2019年6月23日(日)、BMWの輸入元であるビー・エム・ダブリューは、静岡県・富士スピードウェイで「BMW モータースポーツ フェスティバル2019」を開催した。
BMW モータースポーツ フェスティバルは、2017年に初開催したイベントだ。今回で2回目、2年ぶりの開催である。「駆け抜ける歓び」をスローガンに掲げるBMWだけに、「走り」を堪能できるプログラムが充実しているのが特徴だ。
オープニングセレモニーは、富士スピードウェイのメインストレートで行われた。セレモニーでは、ビー・エム・ダブリューの代表取締役社長ペーター・クロンシュナーブル氏が「M6 GT3」、ドイツから来日したBMW M社のセールス&マーケティング担当執行役員ピーター・クイントス氏が「M4 GT4」を自らハンドルを握って登場した。
クロンシュナーブル社長は挨拶のなかで「BMWの“駆け抜ける歓び”を体感出来るイベントにした」と述べた。また、ピーター・クイントス氏は「2年前に世界で初めて(BMWの)モーター・フェスティバルを日本で開催し、以降、世界各国で同様のイベントを開催してきました。今回のイベントでは、BMWのスポーツ・カー、レーシング・カー、ヒストリック・カー、そして新型車も揃えました。BMWの魅力を存分に味わってほしい」と話した。
イベントはクロンシュナーブル社長が冒頭で述べた通り、さまざまな同乗走行体験プログラム、試乗プログラムなど「走る」「乗る」ものが多い。同乗走行体験プログラムにはプロドライバーが運転する各種Mモデルや、オープニングセレモニーでも登場したレーシングカーのM6 GT3とM4 GT4が用意された。
また富士スピードウェイ内にあるショート・コースでは、最新のBMWを運転出来るプログラムもおこなわれた。しかも、ほかの同乗走行体験&試乗プログラムは有料だったが、本プログラムは参加料が無料だった。
ほかにも、グランドスタンド裏の駐車場ではさまざまなプログラムがおこなわれた。「xDriveゾーン」では、Xシリーズが搭載する4WDシステムを体感出来るよう、障害物が設置されている。一部のタイヤが浮くようなときでも、地面に接地しているタイヤがしっかり駆動し、安定する様子が外からもよくわかった。
また、タイヤをはじめさまざまな用品メーカーのブースおよびプログラムも充実していた。横浜ゴムではスポンジ付きタイヤの体験走行や、スロット・カーレースができ、ブリヂストンではランフラットタイヤの走行体験会や、空気を使わないタイヤ「エアフリーコンセプト」の体験が出来た。
さらに、7シリーズなどに搭載する「Bowers&Wilkins」のオーディオが試聴出来るコーナーも。筆者が行ったときは、ちょうどクイーンの『ボヘミアン・ラプソディ』が流れており、その圧倒的な臨場感に、つい聞き入ってしまったほど。
ピット内の目玉は、歴代Mモデルが展示されていた「M ヒストリック コレクション」だ。なかでも現在、1億円以上の値が付いているという「M1」は必見ものだった。さらに、M社が手がけたレーシングカーが展示されているコーナーもあった。
ちなみに、なぜ日本でBMW モータースポーツ フェスティバルが開催されているのか?
ビー・エム・ダブリュー広報部の製品広報マネージャーを務める前田雅彦氏に質問した。
「BMW モータースポーツ フェスティバルは2017年、日本ではじめて開催され、その後、ドイツ本国でも開催されるようになりました。2017年以前はBMWサーキットデイというイベントでしたが、そのときより、BMWにフォーカスし、また家族でも楽しめるよう、プログラムなどをブラッシュアップしています。また、BMWとかかわりのある多くの企業が参加しているのも特徴です。BMWは2輪もありますが、本イベントは4輪メインです」と、述べた。
また、参加者のひとりである、BMWのオーナーズ・クラブである「BMWクラブ・ジャパン」の細淵雅邦会長にも話を訊いた。細淵氏が考えるBMWの魅力とは?
「BMWは、“コミュニケーション”を取りやすいクルマであると思います。クルマが、コンディションや性能を、わかりやすくオーナーに伝えるのです。だから乗り手も、クルマのフィーリングを理解しやすいと思います」
ちなみに、細淵会長がBMWに魅了されるようになったきっかけは意外だ。
「私はBMWのエンジンや形から好きになったわけではありません。1981年にミュンヘンで行われたボート競技の世界選手権に行ったとき、ミュンヘンの街でたくさんのBMWが走っているのを見て驚いたのが興味を持ったきっかけでした。その後BMWの歴史、哲学などひとつひとつを知り、その素晴らしさに感銘し、今に至ります」
細淵会長をはじめ、多くのBMWファンを魅了したBMW モータースポーツ フェスティバルは、2020年も開催される予定とのこと。今からどんなイベントになるか楽しみだ。