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新型日産スカイライン登場──打倒ドイツ勢! ハイパフォーマンスグレード「400R」にも注目だ!

日産自動車のスポーツセダン「スカイライン」のビッグマイナーチェンジ版が登場した。注目は運転支援技術「プロパイロット2.0」の搭載と、ハイパフォーマンスグレード「400R」の設定だ! 文・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)
新型日産スカイライン登場──打倒ドイツ勢! ハイパフォーマンスグレード「400R」にも注目だ!
【主要諸元(HYBRID GT Type SP)】全長×全幅×全高:4810mm×1820mm×1440mm、ホイールベース:2850mm、車両重量:1840kg、乗車定員:5名、エンジン:3498ccV 型6気筒DOHC(306ps/6800rpm、350Nm/5000rpm)+モーター(50kW/290Nm)、トランスミッション:7AT、駆動方式:FR、タイヤサイズ:245/40RF19、価格:604万8000円(OP含まず)。
日産ブランドに回帰

2019年7 月16日、日産自動車(以下、日産)は、「スカイライン」のビッグマイナーチェンモデルを発表した。

新型スカイラインは、最新の運転支援技術「プロパイロット 2.0」の搭載にくわえ、ハイパフォーマンス・モデル「400R」が新たに設定された。また、内外装のデザインも変更された。

Nissan Skyline|日産 スカイライン フロントグリルは、日産が「Vモーション」と呼ぶ新世代デザインに変わった。
Nissan Skyline|日産 スカイライン 従来、フロント・グリルのバッヂはインフィニティ・ブランドのものであったが、日産・ブランドに変わった。

新型スカイラインのデザインは、とくにエクステリアが大幅に変わった。まず、フロント・グリルは「Vモーション」と呼ぶデザインに変更され、かつ中央のエンブレムは、インフィニティ(日産が北米などで展開する高級ブランド)から日産に変わった。

リアも、エンブレムがインフィニティから日産に変わり、マフラー形状も変更された。さらに、スカイラインを象徴する4つの丸いリア・コンビネーション・ランプ(フルLED)もデザインを一新した。

Nissan Skyline|日産 スカイライン リアはマフラーのデザインなどが変更されたが、フロントに比べれば小規模だ。
Nissan Skyline|日産 スカイライン リア・コンビネーション・ランプ(フルLED)は、デザインを一新した
Nissan Skyline|日産 スカイライン リアのバッヂもフロントとおなじく、日産・ブランドのものに変わった。

なお、グレードによってデザイン・テイストを変えているのも特徴だ。「GT/P」はエレガントさを、「SP」はスポーティさを、そして400Rは、SP以上に走りの良さを訴求すべく、フロント・グリルやバンパーなどのデザインを微妙に変えている。

インテリアは、従来に対し先進性を高めた。日産初のヘッドアップ・ディスプレイを搭載したほか、メーターパネルはフルデジタル化。さらに、電動パーキングブレーキも採用された。

Nissan Skyline|日産 スカイライン 撮影車は最上級グレードの「GT Type SP」(ハイブリッド仕様)。タイヤは245/40RF19を履く。
Nissan Skyline|日産 スカイライン 「400R」以外は、すべてのグレードにGTのバッヂが付く。

搭載するパワーユニットは、ハイブリッド(3.5リッターV型6気筒エンジン+モーター)と、ガソリンターボ(3.0リッターV型6気筒ターボ)の2種類。なお、従来設定されていた2.0リッター直列4気筒ターボ・エンジンは設定されない。

Nissan Skyline|日産 スカイライン ハイブリッド仕様が搭載するパワーユニットは、3498ccV 型6気筒DOHC(306ps/6800rpm、350Nm/5000rpm)+モーター(50kW/290Nm)。
Nissan Skyline|日産 スカイライン トランスミッションはハイブリッド、ガソリンともに電子制御式7AT。
Nissan Skyline|日産 スカイライン アクセルはオルガン・タイプ。なお、GT Type SPはアルミペダルになる。
注目のプロパイロット2.0は?

新型スカイラインは、世界トップレベルの運転支援技術「プロパイロット2.0」を、ハイブリッド・モデルにのみ搭載する。

特筆すべきは、高速道路および自動車専用道路において(一部除く)、ハンズオフ(手放し)運転を実現した点だ。

Nissan Skyline|日産 スカイライン プロパイロット2.0の設定は、ステアリング・スウィッチで操作する。
Nissan Skyline|日産 スカイライン プロパイロット2.0用スウィッチはステアリング・スポークの右側にある。

プロパイロット2.0は、高速道路で条件が整うと、ステアリング・スウィッチの簡単な操作によって使用出来る。前走車に追従し、かつ車線に沿って自動でクルマが進んでいく。このとき、ドライバーはステアリングを握る必要はない。前方を注視し、かつ道路・交通・自車両の状況に応じ、直ちにハンドル操作が出来れば問題ないという

作動状況はメーターパネル中央のインフォメーション・ディスプレイや、ヘッドアップ・ディスプレイに表示される。またドライバーの視線は、インパネ上部に設置されたカメラが常にチェックしているゆえ、もし、視線を前方から逸らした場合、システムが停止するという。

Nissan Skyline|日産 スカイライン 先進安全装備の作動状況はメーターパネル中央のインフォメーション・ディスプレイに表示される。
Nissan Skyline|日産 スカイライン インフォメーション・ディスプレイには、ハイブリッド・システムの作動状況も表示される。
Nissan Skyline|日産 スカイライン インパネ上部に設置されたドライバーモニター。
Nissan Skyline|日産 スカイライン プロパイロット2.0のシステムを構成するカメラは、7個にも達する。
Nissan Skyline|日産 スカイライン ハイブリッド・モデルは電動パーキング・ブレーキになる。ガソリン・モデルはこれまでとおなじく足踏み式だ。

また、自動追い越し機能も搭載する。前走車が設定スピードより遅い場合、システムが追い越しすべきかどうかを自動で判断し、必要に応じ、ドライバーに追い越し可能であることを知らせる。

追い越し可能とシステムが判断した場合、ドライバーは、自動追い越し用のステアリング・スウィッチを操作し、かつハンドルに軽く手を触れていれば、クルマがほぼ自動で前走車を追い越すという。車線変更も含め、クルマが自動で追い越していくのだ。

Nissan Skyline|日産 スカイライン 運転支援関連の詳細設定は、インパネ上部のタッチ式ディスプレイで操作する。
Nissan Skyline|日産 スカイライン 360°カメラは、全車標準。

なお、プロパイロット2.0はハイブリッド・モデルにのみ搭載される。ガソリン・モデルには搭載されない理由について、日産の担当者は「ハイブリッドに搭載されている電子システムとプロパイロット2.0の相性がよかったため、まずは専用装備にした」と、述べた。

スカイライン史上最高出力を誇る「400R」

新たに設定された「400R」は、走行性能を徹底的に高めたハイパフォーマンスモデルだ。搭載する3.0リッターV型6気筒ツインターボ・エンジンは、通常モデルと異なるチューニングが施された。結果、スカイライン史上最高の405ps/6400rpm(最大トルクは475Nm/1600〜5200rpm)を誇る。

Nissan Skyline|日産 スカイライン 「400R」は、専用デザインのアルミホイールなどを装着する。

高性能なエンジンに対応すべく、足まわりなども強化されている。標準グレードはオプション設定になる電子制御ショックアブソーバー(インテリジェント ダイナミックサスペンション)が標準になるほか、4輪アルミレッドキャリパー対向ピストンブレーキになる。

Nissan Skyline|日産 スカイライン 搭載する3.0リッターV型6気筒ターボ・エンジンは、最高出力405ps/6400rpm、最大トルク475Nm/1600〜5200rpmを誇る。

また、19インチアルミホイールはガンメタ塗装になり、そしてシートは本革のスポーツ・タイプになる。さらに400R専用のグレードバッジが随所に装着されるのが特徴だ。

Nissan Skyline|日産 スカイライン 4輪アルミレッドキャリパーは400R専用装備。
Nissan Skyline|日産 スカイライン シートは本革のスポーツ・タイプ。DAISUKE HAYASHI
Nissan Skyline|日産 スカイライン 標準グレードはオプション設定になる電子制御ショックアブソーバー(インテリジェント ダイナミックサスペンション)を装備する。hiro423
最上級グレードの価格は600万円オーバー

新型スカイラインの価格は、ハイブリッドのエントリーグレード「GT」が547万4520円(2WD)/575万4240円(4WD)、中間グレードの「GT Type P」が571万1040円(2WD)/599万760円(4WD)、最上級グレードの「GT Type SP」が604万8000円(2WD)/632万7720円(4WD)。

Nissan Skyline|日産 スカイライン インパネは、2枚のタッチ式ディスプレイが上下に並ぶ、特徴的なデザインだ。
Nissan Skyline|日産 スカイライン ナビやエアコンなどほとんどの設定は、タッチ式ディスプレイで操作する。
Nissan Skyline|日産 スカイライン フロント・シートは電動式。なお、助手席もリフター機構がつくのは、日本車では珍しい。
Nissan Skyline|日産 スカイライン センターアムレスト付きのリアシート。リアシート用のエアコン吹き出し口もある。
Nissan Skyline|日産 スカイライン ハイブリッド仕様のラゲッジ・ルームは、9インチまでのゴルフ・バッグを4個積める。
Nissan Skyline|日産 スカイライン 明るいベージュのシートカラーも選べる。

ガソリンはすべて2WDのみになる。GT」が427万4640円、中間グレードの「GT Type P」が455万4360円、最上級グレードの「GT Type SP」が481万8960円、そしてはいパフォーマンス・モデルの「400R」が552万3120円だ。

なお、販売開始は2019年9月頃を予定する。

Nissan Skyline|日産 スカイライン
Nissan Skyline|日産 スカイライン
Nissan Skyline|日産 スカイライン
Nissan Skyline|日産 スカイライン
Nissan Skyline|日産 スカイライン