明治6年創業、登録有形文化財の老舗旅館。これぞホンモノの大人の宿！

増改築を繰り返しているため、複雑な構造になっている全4棟の建物。このすべてが、有形文化財。

大広間は、会津桐柾目一枚板の格天井、檜材で組み上げられた檜舞台など、見どころいっぱい。1992年に4極通商サミットの晩餐会が行なわれた場所でもある。

風情のある石造りの階段に、磨き上げられた板ばりの階段。玄関から部屋に向かう途中でも文化財の魅力が漂う。

とはいえ、建物が斜面に建っているため、階段はけっこう急。昔ながらの建物なので、もちろんエレベーターはなし。この大変さもまたよし。

客室のすべてで、寛げる優しい明るさが演出されている。障子や欄間を通したほのかな光はすべて計算して設計されたもの。

ろうそく、竹筒、雪、風の組み合わせで幻想的な美しさを演出する「雪見ろうそく」。点灯本数は約110本。

この冬の予定は12月22日～2月28日。日没から約1時間半点灯される。但し、積雪がない場合は、竹筒が雪に差し込めないため中止。通常レベルの雨天、吹雪なら行なわれる。

中庭に面した廊下から見ることができる「雪見ろうそく」。部屋から眺めれられる客室もある。

天井や落とし掛けなど、すべて桐材にこだわって作られている「桐の間」。本間10畳、次の間6畳の客室で中庭に面している。

明治時代から宮内庁指定棟といわれた特別室の「はなれの間」。3部屋全20畳で専用の浴室、廻り廊下付き。正面の「美酒佳肴」の書は野口英世による。

半円形の明かり障子「火頭窓」が印象的な「菊の間」は、本間10畳、次の間4.5畳の広さ。雪見ろうそくが部屋から眺められる中庭に面した客室。

中庭に向き、池を真下に望む「水仙の間」。春は桜が、冬は雪見ろうそくが部屋から眺められる。書院欄間には、水仙の花に蝶が飛んでいる彫り込みがある。

夕食は安全な調理法で作られた会津の郷土料理。秋のメニューは、定番のこづゆ、鯉の甘煮、にしんの山椒漬けの他、鮎めしや朴葉焼きなど滋味豊かな料理が並ぶ。

昨年の冬メニュー。定番の３品に加え、会津地鶏のあぶり汁や鰹のたたきに山芋を合わせたものなど、体の芯から温める料理がずらり。

大理石の浴槽の「さるの湯」。大きな窓からは、滝の音、そよぐ風、四季折々の景色。露天風呂のような気持ちよさで、温泉浴が楽しめる。

「きつね湯」は、自然湧出の自家源泉から動力を使わず溜めた自然そのままの温泉。45度くらいの熱めのお湯がじわっと体に浸透。お湯の流れ口の湯の華にも歴史を感じる。