上質な素材にひと手間かけた風合い
バレエスタイルより着想を得てコレクションを展開している、今シーズンのフェラガモ。クラフツマンシップ溢れる真摯な物作りや上質な素材感は今春も健在。注目のアウター類は、コンパクト糸で高密度に織り上げたさらっとしたギャバジン素材や、肌触り滑らかなラムレザーなど、ラグジュアリーな素材を惜しげもなく使ったもの。オーガニック仕上げやエンボス加工など、素材のテイストを生かしたディテールにも注目したい。
深みのあるカーキに、ダブルスライダー仕様のフロントジップが冴える上品なニット。ウール100%仕様で、使い勝手の良いシンプルなデザインは、エレガントな中にもカジュアルを内包した端正な仕上がりだ。背面上部にあしらったカスタムメタルタブが、ラグジュアリーなムードを醸している。
厚手のベージュコットンデニムのシャツジャケットは、胸元にあしらったリベット使いなど、適度に武骨なムードが漂う。一方で、エンボス加工を駆使しガンチーニのモノグラムを施した、ラグジュアリー感の漂う豊かな表情も魅力だ。同素材のパンツもあり、セットアップの着こなしもできる。
適度にスポーティーなムードが漂うジップアップ仕様のブラックフード付きジャケットは、超薄手のラムレザーで仕上げたラグジュアリーな一品。シャイニーなルックスと相まって、濃厚なモード感を演出している。袖口に備えたドローコードで繊細なサイズ調整が可能。また肘下からの切り替えデザインも、適度なアクセントに。
フロント部分にあしらった4つのフラップポケットと、深みのあるブラウンカラーが目を引くミリタリー風のデザインが印象的。コンパクト糸で高密度に織り上げたギャバジン素材に、アイロンプレスをせずにオーガニック仕上げを施しているので、シワ感を残したラグジュアリーな表情に。リラックス感の漂う軽量仕立てだ。

写真・高橋絵里奈 文・オオサワ系、森下隆太 スタイリング・安倍拓志 編集・岩田桂視(GQ)