2018.12.04

「島テロワール」をご存知ですか?

「竹富島へいらっしゃいませんか」と声をかけてもらったのは10月も後半。夏ではなくて冬に? 11月の沖縄なんて何があるのさ、と正直テンションがあがらない状態でしたが、島に降り立った瞬間、そんな疑念は吹き飛ぶことに。そこには8月の沖縄とはまた違う、素晴らしい世界が広がっていたのでした。

CREDIT :

文/堀川正毅(LEON副編集長)

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シニア層の国内の旅行先として圧倒的1位を誇る沖縄は、LEON編集部でも人気のエリアで、私も年に1度はコンスタントに訪れています。時間がない時は那覇〜名護のあたりを、時間がある時は石垣島や宮古島まで足を伸ばすようにしているのですが、今回訪れたのは、石垣島からフェリーで10分程度のところにある竹富島。「星のや竹富島」が新たにはじめる「島テロワール」を体験するための渡島でした。
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「島テロワール」とは、12月から3月まで提供される、星のや竹富島が考案した冬限定の料理コンセプトで、冬に旬を迎える食材を用いることで表現できるテロワール(天候・土地・人の営み)が織りなす美食を提供する、というものです。この考え方は、2012年の開業時より掲げていた「琉球ヌーヴェル」という、沖縄の食文化と多様な沖縄食材をフレンチの技法で昇華させたお料理で表現する、としていたものをアップデートしたということです。
提供されるお料理は全部で10皿。「アーサーのちんすこう」や「車海老のビスクと人参のクリーム」、「あかね芋のローストとフォアグラのサラダ仕立て」、「マンゴーのババ 泡盛の香り」など、島の味を堪能できるコースで、どれも語り出したら止まらない優しい味わいの品々です。
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そんな新たな試みの中で、私が特に注目したのが「農業」。かつては農業に従事する島民が少なくなかったそうなのですが、観光業が主な収入源となったいまでは携わる人がすっかりいなくなり、島の伝統的な野菜の栽培方法などが失われようとしているそうなんです。そこで星のや竹富島が敷地内に畑をつくり、島民の前本隆一さんの力を借りて、星のやのスタッフと一緒になって野菜作りをはじめたんです。まだまだ小さな畑でしたが、近い将来、宿泊客の食事をまかなえるほどの収穫ができるようになれば、宿の魅力のひとつになることはもちろん、島にとっても大切な文化が継承されることになるというわけです。
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いま沖縄は空前のホテル建設ラッシュ。沖縄本島の北部や南部の借景エリアには国内外の有名ホテルグループがこぞって施設を建てており、数年もしたら風景が一変することになりそうです。変わること、栄えることはもちろん悪いことではありませんし、島民からすると“開発”されることは“豊か”になることでもあるわけで、沖縄は昔のままでいてくれ、なんて部外者が偉そうなことは言えません。けれども、星のや竹富島が取り組んでいる「島との共生」は、これからの観光ビジネスの新しい考え方として、大いに応援したいと思っています。
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余談ですが、11月の沖縄は暑すぎず、さりとて寒すぎず(Tシャツに薄手の羽織りものがあれば十分)、観光客も夏場ほど多くなく、飛行機代もローシーズンで高くなく、先述した通りこの時期ならではの美味しい食材がたっぷりあるなどなど、とにもかくにも最&高でした。今後、堀川家の年イチの沖縄トリップは冬シーズンになる予感です。

というわけで。今年もあとわずかですが
引き続き平成最後の冬を楽しみましょう!

星のや竹富島

沖縄県八重山郡竹富町竹富
「島テロワール」ディナーコース
提供時期/2018年12月10日〜2019年3月3日
場所/星のや竹富島内「集いの館 ダイニング(17:30〜20:30)
料金/1万2000円(要予約)
総合予約/0570-073-066
ホームページ/https://hoshinoya.com/taketomijima/

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