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ANAの新型貨物機がスゴい!──新型ボーイング777F型機就航!

全日本空輸の新しい貨物機、ボーイング777F型機がまもなく就航する。普段、あまり見る機会のない貨物機の内部などを取材した! 文と写真・稲垣邦康(GQ)
ANAの新型貨物機がスゴい!──新型ボーイング777F型機就航!
ANAが投入する新しい貨物機、ボーイング777F型機。
大型貨物に対応! ANAが力を入れる貨物輸送ビジネス

2019年6月13日、全日本空輸は、新しい貨物専用機(フレイター)であるボーイング777F型機を、東京国際空港(東京都・羽田)でお披露目した。

現在、ANAは767ベースの貨物機、767F型機を12機運航しているが、これらにくわえ、777F型機を2機、導入する。

ボーイング777F型機の全長は63.7m、全高は18.6m、全幅は64.8m。
ボーイング777F型機は、ANAホールディングスで航空貨物運送事業を担う「ANA Cargo」が運航する。
機体の愛称はBLUE JAY。BLUE JAYは、アオカケス(スズメ目カラス科)のこと。
荷物の搬入・搬出用大型ドアは期待後部にある。

777F型機は767F型機に対し、搭載重量は約2倍、荷物室の高さは約1.2倍を誇る。これにより、767F型機では搭載出来なかった貨物(とくに重量の多い荷物)を輸送出来るという。

大型ドアの開閉は電動式。開口部は広く、完成車なども余裕で積み込める。

さらに、航続可能距離も767F型機に対し約1.5倍伸びた(6056km→9070km)。また、燃費効率も大幅に改善され、旧世代の747-200F型機などと比べると50%以上も向上したという。

777F型機は767F型機に対し、搭載重量は約2倍、荷物室の高さは約1.2倍だ。
機内後端部に設置された大型ドア。
大型ドアの横には外部確認用の小窓がある。
フロアには、貨物位置をフレキシブルに調整可能なレールもある。
レール上の移動はすべて機械で操作する。

新型777Fの導入により、輸送可能な商材は増える。これまでの767Fでは難しかった完成車や航空機エンジン、半導体製造装置など大型商材の輸送を積極的に進めるという。

荷主の同乗用シートは4席ある。想定される同乗者は、競走馬輸送時の調教師や、精密機械輸送時の保守・点検者などだ。
シート調整は手動式。
シートのうしろにはPC電源もある。
ギャレーにはコーヒーマシンなどが備わる。なお、キャビン・アテンダントの搭乗予定はなく、かわりに別のANA社員が搭乗し、サービスをおこなう予定という。
キャビン内のトイレは1箇所。

ANA Cargoの杉口広取締役は「大型貨物機導入で、これまで搭載出来なかった商品を積極的に取り扱っていきたい」と、意気込みを述べた。なお、路線網はさらに拡充するという。新たにオーストラリアのパースなどへ就航する予定とのこと。

コクピットは、旅客仕様の777型機をほぼおなじであるが、一部仕様は異なるという。
エンジンはGE製。

新型777Fの就航は、2019年7月2日からを予定する。初便の行き先は上海だ。なお、2019年10月にはシカゴへの就航も予定しているとのこと。今後、羽田・成田両首都圏空港の発着枠増にともない、貨物便の路線網も拡充していくそうだ。

All Nippon Airways Boeing 777 Freighter
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