく心地よくいられること”、そして“自分自身を大切にすること”。それこそがメイクアップの本質的な魅力だと思います。
バイレードの新しい「リップケア コレクション」は、「日常的な所作を、感覚的で感情に響く体験へと昇華させること」をテーマに誕生しました。製品の特筆すべきポイントは、そのテクスチャー。唇の上にすべるように溶け込む、クセになるようななめらかさが魅力です。サテンのような適度で上品なツヤ感があり、薄くつけてなじませることも重ねづけしてしっかり発色させることもできます。今回登場する5色はアイコニックなクリアカラーの「クロモフォビア」から、印象的なレッドカラーの「クラウドバスティング」まで、さまざまな感情や瞬間を表現するようにシェードが作られています。
私が特に気に入っているのは、リップケアとカラーがひとつのプロダクトで叶うという点です。シアバターやココアバター、ローズエキスといった保湿成分がたっぷりと配合され、唇そのものを潤しながら自然なツヤを出してくれます。そしてカラーの4色にはバイレードのマスターパフューマーであるジェローム・エピネットが手がけた香りをのせています。レッドフルーツやフローラル、ほんのりバニラクリームとピンクシュガーが重なり合った、やさしく心地よいブレンドが広がります。
男性の皆さんにお伝えしたいのは、このプロダクトが唇のケアと自己表現のためのものであり、性別の枠を超えた存在だということです。たとえば透明の「クロモフォビア」は唇の心地よさと保湿を求める人に最適のアイテム。クリアカラーで香りもさりげなく、誰にでも取り入れやすいのが魅力です。
もう少しだけ冒険したいという人には、ティントタイプもおすすめです。軽くひと塗りで自然な仕上がりに、重ねて塗ればその日の気分に合わせた表現も楽しめます。そしてミニマムで彫刻的な美しさがあるパッケージのデザインも特徴です。ジェンダーレスなフォルムで手にしたときのほどよい重みが、誰にとっても贅沢な感覚をもたらすはずです。
男性たちの戸惑いはよくわかります。実際にさまざまな場所で同じような声を耳にします。しかしこのティンテッドバームのような繊細なアイテムは、取り入れることに抵抗感を感じる必要はありません。ごく自然に自分の魅力を引き立てたり、うるおいとヘルシーなツヤ、血色をプラスするだけで自然にヘルシーな印象になるはずです。このリップケア コレクションの魅力は“自由であること”。これはメイクアップ製品というよりも、自己表現やセルフケアのレイヤーのひとつであり、使い方にルールや正解はありません。香水やスキンケアと同じように気軽に手に取って試してみること。試してみて自分にとって心地よいと感じられれば、それが正解なのです。
BYREDO リップバーム ティントリップバーム ¥8,525、リフィル ¥5,350
発売日:6月12日
展開店舗:BYREDO直営店、公式オンラインストアほか一部セレクトショップにて順次展開予定
問い合わせ先:バイレード ジャパン Tel. 03-6450-5873
https://www.byredo.com/ja_jp/makeup/

文・菊池琢也 編集・橋田真木(GQ)