ワールドカップでの活躍が期待されるラグビー選手、内田啓介が鼻の利く男に愛されてきたディオールのフレグランスをまとう。
内田啓介、“ソヴァージュ”を着る ──「男の香り」はどうあるべきか?
ラグビー選手にとって、香りは装いのひとつです。
ディオールから仕事のオファーを受けると、内田さんはさっそく母親に報告した。
「おかんは声を震わせて、そんなん、あかんで……、厚かましいって。おかんは無類のお洒落好きで、ディオールは永遠の憧れなんです」
そもそも内田家は揃ってフレグランスを嗜む家だった。内田さんが両親の誕生日プレゼントに贈るのは決まってフレグランスというから筋金入りだ。
数あるフレグランスのなかで、ディオールのそれは別格の存在である。1947年に発表されたファーストコレクションでディオールがそのコレクションにラインアップしたのはオートクチュールのウェアとフレグランスだった。母親が丹精込めて育てた庭の草花をこよなく愛したクリスチャン少年にとって、香りは服と同等か、それ以上の価値があったのである。
内田さん本人も「色気づいた」ころから数え切れないほどのフレグランスに親しんできたという。
「これまでフレグランスを切らしたことはなく、いまも10種類はワードローブに並んでいます。学生時代は遊びにいくときにこっそりとつけていましたが、そのころとはがらりと嗜好が変わりました。27歳になった僕がフレグランスに求めるもの、それはジェントルマンの佇まいですね。出かける前にフレグランスを振りかけるのは日課です。そんな僕にとって、ソヴァージュはぴったりの1本です。大人の風格、威厳がありつつ、ほんのりと遊び心も香る」
ソヴァージュを気に入った理由はそれだけではない。イメージキャラクターを務めたジョニー・デップがかねてからの憧れの人だったということもある。
「自分なりのスタイルがあって、彼ならではのインテリジェンス、ユーモア、そして男らしさが立ちのぼってきますよね。彼と同じ色のハットを買ったこともあります。メガネも真似しようと思ったんですが、こっちはまるで似合わなくてあきらめました。ジョニー・デップのような男になれるよう、まずはソヴァージュからはじめることにします」
汗と涙の代わりにフレグランスを
内田さんがラグビーの道に進んだきっかけは、いまでは想像もつかないほど消極的なものだった。
「父はプロを目指した野球選手でした。兄はその手ほどきを受けていましたが、恐ろしいほどのスパルタだった。子ども心に野球は避けたほうが賢明だろうと防衛本能が働いたんですね。となると残るはサッカーですが、こっちはこっちで競争が激しい。近所にスクールがあるのを知って、これ幸いとラグビーを選びました」
ところが、これが面白かった。
「ボールをもったらなにをやってもいいというのが性に合いました。当時の僕はまわりより頭ひとつ大きかったから、次々に同級生を吹っ飛ばしてトライを重ねました」
のめり込むようにラグビーにはまっていった内田さんは念願の伏見工業高校(現・京都工学院高等学校)に進学する。ラグビードラマの金字塔、「スクールウォーズ」のモデルにもなった名門中の名門である。
「フィジカル以上にメンタルに厳しいラグビー部でした。普段の生活がまともにおくれないやつにラグビーはできんと、それは容赦なく育てられました。授業中に居眠りするなんてもってのほか。練習でどれだけヘトヘトになっても、眠い目をこすってがんばったものです」
規律をなにより大切にする環境に身を置いて刷り込まれたのが、道具をきちんと手入れすることだった。
「ドロがついたスパイクでグラウンドに立とうものなら仲間からも白い目でみられます。じっさい、手入れをさぼったばっかりに試合に出してもらえない選手もいましたね。靴の手入れを習慣化するのは、じつは僕にとっては苦もないことでした。靴磨きは幼いころから父に手取り足取り教わっていたのです。僕のスパイクはほかのだれよりもぴかぴかに光っていました」
長じてプロ入りすると、靴磨きは内田さんのなかで単なる手入れ以上の意味をもつようになる。
「靴は磨けば長もちするし、磨いていると革が柔らかくなり、足に馴染んでいきます。しかし、それだけじゃありません。試合にのぞむ姿勢。これも変わってくる。ひとり静かにスパイクを磨く時間はなによりも大切なものです」
磨き上げられたスパイクは、対戦相手にたいする敬意の表明であり、ひいてはラグビーという競技を尊ぶ心である、と内田さんはいいたげだった。
内田さんはフレグランスに「ジェントルマンの佇まい」を求める。ところで、ジェントルマンとは、いうまでもなく「文武両道」の人だ。ラグビーこそはジェントルマン・スポーツの代表格なのだけれど、それというのも、そこでは野蛮なまでの戦闘性と、ほとんど宮廷人のような洗練されたマナーが両立していなければならないからだ。
もうひとつ、スポーツに必至なのはフェアプレイである。「フェア」は、「きれい」という意味だ。
ジェントルマンのスポーツとしてのラグビーは「フェア=きれい」なスポーツでなければならない。ディオールのソヴァージュもまた、ラグビー選手のように野生あふれつつ、フェアなジェントルマンのように「きれい」なフレグランスだ。内田選手に似合わないはずがない。
SAUVAGE EAU DE PARFUM
2015年に発売されたオードトワレに続く第2弾、オードゥ パルファン。フランス語で〝野生の〟を意味するソヴァージュを冠したそのフレグランスは、フレッシュでスパイシーななかに官能的、かつ神秘的なウッドの香りが潜んでいる。60ml: ¥11,000、100ml: ¥15,500
「ソヴァージュ オードゥ パルファン」について詳しくはこちら
内田啓介
ラグビー選手。1992年大津市生まれ。瀬田スポーツ少年団大津ラグビースクールでラグビーをはじめ、京都市立陶化中学→伏見工業高校→筑波大学というエリートコースを経てパナソニック ワイルドナイツに所属。スクラムハーフ。179cm、86㎏。
タキシード ¥530,000、シャツ¥65,000、シューズ ¥99,000〈すべてDior/クリスチャンディオール〉
お問い合わせ
パルファン・クリスチャン・ディオール
Tel.03-3239-0618
https://www.dior.com/beauty/ja_jp/
- Author:
- 竹川圭