低中負荷領域では効率を高めるため、フロント・モーターのみで走行するが、走行状況に応じ、リアのモーターも稼働する。また、フロントとリアの両方のモーターをオルタネーターとしても使用し、回生ブレーキによる減速効果を最大限に高めたそうだ。
なお、回生ブレーキの強度は任意で調整出来る。ステアリング裏のパドルにより 4段階の調整が可能だ。たとえば、もっとも強い「D--」を選択すると、回生ブレーキだけで十分減速するという。
ステアリング形状は、ほかのメルセデスと同意匠だ。
内外装のデザインは、テスラなどに比べるとオーソドックスである。エクステリアは、フロントまわりの大型ブラック・パネルが目を引く。また、フルLEDのヘッドランプの一部に光ファイバーを使い、先進的な灯火デザインを実現したという。
リアは、バンパーとテールゲートのあいだに段差がほとんどなく、すっきりとしている。また、特徴的な横長のリアコンビネーションランプについて、メディア向けのリリースには「近未来感とワイドさを表現した」とある。
インテリアは、10.25インチのフルデジタル・パネルが、2枚連なっているのが印象的だ。1枚はメーター用、もう1枚はインフォテインメント用である。なお、エアコンの吹き出し口などはEQC専用デザインだ。
テレマティクスサービス「Mercedes me connect」は、全車標準。スマートフォンで、クルマのドアのロック/アンロックが出来るほか、外部にいながらクルマの走行可能距離や平均電費などが確認出来る。
さらにナビゲーション・システムは、充電ステーション情報を随時更新するほか、電費情報なども表示する。また、対話型インフォテインメントシステム「MBUX」は、従来機能に追加して、「充電ステーションを探して」などEV特有の単語や表現にも対応する。
保証体制も充実している。新車購入から5年間または10万kmのいずれか早い方まで、一般保証修理/定期メンテナンス(点検整備の作業工賃・交換部品)/24時間ツーリングサポートが無償で提供される保証プログラム「EQケア」が全車自動で付帯するほか、高電圧バッテリーは新車購入から8年または16万km以内で、サービス工場の診断機により、残容量が70%に満たないと診断された場合の特別保証も付帯するという。
車両組立は、ブレーメン工場(ドイツ)でおこなわれる。なお、GLCなどとおなじラインで生産されるそうだ。 さらに、6.0kW(30A)対応の交流普通充電器本体を無償提供するほか、設置にかかる費用負担を軽減するため、10万円をサポートするとのこと。くわえて1年間、全国に約2万1000基ある提携充電ネットワークを、無料で利用出来る(月会費および充電費用が無料)。
日本で販売されるカタログ・モデルは「EQC 400 4MATIC」のみ。価格は1080万円だ。なお、ハンドル位置は右のみである。
さらに、EQCの発表を記念した特別仕様車「EQC Edition 1886」が55台限定で販売される。専用デザインのラジエターグリルやアルミホイール(20インチ)、シートなどが特徴だ。また、シート・バックレストやフロアマットには“1886”の刺繍が入る。価格は1200万円だ。