鮨 真菜
湯島
路面店で、天神下の交差点からすぐ、という好立地ながら、店主の金井淳さんは言う。
「結構、皆さん、迷われるんですよ。店の前を何度も通り過ぎちゃうようで(笑)」
大通りに面するビルの1階に小さな黒い正方形の看板が出ている。これが「鮨 真菜」の場所を示す唯一の手掛かり。木戸を開けるとカウンターのみ、最大で6席の小体な空間が現れる。すぐそこに立つ、店主が飄々と迎える空気感は、フラッと立ち寄りたくなる街場の寿司屋。しかし、その正体はおまかせ一本で勝負する今どきのスタイルで、このギャップがなんとも堪らないのだ。広くはないが、天井は高く、狭苦しさは微塵も感じない。
「漠然とですが、ずっと寿司職人になりたかった」と言う店主が老舗の寿司店などで修業を重ね、独立を果たしたのは、今からちょうど6年前。当初からひとりで営むつもりだったが、実際にやってみると「意外と大変ですよ(笑)」。けれど、ひとりで仕込みから接客、予約の受付まで、すべてをこなしているからこそ、「全部、自分が思った通りにできます」とまた笑顔。自由闊達に、己の酒肴と握りを提供している。これがまた抜群。ほかでは決して味わえない旨さに感激し、良い意味で弛緩した時間を過ごした後は、自然と「また来るよ」、そんな言葉が口を衝く。
鮨 真菜
東京都文京区湯島
3-46-6 TS天神下ビル1F
TEL 03-6803-0190
営17:30〜22:00
不定休 カウンター6席
カウンター12席
※カード不可