Concorso D’eleganza Kyoto 2019

京都 元離宮二条城に集まった芸術的なクラシックカー──一生に一度会えるか、な名車が結集

もはやアートというべき歴史的名車たちがその美しさやエレガントさを競いあう、ビンテージカーのビューティコンクール、〝コンコルソ デレガンツァ京都〟。今年も世界遺産の元離宮二条城に世界中から名車たちが集まった。メインテーマは「ザガートの100周年」と 「クラシックランボルギーニ」である。 文・西川 淳 写真・remi dargegen、塚原孝顕
京都 元離宮二条城に集まった芸術的なクラシックカー──一生に一度会えるか、な名車が結集
普段は非公開の国宝二の丸御殿前の美しい庭園がこの日のために開放され、名車たちが並べられた。手前からウラッコ、ハラマ、ミウラ(2台)、エスパーダ、イスレロといったランボルギーニのクラシックたち。

超一流イベントになるか?

アメリカの〝ペブルビーチ〟、イタリアの〝ヴィラデステ〟と聞いて、クルマ好きが思い出すのは有名なゴルフ場でもリゾートホテルでもなく、世界的な名車コンクールである。

世界の2大コンクールに負けないイベントを自動車大国であるわが国でも開催したい。コンクールを舞台とした自動車好きの文化社交サロンを育て上げていきたい。と、そう願ったひとりのエンスージアストが日本発信の世界的コンクールを立ち上げた。彼の名は木村英智氏。世界的に有名なアクアリウムアーティストである。

京都での開催は今年で3度目。コンクールが世界的なイベントとなるためには3つの要素が肝心だと言われる。ひとつにはもちろんイベントに参集するクルマの質であり、ふたつ目がイベントの開催地だ。その点京都なら文句はない。東京や広島と並んで世界的に知名度の高い場所であり、クラシックやビンテージ、伝統や文化といったキーワードとの親和性が甚だ強い。

世界遺産の元離宮二条城という名高さはもちろん、名車が展示されたのは国宝二の丸御殿に面した非公開の庭園だった。黒々と美しい書院造の建物を背景に並ぶビンテージカーという構図と景色は、なるほど京都発信にふさわしい。

最後の要素が審査員だ。fiva国際クラシックカー連盟会長のパトリック・ロレ氏を筆頭に、ペブルビーチのサンドラ・バトン氏やヴィラデステのドミニク・フィシュリン氏、日本からは元日産チーフ・デザイナーでペブルビーチ名誉審査員の中村史郎氏といったビンテージカー界の重鎮たちが、この日のために審査員として来日あるいは来京した。彼らとの交流を通じても日本のビンテージカー文化がいっそう濃密に進化することが期待される。

超一流イベントとしての条件は既に揃っている。あとは参加するクルマ次第、というわけで、今年も素晴らしい名車が二条城にやってきた。

メインテーマは〝ザガートの100周年〟と、近頃めっきりクラシックカービジネスにも力を入れている〝ランボルギーニ・ポロストリコ〟。「ベスト・オブ・ショウ」に輝いたランボルギーニ350gtザガートをはじめ、素晴らしい名車たちの勇姿に世界中のクルマ好きが酔いしれた。

書院造の建物とランボルギーニ ミウラとの対比も鮮やかな一枚。
手前からイスレロ、エスパーダ、ミウラと普段は滅多に見ることのできないクラシックランボルギーニたちが揃った。
ベスト・オブ・ショウを獲得した1965年型ランボルギーニ350GTZ。現存するのはこれ1台のみといわれている。
一昨年にスイスで開催されたランボルギーニのコンクールで世界一となったミウラP400SVも展示された。
貴重な350GTZの室内写真。
黄緑のミウラとともに、そのオリジナリティの高さで有名なオレンジのカウンタックLP400。
アリゾナのヒストリックカーナンバーを付けた350gtz。日本でも早くこのようなヒストリックカーを保護する官民挙げての動きが欲しいもの。
90年代という比較的新しいランボルギーニシリーズも華を添えた。写真はなかでも世界に30数台しかないという貴重なワンメイクレース用車両のディアブロsvr。