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根津「芋甚」のチョコレートサンデー──甲斐みのり推薦! レトロ喫茶のアイスクリーム①

全国各地で愛されるアイスを紹介した書籍『アイスの旅』の著者・甲斐みのりさんが、東京で食べられるちょっと懐かしいアイスクリームをご紹介。
根津「芋甚」のチョコレートサンデー──甲斐みのり推薦! レトロ喫茶のアイスクリーム①
「芋甚」のチョコレートサンデー(340円)Shinsuke Matsukawa

心ときめく和風甘味処のアイスクリーム

「銀色の器に、つるんとなめらかな見た目のチョコレートがけアイスクリーム。そこに、ちょこんとのった、赤いさくらんぼ! 心ときめく見た目とともに、味も抜群。ほのかなシャリシャリ食感にほっと和みます」

文筆家の甲斐みのりさんが紹介するのは、東京・根津にある甘味処「芋甚」のチョコレートサンデー。美しい半円に盛られたバニラアイスは、練乳2種と粉乳2種を混ぜて作ったこだわりの一品で、卵を使っていないためすっきりと上品な味わいだ。

「芋甚」という店名は、初代の山田甚蔵氏が大正時代初期に焼き芋屋として創業したからだそう。1923年の関東大震災をきっかけに火を使う芋屋さんを辞め、「ミルクホール」に転身することを決意したという。そこから約100年、現在は4代目のご主人に受け継がれ、自家製アイスを使った豊富なメニューを提供している。

「アベックアイス」(店内280円、テイクアウトは1個120円)

また、甲斐さんがその名前に惹かれたのは、バニラアイスと小倉アイスが楕円形の銀の器にひとつずつ乗った「アベックアイス」。小倉アイスは小豆と砂糖のみで作られており、さっぱりとした甘さがうれしい一品だ。

こちらは谷根千散歩のお供として、テイクアウト用に小さなモナカに挟んでもらうのがオススメ。注文してからモナカに詰めるので、香ばしいサクサクとひんやりのマリアージュが最後まで楽しめる。

アイスのほか、あんみつに使われる黒みつやあんこ、かき氷のシロップなどもお店ですべて手作りしているそう。たくさんのメニューに迷ってしまうが、どれも優しい甘味なのでいくつもペロリといけてしまいそうだ。

夏はかき氷もオススメ。
コーンアイスはなんと170円!
場所柄、海外からのお客さんも多いそう。手作りの英語メニューがかわいらしい。
モナカアイスを毎日5つ買っていく常連の方もいるのだとか。

芋甚(いもじん)

住所:東京都文京区根津2-30-4 TEL:03-3821-5530 営業時間:11~19時 定休日:月曜(10~3月は月・火曜) インスタグラム:@imojin.nezu

甲斐みのり(かい みのり)

文筆家。1976年静岡県生まれ。旅、散歩、お菓子、地元パン、手みやげ、クラシックホテルや建築、雑貨や暮らしなどを主な題材に、書籍や雑誌に執筆。食・店・風景・人、その土地ならではの魅力を再発見するのが得意。地方自治体の観光案内パンフレットの制作や、講演活動もおこなう。 約200点のアイスを網羅した書籍『アイスの旅』(グラフィック社)についてのインタビューはこちら

文・横山芙美(GQ) 写真・松川真介

写真・鈴木竜一朗